過去ログ - シェアハウス (オリジナル百合)
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1: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/01(月) 23:22:11.20 ID:VPN/lxQ10
百合 エロ
たぶんサイコホラー
胸くそ注意



泣き虫って、目元に黒子ができるらしい。
私はできなかったけど。
第一印象ではしっかりしているとよく言われる。
悲しいこと、嬉しいこと、褒められること、怒られること、なんでもないこと。
心の琴線に引っかかれば、とにかく目元は潤った。

小学3年生の時。
鼻を真っ赤にさせて、沢山ティッシュを使った。
友達の家の。
その日は、友達のペットの老犬が死んでしまった日だった。
帰り道に友達の母親から知らせを受けて、帰りつく前に視界が歪んで前を歩けなくなってしまった。
浮き袋になるんじゃないかと言うくらい、体中の水分を出しきった。

『よく泣くよね。妻鳥さんが泣くことなくことないのに』

『ッ……だってッ』

『モネ、苦しまずに死んだそうだから』

『うッ……モネ』

そのまま、泣き疲れて、寝た。

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2: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/01(月) 23:29:10.59 ID:VPN/lxQ10
中学2年生の時。
最愛のおばあちゃんが糖尿と肺炎をこじらせて死んでしまった。
ベッドに横たわって、食べた物を吐き出して、痙攣する姿を見たのが最後だった。

その日、友達と宿題をするために、
以下略



3: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/01(月) 23:49:58.33 ID:VPN/lxQ10
友達の愛犬もおばあちゃんも灰になり空に舞い、季節は巡り。
社会人一年目の春。
最後の荷物を車に詰め込み、ついに、念願の一人暮らし。
会社に近いアパートに引っ越すことになった。
会社と言うのは市をまたいだ所にある。
以下略



4: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/02(火) 00:05:05.36 ID:7ST6craS0
一人暮らしの拠点を一緒に探してくれたのも友達だった。
部屋の家具家電を一緒に選んでくれたのも友達だった。

アパートを管理している不動産屋さんに挨拶して、
鍵と契約書を受け取った時、真剣に、共稼ぎすることまで考えてくれてたのに。
以下略



5: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/02(火) 00:05:51.87 ID:7ST6craS0
眠くて目を開けてられないのでまた明日


6:名無しNIPPER[sage]
2016/02/02(火) 01:39:43.32 ID:WvNaxUPGO

続きも楽しみにしてる


7: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/03(水) 22:14:40.23 ID:js3SwMrT0
しょうがないので、自宅の方に電話した。
電話に出たのは、妹の方だった。

「あ、もしもし……祭ちゃん?」

以下略



8: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/03(水) 22:27:58.21 ID:js3SwMrT0
桃ちゃんは写真では見たことある。
長い黒髪のお人形のような白い肌。
写真では目を閉じてしまっていた。
実際に話したことはなく、友達を介してしか知らない。

以下略



9: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/03(水) 23:02:46.02 ID:js3SwMrT0
その夜、隣の家の洗濯機がごうんごうんとよく回っていた。
暴力的なその音にびくつきながら私はため息を吐く。
一人暮らし一日目は、切れの悪いスタートだった。

それから1ヶ月が経った。
以下略



10: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/03(水) 23:03:49.61 ID:js3SwMrT0
眠いのでここまで


11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/04(木) 03:52:52.23 ID:eSwlgIG2O



12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 10:44:36.27 ID:CnMOex1r0
住めば都とはよく言ったもので、確かに2ヶ月くらい経つとだいぶ慣れてきて、
帰って明かりをつけて部屋の広さを実感しては、それなりにほっとするくらいにはなった。

親が送ってくれたレトルト食品やインスタント食品は、
今まであまり手を出したことはなかったけれど、
以下略



13: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 10:58:49.93 ID:CnMOex1r0
とある休日。
食料を調達しようといそいそと身支度して、
近所の人しか集まらなさそうな産直市に出かけた。
大きな袋に野菜を一杯詰め込んでアパートの階段を登る。
鉄筋のカンカンと響く音が、上から聞こえた。
以下略



14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 11:12:32.89 ID:CnMOex1r0
朝はパン食。
昼は社員食堂。
夜は和食。

という食のリズムが整い始めた頃、ふいに台所に立っている時にそれはやってきた。
以下略



15: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 14:55:20.40 ID:CnMOex1r0
連休が過ぎ去った頃には、どうしても祭ちゃんに会いたくなってしまっていた。
連絡はやはり通じなかった。
突然行ったら驚くだろうけど。
病気で入院中とかでなければそれだけでも――。

以下略



16: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 15:10:32.69 ID:CnMOex1r0
「お母さんも何度もインターホンを鳴らしたけど、出なかったわ。お家はまだ売り払ってないみたいだけど」

憶測ばかりで全く真実味の無い母の言葉を背に受けながら、私は急いで玄関を飛び出した。
年代物のバイクにまたがって彼女の家へと向かう。
5分くらいで彼女の家の庭木が見えた。
以下略



17: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 15:20:45.36 ID:CnMOex1r0
「もし」

その声に、私は飛び上がった。

「あッ」
以下略



18: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 15:37:52.96 ID:CnMOex1r0
急にいなくなったなんて、にわかには信じがたい。
でも、家の中に入って確かめるなんてこともできない。
こういう時、電気とか水道のメーターとかを調べたりするんだろうけど。
でも、この家には本当に誰もいないのが分かってしまった。

以下略



19: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 15:38:19.73 ID:CnMOex1r0
ちょっとここまで
続きは夜に


20:名無しNIPPER
2016/02/05(金) 17:32:55.38 ID:ZXynAwHZO



21: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/05(金) 17:46:36.66 ID:CnMOex1r0
次の日、祭ちゃんの写真をたくさん家に持って帰った。
家に帰って、雑貨屋さんで無地のアルバムを買った。
沢山あって全部は入らなかった。
特にお気に入りなのは中学校頃の。
まだ互いに化粧なんてしてなかった頃の写真。
以下略



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