【モバマス】乃々「キレイな夢を見たんだ」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:25:56.40 ID:kEcSo673O
それからおよそ二十分。
私達の間に会話はなく、私の知っている曲、知らない歌が窓の外を流れる景色のように、意味もなく通り過ぎてゆきました。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:26:41.45 ID:kEcSo673O
飛び込んできたドラムは、私達の空気を破裂させるような軽快なリズム。続いてギターとベースが渾然となって音のうねりを作ります。止めを刺すように、自由なようでいて芯のあるボーカルの歌声が響いて……。
私は完全に、聴き入ってしまいました。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:27:20.01 ID:kEcSo673O
数分後、余白が次のメロディを運んできてようやく、私は軽く息を吐きました。自分の呼吸音さえ煩わしかったのか、浅く息をしていたようです。
少し余韻に浸った後、つい呟いてしまいました。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:28:15.71 ID:kEcSo673O
「あぁ、良い歌だよなぁ。俺も学生の頃から好きなんだよ」
努めて愛想の良い返事をしてくれていることに、私は恥ずかしさと照れを感じてしまいました。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:29:11.31 ID:kEcSo673O
それから少しして、ようやく私達は目的地に着きました。
まだ開場数時間前だというのに、会場の周りにはぽつりぽつり、ファンと思しき方々がいます。そこに私は、イベント特有の浮き足だったような空気を感じていました。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:32:50.98 ID:kEcSo673O
会場内はいつものことだが騒がしかった。
設営スタッフの声や大きな物音が響くかと思えば、サウンドチェックの為に突如爆音が流れる。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:33:50.97 ID:kEcSo673O
「プロデューサー失格」
「甘えを許しているだけじゃないか」
23:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:34:28.60 ID:kEcSo673O
そっと振り返ると、森久保は人込みに流されないよう、俺のジャケットの端を掴んで付いてきている。
まるで俺と彼女が、初めて逃げ込んだ時のように…。
24:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:35:19.35 ID:kEcSo673O
「アイドルは商品だ」
と、この業界では良く言われる。
25:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:36:14.43 ID:kEcSo673O
森久保と初めて顔を合わせたのは、去年の春のこと。
予約していた小会議室は、眠くなるような生暖かい空気で淀んでいた。換気も兼ねて窓を開けてから、彼女と向き合うように腰を下ろす。
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