182:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:54:27.52 ID:ha7ZcpN9o
…
オハラタワー・一階。
183:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:54:57.97 ID:ha7ZcpN9o
梨子の顔から繊細で気弱な少女の色はどこかへと失せ、居並ぶ敵影を睥睨して笑みはなく、静かな怒りを湛えた絶対的強者の佇まい。
とりわけ女性のアライズ団員たちは梨子の眼光に畏怖、鷹の目に射竦められたような錯覚を覚えて身を震わせる。何故だかはわからないが。
コォォ…と呼吸、カイリキーの全身が鋼のようにパンプアップしている。
近付けば間違いなく仕留められる!
184:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:55:31.44 ID:ha7ZcpN9o
一方、真姫。
日頃は基本的に屋内での科学研究がメイン、インドア派の真姫は密集した人波に揉まれ、「う゛ぇぇ…」と力なく呻いている。
まともに戦わせれば少なくともジムリーダーたちと比べて遜色のない腕前、しかし本人の筋力が求められる状況となるとまるっきり駄目だ。
185:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:56:01.26 ID:ha7ZcpN9o
ジムリーダーたちに加えて真姫までもが解放され、戦力の均衡は完全に崩れ去った。
暴虐のアライズ団員たちは撤退戦を強いられ、強奪したポケモンたちを回収してホール外へと後退していく。
外を包囲した警察部隊との交戦が始まっているようだが、それは警察に任せて構わないだろう。
真姫はくたりと腰を落とし、とりあえずの危機を逃れられたことに安堵の溜息を吐く。
186:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:56:36.73 ID:ha7ZcpN9o
強くなりたいと願い、日々研鑽を積む数多くのトレーナーたちにしてみれば冗談にもならない話だ。
だけど、自衛というのはわかりやすくて強い動機の一つなのかもしれない、と真姫。
真姫「……ま、いいわ。穂乃果と海未、それに他の子たちが見当たらないわね」
187:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:57:16.19 ID:ha7ZcpN9o
…
オハラタワー最上階。
188:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:57:43.61 ID:ha7ZcpN9o
「撃てぇ!全弾撃ち尽くせ!」
「全ポケモン!最強技を斉射!!」
「影も残すな!殺されるぞ!」
英玲奈「メタグロス、“しねんのずつき”だ」
189:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:58:10.89 ID:ha7ZcpN9o
「かは…」と小さく息を漏らす鞠莉。
その指が英玲奈の肩へと掛けられ、救いを求めるように視線が宙を泳ぐ。
ぐ…と、刃が捻り回される。
傷口を歪めて広げ、内臓を確実に壊し、刃渡り20センチほどの刃が鞠莉へと確実な死をもたらす。
190:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:58:39.21 ID:ha7ZcpN9o
英玲奈「影武者を用意している、そこまでは良かった。だが甘いな。君はメタモンを見捨てて逃げるべきだった」
鞠莉「No way.そんなこと…できるわけないでしょう?」
英玲奈「命を大切に想える人間は尊敬に値する。私はその生き方を選べなかったからな」
191:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:59:07.40 ID:ha7ZcpN9o
英玲奈「………さて」
この距離から落ちれば肉片と血溜まり、美しくチャーミングな彼女の容姿は原型を残さないだろう。
死に至るまでの過程は警察のエスパータイプポケモンによる過去読で調べられ、一連の出来事はそれで報道に乗る。十分だ。
192:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:59:45.09 ID:ha7ZcpN9o
英玲奈は心の底から嬉しげに口元を笑ませている。
アキバリーグの現四天王で最も荒々しい戦闘スタイルと謳われる松浦果南、彼女なら死線を味わわせてくれるだろうかと!
だが、冷静な面も残されている。
ついに屋上、英玲奈より上へと到達した水禍を見上げ、「ふむ…」と唸り、果南へと問いかけを。
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