285:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 19:57:26.72 ID:QH3+K0Bio
前回の大規模攻撃――黒い月本体の降下から今日まで。
キサラギとリッチェーンという主戦力の穴を補うべく様々な対応策が練られる中、
あるいはこのまま平穏が続くのではないかと錯覚するほどに、
怪ロボットの襲撃はその兆候すら見せることはなかった。
しかしその泡沫のような、願望に近い錯覚から今、人々は目覚めることになる。
286:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:01:23.03 ID:QH3+K0Bio
アミ「行かなきゃ、だね」
互いに見合わせて頷く双子の表情は少し前までとは打って変わり、
地球防衛軍隊員、キサラギのパイロットとしてのそれとなっている。
287:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:02:03.65 ID:QH3+K0Bio
・
・
・
風を切る轟音の中、周辺住民避難完了の報がアミたちの耳に入った。
二人は安堵の吐息を漏らしたがすぐに表情を引き締め、しっかりと前方を見据える。
288:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:04:38.31 ID:QH3+K0Bio
アミ「良かった、まだ建物はほとんど壊されてないみたい!」
目立った破壊活動をしていないと初めに受けていたが、
確かに怪ロボットは、建物の合間を縫うようにしてただ歩いているだけだった。
これなら物的被害すらほとんど抑えられるのではないか、
289:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:05:31.17 ID:QH3+K0Bio
しかしキサラギはそれを直前で回避し、
勢いを落とさぬまま怪ロボットの胴体へと体当たりする。
両足が浮くほどの衝撃を受け、怪ロボットは背中から地面に叩きつけられ、
アミ「やっちゃえ、キサラギ!」
290:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:08:14.84 ID:QH3+K0Bio
先に気が付いたのはアミだった。
地鳴りのような、しかし一定のリズムを刻んで徐々に近付くそれは、足音。
アミが音の方へ顔を向け、マミも一瞬遅れて音に気が付き、
アミに倣うようにして同じ方向を見据える。
291:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:09:44.89 ID:QH3+K0Bio
マミ「迎え撃て、キサラギ!」
『くっ……!』
両腕を胸の位置まで上げて片足を後ろに引き、
292:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:13:22.17 ID:QH3+K0Bio
怪ロボットは猛然と駆けた勢いそのままに跳躍し、
キサラギの頭上を超えて背後に着地したのだ。
アミ「嘘ぉ!?」
293:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:15:05.96 ID:QH3+K0Bio
イオリ『私のことが気になるでしょう? いいわ、教えてあげる。
私はハルシュタイン軍作戦司令、イオリ。
キサラギのパイロット――アミとマミ、
お前たちを始末するために、ハルシュタイン閣下から遣わされたの』
294:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:16:24.17 ID:QH3+K0Bio
アミ「っ……お前たちの目的は一体何なの!?」
イオリ『知れたことを……。我らの意志は、閣下の御意志。
親愛なるハルシュタイン閣下を全宇宙の神とすることこそが、私の目的……』
295:名無しNIPPER[saga]
2017/02/01(水) 20:17:04.60 ID:QH3+K0Bio
アメジストのような宝石を思わせる紫色の半透明のカバーの向こう側に、
悠然と操縦席に座る少女の姿を、アミたちは見た。
不敵な笑みを浮かべたその少女は品定めするように双子の顔を交互に見て、
イオリ『アミとマミ……希煌石の持ち手、キサラギのパイロットよ。
639Res/544.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。