78:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:11:40.61 ID:Hhhi1HzW0
花陽「あっ──!」
右手で握り締めていたナイフが、後ろから抱きつかれた拍子に手から零れ落ちる。
79:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:12:41.05 ID:Hhhi1HzW0
身体中に無数の腕が伸びてきているのに、まともに抵抗することもできない。
そのまま地面に押し倒され、首を絞められる。
両腕で首を締め上げられながらも、必死に抵抗する。
80:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:13:28.43 ID:Hhhi1HzW0
花陽「げほっ、げほっ……!」
??「ただの遣いだっていうのにさ、面倒なことになりそうな気はしてたんだ」
81:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:14:18.09 ID:Hhhi1HzW0
??「死が濃い場所を手当たり次第に回ってたら、いつか辿り着くと思ってた」
花陽「あ、あの……あなたは一体」
??「自己紹介はいい。今はこっちが先だ」
82:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:15:08.82 ID:Hhhi1HzW0
──あの人には、私と同じモノが視えている。
??「九つ!」
83:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:15:51.78 ID:Hhhi1HzW0
花陽「あの、私……なんてお礼を言ったらいいかわからないんですけど──危ないところを助けていただいて、本当にありがとうございました」
??「いいよ、そういうのは。こっちも訳ありで動いてたから、これはそのついで──別に良心の呵責がどうとか、人助けどうとかで手を貸したわけじゃない」
花陽「それでもありがたかったんです。あの人達に囲まれて身動きが取れなくなったとき……もうダメだって思ってましたから」
84:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:16:40.46 ID:Hhhi1HzW0
??「……肉食獣に睨まれた小動物みたいな目をするなよ。ああ、やっぱりこういう仕事は苦手だ──蒼崎橙子ってやつに覚えがあるだろ。オレはあいつの遣いであんたに会いに来たんだ」
花陽「蒼崎橙子?いえ、聞いたこともありません」
??「トウコのやつ、名乗ってもいないのか……全く、魔術師って連中はどうしてああも秘密主義なんだか」
85:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:17:36.80 ID:Hhhi1HzW0
なんだか現実味がなくて、まるで魔法にでもかかったみたい。
花陽「す、凄い!線が視えない……!」
86:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:18:33.30 ID:Hhhi1HzW0
花陽「…………」
??「死に触れた結果、死を直視することができるようになったなんて皮肉な話だけどさ、こんなこと普通は起こり得ないことだ。普通じゃないってことは異常ってことだろ──だから、あんたにその眼は似合わない」
花陽「私は普通ってことですか」
87:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:19:40.74 ID:Hhhi1HzW0
花陽「違います。線が消えるのは嬉しい……でも、今はじっとしていられないんです」
??「……死人を切ることさえ躊躇うやつが、生き残れるとは思えないけど」
花陽「そ、それは……」
88:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 23:20:37.75 ID:Hhhi1HzW0
花陽「あ、あのっ!」
??「なんだよ、まだなにか用でもあるのか」
花陽「こんなに凄い眼鏡をタダで貰うわけには──」
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