過去ログ - 無尽合体キサラギ
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586:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:14:40.34 ID:VlmQnypho
アミ「……黒い、月……?」

自分たちとハルカイザーとの間に浮かぶ、
全てを飲み込む黒さと完全なる球形を持ったそれは、
かつての“黒き月”や“月の涙”を彷彿とさせた。
以下略



587:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:16:08.13 ID:VlmQnypho
だがそんな二人に届いたのは、やはり意外な言葉。

ハルシュタイン『心配せずとも私はもう何もしない……。
      お前たちは、あの黒き球にのみ気を付ければ良いのだ』

以下略



588:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:18:16.60 ID:VlmQnypho
黒球が、突然膨張した。
人型怪ロボットの頭部ほどの大きさであったそれは、
一瞬のうちにオーバーマスター版キサラギすら軽く超えるほどのサイズに膨らんだのだ。
アミたちの目には、まるで宇宙空間内にぽっかりと巨大な穴が空いたように見えた。
だが二人が真に驚いたのはその膨張にではない。
以下略



589:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:19:28.55 ID:VlmQnypho
ハルシュタインが全精力を注ぎ込み作り出した、闇の渦巻く空間。
光をすら捻じ曲げるというブラックホールの如き深淵。
そのあまりに深い闇はアミたちだけでなく、地球からも確認できるほどであった。
目で、または全身の感覚で、地表の者は闇の出現を感じ取り、上空を見上げる。
そしてその闇が今、地球の希望を飲み込もうとしていた。
以下略



590:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:21:10.61 ID:VlmQnypho
がくん、と機体が大きく揺れる。
同時に危険を知らせる警報がコクピット内に響き渡った。

アミ「こ、このっ! 離せ! 動け……!」

以下略



591:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:22:50.06 ID:VlmQnypho
こうしてキサラギは、リッチェーンと無尽合体した姿であるハイパーキサラギの形態となり、
アミとマミはリッチェーンのコクピット内に収まる形となった。
大きく突出した部分を切り離したことで、うねる奔流に捕まりづらくはなっている。
だが当然ではあるが、アミが懸念した通りパワー自体はぐっと落ちることとなる。
ハイパーキサラギはそれまでを上回る速度で、空間の深奥へと引きずり込まれ始めた。
以下略



592:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:25:14.06 ID:VlmQnypho
しかし、その時。

アミマミ「え……!?」

マミの体が強い輝きを放った。
以下略



593:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:27:56.32 ID:VlmQnypho
希照石は、声を伝える希石。
その神秘の力がアニマの巫女ヒビキの祈りを受け、
他の希石と共鳴して力を増幅させていった。
力とは地球人類たちの声であり、想いであり、夢であり、未来であり、希望である。

以下略



594:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:29:31.93 ID:VlmQnypho
光を纏ったハイパーキサラギの後退の速度が、見る見るうちに現象していく。
抗うことすらできないと思われた凶悪な重力から、アミたちは確かに逃れ始めていた。
そうして遂にハイパーキサラギの機体はぴたりと静止し、
それから徐々に、前進を始めた。

以下略



595:名無しNIPPER[saga]
2017/03/10(金) 21:31:19.61 ID:VlmQnypho
少しずつ、しかし確実に、
空間の出口までの距離と共に勝利へと近付きつつある。
目前の勝利へと手を伸ばすように
アミとマミはハルシュタインに向けて言葉を投げた。

以下略



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