過去ログ - 善子「堕天使バレンタイン」
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2:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:16:41.12 ID:45HTUkfp0
「はぁ……」

何度目か分からないため息。私は今ある人を待っている。

本日は2月14日。クリスマスに負けずとも劣らないリア充のリア充によるリア充のための日、そう、バレンタインデーである。
以下略



3:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:17:12.37 ID:45HTUkfp0
つまり、私は今、告白を控えたような心持ちでその人を待っている。……いや、「ような」ではない。本命チョコを渡すからには、それは告白と同義であるから、私はまさしく告白するために待っているところだ。

緊張するに決まっている。
ため息だって、何度もつきたくなる。

以下略



4:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:17:53.30 ID:45HTUkfp0
(そろそろかな)

放課後の練習が終わった後、私は素早く着替えて、この場所、つまりは靴箱にきた。

色々と考えた上で、ここで待ち伏せして渡すのがベストだという結論を出した。
以下略



5:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:18:35.44 ID:45HTUkfp0
自覚したのは、いつだったか。

多分恋に落ちたのはあの日、私がAqoursに入った日だと思う。

初対面は最悪だった。
以下略



6:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:19:05.67 ID:45HTUkfp0

──踏み出そうとした足が、止まる。

前を見据えて歩き出そうとしたところに、彼女の顔が見えた。
見たことのない笑顔だった。
以下略



7:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:19:35.51 ID:45HTUkfp0
ただ走った。
何も考えることは出来なかった。

考えたら最後、もう涙は止められないと思った。

以下略



8:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:20:16.60 ID:45HTUkfp0
私の手には、未だ可愛らしい袋が握られていた。
私の腕を、掴む手があった。

「はぁっ、はぁっ……善子ちゃん」
「千歌……さん……」
以下略



9:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:20:47.34 ID:45HTUkfp0
「ねぇ……」
今度はなんの期待もしていない。
ただただ純粋な疑問だった。
「なんで、私を追いかけてきたの?」
「えっ、そ、それは……」
以下略



10:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:21:51.00 ID:45HTUkfp0
「っ……それじゃあ!」
押し付けるようにして、踵をかえす。
そのままバス停へと走り出そうとしたその瞬間小石につまずき前のめりに倒れそうになったが、すんでのところでとどまった。
「……!」
恥ずかしさで死にそうだった。いくら堕天使とはいえ、この一連の流れは不幸というかなんというかもう、生き恥だ。
以下略



11:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:22:26.27 ID:45HTUkfp0
「……何、これ」
「チョコだよ」
「さっき貰ったんだけど」
部室で貰った、はず。記憶違いだろうか。
「それはみんなに配る用だよー。これは本命」
以下略



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