過去ログ - 北上「離さない」
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4: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:10:54.67 ID:QBwtVvxaO
「アタシは軽巡・北上、今日からここの所属だから。まーよろしく。」
「初めまして!自分は整備士の『 』と申します!北上殿、何卒よろしくお願い申し上げます!」

今思えば、我ながら何ともガチガチな挨拶だ。
俺の場合は初対面に限らず、一月を経ても誰にでもその調子だったのだから、周りと上手く打ち解けられるはずもない。
以下略



5: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:12:41.78 ID:QBwtVvxaO
気付けば配属から1年少々。ヒラの整備士に過ぎなかった俺は、その短期間で、ある程度工廠を任されるまでになれた。
今の俺がいるのは、間違いなく彼女のおかげだ。


「こないだ軍内の新聞に載ったらしいじゃん。
以下略



6: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:14:27.16 ID:QBwtVvxaO
北上さんの愛車は、90年代の125ccのベスパだ。
現代的な要素が増したモデルとは言え、20年前の車体はさすがにあちこちガタも見える。

なるほど、これは少し掛かるな……。

以下略



7: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:16:10.70 ID:QBwtVvxaO
「やってるかーい。精が出るねえ。」

ノックもなく戸が開いたかと思えば、そこにいたのは北上さんだった。一体何の用だろう?

「どうしたんです?」
以下略



8: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:18:03.91 ID:QBwtVvxaO
そして1時間。

「…明日出撃じゃないんですか?」
「いや、明日は休みー。」

以下略



9: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:19:43.75 ID:QBwtVvxaO
「幼馴染ですかね。」
「好きな人が艦娘になったとか?」
「いや、違いますね。ガキの頃、近所に住んでた姉弟がいたんです。
その2人とは仲が良かったんですけど、ある時期を境に姉弟が引越しちゃって。
深海棲艦に、最初に襲われた街があったじゃないですか。2人の引越し先、そこだったんです。」
以下略



10: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:21:18.50 ID:QBwtVvxaO
「まぁ、でも気にしないでくださいね。ガンガンぶっ放してナンボですから。」
「ん。ありがと。」

背中越しに聞こえたのは、いつものトーンに戻った声だった。
でも無理をさせてるような気がして、ふと振り返ろうとした。その時の事。
以下略



11: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:23:01.77 ID:QBwtVvxaO

「ふふー、ちょっとドキッとしたなー?愛いやつめー。」
「む。あんまりからかうもんじゃないですよ。」
「どーてー。いくじなしー。」
「あいにく工具が恋人なので。さて、続きやりましょう。」
以下略



12: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:26:58.11 ID:QBwtVvxaO

“ん…寝てたか…。”

朝の肌寒さで目覚めると、また工廠で寝落ちていた事に気付く。
もう何度ここで寝てしまった事やら、寝起きの体感で工廠だって事ぐらいわかるのだ。
以下略



13: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/04(月) 07:29:41.24 ID:QBwtVvxaO

「ケイちゃん、終わったー!って叫んでそのまま寝ちゃってたよ。さすがのアタシもびっくりしたねえ、こてんと倒れちゃってさ。
でもダメだよ?ちゃんと布団で寝なきゃ。」
「いや、いつもそんな調子なんで。でもすいません、背中固かったでしょう?」
「それはいいんだけどさー…今、北上さんって言ったでしょ?
以下略



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