26: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:11:52.55 ID:TTAc4R6C0
話を戻す。
暗い顔をした滝野に、目立ちたがり屋はさらに続ける。
27: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:12:57.07 ID:TTAc4R6C0
岡西は、少し驚いた様子を見せた後、いつも通りの調子で扉を閉めて、黙って自分の席に向かう……向かおうとしたところで、まだ入り口近くにいた滝野が、震える声で岡西を呼び止めた。
「……ね、ねぇ」
28: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:14:21.34 ID:TTAc4R6C0
私はゆっくりと、ほかの人に悟られないように、視線を東田の方に動かした。
未来人の席が視界に入ったけど、彼女はここにはいない。
東田が視界に入ると、一瞬視線が合ったような気がして身が縮こまったが、すぐに気のせいだとわかった。
29: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/10(金) 21:16:28.54 ID:TTAc4R6C0
つづく
誤字脱字あったらごめんなさい。
明日また続き書きにきます。
30:名無しNIPPER[sage]
2017/02/11(土) 14:21:53.68 ID:VRG4mWiR0
乙
31: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:31:23.30 ID:BcSldTJc0
4時間目が終わっても、岡西は帰ってこなかった。
何人かの先生は慌ただしくしていたけど、授業は普通に行わていた。案外、何があっても生活のリズムが変わることはないのだな、と感じた記憶がある。
滝野の方は、1時間目が終わると、保健室に行って、そのまま早退していた。
32: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:32:01.72 ID:BcSldTJc0
給食を食べ終えて、教室を出ようとすると、未来人はもういなかった。
仕方がないので、隣に寄って山田と中村を呼んでから、3人で岡西を捜した。
しばらく校舎をうろうろしていた私たちだけど、結果から言うと、岡西は屋上にいた。未来人も。
33: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:32:34.47 ID:BcSldTJc0
「なら、犯人はあえてクワを使ったのかな?」
山田がそんなことを言うので、私たち3人は、首を傾げて山田の方を見た。
34: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:33:08.69 ID:BcSldTJc0
中庭の事件から数週間後、私たちはバスに乗って、となりの県の孤島へ自然教室に向かった。
あんな事件があってもやもやしてたとはいえ、しばらく時間も経っていたので、当日くらいまでには、私は案外、楽しみにしていた記憶がある。
子供は切り替えが早い。
35: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:33:53.00 ID:BcSldTJc0
「なにしてるの」
波とエンジンの音がよく響いていたので、少し声を張って私がそう言うと、未来人は振り返らないまま、
36: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:34:24.70 ID:BcSldTJc0
初日の予定は、荷物を事務所に預けてから、班ごとに分かれて近くの林道でウォークラリーをして、それからカレー作りだった。
孤島に着くと、その日が曇っていたせいかもしれないけど、思っていたよりも鬱蒼とした印象を受けた。1本1本の木が大きい。
小さな山の集まりのような島だった。
53Res/67.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。