過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:35:26.39 ID:YSodv2Da0
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今、テンジン砦は大きな交易所として稼働している。
戦争が終わり、暗夜と白夜の間で交流が盛んになると、多くの物資が流入するはず。リョウマ王はそれを見越してテンジン砦の改装を行って、大きな交易所へと姿を変えたというわけだ。
ここには東西の様々な物資が溢れていて、暗夜の地下街で見る商品も並んでいるから、少しだけホッとする。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:40:11.64 ID:YSodv2Da0
「ん、これって……」
思い出したように写し絵を取り出して見比べる。フォレオの姿とそこに並べられている物、柄は違うけど多分同じタイプの着物だ。この頃、暗夜の市場にも少なからず出回るようになったけど、大量に扱っているお店はないからと食い入るようにあたしは眺める。
写し絵の姿と置いてあるものを交互に見ていると、段々こういったものを着てみたいという欲が出てくる。そう考えた時には、入り口を潜って中に入っていた。
店内は外の活気に比べるととても静かで、別世界に入ってきたような錯覚に陥るほどだ。少しばかりキョロキョロと視線を巡らせていると、ようやく奥から声が聞こえてくる。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:43:30.21 ID:YSodv2Da0
「あらあら、この歳になってお茶に誘われるなんて思ってもいなかったわ。でも、残念ね。交代の子が来たら、すぐにイズモへと行かなくちゃいけないのよ」
「イズモって、イズモ公国の事?」
「ええ、今そこでお祭りの準備が行われてるのよ。向こうで着物の販売と着付けとかを行う予定なのよ」
「そうなんだ。それじゃ、無理してお茶するわけにもいかないよね」
「ええ、それに非番でも暗夜王の息子の臣下が、白夜でナンパするのはまずいと思うわよ?」
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:46:14.50 ID:YSodv2Da0
「そ、そのどういった要件だったんですか?」
「フォレオ様から着物の件で話があって、本当ならこちらが暗夜王国に着物を届ける予定だったんだけど、直接見に来るっていう話になってね。ちょうど、イズモ公国の祭事で用事があったから、ここで商品を確認してもらうことにしたのよ。昨日は夜遅くまで時間が掛かってね、ここに泊まってもらったわ」
「そ、そうだったんですか……」
こういったものを妥協しないフォレオの事だから、長い時間を掛けてしまったんだろう。そしてあの書簡の正体が分かり、ホッと一息吐いた。エポニーヌとオフェリアはあの書簡の相手とその内容を気にしていたけど、これですべての謎が解けたと言ってもいい。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:50:29.47 ID:YSodv2Da0
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イズモ公国に到着したのは祭りが始まる前日ほどで、まだ本格的に見物客が溢れてはいなかった。
ここには白夜の人も暗夜の人も同じくらいいる。この時期、イズモ公国の祭事に合わせて港町ディアやミューズ公国からも特別便が設けられていることもあるからかもしれない。
でも、混雑のピークは明日であることを考えると、今が一番落ち着いている時間だとも思えた。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:54:38.23 ID:YSodv2Da0
「今、ソレイユの声が聞こえたような……」
何度も追っているからかもしれないけど、フォレオはあたしの声をよく覚えてるみたいで、その事実にうれしさと緊張が同時に走った。
ここまで来て、フォレオに逃げられるわけにはいかないという心と、もうどうでもいいから今すぐハグっとしに行きたいという心が鬩ぎあう。
その合間もフォレオは小動物のようにフルフルとしている。ハグっとが一歩踏み込んだ。
以下略
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 18:58:40.81 ID:YSodv2Da0
「すごく、綺麗……髪飾りとかみたいだけど……」
その一つ一つが身に着けた人の幸せを願っているように感じられて、あたしはウキウキとそれらを眺める。
そして、フォレオがこのお店に来た意味を大体理解した。
おそらく、着物に合う装飾品を選びに来たんだ。四着、柄も別々な物を買ったはずだから、装飾品もそれぞれに合わせて用意したいということだろう。少女みたいに可愛いものが好きなフォレオがどんなものを選ぶのか、すごく気になった。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 19:02:41.29 ID:YSodv2Da0
たた、たたた、たららったたらた、大切な人ぉ!?
いつからあたしはそんな存在になったのか、全く分からない。わからないけど、思わず背筋をピシッと伸ばす。落ち着けと、手ごろな装飾品であるアヒルを手にした。
アヒルとにらめっこしながら、そう言えばことあるごとにフォレオのこと考えていたことを思い出す。バックにはフォレオの写し絵まで入っているし……。
自身の行いを思い出しながら、第三者から見て多分そうなのかもしれないと思い始める。このままだと脳が破裂するかもしれないと、アヒルを置いてお店から脱出を開始した。
まだフォレオは店主と話しをしている、今なら気づかれずに抜け出せるはず。そう思って一歩を進む。そしてもう一歩進んだところで、何か音がした。
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 19:05:49.49 ID:YSodv2Da0
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お店のすぐ外にあるベンチに腰掛けながら、あたしはカチコチになっていた。
隣に座るフォレオを見ることが出来ず、ただただ自身の手に視線を下ろし続けるしかない。
さっき、フォレオがあたしのことを大切な人だと語っていた。そのことがどうも頭から離れないからだ。
以下略
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◆P2J2qxwRPm2A
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2018/02/15(木) 19:09:55.91 ID:YSodv2Da0
駄目でしたー。
レオン様から受け継いだフォレオのブリュンヒルデがあたしに刺さりました。もう、逃げ場がありません。
そんな追い詰められたあたしに、フォレオがさらに接近する。肩が密着するような状況、こんな時だけどやっぱりフォレオの香りはいい香りだった。
可愛らしい乙女の香り、でも乙女の香りで浮かび上がるのは凛々しいフォレオ。どっちがほんとのフォレオなの?
混乱するあたしを尻目に、フォレオは一度俯いて膝の上で拳を作って、決心を固めたように口を開いた。
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