27:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:02:18.70 ID:QQKHlK4R0
出鼻を挫かれた私は声のした方に首を向ける。声の主は千川ちひろさん、この事務所の事務員だ。
休憩室に入るタイミングを失った心に小さな苛立ちはあったものの、それをちひろさんのせいにするのは理不尽だろう。
私は彼女に向き直りぺこりと頭を下げた。
28:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:02:46.61 ID:QQKHlK4R0
「はいぃ!」
声色で分かる。決して嬉しい話では無い様だ。
29:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:03:47.41 ID:QQKHlK4R0
こんな日もあるわよね。
「おはよう」
30:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:04:39.77 ID:QQKHlK4R0
事務所からの帰り道、私は事務所近くの喫茶店の窓際に座り、道行く人を眺めていた。
確かプロデューサーさんはこの道を通るはず。
彼を見かけたところでどうするかなんて考えていない癖に、待ち伏せめいた事をしている自分が酷く滑稽だ。
31:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:05:18.24 ID:QQKHlK4R0
彼に会ってなんと言おう
『あら、偶然ね。今帰り?』
32:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:05:56.27 ID:QQKHlK4R0
傘を差しやや足早に歩いていく彼の足は最寄駅方面に向いている。
私は静かにそして手早く立ち上がり、レジへと急ぐ。
会計のためにレジの呼び鈴を鳴らすが、なかなか店員が出てこない。
33:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:06:28.10 ID:QQKHlK4R0
「それでは1,2,3…」
お札を数える店員の手元を見ずに私は外を見た。
34:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:08:15.55 ID:QQKHlK4R0
などと考えている内に駅へとついてしまった。
彼はもう電車にのってしまったのだろうか。
35:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:08:47.76 ID:QQKHlK4R0
聞きなれた声。
優しく落ち着いた、あの人の声。
私はその声がする方へ振り向く。
36:墓堀人[saga]
2016/05/23(月) 11:09:38.69 ID:QQKHlK4R0
いつもの格好ではない明らかに異性を意識した小奇麗な私服に身を包み、いつも結っている髪を下ろしていたが見間違えるはずもない。
なぜ、どうして
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