2: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:11:11.30 ID:euOV6e0mO
「なにか考え事か?」
資料を机に置いて、彼女に声をかける。
そうすると、向こうもパソコンの画面から視線を外して、こちらに顔を向けた。
3: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:12:25.46 ID:euOV6e0mO
「質問、なんだけど」
ちらちらと窓の外へ視線をやりながら、ためらいがちな調子の声でぽつぽつと言葉をしぼり出す泉。
彼女にしてはめずらしい態度だと思っていると。
4:名無しNIPPER[sage]
2016/04/06(水) 00:13:32.57 ID:ZCNYJIOfO
アイドルとして自分を見つめ直してるのかな
5: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:13:36.62 ID:euOV6e0mO
「こほんっ」
狂った調子を戻すべく、せきばらいを挟む泉。続いて深呼吸をひとつ行い、ようやく平静を取り戻したようだった。
「さくらと亜子に、笑顔がキュートになったと言われたの」
6: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:15:30.69 ID:euOV6e0mO
「研究の結果、私はどちらかと言えばキュートというよりクールなイメージを抱かれやすいとわかった……はずなんだけど」
なのに笑顔がキュートになったと言われたものだから、自らの見解との違いに戸惑っているようだ。
艶やかな長髪を指に巻きつけながら、彼女はソファーから降りて俺の近くまでやってくる。
7: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:17:45.04 ID:euOV6e0mO
「泉の顔は、美人と美少女のちょうど中間くらいなんだよ」
「……中間?」
「年齢的にも、子供から大人に成長していく境目だからな。クールな美しさの中に、幼さとかあどけなさが残っている。だから、笑顔がかわいらしく見えるんだよ」
8: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:19:05.04 ID:euOV6e0mO
「要は、泉がそういう笑顔の作り方を身につけたってことだ」
「えっと……ごめん。よくわからない」
「たとえば、さくらの笑顔はかわいいと思うだろう?」
9: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:20:24.29 ID:euOV6e0mO
「泉も、感情の表現をぐっと押し出すことができるようになったってことだよ。いろんな仕事を通して、自分を出すことが前より上手になった」
「………」
黙って目を閉じる泉。
10: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:21:55.88 ID:euOV6e0mO
「でも、そうね。魔法なんかじゃないわ」
「ん?」
「プロデューサーのプロデュースがうまくいっているのは、努力と能力がちゃんとあるから。私達をちゃんと見ていてくれるから、でしょ?」
11: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:23:55.56 ID:euOV6e0mO
「………」
「………」
横から、じーーっと視線を浴びつづけているのを感じる。
12: ◆C2VTzcV58A[saga]
2016/04/06(水) 00:25:03.67 ID:euOV6e0mO
「………」
「プロデューサーさんとイズミン、楽しそうだねぇ」
「微笑ましい光景ってやつやね」
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