過去ログ - 美希「第一歩なの」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:21:35.20 ID:U3uWc7f60
「ありがとう、星井さんも事務所に入るの?」

「ミキでいいよ。ミキはね、まだ事務所に入ってないの。最初は入るつもりもなかったんだけど、千早さんの歌を聞いてからは入ってもいいなって思ってるよ」

美希が言うと、隣にいた律子が口を挟んだ。
以下略



32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:23:33.97 ID:U3uWc7f60
「律子さん、それって本人の前で言っちゃダメなんじゃ……」

小鳥がおずおずと指摘すると、律子はしまった、というような顔をした。

「ま、まあそんな話はともかくとして、美希、さっき言ってたキラキラって何?」
以下略



33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:27:47.59 ID:U3uWc7f60
「気にしないで。すぐに支度できるわ」

千早が答え、間もなく三人は楽屋から出た。楽屋の外で待つ三人だったが、出し抜けに律子が美希を呼んだ。

「そうだ、美希」
以下略



34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:30:09.97 ID:U3uWc7f60
「うん……あの、小鳥さん、律子さん!!」

美希が珍しくまじめくさった態度をとったので、二人は物珍しそうに美希を見た。

「ミキ……私を、765プロに入れてください!私、がんばりますから……なの」
以下略



35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:31:48.81 ID:U3uWc7f60
「とにかく、親御さんの了解もなしにいきなり契約なんかしたら警察沙汰になるでしょう?美希の家には後々社長と私たちどちらかが挨拶に行くから、その時まで待ってなさい」

律子が言うと、小鳥も続いた。

「美希ちゃんはもう765プロの仲間だから、困ったことがあったらいつでも言ってね。そういえば、千早ちゃんは準備できたかしら?」
以下略



36:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:33:27.05 ID:U3uWc7f60
十二月近くにもなると日も短い。美希が空を見上げると、東の空は藍色に染まりつつあった。

「ねえ律子、さん、アイドルって普段何してるの?昼寝?」

美希が尋ねると、律子は呆れたように答えた。
以下略



37:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:35:19.52 ID:U3uWc7f60
「わかったの。それじゃ、律子……さん、千早さん、ばいばい!」

美希は元気に挨拶して、小鳥とともに駅の方へ歩いて行った。
残された律子と千早は、しばらくの間歩き去る二人の後姿を見つめていた。
やがて、律子が口を開いた。
以下略



38:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:36:56.03 ID:U3uWc7f60
「あ、そういうことね。それなら大丈夫よ。誰かがしっかり見張っていれば」

「そうね……千早、私が美希のプロデューサーになれば、美希はトップアイドルになれると思う?」

律子は先に述べたようにプロデューサー志望である。
以下略



39:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:38:51.38 ID:U3uWc7f60
「律子がプロデューサーじゃ駄目だと思うわ。だって律子、美希に甘いじゃない。」

「私が美希に甘い?」

「ええ。甘いというよりは、厳しくないと言った方が正確かもしれないわね。でも、ほとんどの人は美希に厳しくするなんてできないと思う。だってあんなにかわいいじゃない。よっぽどの鈍感じゃないと、美希に厳しくするなんて無理よ。レッスンの時も、トレーナーが美希に全力を出させることができるか疑問ね」
以下略



40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/24(火) 22:40:23.97 ID:U3uWc7f60
千早は、律子が厳しくないと言ったが、本心ではたとえ美希に対してであっても厳しい指導を行い、トップアイドルにする力があると思っていた。
それでも律子が美希のプロデュースに向かないと言ったのは、律子がアイドルをしている姿が好きだったからだ。

千早が事務所に入ってきた初め、事務所を支えていたのは律子だった。
当初は、千早には律子がはるか遠くの偉大な人物に思えたものだ。
以下略



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