過去ログ - 屋上に昇って.
1- 20
5:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:23:56.41 ID:IXgA3K/jo

 部誌を燃やしたのは、俺だ。嵯峨野から、話も聞かされた。
 彼が原稿を読んだどころに、居合わせもした。嘉山に告発を受けもした。

 でも、彼らのこのやりとりは、既にそういう問題ではなくなってしまっている。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:25:06.86 ID:IXgA3K/jo

 きっと、誰だってそうだ。
 嘘をついて、やりすごして、ごまかして、
 日々が壊れるのを、必死になって避けようとしている。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:25:33.89 ID:IXgA3K/jo

 でも、それじゃあ、

 嵯峨野葉羽の死は、どこかに置き去りだ。
 その子の死は、嵯峨野にも嘉山にも、ただ厄介なだけの代物だ。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:26:10.26 ID:IXgA3K/jo

「なあ、連理兄」

 だから俺は、嘉山が何かの覚悟をきめたように、そう声をあげたとき、少しだけほっとした。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:27:09.21 ID:IXgA3K/jo

 本当のことは、もう、誰にも分からないだろう。

 嵯峨野葉羽が何を思い、川に近付いたのか。

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:27:35.91 ID:IXgA3K/jo

「知らなかったな」

 それから、ふたりとも黙り込んでしまった。
 俺はぼんやり空を見た。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:28:02.10 ID:IXgA3K/jo

 嘉山の表情に、混乱が兆した。

 目に見えて何かが変わったというわけじゃない。
 それでも、一瞬で、雰囲気ががらりと揺れ動いたのがわかる。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:28:38.15 ID:IXgA3K/jo

 めまいに襲われたように、嘉山のからだは揺らめきはじめる。
 俺は声も出せずにその姿を見つめていた。

「あの日、葉羽は……」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:29:08.24 ID:IXgA3K/jo

 嵯峨野は、何かをあきらめるような顔をした。

「どうしてかは知らない」

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:29:38.12 ID:IXgA3K/jo

 暴れるように、嵯峨野の体を、嘉山は押し続ける。興奮した様子で、頭をぐらぐらとさせながら。

 嵯峨野は静かに、

以下略



396Res/275.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice