過去ログ - 未来人「ここにいるよ」
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1: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:34:59.15 ID:TTAc4R6C0
未来人「少し先の未来で、待ってるから」
ex14.in

の続きになります。
あまり長くはないので読んでくださると嬉しいです。

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2: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:36:37.29 ID:TTAc4R6C0
 未来人と出会ってから、1年が過ぎた。

 中学校にあがるとき、未来人と同じ中学校になれるかと少し不安に思ったけど、何の問題もなく同じ中学校に進学していた。

 小学校の卒業式のとき、周りの雰囲気も手伝ってか、どこか宇宙の遠くへ行ってしまいそうな気配がしていたけど、
以下略



3: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:37:29.39 ID:TTAc4R6C0

 中学生になっても彼女は相変わらずで、授業は抜けたり抜けなかったりして、放課後はどこかでぼーっとしていることが多かった。

 ただ、とっている行動は変わらなくても、周りの対応は大きく変化した。

以下略



4: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:38:52.59 ID:TTAc4R6C0

 中学校への進学はほとんど地区で決まっていたようなものなので、山田や岡西、中村も、同じ中学校に入学した。

 ただ、他の小学校の児童も多く集まったせいか、岡西以外の2人は、クラスは別になってしまったけど。

以下略



5: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:40:09.42 ID:TTAc4R6C0

 先ほども書いたように、未来人は理科が好きだった。

 特に物理の分野が気に入っていたようで、唯一、一度もサボったことがない授業が理科だった。真面目に話を聞いていたことは一度もなかったけど。

以下略



6: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:41:10.01 ID:TTAc4R6C0

 それからもう1人、中学校からの知り合いでよく覚えている人間がいる。

 同じクラスの滝野だった。

以下略



7: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:42:20.39 ID:TTAc4R6C0

「携帯買ってもらったんだ」

「はぁ」

以下略



8: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:43:48.98 ID:TTAc4R6C0

 最後に、未来人の話をする上で、欠かせないことがあった。放課後の過ごし方。

 小学校の頃は誰も残っていなくて、静かな空間といえば教室だったけど、中学生になると、部活やら委員会やらで残っている人も増えた。

以下略



9: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:45:04.85 ID:TTAc4R6C0

 その次の日、未来人は再び屋上の前まで来ると、当たり前のように自然な動きで、スカートのポケットから真新しい鍵を取り出した。

 あまりに当然のように持っていたので、私は逆に驚かなくて、

以下略



10: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:46:02.69 ID:TTAc4R6C0

 未来人は塔屋の上から、身を乗り出して私を見ていた。

「どうやって登ったの?」

以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2017/02/10(金) 20:47:44.82 ID:dN6BKukao
そーいや未来人(46歳)が近所の92歳女性を殴り殺して逮捕される事件があったなぁと
www.sankei.com


12: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:57:03.13 ID:TTAc4R6C0

 本題に入ろう。
 ただ、今回は、長期に渡って何度か起きた話になる。

 4月、桜が散り終えた頃、少し暖かすぎる陽射し、冷たい風の吹く、通学中のことだった。
以下略



13: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:58:00.40 ID:TTAc4R6C0

 目立ちたがり屋が、さらに岡西に向けて何か言おうとすると、東田がそれを遮るように振り返った。

「そういえばお前、1時間目の理科の予習したの?」

以下略



14: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:58:50.52 ID:TTAc4R6C0

 次の日、朝早くに学校に来てみると、教室の扉を開ける前に、群青色の香りがした。

 音を立てて扉を開くと、未来人が、教卓の上に三角座りをしていた。

以下略



15: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 20:59:54.29 ID:TTAc4R6C0
 犯人探しが始まった。

 先生達は、メダカが死んだのは急に気温が上がったから、と言って話題を収めようとしたが、逆に話題を収めようとする先生のその姿勢が、生徒達を駆り立てていた。

 まず、昨日の6時間目までは生きていたことから、放課後に部活がない生徒が疑われることになった。
以下略



16: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:00:36.83 ID:TTAc4R6C0

 もともと人とあまり話すことのなかった未来人は、まだ進級したばかりのクラスで、浮いたモノ扱いされるのは当然のことだった。

 それに加えて、事件のあった次の日に朝から来ていなかったこともあり(人が集まる前にどこかへ消えていた)、それを証拠として、教室の空気は彼女を犯人とする方向でほとんど決定していた。

以下略



17: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:01:51.81 ID:TTAc4R6C0

 そのまま頭の上に頭を出すと、思わず目を丸くしてしまった。

 綺麗に掃除されている。

以下略



18: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:03:47.71 ID:TTAc4R6C0
「犯人、誰なんだろう」

 ぽつりと呟くと、片耳が床についていたので、その言葉は、私の頭に大きく響いた。

「気になるってことは」
以下略



19: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:04:56.91 ID:TTAc4R6C0

 メダカの犯人探しは、翌々日には先生達の思惑通り、鎮静していた。中学生なんてそんなものだ。

 一週間くらいは、未来人と一緒に行動すると、避けられているようなところはあったけど、それも、半月も経てばなくなっていた。

以下略



20: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:05:43.02 ID:TTAc4R6C0

 その日はよく晴れていて、私は、未来人とは反対側の、給水タンクの陰から、中庭を眺めていた。

 ここは中庭が見下ろせる代わりに、中庭からも見えてしまうという難点があったけど、中庭なんてほとんど人は来ないし、そもそも給水タンクの方向を見上げる人なんていなかった。

以下略



21: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:06:34.77 ID:TTAc4R6C0

 中庭に着くと、岡西が近くの石に腰掛けて、写真の確認をしているところだった。

「写真、撮ってたの?」

以下略



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