1: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:53:46.18 ID:oKvYaFDpo
・モバマス・小日向美穂ちゃんのSS 
 ・超短い 
 ・美穂たんおめ!(みほたんとたんおめを掛けてる) 
 
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:55:05.29 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
  どれだけ経っても。どこにいても。 
  ステージに立つ前の私は、相変わらず緊張で足が震えます。 
3: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:55:52.59 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
 「こ、小日向美穂です!」 
  
4: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:56:47.67 ID:oKvYaFDpo
  
  アイドル。私の憧れ。 
  緊張しいの自分がなれるなんて、実のところあまり思っていませんでした。でもレッスンを受けていて、ひょっとしたら、もしかしたらって。そんな風に思っている自分もいて。 
  それが現実になるなんて…… 
  プロデューサーさんに救われた私は、それだけで舞い上がってしまいました。でも、アイドルになるってことは、そこがゴールじゃなくてスタートなんだ、って。その時の私はよく分かってなかったんです。 
5: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:57:42.39 ID:oKvYaFDpo
  
 「なあ、美穂」 
 「……はい」 
 「緊張しいな自分を、変えたい?」 
 「それは……もちろん!」 
6: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:58:56.36 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
 「島村卯月です! 一緒に頑張りましょうね!」 
 「五十嵐響子です! よろしくお願いします!」 
7: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 22:59:48.59 ID:oKvYaFDpo
  
  そして、ユニットデビュー。私が、本当にアイドルになる日。 
  
 『ピンクチェックスクール』 
  
8: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:00:22.86 ID:oKvYaFDpo
  
  まるで夢のようで。どこまでも飛んで行けるようで。 
  卯月ちゃんと響子ちゃんと三人なら、なんだってできる、どこまでも行ける、そんな気持ちになります。 
  
 「どうだい? 美穂」 
9: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:01:05.78 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
  ソロのお仕事。私に与えられた試練でした。 
  少し考えてみれば当たり前のことだったのです。卯月ちゃんはもともとソロデビューのアイドル。ユニットの活動だけで終始することはありません。そしてそれは、響子ちゃんにも、私にも。 
10: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:01:58.63 ID:oKvYaFDpo
  
  プロデューサーさんは「そうか」と言いながら、私の頭をなでてくれました。それでも心は落ち着かずに、ただただ泣くしかなくて。 
  泣き疲れてようやく。私が落ち着いたところで、プロデューサーさんは私をソファーに座らせると、ゆっくり話しはじめました。 
  
 「頑張れなかった?」 
11: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:02:40.53 ID:oKvYaFDpo
  
  自分を、超える。今の私にそれができるでしょうか。 
  
 「ほんとにちょっとでいい。ささやかでいい。昨日より今日、今日より明日、ちょっとだけ高く飛んでみよう」 
 「高く……飛ぶ」 
12: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:03:47.20 ID:oKvYaFDpo
  
 『高く、飛ぶ?』 
 「うん。プロデューサーさんが言ってて……」 
 『……美穂ちゃん、頑張ってる。私も知ってるよ?』 
  
13: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:04:26.04 ID:oKvYaFDpo
  
 「響子です! 美穂ちゃん、ご飯作ったからよかったら一緒に食べませんか?」 
 「え? あ、あ……今卯月ちゃんと電話してて」 
 「あ! ごめんなさい!」 
  
14: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:05:11.22 ID:oKvYaFDpo
  
  次の日。 
  いつもより早くレッスンルームに入り、私は鏡に向かいます。 
  
 「うふふっ♪ ……ほんと、ひどい顔」 
15: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:06:06.50 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
  一度ソロ活動が始まると、流れは止まりません。プロデューサーさんと二人、忙しく日々を駆け回ります。 
  ソロ曲が決まり、練習の日々がさらに続きます。練習の合間に営業活動も。相変わらず緊張しいでうまくいかないけれど、その度にレッスンルームに通う私。 
16: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:07:10.78 ID:oKvYaFDpo
  
  そう言われ、私はもう一度ファンの皆さんの顔を見ます。 
  
 「……ほんとだ」 
  
17: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:07:53.29 ID:oKvYaFDpo
  
  緊張しいを変えたい、引っ込み思案を変えたい。そう思って飛び込んだアイドルの世界。でもプロデューサーさんは言います。緊張はいいことだ、と。私らしくて、いいのだと。 
  ふと、何かをつかんだ気がしました。 
  足の震えを肌にとらえて、私は自然と思ったんです。 
  
18: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:08:34.17 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
  一度気が付いてしまえば、歩んでいくことはできるのでした。 
  緊張しいは一朝一夕には直らないけど、でも亀の歩みでいいんだ、って。いい緊張なら、全然問題ないんだ、って。 
19: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:09:31.30 ID:oKvYaFDpo
  
  今日、何回目かのバースデーライブ。開幕のベルを待っています。 
  今日もやっぱり、足が震えてます。でも知ってます、これはいい緊張なんだって。プロデューサーさんが教えてくれたことですから。 
  そして、いつも傍らにはプロデューサーさんが。 
  
20: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:10:13.32 ID:oKvYaFDpo
  
 「じゃあプロデューサーさん。行ってきます」 
 「おう、いっぱい楽しんで来い」 
 「はいっ! 終わったらまた、いっぱい話聞いてくださいね!」 
  
21: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2016/12/16(金) 23:10:59.44 ID:oKvYaFDpo
  
  
  
 (おわり) 
  
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