過去ログ - 佐久間まゆ「たった一つの光、願い込めて」
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15:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:38:13.95 ID:ltgFqpYMo
「私は、プロデューサーさんを嫌いになんてなれませんでした。だから、貴方に嫌われるような私になろうと思ったんです」

 そして私は、プロデューサーさんに背を向けて星空を見上げる。

「でも、貴方は私のことを嫌ってはくれませんでした。あんなに重い女を演じていたのに、どうして貴方は私の心に歩み寄ってきたんですか?」
以下略



16:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:40:26.80 ID:ltgFqpYMo
 こうして素直に心情を吐露すれば、立派な社会人である彼なら、私を嫌ってくれただろう。

 君の想いに応えることはできない、と、やんわりと私を拒絶してくれたのだろう。私の初恋は、緩やかに終わりを迎えたのだろう。

 だが、私はそうできなかった。
以下略



17:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:42:25.49 ID:ltgFqpYMo
 ようやく、私の初恋は終わる。

 嫌われるためだけの、病んで狂った『佐久間まゆ』も、今日でおしまい。

 そう思っていたのに、彼は毛布ごと、私の背中を抱きしめた。
以下略



18:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:42:59.20 ID:ltgFqpYMo
「最初は、君のことを苦手だと思っていた。でも、レッスンやライブに一生懸命な君を見ていたら、どうしようもなく君が愛しくなってきたんだ」

 まるで夢のような言葉に、私はただ泣き続けることしかできない。

「俺はプロデューサーで、君はアイドル。こんなことがあってはいけないのはわかっていたさ。だから俺は、君とつかず離れずの距離を保った」
以下略



19:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:45:03.14 ID:ltgFqpYMo
「……これから、どうしましょうか」

 務めて声を震わせないように、私はそれだけを呟く。

 プロデューサーとアイドルが恋仲なんて、スキャンダルも良いところだ。
以下略



20:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:45:33.26 ID:ltgFqpYMo
「それから、君がアイドルを引退したら、俺がプロデューサーを引退したら、今までできなかったことを少しずつ埋めていくんだ。時間をかけて、ゆっくりと。それまで、待ってくれるか?」

「うふ、他の子から迫られても、私を捨てないでくださいね?」

「はは、まゆこそ、俺を捨てないでくれよ?」
以下略



21:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:46:23.02 ID:ltgFqpYMo
以上です。少ししたらHTML依頼出してきます。ご覧くださりありがとうごさいました。


22:名無しNIPPER[sage]
2017/04/09(日) 21:58:40.37 ID:mb8aCqe3o
おつ
儚いな


23:名無しNIPPER[sage]
2017/04/10(月) 00:55:04.74 ID:OnhNlLQSo
乙です


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