過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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202: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:46:44.29 ID:s8phhYh5O
Pは、ここで初めて、目の前の美しい少女の名を知ることとなった。

「私は渋谷凛。今日からよろしくね」

それは、変に愛嬌を振りまくこともなく、気取ることもない、端麗―クール―な名乗り。
以下略



203: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:47:14.26 ID:s8phhYh5O
相変わらず、何を考えているのかよく判らない無愛想な表情で、右手を差し出してきた。

勿論、何かをねだる仕種ではない。

凛の方から握手を求めてくるなど、Pは意外に思ったのか、目を少しだけ大きくした。
以下略



204: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:53:34.47 ID:s8phhYh5O


――

「さて、ではそろそろスタジオへ向かいましょうか。プロデューサーの皆さんも、一緒についてきてください」
以下略



205: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:54:02.76 ID:s8phhYh5O

ほどなくしてスタジオへ到着すると、社長以下男性陣は、打ち合わせと称して別の部屋へ入って行った。

凛たちは先日と同様、更衣室で着替え、鏡張りの壁の前で、明・慶と正対する。

以下略



206: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:54:38.65 ID:s8phhYh5O

本日のメニューは、ダンス。

柔軟運動ののち、基礎のステップ、また同じく基礎のスタイルポジションの講義を受け、いざ実践へと移ると――

以下略



207: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:55:08.71 ID:s8phhYh5O
この年頃の者にとって、一週間の集中と云うものは意外と大きい。

実際、持久力や筋力が、わずかではあるが、実感できるくらいには伸びていた。

朝、通学電車へ乗り遅れそうになって駅の階段をダッシュしても息切れしにくくなったし、
以下略



208: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:55:49.09 ID:s8phhYh5O

ダンスとは、見た目以上に過酷な運動である。

数十キロある人間の体躯を、或る刻は飛び跳ねさせ、また或る刻は不安定な姿勢のまま支える。

以下略



209: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:56:20.32 ID:s8phhYh5O
「はいそこで脚を引きながら腕をピタっと止めます! 未央ちゃんは力を入れ過ぎて反動が大きいですよ!
 凛ちゃんは逆に流れちゃってて足許も疎かです!」

明が全体を眺めて指示を出し、慶は凛の身体に手を添えて「右脚はここに持って来て」とガイドする。

以下略



210: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:56:47.92 ID:s8phhYh5O
凛は驚愕した。

自分はもう腕や脚に力を入れることすらままならないのに。

肺の求めに応じて息を大きく吸い込むことしか出来ないのに。
以下略



211: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:57:26.01 ID:s8phhYh5O

「はい! じゃあ少し休憩しましょう」

数十分ほどののち、明がパン、と手を叩いて云う。

以下略



212: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 02:58:02.04 ID:s8phhYh5O
「よ、予想、以上の……運動量、だね、これ……」

酸素を多く求める呼吸の合間に、短く切った言葉で卯月に答えた。

明も傍に寄り、
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