903:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:04:59.14 ID:GUkSZoj/o
るーが、何かをうかがうように、俯いた。
「でもさ、それが本当に、ただの不幸かなんて、わからないんだよ」
904:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:05:28.42 ID:GUkSZoj/o
「わたしが、もしも、もう少し強かったら、もう少し器用だったら、もう少し周囲に溶け込めてたら……。
そう思うときもあるけど、もしそうだったらわたし、きっと……遊馬に会えてなかったんだよ」
「……」
905:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:06:18.88 ID:GUkSZoj/o
◇
ちょっと散歩してくる、とそう言って部屋を出た。
906:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:06:49.95 ID:GUkSZoj/o
携帯を取り出して、ラインの画面を呼び出した。
少しだけ迷って、意外とまだ早い時間だということに気付いて、コールした。
よだかはすぐに出た。
907:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:07:54.09 ID:GUkSZoj/o
「なあ、よだか、俺は、何か間違ったのかな」
「どしたの、たくみ?」
908:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:08:23.24 ID:GUkSZoj/o
「もっとできなきゃだめだ、とか、どうしてこんなにできないんだって思うのはさ、たくみ。
それは、もっとできるはずだっていう自信とか、傲慢さとセットなんだと思うよ」
「……」
909:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:08:56.10 ID:GUkSZoj/o
「世界はもっと公平で、うつくしくて、やさしくあるべきだって、そう思うから、
たくみはそういうものに苛立つんだと思う」
やわらかい夜風が火照った頬を撫でていく。
910:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:09:32.56 ID:GUkSZoj/o
「どうかな」とよだかは言った。
「なにが?」
911:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:09:59.52 ID:GUkSZoj/o
◇
酔っぱらった頭のなかで、いろんなことがぐるぐると巡っていた。
912:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:10:52.24 ID:GUkSZoj/o
「おまえは、それでいいのかもしれないな」
スクイは不意に、そんなことを言う。
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