44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:53:57.27 ID:kEcSo673O
一方で、そんなジメジメした胸の内で、驚いたこともありました。
「凛さん、次お願いします!」
45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:54:41.39 ID:kEcSo673O
観客の歓声や、出演中の方の歌声、潮騒のような拍手。
そういったものが、くぐもりながらも耳に届きます。
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:55:25.85 ID:kEcSo673O
それから少しして、Pさんが同僚さんに呼ばれました。それを待つ間、私はぽつぽつ一人で歩いて、あちこち見回っていました。
47:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:56:18.89 ID:kEcSo673O
先程までここで青ざめていた女の子は今、ピンクの衣装を揺らしながら、愛らしい歌声と共に笑顔を振り撒いています。
出番のギリギリまで担当プロデューサーと確認をしていた神経質そうな女の子は、妖艶な濃紺の衣装で微笑みながら、観客を虜にしています。
48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:56:59.85 ID:kEcSo673O
私が我に返ったのは、三十分程経ってからのこと。
戻ってこない私を心配して、Pさんが探しに来たのに気付くまで、私は延々とステージに見惚れていたのです。
49:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:57:45.37 ID:kEcSo673O
ぬるま湯に浸ったような生活を続けている私に、こんなことを言う資格はない。この方達に失礼だ……。
そんなことは重々承知していました。
50:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:58:34.59 ID:kEcSo673O
……何だ、これは。何が起きている。
51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:59:32.26 ID:kEcSo673O
驚きを押し殺すように深呼吸をし、俺は森久保の肩をそっと叩いた。
「探したぞ、森久保。こんな所に居たのか」
52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:00:10.22 ID:kEcSo673O
何をそんなに、慌てているのだろう。そんな疑問を胸の隅に残しながらも、俺は森久保へ向け微笑んだ。
心配するな。お前が言いたくないことなら、無理に聞き出す気はないよ。
53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 02:01:00.83 ID:kEcSo673O
二人で裏に戻ってすぐ、誰にも聞こえないような小さな声で森久保が呟いた。
その言葉を──隣に立っている俺だけは、聞き逃さなかった。
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