過去ログ - 唯「われなべ!」梓「とじぶた!」
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29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:23:53.71 ID:bw1SoqCW0
唯先輩は缶酎ハイのプルトップを開けたまま口もつけずにそのまま、わたしと反対の方の夜空を見上げていた。

「…唯先輩?」

飲まないんですか?、と声をかけようとした瞬間、
以下略



30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:24:37.07 ID:bw1SoqCW0
「そうだよ。好きだよ、りっちゃんが」

振り向いたその顔は涙でくしゃくしゃになっていて、
それを見てしまったわたしはもうなにも言えなかった。

以下略



31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:25:54.73 ID:bw1SoqCW0
東の空が白んで見え始めた頃、ようやく落ち着いた唯先輩が顔をあげた。

「ごめんね、あずにゃん。ダメな先輩で」

「…いまさらですよ」
以下略



32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:26:38.04 ID:bw1SoqCW0





以下略



33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:27:29.39 ID:bw1SoqCW0
「…帰ろうか」

「…そうですね、帰りましょう」

そう言って唯先輩はわたしの手を握った。
以下略



34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:29:12.31 ID:bw1SoqCW0
唯先輩はまっすぐ前を向いたままわたしの顔を見ようとしない。
クサい息を避けているのか。
それとも。

わたしは答えない。
以下略



35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:30:20.01 ID:bw1SoqCW0
「…唯先輩?」

不意に唯先輩が立ち止まった。
それからわたしをぎゅっと抱きしめる。

以下略



36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:32:00.67 ID:bw1SoqCW0
ブルブルと、ケータイのバイブが震えた。

「…」

手と手が離れる。
以下略



37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:32:39.15 ID:bw1SoqCW0
「りっちゃんかー」

「…」

「今起きたのかな? そんなわけないか。ずっと起きてたのかな」
以下略



38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:35:26.57 ID:bw1SoqCW0
「ちょ、ちょっとあずにゃん」

ああやっぱり。
自分の気持ちに嘘なんてつけないんだなぁ。
好きだって気持ちはカンタンになくなるわけ、ないよね。
以下略



39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:38:27.91 ID:bw1SoqCW0
目の前を鴨川が流れている。
出町柳の橋の真ん中あたりで立ち止まったわたしは、
堪えきれずに橋の上から盛大にゲロを吐いた。


以下略



40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:40:08.79 ID:bw1SoqCW0
さっきまでのあなたはなんだったんですか。
子供みたいにわぁわぁ泣いてたくせに。
好きなくせに。
律先輩のこと、好きなくせに。
澪先輩に勝てないことがわかって、落ち込んでるくせに。
以下略



41:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:41:57.00 ID:bw1SoqCW0
「ありがとう、あずにゃん」

なんで急に、お礼なんて言うんですか。

唯先輩は離してくれない。
以下略



42:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:43:33.43 ID:bw1SoqCW0


「わたしね。全然平気じゃないんだよ。
 もし平気に見えるとしたら、それはあずにゃんのおかげだよ。
 だからありがとう、あずにゃん」
以下略



43:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:45:22.71 ID:bw1SoqCW0
「ありがとう。大好きな人にフラれちゃった夜に、一緒にいてくれて」

しばらくして唯先輩がわたしの身体を離すと両肩に手を置いた。
ふたつの瞳がわたしを見つめていた。
タクシーが通りを走っていく。
以下略



44:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:46:03.25 ID:bw1SoqCW0


いいじゃん。
いいじゃん…。

以下略



45:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:47:24.65 ID:bw1SoqCW0
次の瞬間、
むわぁっと強烈なニンニクの臭いが鼻腔をついた。

「◯*×&△!◇?#$!?」

以下略



46:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:48:09.57 ID:bw1SoqCW0
もう一度、目の前に手が差し出された。
わたしは注意深く間合いをとってをその手を握る。
そんなに警戒しなくても、唯先輩は不満げにいう。
そりゃ警戒しますよ。あんなことされたあとですから。
わたしとあずにゃんの仲なのに。
以下略



47:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:49:04.87 ID:bw1SoqCW0
「特別、かぁ」

唯先輩が大きく息を吐いた。
白い息がふわふわと舞う。
綺麗に見えるけど、これ、クッサいんだよなぁ。
以下略



48:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/10(火) 21:50:44.78 ID:bw1SoqCW0
「手を繋いでくれるひとがいるって、しあわせだね」

「・・・ですね」

「こんなときだから、余計にね」
以下略



49:名無しNIPPER[sage]
2015/11/11(水) 00:03:22.96 ID:8xk62minO
おつです
なるほど、こういう形のゆいあずも有るのか…


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