過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える 続きと終わり
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 17:45:32.09 ID:kAKMmD4ho
しかし、私は自分が傷つくのが嫌で、周りを寄せ付けないようにしていただけだ。あんな後悔を二度としたくなくて、姉さんの強さを真似しようとしただけだ。
そう思っているからこその発言なのに、彼はそれを否定する。
「お前らしさは、お前のものは最初からちゃんとあるだろ」
以下略
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:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 17:45:58.73 ID:kAKMmD4ho
犬の散歩に行くので休憩
22
:
名無しNIPPER
[sage]
2015/10/17(土) 17:52:26.48 ID:CF6b0Sj7o
乙です!
23
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:40:48.38 ID:kAKMmD4ho
決していい出会いではなかったと思うが、不思議と忘れたことは一度もなかった。
あのときの彼との問答の記憶は、いつでもすぐ取り出せる場所にある。
「お前の言葉は強く印象に残った。特に、変わらなければ誰も救われないってところだ」
以下略
24
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:41:40.35 ID:kAKMmD4ho
「元のお前は強くなかったとしても、変わろうとしたお前自身は、変わろうとしたこと自体は誰かの真似でそうしようとしたわけじゃねぇだろ。俺が憧れてたのは、過去を否定するんじゃなくて、弱さを肯定した上で変わろうと足掻くお前の在り方なんだ」
言葉が出ない。彼がそんな風に私を見てくれていたなんて。
「世の中に、この世界に自然に真っ直ぐになるもんなんて存在しねぇんだよ。だからお前の、なりたいものに向かって真っ直ぐ進もうとする姿勢はきっと、お前自身の強さによるものだ。俺はずっとそこに憧れて、惹かれて……」
以下略
25
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:42:25.91 ID:kAKMmD4ho
「……俺はずっと前から、雪ノ下のことが、人として、一人の女の子として好きだった」
飾り気のない、愚直なまでに真っ直ぐな言葉。それ故に、私の心に大きく響き、揺らす。それでも彼は飽き足らず、さらに私に畳み掛ける。
「今はもっと、前よりもずっと、強い部分も弱い部分も、真っ直ぐな部分も、素直じゃない部分も全部、雪ノ下の持ち物全部が好きだ。だから、俺と……」
以下略
26
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:43:07.42 ID:kAKMmD4ho
暫くの間、呻き声のような私の嗚咽だけがここに存在する音の全てだった。
彼は見守るようなまなざしで私を視界に捉え、待ってくれている。
私も目を逸らしてはいけない。どれだけみっともなかろうと、不格好だろうと、決して目を離してはならない。
以下略
27
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:44:23.73 ID:kAKMmD4ho
「…………そうか」
話し始めたときから動かなかった、私を捉え続けていた目が下に落ちる。しかしそれはごく短い時間だった。
すぐに顔を上げ、寂寥の眼で私に問い掛ける。
以下略
28
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:45:52.16 ID:kAKMmD4ho
私は彼女のことも失いたくない。かけがえのない友人だと思う心に偽りはない。
そんな彼女は誰よりも暖かくて優しいから、私が後ろめたさという理由で退こうとするなら、自分を抑えて私の背中を押そうとしてくれるのかもしれない。
そうすると、負い目から私は彼女と友達では居られなくなるかもしれない。
以下略
29
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:46:26.04 ID:kAKMmD4ho
それ以前に、彼と並び立つ資格が今の私にはない。私自身がそう思っている。
「…………それよりも、今あなたにすがってしまうと、私はきっと、一人で立てなくなってしまう」
見栄も虚勢も似非も欺瞞もない、本当の私。
以下略
30
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2015/10/17(土) 19:47:07.91 ID:kAKMmD4ho
「……なら、待つよ。いつまででも、お前が立てるようになるまで。それからならいいだろ」
「待つって……いつになるかわからないのよ?ううん、もしかしたらそんな時なんてずっと来ないかもしれない。私は比企谷君が思うより、ずっと弱い人間だもの」
「それでも待つ。俺は……お前を、雪ノ下を信じてるから、いつまでだって待てる」
以下略
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