【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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166
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:04:02.72 ID:Eb2omwdb0
「これは怪我じゃない」
そう言って手を上げ、頭にかかっている包帯を引っ掛けてぐるぐると外す。
そしてその中から出てきた「モノ」を見て、汀(なぎさ)は息を呑んだ。
彼の、右側頭部が綺麗になくなっていた。
以下略
AAS
167
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:04:29.74 ID:Eb2omwdb0
私……。
私は、パパの娘で……。
娘……?
それは、「いつから」のことだったんだろう。
その疑問が頭に浮かんだ瞬間、えも言えぬ悪寒が体全体を走ったのだった。
以下略
AAS
168
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:05:14.91 ID:Eb2omwdb0
「教えてあげよう」
坂月はそう言って、車椅子を汀(なぎさ)に近づけて言った。
「君の名前は、網原汀(あみはらなぎさ)だ。十三歳。日本人。身長は百三十二センチ。体重は三十一キロ」
以下略
AAS
169
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:05:48.09 ID:Eb2omwdb0
「その猫ちゃんがね、探してきてくれたんだ。これは精神中核と言い、人間の『魂』のようなものさ」
「…………」
「受け取って」
促され、汀(なぎさ)は手を伸ばしてビー玉を受け取った。
以下略
AAS
170
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:06:34.41 ID:Eb2omwdb0
「人間の心は、元来病んでいるんだ」
「…………」
何を言われているのか分からない顔をしている汀(なぎさ)を見ずに、彼は続けた。
以下略
AAS
171
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:07:13.09 ID:Eb2omwdb0
「…………」
「今は、俺が何を言っているのか分からなくてもいい。だがいつか分かる時が来る。望むと望まざるとに関わらず、必ず」
掠れた声でそう言って、坂月は続けた。
以下略
AAS
172
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:07:58.82 ID:Eb2omwdb0
「元老院という組織がある。それは、自殺病を利用して人々の心にウイルスを拡散させ、患者を増やしている機関だ。治療すると同時に、繋いだネットワーク越しに別の人間にウイルスが感染し、ねずみ算式に自殺病患者は増えていく。そういうシナリオさ。でもね、その元老院っていう組織は、君達がいる現実には存在しないんだよ」
目を見開いた汀(なぎさ)に微笑んで、坂月は言った。
「いくら探しても見つからないわけだ。だって、元老院の人間達は、既に自分達の意識を夢の中に落とし込んで、『こちら側』の住人になっているんだから。自分達だけは安全な場所で、世界を玩具のように動かしている存在だったんだ。まさに、悪魔だと思わないかい?」
以下略
AAS
173
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:08:37.68 ID:Eb2omwdb0
彼は車椅子を汀(なぎさ)に向き直らせ、続けた。
「中萱はこう考えた。元老院を全員殺した後……不要になったスカイフィッシュを、どうやって破壊しようかと。そこで選ばれた存在は、君だった」
「私……?」
「そうだ。君が新たなスカイフィッシュ、『アンチスカイフィッシュ』となり、目的を達した後、邪魔な敵をすべて駆逐する。俺は、その橋渡しをする役目だった」
以下略
AAS
174
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:09:18.62 ID:Eb2omwdb0
「あなたは……」
「俺の目的は、中萱とは違う。アルバート・ゴダックの殺害と、『スカイフィッシュ』の根絶、その二点だ。だから今回、君をスカイフィッシュへと誘導するのではなく、その精神中核を返すことにした」
淡々とそう言い、彼は手を伸ばして、ギプス越しに汀(なぎさ)の頬に触れた。
以下略
AAS
175
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:10:05.66 ID:Eb2omwdb0
微笑んだ坂月が、続けて何かを言いかけ……そして彼は弾かれたように顔を上げた。
「予想よりかなり早いな……やはり、あの子の改造は失敗だったのか……」
「え……?」
「猫ちゃん、この子が目覚めるまで頼むよ。俺はどうやら、ここまでみたいだ」
以下略
AAS
176
:
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2017/05/24(水) 16:10:48.28 ID:Eb2omwdb0
汀(なぎさ)は頭を抑えて悲鳴を上げた。
割れた空の向こうは、銀色のどろどろしたものが流動している空間だった。
そこをかき分けるようにして、小さな病院服の女の子が落ちてくる。
彼女は持っていたチェーンソーを砂浜に叩きつけた。
轟音と砂煙が上がり、彼女がゴロゴロとすり鉢状にえぐれた地面を転がる。
以下略
AAS
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