怪異探偵ソリィバレッタ「赤いドレスは血の先触れ」
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142:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:45:01.22 ID:z8WhOIbA0
バレッタ「ここにも居ませんか…ありがとう、ギャンドーズ」

うっかりしていたのは彼女の帰る場所を確認してなかったことだ。これでは彼女を助けに向かうことなどできない。
お喋りなようで、いまいちプライベートの見えない彼女が遊び場の一つと漏らしたドリームランの町にも居ないとなればお手上げだ。
今になって思い知らされる。私は彼女を知らなすぎた。
以下略 AAS



143:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:45:39.26 ID:z8WhOIbA0
探偵事務所。鍵をかけて『本日休業』の看板を出したまま、応対室のソファーに腰をおろす。
窓からは明かりの灯った向かいのビルが見え、こちら側の暗がりを僅かながら淡くする。

バレッタ(同調動作、始め……霊気探知…開始…)

以下略 AAS



144:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:46:18.98 ID:z8WhOIbA0
そこは紫色の部屋だった。紫色の壁紙、紫色の家具。紫色のカーテンに紫色のベッド、紫色の床。
いくつものガラスケースらしき円柱には何も入っていない。飾り棚の類いも空っぽだ。
ここが彼女の部屋だろうか。しかし…

霊気が見えないね…少なくとも最近はここに来てないみたいだ。
以下略 AAS



145:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:47:01.55 ID:z8WhOIbA0
格子状の門は片方が外され、ずらして立てかけてあるので簡単に外へ出ることができる。
少し歩いてバレッタは足を止めた。

バレッタ「…ここまでですか」

以下略 AAS



146:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:47:36.64 ID:z8WhOIbA0
痛い。
痛い痛い痛い。
痛い。

苦しい。
以下略 AAS



147:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:48:23.24 ID:z8WhOIbA0
バレッタ「──うぶっ」

気持ち悪い。吐き気が込み上げる。嫌悪感。嫌悪。嫌悪。嫌悪。
彼女を近くに感じる。彼女が恋しい。知らない誰かへの感情が湧き上がる。外見だけなら彼女そのものの、バレッタの知らない誰か。
そして──嫌悪。誰か以外に向ける嫌悪。どこか知らない世界への無関心と憎悪。疑心。恐怖。嫌悪。
以下略 AAS



148:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:49:03.30 ID:z8WhOIbA0
こういう時は聞き慣れた声も心配する素振りを見せるのだが、今は…気配すらしない。
余裕がない。同調に苦しみ、自我喪失しないよう気を張るのが精一杯だ。

バレッタ(フェルディナンド…)

以下略 AAS



149:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:49:49.60 ID:z8WhOIbA0
しばらく散策をしてみると、やはりというかこの町も普通ではなかった。
まず誰もいない。それはドリームランも同じだが、ふわふわとした文字通り夢心地に訪れるドリームランと比べると、ここは無駄に現実的な実感があるのが逆に空しい。
次に何もない。いや物はある。ただ動かない。
正確にはこちらからの働きかけが意味をなさない。電車は何はなくとも勝手に遠くを走ってるし、自動車は動くものなら勝手に道路をのんびり走っている。
だが駐車されてる車は絶対に動かない。外から押しても動かない。中から運転しようにもドアが開かない。
以下略 AAS



150:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:50:23.37 ID:z8WhOIbA0
あと気になることといえば…他の店と比べてファッション系、特に靴の店が多い…ような気がする。

この何もない町が彼女の居場所。
霊的痕跡も感じるので家よりは気安い場所なのかもしれない。
だだっ広いが、痕跡があるだけ希望はある。もうしばらく彼女を探すことにした。


151:おれを ◆MVS19SfNUQ[sage saga]
2022/03/05(土) 11:51:03.03 ID:z8WhOIbA0
大型ショッピングモールの立体駐車場。
彼女の霊的においが強く感じられ、町を見渡すこともできそうだったので、目指して来てみた。
本人が居たわけではなかったが、そう簡単に見つかるとも思わなかった。
壁の間際まで近づき、隙間から外を眺める。
こうして遠くから見下ろす分には何の変哲もない、ごくありふれた穏やかな町にしか見えない。
以下略 AAS



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