過去ログ - 真「二人の幸せのために」
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69:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:33:46.48 ID:XmKtMl4U0

何もかもが順調に運んで幸せそうな雪歩の笑顔を見ていると、雪歩に対して抱いていた後ろめたさが消えてゆくのを感じた。あの時の償いが出来た気がしてホッとする。
雪歩が許してくれても、ボクは自分自身をまだ完全には許せていなくて……友達のはずなのにどうしても雪歩に一歩引いた接し方をしてしまう自分が嫌だった。

だけどこれでやっと本当の友達に戻れる。本当の笑顔を雪歩に向けられるんだ。
以下略



70:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:36:42.11 ID:XmKtMl4U0

――それから1年後――

ボクは事務所の応接室のソファーに座って小説を読んでいた。窓から差し込んでくる春の柔らかい日差しがボクを包んでいて、なんだか眠たくなってくる。
小説に目を落としながらも内容は頭に入らずボンヤリとしていると、コンコンとノックの音が聞こえ、応接室のドアが開いた。雪歩だ。
以下略



71:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:39:28.96 ID:XmKtMl4U0

「真ちゃんどうしたの?早く行かないと遅刻しちゃうよ?」

首を傾げながら訝しげにボクを見つめる雪歩の言葉にハッとして急いで準備をする。

以下略



72:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:41:48.77 ID:XmKtMl4U0

早くプロデューサーの所に行きたいのか、少し急ぎ目に先を歩く雪歩に引っ張られる様に歩を進める。

その後姿を見つめながらボクは胸が掻き毟られる様な想いに囚われていた。

以下略



73:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:44:41.48 ID:XmKtMl4U0

皮肉な事に、ボクが雪歩への思いに気付いたのはプロデューサーがきっかけだった。

プロデューサーを想い、想われる関係が続くうちに、雪歩はどんどん綺麗になっていった。外見ではなくて内面から溢れ出るような美しさを身に付けていった。
これが“本物”の関係の力なんだろうかと思ったりして、“偽物”の関係を続けない決断をした自分の判断は正しかったのだと安心した。
以下略



74:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:46:38.38 ID:XmKtMl4U0

何度も言うように、ボクがこの気持ちに気付けたのはプロデューサーのおかげだ。ボクが傷つけた雪歩を助けてくれたのもプロデューサーだ。
だからこそボクには二人の仲を引き裂くようなマネは絶対にできない。

それに……「好きじゃないから別れたけど、好きになったからもう一度付き合おう」なんて……言える訳が無かった。
以下略



75:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:50:16.89 ID:XmKtMl4U0


「雪歩……愛してる。」


以下略



76:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:51:55.26 ID:XmKtMl4U0

事務所の階段を下りきると、通りの少し離れた位置にプロデューサーが車を駐車して待っているのが見えた。運転席のドアの横に立ち、こちらに向かって手を振っている。

雪歩もプロデューサーに手を振り返す。それに合わせてボクも元気よく腕を振った。
自分の気持ちがどうであれ、それを二人との関係に持ち込むつもりは無かった。
以下略



77:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:58:53.38 ID:XmKtMl4U0

プロデューサーの元へ小走りに駆け寄る雪歩。その瞳にはプロデューサーが映っている。ボクの手を握る力も心なしか弱まっているように感じられた。

走りながら雪歩と繋がれた手に目を落とす。恋人の時のように指が絡まっていないから、ボクが手の力を抜けば二人を繋ぐものは無くなるだろう。

以下略



78:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 22:02:46.48 ID:XmKtMl4U0
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
真が前を見つめているからバッドエンドではないと思ってる。



79:名無しNIPPER[sage]
2016/02/13(土) 22:03:50.87 ID:CzNWuxyIo
バッドではないが…切ないなぁ…


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