過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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59: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/07(日) 03:15:49.61 ID:iVZ+XxqT0
 ベッドで寝ていた親潮が目覚めようとしている。ゆっくりと開く、天井を見つめる、ぼんやりとした虚ろな瞳。
 初月は、胸の中にたまらないものを感じる。

「私……生きてる」
「おはよう。親潮」
以下略



60: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/07(日) 03:16:39.55 ID:iVZ+XxqT0
「ああ、生きてるさ。僕も生きている」
「…………」

 初月が必死に明るさを取り繕った声にも、親潮の表情は沈んだままだった。
 どうすればいいのか、初月には全くわからなかった。自分が生まれてたったの8日。そのうちの7日を共に過ごしたのが彼女だ。なんとか元気づけてやりたい。
以下略



61: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/07(日) 03:19:08.06 ID:iVZ+XxqT0
>>58
”大往生”したなどと誰が決めたのか。

ちょっとした覚悟をきめたのでテスト投稿しました


62:名無しNIPPER[sage]
2016/08/07(日) 08:45:56.14 ID:8npqvn9I0
だって陽炎改ニとか夢物語を書くからさ…
誰もがもう来ないフラグだと思うじゃんかぁ


63:名無しNIPPER[sage]
2016/08/07(日) 11:42:24.93 ID:SeCvsKejo
乙ヤーデ


64: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:19:49.83 ID:oGmpBAz/0
「わからない。また同じようなことをされるのかも、と考えはしたが」
「私は……考えてることがあるんです」

 ためらいがちで、口にするのも辛そうな口調。それは恐らく初月にも聞かせたくないおぞましい想像なのだろう。
 しかし、その想像を胸の中に一人抱え込んでいることもまた親潮にはできないのだ。
以下略



65: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:21:22.50 ID:oGmpBAz/0
「まさか。だって、僕達もあの人も同じ艦娘で、女で……」
「そういった性的志向も、少なくとも人間には珍しくはないんです。……なんでこんなことを知ってるのか、私にもわかりませんけど」

 そう言って、親潮は少し皮肉気な顔になる。
 建造されたばかりの艦娘でも、その知性と能力は世界的に見ても高い教育水準をクリアしている。どの艦娘も生まれてからすぐに、提督業務の補佐、秘書艦を勤めることができる。
以下略



66: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:23:24.91 ID:oGmpBAz/0
「あの人が言っていたことは、ほんとうだったと思います」
「本当」
「私達のことを、ほんとうに好きになったんだって……好き、って言葉で正しいのか、わかりませんけど」
「……わかったのか。僕にはわからなかった」
「なぜか、わかりました。私の信号受信能力のせいかもしれません」
以下略



67: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:28:58.05 ID:oGmpBAz/0
「わかるんです。あの時に感じた……あの人の好きは、普通じゃなかった。とんでもない大きさと熱さで……私の精神も潰されそうに……」

 親潮が震えはじめた。自分の両肩を掴み、必死で震えをこらえようとする親潮。
 今すぐ抱きしめて安心させてやりたいと思う。
 でも、彼女も自分も、抱きしめられて壊れかけている。そう思うと動けなかった。
以下略



68: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:32:33.59 ID:oGmpBAz/0
「……!」
「どうして私なの!? 私、あの人に会ってまだ3日しか経ってないよ! 私が生まれてまだ一月も経ってないのに、なんであんな……! こんな、こんな……いや、いやだ、わたし……」
「っ……!」

 たまらず初月は親潮を、その胸の中に抱きしめた。親潮は抵抗しなかった。
以下略



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