42: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:30:44.82 ID:ZdmxBY5ao
魔法使い「でも、最近ちょっと酷くて……勇者様、女部屋でもするようになってさ」
「僧侶さん、頑張って声殺すんだけど、まあ無理じゃない? それでもうなんか、辛くてさ」
今日こそ男部屋だったが、最近は女部屋で情事に移る事が多いのだろう。
43: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:31:22.25 ID:ZdmxBY5ao
それから毎晩、盗賊の帰りを待つ魔法使いと夜風に当っては二人が寝入った頃にベッドに帰る日々が続いた。
勇者が女部屋へ行く時は魔法使いはそれとなく、僧侶に事前に聞いて外出していた。
そんな旅が続けば……崩壊する事は、自明の理か。
44: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:31:59.13 ID:ZdmxBY5ao
その日の晩の事だった。
最後の街にて、四人は確りと魔王城への対策を練っていた。
勇者「――――以上、こういう風に攻めたいと思う」
45: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:32:25.94 ID:ZdmxBY5ao
僧侶「……では、確りと準備をして明日を迎えましょう」
言うや否や、僧侶は自室へと向かう。勇者はその後を追い、何やら耳元で囁く。
少し驚いた様に、僧侶は勇者へと振り返る――そして、思いつめた様に盗賊を見て。
46: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:33:19.36 ID:ZdmxBY5ao
―――その晩、やはり勇者は起き上がり外へと出た。
盗賊は行ったか、と溜息をつきながら彼もまた外出の準備をする。
魔王信仰者にバレてはいないだろうが、この宿屋を見張るくらいはせねばなるまい、と。
47: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:33:54.00 ID:ZdmxBY5ao
盗賊「……見張り。ていうか、なんで此処にいるんだ。勇者は……?」
僧侶「まあ、良いじゃないですか」
48: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:34:24.37 ID:ZdmxBY5ao
僧侶「最後の夜くらい、私に、優しくしてくださいませんか」
盗賊「……お前は、勇者と好き合っているじゃないか」
49: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:34:53.06 ID:ZdmxBY5ao
「―――――ぁ、め」
50: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:35:20.20 ID:ZdmxBY5ao
盗賊「悪いが、俺は惚れた女しか……抱かないんでね」
僧侶「……私は、違うと」
51: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:35:46.80 ID:ZdmxBY5ao
数時間、外の風に当って呆けていた。
途中、魔法使いが外へ出て来て、申し訳がちに「ごめん」とだけ呟いた様だった。
盗賊は特に反応する事もなく――情事の終わりを感じて、自室へと戻った。
52: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/16(木) 00:36:15.21 ID:ZdmxBY5ao
盗賊(俺は僧侶に救われた。勇者の為にこの手も汚した。魔法使いも大事な仲間だった)
だけど、盗賊の心は今、濃霧に包まれた様な感覚に染められていた。
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