過去ログ - 山城「その声……もしかして、時雨なの……?」
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 01:16:11.64 ID:5CF37Sx6o
再び自分の中の人間が目を覚ました時、自分の鳥の血に塗まみれ、あたりには鳥の羽が散らばっていた。


これが時雨の犬としての最初の経験であった。

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 01:18:16.41 ID:5CF37Sx6o
今までは、どうして犬になんてなってしまったんだろうって考えていたのに、この間、少しだけだけど、僕は以前艦娘だったんなぁ、って考えてしまったんだ。


とても怖かった。

以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 01:19:09.65 ID:5CF37Sx6o
眠れないので少し投下。
また書きます


25:名無しNIPPER[sage]
2016/11/14(月) 01:37:34.86 ID:Qm+pCX5So
おつおつ


26:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 20:19:03.39 ID:5CF37Sx6o
山城、僕はもう考えるのに疲れちゃったんだ……妖精さんたちも残酷だよね。心なんか持たなきゃ、僕らは兵器でいることができた。こうして何かを考え、苦しむこともなかったのに……。


なのに、僕の中の人間は、心が無くなることがとてつもなく怖い。

以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 20:55:12.11 ID:5CF37Sx6o
山城、僕はもう考えるのに疲れちゃったんだ……妖精さんたちも残酷だよね。心なんか持たなきゃ、僕らは兵器でいることができた。こうして何かを考え、苦しむこともなかったのに……。


なのに、僕の中の人間は、心が無くなることがとてつもなく怖い。

以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 21:37:59.56 ID:5CF37Sx6o
「僕を……許してほしい……」


「もう十分説教したからいいわよ」

以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:02:59.29 ID:5CF37Sx6o
「あんたはちゃんと私が沈むまで一緒にいた。それに兵器だった私たちに決断する能力なんてなかった」


山城は時雨を抱きしめた。時雨は再び首を振る。

以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:19:00.33 ID:5CF37Sx6o
佐世保の時雨と言われながらちやほやされてたけど、結局それは今の僕でなくて昔の僕だ。僕は本心を表さず、皆を心から信用せず、嫌われないようにとだけ生きていた臆病者なんだ。


提督に直訴したのだって結局一度だけだった。提督は艦娘の意思を尊重してくれる人だ。僕がもっと真剣に頼めば、多少無理をして演習に加えてくれるなりしただろう。それをしなかったのは、僕の本心が、あのレイテの時のように仲間を守れず、目の前で沈むのをただただ見つめることになるかもしれないということを考えるただの臆病者なんだよ……。

以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:29:17.48 ID:5CF37Sx6o
これを思うと、僕は今でも胸を焼かれるような悔しさを感じるよ。


僕にはもう艦娘として皆と海を駆けることができない。たとえ今、僕がどんな動きで敵を翻弄して、どうやって君を、皆を守ろうかとか考えたところで、もうそれを海で披露することは決してないんだ。しかも、僕の頭は日毎に犬に近づいて行く。

以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:39:59.36 ID:5CF37Sx6o
暫くして、海の方の暗さが薄らいで来た。


木の間を伝って、何処どこからか、鳥の声が響いてきた。

以下略



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