121:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/12(日) 23:59:59.95 ID:PVCiXxqLo
すべての眼が、私を見て。
嗤ったような気がした。
次の瞬間。
122:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:01:12.16 ID:mAIq3Puio
避けられない、と思った。
視界に映るそれらすべてが光を集めて、空間を突き破る音が聞こえた。
でも、避けようなんて、もう頭に無かった。
123:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:02:10.16 ID:mAIq3Puio
『それは』
『あの子の骸を』
124:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:03:38.65 ID:mAIq3Puio
立て続けに、頭を殴り付けるように、フレーズが脳裏にフラッシュバックしては消えていく。
衝撃に揺れる私の元に、光が届く。
私の命を狩り取ろうと、迫っている。
125:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:04:48.90 ID:mAIq3Puio
◆
126:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:06:09.67 ID:mAIq3Puio
ただ一つさえ分かればよかった。
それが自分の意のままに動いて、目の前のあれを倒す助けになるのであれば。
今の私に、それ以上の情報は、必要無かった。
127:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:07:01.94 ID:mAIq3Puio
ぎりりと、鎧が嫌な音を立てた。
それは緩慢ながらも巨大な右腕を、振り上げて、重力のままに振り降ろした。
「ちょ、ちょっと……もう!」
128:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:08:10.76 ID:mAIq3Puio
「……お前、後で一発殴らせろな」
やたらとドスの利いた佐倉杏子の声も聞こえた。
いつの間にか私の右を並走している彼女に、心の中で謝っておいた。
129:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:09:26.58 ID:mAIq3Puio
「返すわ」
闇を広げて全てを吸いこんで、一本にまとめて返してやった。
真っ黒に染まった極大の光が胴の中央を貫いて、向こう側の空間に消えていく。
130:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:10:12.84 ID:mAIq3Puio
「ちょっと、我慢してね」
呼び掛けた声を聞く相手は、もうこの世に居ない。
だからきっと、躊躇する理由はない。
131:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/13(月) 00:10:53.52 ID:mAIq3Puio
やがて、鎧の中にいた全ての魔獣どもに翼が届いたと感じて。
私は力を爆発させた。
轟音と共に、何もかもが粉々に砕けた。
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