過去ログ - 八幡「誕生日ってなんだろうな」
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22: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:01:53.03 ID:fe/1sMHr0





以下略



23: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:02:58.67 ID:fe/1sMHr0
クラッカーの炸裂音が響くと、反射的に体がびくりと震えた。それは我が家の愛猫も同じで、とっとっとっと軽快な足取りで俺の脚をかすめ、リビングを出ていく。
状況が理解できない。そんな心境で、目の前の3人をただぼうっと見据える。

「ぷっ、あはは! ヒッキー驚きすぎでしょ」

以下略



24: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:04:09.35 ID:fe/1sMHr0
「え? 見てわかるでしょ? ヒッキーの誕生パーティだよ」

「自分の誕生日も覚えてないの?」

「いや、それはわかるが。えー?」
以下略



25: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:05:47.35 ID:fe/1sMHr0
くすくす笑いが止まらない雪ノ下に射るような視線を浴びせても、それを意に介すことはない。それにつられるように由比ヶ浜と小町も笑いだす。何なんだ一体……。

「そうそう、お兄ちゃん。ろうそく買ってきた?」

「買ってきたけど」
以下略



26: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:07:37.54 ID:fe/1sMHr0

「俺18歳なんだけど」

「わかってるよ。だからこれから足すんじゃん」

以下略



27: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:08:55.38 ID:fe/1sMHr0

「やっぱなんか……浮いてるな」

彩どり豊かなろうそく達の中に、飾り気のまったくないろうそくが3本鎮座している。それは客観的に見ても少し変に見えてしまう。

以下略



28: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:10:44.84 ID:fe/1sMHr0

「よーし。どなたか電気消していただけませんか?」

「あたしが行くよ」

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29: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:12:22.80 ID:fe/1sMHr0
小さな火が造る幻想的な光景の中、3人と顔を見合わせる。息を大きく吸い、ふーっと目の前に吹きかけた。1回では消しきれず、同じ動作をもう1回。
最後まで抵抗を見せていたろうそくの灯も完全に消え、リビングは静かに暗闇に包まれた。
どこからともなく、拍手の音が聞こえる。

「お誕生日、おめでとう」
以下略



30: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:13:49.01 ID:fe/1sMHr0


誕生日ってなんだろうなと、朝からなんとなく考えていた。
その答えが、今になってようやくわかった気がした。

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31: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:15:15.39 ID:fe/1sMHr0


自分がそういう風に感謝されるのは、ひどくむず痒い。身を捩るような思いだ。
けれど。人から想われるのって、本当に、なんて幸せなことなんだろうか。

以下略



32: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:16:21.46 ID:fe/1sMHr0
短いですが終わり。ヒッキーおめでとう


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