過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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31: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:32:29.26 ID:WUg/S8Lr0
 もちろんそれはわかっている。わかっていたつもりだった。

「私、は……」
「そんな顔では……食べられちゃいますよ」

以下略



32: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:34:21.46 ID:WUg/S8Lr0
 後ろの初月には、瞬間移動して親潮に抱きついた吹雪が、そのままテーブルの上に押し倒した、という風に見えた。
 親潮は当然あわてる。

「な、な、何、して……?」
「もーーっ、本当に親潮ちゃんかわいい!」
以下略



33:名無しNIPPER[sage]
2016/07/05(火) 14:38:23.54 ID:MrfMbXFiO
>陽炎改二はまだ出ていませんが続きを書いてしまったので続きです
別シリーズはまったく進んでいないので息抜きになっていませんだめでは?
ところで今更ですがこの作品には独自設定がたくさんでてきますが二次創作とはそういうものです

外野の言うことにいちいち反応する(↑こういうの)と荒らしが湧くからやめたほうがいいよ


34: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:39:54.77 ID:WUg/S8Lr0
 その光景を初月はただ見ていることしかできず、呆然と立ち尽くしている。
 そして、立ち上がった吹雪が回転して彼女の方を向いた。目が合う。彼女の笑顔に浮かんでいるのは猛烈な幸福感と、期待だ。
 逃げなければ。
 後ろを向いた瞬間、初月は抱きしめられていた。

以下略



35: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:42:14.22 ID:WUg/S8Lr0
 そうして抱きしめられながらされるがまま、耳元で甘くやさしい声で自分への好意のこもった言葉をささやかれ続ける。
 この状況に、初月の気力と体力は瞬時に底を突いた。
 吹雪は抱きしめている初月の足元が崩れかけているのを察知すると、片手で腰に手をまわしたまま支えて椅子を引く。親潮と同じように、大切なものを扱う手つきで初月を座らせる。当然初月も、そのまま疲労で動けなくなる。
 かろうじて椅子に座っている……そういう形で固まっている二人とは対照的に、吹雪は実に晴れ晴れとした様子で、手を組んで思いっきり伸びをしていた。

以下略



36: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:43:38.19 ID:WUg/S8Lr0

「教育担当として《お願い》します。明後日のヒトキューマルマル。夜の7時に、二人とも私の部屋に来てください。予定は空いてますよね?」

 二人は必死で何度も頷いた。否の態度を一瞬でも取ったら、何をされるかわからない……。
 そんな二人の内心がわからないかのように、もちろんわかっているのだが、吹雪は安心したように手を打ち合わせた。
以下略



37: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:44:56.63 ID:WUg/S8Lr0
 同時刻。提督の私室に二人の人影があった。
 一人は机に座った提督。もう一人はその傍らに立つ、背の高い重巡洋艦娘だ。

「吹雪さんがこの鎮守府に留まっていた理由がわかりました」
「……ほう。提督はついに辞めるのか」
以下略



38: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:45:51.44 ID:WUg/S8Lr0
「面白く……は、ありませんよ。むしろ、どこにでもあるありふれた理由とも言えます」
「何をすねているんだ、そんな歳か。いいから早く言え。私はヒマなんだ、さっさとヒマ潰しの種をよこせ」

 吹雪が提督にとってみせる態度は、ほとんど那智を真似ているのだと本人は知っているのかどうか。
 とにかく、彼女はさっさと言え、と顎をしゃくってみせる。
以下略



39: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:46:54.06 ID:WUg/S8Lr0
 俗に、艦娘は艦娘を好むという。この話は故無きものではない。
 彼女らが戦闘のために設計された、人造生命体であることに由来する現象だ。
 艦娘は、同じ艦娘が受信可能な味方識別信号を発している。それを同じ艦娘が受信することで好意を抱く、という仕組みである。
 この発信は意識しているものではなく艦娘が生きている限り発せられている。また、電波や電磁波などの形で計測できるものでもない。
 この信号によって艦娘は互いに仲間意識を育みやすくなり、人間同士で起こる感情的なトラブルは減っている(もちろん同時刻の食堂で起こったケースのように、皆無とはならない)。
以下略



40: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:55:43.27 ID:WUg/S8Lr0
「さすがに大丈夫でしょう。もう2年も新任艦娘は来ていなかったわけですし。それに、今の吹雪さんは……あの様子です」
「ふーん。貴様は本当に。本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、吹雪のことをわかっていないな。感動的なアホめ」
「……私はいつでも彼女のことを考えている」
「敬語はどうした」
「失礼。私も精一杯彼女を理解しようとしているつもりです」
以下略



41: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:58:45.76 ID:WUg/S8Lr0
というあたりでおしまいです 終劇
Fin
第一部 完

次に書くときは今度こそ陽炎改二が発表されています きっと
以下略



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