過去ログ - 速水奏「ブルードレス」
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1:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:41:11.67 ID:QQKHlK4R0
※字の分で書いてます。

※長い、安い、蒼い

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2:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:41:44.64 ID:QQKHlK4R0
『愚行権』という言葉を知ったのは中学生の時だった。




以下略



3:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:42:14.50 ID:QQKHlK4R0
そんな話を仲のいい子にしてたら「奏って大人だよね〜」と笑われてしまったが、私には何がそんなにおかしいのか全く分からない。

何せ私自身にそんな自覚はないし、むしろみんながどうしてそんなに無邪気に無軌道に生きていけるのかこちらが聞きたいくらいだ。

でもだからこそ、先生のあの話が私には強く大きく響いて聞こえたのだと思う。
以下略



4:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:42:42.97 ID:QQKHlK4R0
私は幼い頃から目立つ方だった。


人より肌が白い。

以下略



5:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:43:16.46 ID:QQKHlK4R0
だから私は明るい輪の中心にいるようなタイプでない事を理解しているし、そんなポジションは苦手だった。

賑やかなグループの横、輪の中とも外とも言えない場所が私の定位置。


以下略



6:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:43:44.69 ID:QQKHlK4R0
そんな私の前を多くの人が通り過ぎ、その人達から様々な言葉をもらった。



「速水さんて綺麗だよね」
以下略



7:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:44:16.11 ID:QQKHlK4R0
でもだからこそ、初めての言葉にはあまり強くないという事をもっと自覚しておくべきだった。

あの日あの時、貴方から言われた言葉を私は今でも覚えている。


以下略



8:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:46:06.59 ID:QQKHlK4R0
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以下略



9:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:46:57.97 ID:QQKHlK4R0
初めてのクイズ番組、なれない形式に戸惑ってミスを連発し、チームの足を引っ張ったのは紛れもない事実だ。

全国放送の番組で醜態を晒してしまった事を心から悔やんでいる真っ最中、素直で配慮に欠ける私のプロデューサーはのん気な顔をして笑っている。

まるで転んで泣いている子供に向けるような、優しい笑顔で。
以下略



10:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:48:00.74 ID:QQKHlK4R0
「ねぇ、プロデューサーさん。お詫び、してくれない?」


そう言って彼の方へ向き直る。

以下略



11:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:48:48.82 ID:QQKHlK4R0
そのままの姿勢で2秒、3秒、4秒後には私は笑っていた。


「ぷっ…あははっ、ごめんなさい。冗談よ、冗談」

以下略



12:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:49:29.58 ID:QQKHlK4R0
「おまっ……ああ!それじゃあ手伝ってやろうかな!」



あら意外。まさか向かって来るなんて。
以下略



13:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:50:53.33 ID:QQKHlK4R0
「ああ、伊吹ちゃん。お疲れ様。せっかく妹ちゃんからの差し入れだもの、頂くわ」


伊吹は控え室に入ってくるなり硬直し、見る見るうちに顔を紅潮させていった。

以下略



14:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:51:23.89 ID:QQKHlK4R0
アイドルという仕事柄、その後も何度か彼の前で肌を晒す機会があった。

水着の仕事や露出が多めな衣装を着ての撮影、着替えの最中に誤って控え室に入って来られた事もある。

その度に彼は困って焦って間抜けな姿を見せくれた。
以下略



15:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:51:54.26 ID:QQKHlK4R0




「奏、チョコ食うか?」
以下略



16:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:53:26.17 ID:QQKHlK4R0
「おーこわっ、こりゃ手まで食べられるところだったわ」


彼はおどけてごまかそうとするが、私の不満に納まりは付かない。

以下略



17:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:54:06.74 ID:QQKHlK4R0
「ええ、貴方になら何を言われてもいいわ」


そう言ってルームミラーに写る私は目を細め、彼の口は真一文字になった。

以下略



18:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:55:03.25 ID:QQKHlK4R0
「ん?なんだよ急に」

「別に、ただプロデューサーさんってば、これだけ若くて可愛い女の子達に囲まれてるのに誰にも言い寄らないから……もしかしてソッチなの?」

「俺はノーマルだ」
以下略



19:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:56:18.82 ID:QQKHlK4R0
「んー…そうだなぁ…」



彼はハンドルを回しながら唸り声を上げる。
以下略



20:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:56:47.97 ID:QQKHlK4R0
「川島さんは…年上だけどあの人結構子供っぽいところあるからなぁ…早苗さんとかもだけど」

「じゃあ逆に年下でも年上っぽい子だったらいいのかしら?」


以下略



21:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 10:57:27.48 ID:QQKHlK4R0
「あ、いや、別に美波が好きという訳では無くだなぁ…」


案の定始まった言い訳に愛想笑いを浮かべつつ、私の質問は続く。

以下略



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