312:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:44:43.62 ID:4ghH70Iao
イオリ「ぁあっ!?」
手に入れかけた勝利が急に霞と消え、イオリは令嬢らしからぬ声をあげる。
そんなイオリを下方から見上げる、四つの瞳。
その瞳には今や、疲労も諦観も、露ほどにも見えない。
313:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:45:40.44 ID:4ghH70Iao
二人の怒りに呼応するように、キサラギはアズサイズを吹き飛ばす勢いで立ち上がる。
アミ「瞬間移動がお前の武器なら……」
マミ「キサラギにだって、超強力な武器はある!」
314:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:47:57.14 ID:4ghH70Iao
イオリ『来い……キサラギよ! お前の持つその力を……
いずれ閣下の手中に収まる、強大な力を! 私に示してみろ!』
その声を合図に、キサラギは真っ直ぐに足を踏み出す。
一気にアズサイズとの距離を詰め、一際大きく一歩を踏み込んだと同時に、
315:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:49:33.08 ID:4ghH70Iao
マミ「やった――」
喜びの声とともに勝利宣言をしかけたマミの声は、そこで止まった。
二つに分かれ、あとはただ地面に落ち行くのみであったはずの、アズサイズの上半身。
それが突然、姿を消したのだ。
316:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:51:42.10 ID:4ghH70Iao
だが、アミたちは冷静だった。
アミマミ「キサラギ!」
『くっ……!』
317:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:54:29.83 ID:4ghH70Iao
親友の裏切りに心を乱したあの時とは違う。
生きてもう一度親友に会いたいというその思いが
アミたちの思考を冴え渡らせ、即座に最適の行動を取らせた。
そうしてみるみるうちに二機は分解されていき、
瞬く間にアズサイズの機体はキサラギに取り込まれ、キサラギの一部となった。
318:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:56:08.04 ID:4ghH70Iao
アミ「何!? これ、まさか…‥!」
それはキサラギの機体に何か異常が発覚した際、それを知らせる警報であった。
機体が大きく損傷した時くらいにしか聞いたことのなかったその音が
今突然鳴った理由は、一つしか考えられない。
319:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 01:59:43.43 ID:4ghH70Iao
アミとマミはハッチに手をかけて強引にこじ開け、
転がり落ちるように中に入り、イオリの持っていた端末を奪いコードを引き抜く。
そうして液晶を確認した二人の表情が驚愕に歪んだ。
アミ「こ、これ、キサラギのデータ……?」
320:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 02:01:27.95 ID:4ghH70Iao
イオリ「私を誰だと思っている?
全宇宙を統べるハルシュタイン軍、作戦司令イオリ。
ただ敗北するだけの結末など、受け入れるはずはない……!」
アミ「――っ!?」
321:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 02:03:13.17 ID:4ghH70Iao
・
・
・
ハルシュタイン「期待していなかったとは言え、こうなるとやはり失望は深いな」
322:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 02:05:47.46 ID:4ghH70Iao
ああ、と短く返答したハルシュタインに敬礼を返し、マコトは背を向けて退室する。
すると扉の前で待機していたヤヨイが、待ちかねたというように隣に寄ってきた。
ヤヨイ「団長、やっと私の出番ですか? 出番ですよね?」
639Res/544.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。