71:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:39:30.41 ID:Xx5qo0vS0
「なるほど……」
「なんだよ」
俺の顔と自分の手許とを交互に見比べる一花の一言。一体何に納得したかは不明だし、これと言って聞き立てようとも思わなかった。
というのも、こういう状態のままで拘泥していると碌な結末を迎えないのが火をみるより明らかだからだ。閉鎖環境は人を充分に狂わせ得る。早急に立ち去らないことには、まーた面倒なことが起きるに違いないのだ。
72:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:40:14.23 ID:Xx5qo0vS0
「あの、フータロー君……」
「やめろ。それ以上言うな」
もじもじと内腿を擦り合わせる涙目の一花。全身からはフェロモン的なものが漂っているし、次に口から放たれる言葉がどんな類のものかはやすやすと推測できた。
こうなってしまうと、もう聞かないか言わせないか以外の対抗手段がない。耳を塞いでも骨振動で聞こえてしまうだろうから、ええいままよと片手で直接彼女の口を押さえにかかる。
73:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:41:21.58 ID:Xx5qo0vS0
「私すっごいむらむら……」
「あーーーーー」
カラオケボックスという防音環境を最大限に生かし、彼女の言葉を封殺。がっつり聞こえてしまった気もするが、封殺。
ここには何もなかったし、俺は何も聞かなかった。それがなにより一番だ。そもそも……なんだ。俺自身、さっきので不覚にも盛り上がりかけているので、ここで下手に一押しされるとまずい。二の舞三の舞まで秒読みだ。
74:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:41:51.42 ID:Xx5qo0vS0
「みんなと寝室同じだから最近はなかなか処理出来なくて」
「やめろ。お前の性事情を聞かせるな」
「ごめん、もう無理かも」
「……待て。お願いだから落ち着いてくれ」
「ひ、一人で何とかするから」
75:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:42:24.30 ID:Xx5qo0vS0
「なんで止めるの?!」
「知るか。本当ならお前が自制するとこだぞ」
「ほ、ほんとにやめて。おかしくなっちゃう……」
「もうなってんだよ。気付いてくれよ……」
「お腹の中がむずむずするの……」
76:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 00:43:09.76 ID:Xx5qo0vS0
「おい、おいおいおい」
じりじりと俺が後退させられている。どこにそんな力を隠していたのか謎だが、火事場の馬鹿力と言われればそれまでだ。
このままでは振りほどかれて即大惨事なので、腕力が分散しないようにやや密着して両腕を封じる。俺のしょぼくれた力ではこうでもしないと抑えきれない程になっている。
近づくことではっきり分かる甘ったるい体臭を嗅がないように呼吸は出来るだけ口で、変な気分にならないように目は逸らしてを徹底し、なんとか絞り出した力で彼女の腕を止める。痣になっても困るので握力に気をつける手間を含めて、かなり神経を削る作業だ。
77:名無しNIPPER[sage]
2019/01/10(木) 01:27:59.72 ID:odGkdFmYo
いいぞいいぞ
78:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 01:50:16.31 ID:Xx5qo0vS0
「待て。その腰の動きを止めろ」
「ご、ごめ……もう、どうにもならなくて……」
「机の角じゃないんだぞ……」
なおも一花の動きは止まってくれない。変に密着したせいで下半身がまるで動かないし、手でなんとかしようにもそれはもう文字通りの手一杯。俺が対策を練る間にも彼女の前後運動は激しさを増して、口許からは熱い吐息が漏れ出し、位置の都合で俺の頬を容赦なく撫でてくる。
79:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 01:50:42.47 ID:Xx5qo0vS0
「ん……ぅ!」
「おい」
「…………ぁっ」
「…………」
80:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/10(木) 01:51:15.99 ID:Xx5qo0vS0
「…………んっ」
「…………む、ぅ……っ」
息の吸い方を少しの間だけ忘れて、酸素の回っていない頭で彼女の攻勢に為されるがまま晒され続ける。薄い唇が俺の唇をなぞるたびに背中がぞくぞく震えて、もうまともな思考など帰ってきてはくれなかった。
少なくとも、今度は歯が当たっていない。それだけは確かだった。
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