過去ログ - 【ミリマス】午前五時よりの使者(なおしほ)
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12: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:53:36.70 ID:IfE//nEu0
「それで、早く来て何をするつもりだったんですか?」
「んー最悪ここで寝ても誰かが起こしてくれるかなって。でもそれ以外はなーんも考えてへんねん」
「本当に考えなしで来たんですね。……それで、寝るんですか? いいですよ、私起きてますから起こしますよ?」

せやなぁ、と奈緒が言おうとすると静かな世界に突然の闖入者があった。
以下略



13: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:54:46.75 ID:IfE//nEu0
「もしかして朝ごはん食べてないんですか?」
「うん。『コンビニのご飯は駄目だよ!』って前に美奈子に怒られてもーてなー。
せやかてこんな朝早くにコンビニ以外開いてへんし、とりあえずケータリング来るまで水で耐えよかな思うてたんやけど」
「あぁ美奈子さん。それは仕方ないですね」

以下略



14: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:55:55.46 ID:IfE//nEu0
奈緒の言葉を聞かないふりをして、志保は自らのカバンから小さな布の袋を取り出した。

「……はい」
「や、志保。『はい』って言われても。それなんなん?」
「自分で確かめて下さい」
以下略



15: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:56:55.59 ID:IfE//nEu0
また視線を逸らした志保を横目に奈緒は早速弁当箱の蓋を開ける。
中身はさらに奈緒を感動させるものだった。

「おおおお! めっちゃ美味そうやん!?」
「ライブ前ですからあまり濃いものは避けましたけど」
以下略



16: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:57:46.57 ID:IfE//nEu0
「なぁなぁ、食べてもええ?」
「はい。そのためにつくっ……持って来たんですから」
「えへへ。ほな、いただきまーす!」

早速ひと口食べた奈緒。すぐに彼女の歓喜の声が聞こえてきた。
以下略



17: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:58:53.90 ID:IfE//nEu0
「はー食べた食べた。ごちそうさまー」
「お粗末さまです」

弁当の隅まで何も残すことなく奈緒は弁当を食べ終えた。
ライブ前なので多過ぎず、かといって質は高い。
以下略



18: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 21:59:49.71 ID:IfE//nEu0
再び訪れた沈黙の時間。
時刻はまだ朝の六時前。
当然だが、楽屋に二人以外の誰かが現れる気配はない。
志保は暇つぶしの道具をスマホから本へと変え、その正面で奈緒は今日披露する曲を音楽プレイヤーで聞いていた。
互いに干渉することなく各々の時間を過ごしていた。
以下略



19: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 22:00:38.07 ID:IfE//nEu0
ほとんど眠れていないことと、食事を入れたこと、そして志保と話して心が落ち着いたことが原因だろう。
突然の眠気は、まるでせき止められていた川の水が堤防の決壊で一気に流れ始めてきたかのようだ。

「まだ集合時間もリハも何時間も先ですし、寝ていたらどうですか? 今のうちに少しでも休んでおかないと体力もたないと思います」
「せやなぁ……」
以下略



20: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 22:01:38.65 ID:IfE//nEu0
「……奈緒、さん? あっ、ソファのほうが寝やすいですよね。すいません、至らなくて」

楽屋のソファは驚くほどフカフカで座り心地がいい。
机に伏すよりもソファなら気持ち良く眠れるかもしれない。
志保はすぐにソファを明け渡そうと立ち上がろうとしたが、すぐに奈緒に制された。
以下略



21: ◆qKhJzPKZxI[sage]
2017/02/13(月) 22:03:28.07 ID:IfE//nEu0
「にひひ、やっぱりぴったりや。それに気持ちええなぁ」
「変なことを言わないで下さい! それと私まだいいとは言って……!」
「お願いやー。寝させてー今ならスッキリ眠れる気がすんねん。あとで何でもするからー」

その言葉はズルい。そう志保は思った。口には出さないけれど。
以下略



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