6:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:28:13.27 ID:a+M0FpcZ0
「それでは、早速願いを申し付けて下さい」
「俺は・・・・・・」
人間とは、醜い生物である。
あんな話を聞いてもなお、願いという存在に惹かれ、叶えようとするものなのだから。
7:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:30:37.11 ID:a+M0FpcZ0
−−−
俺、朝霧 陸人は、平凡な少年だった。
勉強も運動も、よくも悪くもなくというか、特にこれといった長所も短所もなかった。
そんな俺は、高翌嶺の花に恋をした。
8:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:32:55.73 ID:a+M0FpcZ0
−−−
「それじゃあ、一つ目は・・・・・・冬村さんが、俺のこと好きになるようにしてよ」
俺が言うと、ランプの精は首を傾げた。
9:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:35:05.52 ID:a+M0FpcZ0
−−−
「冬村さん。何描いてるの?」
「ひゃっ・・・・・・えっと、朝霧君?どうしたの、急に・・・・・・?」
10:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:37:05.71 ID:a+M0FpcZ0
「うわ・・・すごい。上手いね」
「なんか、照れるな・・・・・・朝霧君に褒められると」
「いやぁ、ホントすごいって。良かったら、今度他にも見せてくれないかな?」
「え、でも、私の絵なんて・・・・・・」
「君の絵はすごいよッ!」
11:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:39:32.37 ID:a+M0FpcZ0
−−−
「いやぁ、君って本当に魔法が使えるんだね!」
「そうですけど・・・・・・どうしたんですか?今更」
12:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:41:38.79 ID:a+M0FpcZ0
翌日。俺は上機嫌で学校に向かった。
浮かれすぎて、鼻歌まで歌うほどに。
学校に着くと、人だかりができていた。
「あれ、何かやってるのかな・・・・・・?」
13:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:43:22.08 ID:a+M0FpcZ0
誰かがそう呟いたのが聴こえた。
振り返ると、周りの皆が俺達、いや、俺を蔑むような目で見ていた。
その時、1人の男子生徒が俺を睨みながら歩いてきていた。
「な、なんなんだよ・・・・・・」
14:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:48:02.68 ID:a+M0FpcZ0
それから、俺たちはいじめを受けた。
人殺しだと罵られ、物を隠され、殴られる。
そんな毎日が、俺たちを待っていた。
冬村さんは、それに耐えきれずに不登校になり、俺一人に皆の怒りが浴びせられた。
15:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:49:08.25 ID:a+M0FpcZ0
「な、にを・・・・・・」
「だから、やめさせるんですよ。いじめを。私の魔翌力があれば、いじめをしている人たちの命を奪うことも、学校の頂点に立つことも、世界を支配することも可能です」
彼女はそう言って、微かに微笑む。
たしかに、全ての頂点に立つという人生も悪くないかもしれない。
16:名無しNIPPER
2016/03/15(火) 08:51:48.83 ID:a+M0FpcZ0
「戻りました」
「山村君とかは、生き返ったの・・・・・・?」
「はい。私があなたの願いを叶えたことは、なかったことになりました」
「本当に?」
「はい」
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