過去ログ - 善子「堕天使バレンタイン」
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4:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:17:53.30 ID:45HTUkfp0
(そろそろかな)

放課後の練習が終わった後、私は素早く着替えて、この場所、つまりは靴箱にきた。

色々と考えた上で、ここで待ち伏せして渡すのがベストだという結論を出した。
以下略



5:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:18:35.44 ID:45HTUkfp0
自覚したのは、いつだったか。

多分恋に落ちたのはあの日、私がAqoursに入った日だと思う。

初対面は最悪だった。
以下略



6:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:19:05.67 ID:45HTUkfp0

──踏み出そうとした足が、止まる。

前を見据えて歩き出そうとしたところに、彼女の顔が見えた。
見たことのない笑顔だった。
以下略



7:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:19:35.51 ID:45HTUkfp0
ただ走った。
何も考えることは出来なかった。

考えたら最後、もう涙は止められないと思った。

以下略



8:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:20:16.60 ID:45HTUkfp0
私の手には、未だ可愛らしい袋が握られていた。
私の腕を、掴む手があった。

「はぁっ、はぁっ……善子ちゃん」
「千歌……さん……」
以下略



9:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:20:47.34 ID:45HTUkfp0
「ねぇ……」
今度はなんの期待もしていない。
ただただ純粋な疑問だった。
「なんで、私を追いかけてきたの?」
「えっ、そ、それは……」
以下略



10:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:21:51.00 ID:45HTUkfp0
「っ……それじゃあ!」
押し付けるようにして、踵をかえす。
そのままバス停へと走り出そうとしたその瞬間小石につまずき前のめりに倒れそうになったが、すんでのところでとどまった。
「……!」
恥ずかしさで死にそうだった。いくら堕天使とはいえ、この一連の流れは不幸というかなんというかもう、生き恥だ。
以下略



11:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:22:26.27 ID:45HTUkfp0
「……何、これ」
「チョコだよ」
「さっき貰ったんだけど」
部室で貰った、はず。記憶違いだろうか。
「それはみんなに配る用だよー。これは本命」
以下略



12:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:23:36.95 ID:45HTUkfp0
「な、なんで、どうして?」
「えへへ……私、善子ちゃんが好きなんだ」
「嘘……」

嘘だ。そんな素振り、全く無かった。
以下略



13:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:24:16.29 ID:45HTUkfp0
「り、理由! 理由は!?」
「そんなに信じられない? 理由……理由かぁ。ないよそんなの。とにかく好き! 全部好き!」
「なっ……!!」

よくもまぁ、そんなことを恥ずかしげもなく言えるものだ。
以下略



14:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:24:47.08 ID:45HTUkfp0
人生において、幸福と不幸は釣り合いが取れているという。

もしかしたら、私は、この時のために、堕天使になったのかもしれない。

今までの不幸を差し引いても余りある幸せを手にして、私はそんなことを考えていた。


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