20: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:04:55.04 ID:9XTpaLhVo
ある日の晩の出来事だった。
その日はとても月が綺麗で、相変わらず勇者は鍛錬に出かけていた。
盗賊がぼんやりと、夜風に当っていると女部屋の扉が開く。
21: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:05:21.81 ID:9XTpaLhVo
―――やるべき事を、やればいい。
勇者と僧侶が戻って来たのを確認した後、盗賊は夜明け前の街へ繰り出していた。
目標はやはり腐った貴族。己が利益の為に、人類に牙を剥く外道。
22: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:06:04.17 ID:9XTpaLhVo
魔法使い「……人間も、人間を殺すんだね」
盗賊「そうだ。人間が必ずしも、魔族の敵と言うわけではないという事だな」
23: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:06:40.34 ID:9XTpaLhVo
魔法使い「……知ってるの、二人は」
盗賊「勇者はとうの昔に感づいている。何度かそれとなく咎められはしたけどな」
24: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:07:24.83 ID:9XTpaLhVo
勇者「―――大雷撃魔法!」
魔法使い「いっけーっ! 大火炎魔法っ!」
25: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:08:44.63 ID:9XTpaLhVo
遡ること数時間前。
盗賊の早朝、一番の早起きだった。村はやけに活気がなく、人っ子一人出歩いていない。
不審に思いながらも宿屋から出ると一人の男に声をかけられた。
26: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:09:14.32 ID:9XTpaLhVo
智将「盗賊、と言ったかな。貴様が一番厄介だった。人間を使い、お前らを始末しようとしてもしくじるばかり」
盗賊「と……ぜん、だな……まぬけ、め……」
智将「だがな、この村は魔王城の近くと知っているだろう。ならばこそ、人間が生きていられる環境なものか」
27: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:09:42.41 ID:9XTpaLhVo
盗賊「よぉ……お寝坊さん」
勇者「すまない……僧侶、頼む」
28: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:10:39.46 ID:9XTpaLhVo
智将「まあ良い。先ずは貴様らだ……二人、削ったも同然だ」
勇者「何を……」
29: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:11:26.35 ID:9XTpaLhVo
勇者「貴様―――許さないぞっ!!!」
智将「許さんのはこちらだ。魔王様に歯向かう屑共。絶望の中で、嬲り殺してやる」
30: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 10:12:01.73 ID:9XTpaLhVo
――そうして、戦いが始まり。
勇者と魔法使いが魔法を連発し、軍勢をなぎ払い続けていた。
軍勢の奥で智将はほくそ笑んでおり、じわじわと軍勢が数を減らしつつも焦る様子はなかった。
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