908:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:08:23.24 ID:GUkSZoj/o
「もっとできなきゃだめだ、とか、どうしてこんなにできないんだって思うのはさ、たくみ。
それは、もっとできるはずだっていう自信とか、傲慢さとセットなんだと思うよ」
「……」
909:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:08:56.10 ID:GUkSZoj/o
「世界はもっと公平で、うつくしくて、やさしくあるべきだって、そう思うから、
たくみはそういうものに苛立つんだと思う」
やわらかい夜風が火照った頬を撫でていく。
910:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:09:32.56 ID:GUkSZoj/o
「どうかな」とよだかは言った。
「なにが?」
911:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:09:59.52 ID:GUkSZoj/o
◇
酔っぱらった頭のなかで、いろんなことがぐるぐると巡っていた。
912:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:10:52.24 ID:GUkSZoj/o
「おまえは、それでいいのかもしれないな」
スクイは不意に、そんなことを言う。
913:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:11:18.45 ID:GUkSZoj/o
「藤宮ちはるといると、楽しいかい?」
いつかした、そんな問いかけを、スクイは俺に向ける。
914:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:12:09.71 ID:GUkSZoj/o
「最初からわかってたことだよな」
そう、スクイは言う。
915:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:12:40.97 ID:GUkSZoj/o
たぶん。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
916:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:13:12.28 ID:GUkSZoj/o
「要するに俺は、目標の達成を急ぎすぎたんだな」
「急ぎすぎた」
917:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:13:38.94 ID:GUkSZoj/o
「かわいそうな子の役は嫌だってよだかに言われたとき、俺はぎくりとしたんだ」
「……」
918:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 00:14:05.22 ID:GUkSZoj/o
「じゃあ、仲直りだ」
そういって、スクイは俺に手を差し出した。
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