139:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:14:02.85 ID:kE3bTgvP0
「……ロッカーのどこに?」
「靴の、中です……」
「……いつから?」
「先々週くらい、から……」
140:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:14:52.47 ID:kE3bTgvP0
〜〜〜〜〜
その日から俺の脳内は『事務所のアイドルのロッカーから針』というわかりやすい内部の問題にほぼ占拠されてしまった。
以降俺は市原に対して重点的に気をかけるようになった。
城ヶ崎の妹の方に「Pくん最近仁奈ちゃんにばっかり贔屓してない?」と言われた。
これでは逆に市原を悪目立ちさせてしまい、
141:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:16:21.51 ID:kE3bTgvP0
市原に目配せして、それとなく水を向けてみた。
それをいち早く察して佐々木は「仁奈ちゃんも入れられたって、言ってます」と差し込んで来た。
そして「ごめんね、仁奈ちゃん。でもプロデューサーさんには黙っておけないよ」と市原に向かって釈明をする。
驚いた様子の市原は「プロデューサーは知ってるですよ」と返す。
佐々木もまた驚いた様子で「そうだったんだ……」とこぼした。
142:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:17:23.30 ID:kE3bTgvP0
〜〜〜〜〜〜
「ええーっ!?上履きに針が!?」
声こそ限りなく控えめに抑えてはいたが、宇治原くんの驚きは相当のものだった。
予想通り彼女らは宇治原くんに何も伝えていなかったみたいだった。
143:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:23:52.29 ID:kE3bTgvP0
〜〜〜〜〜〜
俺の頭は痛くなっていくばかりだ。
今度はアイドル以外の人間にすら被害が及んだ。
宇治原くん、千川さん、それとうちの部署ではあまり聞かない部署の部長3人のロッカーに針。
さらには机の中にまで針が仕込まれていたそうだ。
144:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:31:09.08 ID:kE3bTgvP0
〜〜〜〜
昼頃、事務所の多くのアイドルたちが俺のデスクに詰めかけた。
嫌な予感が拭えない。大方針の件だろう。
145:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:32:39.50 ID:kE3bTgvP0
「双葉が犯人だと思っているのか?」
無理だ。双葉の自宅を知らないが、おそらく事務所から距離があるだろう。
事務所に来るだけでも面倒臭がる双葉が、何の利益にもならない行為のためにその寸暇を惜しむだろうか。ありえない。
それに……動機がない。上から数えた方が早い成績の人間がわざわざこんな大人数相手に嫌がらせをするのは不自然だろう。
146:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:37:17.68 ID:kE3bTgvP0
「まーまーみんな、落ち着きなよ♪」
「彼の犯行とは一概に言えないかもしれないぞ」
「犯行どころか、『犯人がいない』かもしれないねー♪」
俺を囲むアイドルたちの後ろから2人の声がした。
147:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:42:09.84 ID:kE3bTgvP0
〜〜〜〜〜
ついぞ、彼女たちに「俺も自宅に針が出ている」ことを伝える機会は無かった。
無理もない。あの状況では『俺が犯人です』と白状することに等しかった。
池袋と一ノ瀬の言うことが真ならば……何がどうやってあの結果に至ったのか。
俺はもう何も考えることができなかった。
148:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:42:36.71 ID:kE3bTgvP0
アプリに道が表示されたのを確認し、保存してから双葉に電話をかけた。
5コールほどで出た。
「……もしもし、双葉さん?」
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