過去ログ - 双葉杏「特別だけど、特別じゃない日」
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13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:16:11.40 ID:ca4PDaJt0

『おっ、懐かしいゲームやってんな』

『なに、興味あるの?』

以下略



14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:18:27.47 ID:ca4PDaJt0
===

 夢を見ている時に「あっ、これ夢だ」と気がつくきっかけ。今回のソレは、自分が空を飛んでいると分かった瞬間だった。

 灰色の曇り空の下、強い風に弄ばれるようにしてなんとか飛んでいた私は、
以下略



15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:21:50.08 ID:ca4PDaJt0

 そうしてそのまま体を起こすと、あの鳥の奴の様子を確かめるためにベランダの扉の前まで移動する。

 チラリと覗くと、奴はまだ室外機の影に居た。
 最初に気づいたのがお昼だったから、かれこれ三時間以上は雨風に晒されていたことになる。
以下略



16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:22:50.28 ID:ca4PDaJt0

 バサバサと、羽ばたく音が聞こえたのは一瞬だった。

 次にはあの丸っこいくちばしが目の前にあり、私は反射的に両腕で顔を守った。
 腕に何かが勢いよくぶつかり、私はベランダに尻もちをつく。お陰でシャツだけじゃなく下着までぐっしょり。
以下略



17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:24:11.69 ID:ca4PDaJt0
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 恩を貸している相手と言えば、アイツからの連絡は未だ無い。ついでに私は運も無い。水も滴るいい女、違うな。
 見事なまでの濡れネズミになった私は、床に真新しい染みを作りながら脱衣所へと一直線。

以下略



18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:29:42.40 ID:ca4PDaJt0
===

 お風呂から出た私はサッパリしていた。

 苛立っていた気分の方も、幾分か晴れやかになった気がしないでもない。流石はお風呂、命の洗濯。
以下略



19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:33:08.16 ID:ca4PDaJt0
===

 夜、外は相変わらず雨が降ってたが、風の勢いは少し弱くなったらしい。
 お天気お姉さんが言ってたんだから、多分間違いはないんだろう。

以下略



20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:35:19.46 ID:ca4PDaJt0

「さて、と」

 私は着ていたシャツを脱ぐと、朝から放置されていたお洒落なチュニックを手に取った。

以下略



21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:36:50.55 ID:ca4PDaJt0

「……なんてね」

 誰に聞かせるでもない呟きだ。私は小さくかぶりを振ると玄関へ。
 靴を履き、カッパを着込み、マンションの扉に手を掛けた。……しかし、ドアノブがなぜか回らない。
以下略



22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:38:41.58 ID:ca4PDaJt0
===

「ふぅん、随分とめかしこんでるな」

 それが玄関で私の恰好を見たアイツの最初の一言だった。
以下略



23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:39:33.94 ID:ca4PDaJt0

 するとアイツは「あぁー!」と合点がいったみたいに声を上げ「どうりで良い匂いがするわけだ」なんて言いやがる。

 その何気なくかけられた一言に、私は自分の顔が赤くなるのを感じてた。
 そうして自分だって電話に出なかったじゃないかって私が言いだすきっかけを、はぐらかされた事にも気がついて。
以下略



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