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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その15 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/26(水) 23:07:27.70 ID:4ARHoNco
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
    幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

コカトリスをクリト…と間違えて呼んでしまったダメ召喚士は、
パーティー仲間の頼れる戦士、どうみても処女な魔道士(戦士談)
スタイルいいが無口な盗賊(戦士談)と力を合わせて冒険を重ね、
数々の出会い…そして別れを経験し困難を乗り越えて行く。
束の間の休息を終えた一同が迎える、新たな局面とは…!?

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援など大変ありがたいそうです!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その14)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/

◆過去ログ(その1〜13)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 23:41:24.99 ID:G5SoHIDO
新スレおめでと−ございまーす!!
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 00:30:03.41 ID:8Do4PlM0
新スレおめでとうございます。
毎日楽しみにみてます!

そろそろ映像化ですか?
3Dで。
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 04:49:46.76 ID:jsHvqISO
>>1乙です〜
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 06:36:23.92 ID:zUNBioDO
>>1乙っす〜
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 07:08:36.10 ID:E.GLh7c0
乙なり
7 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 17:59:15.76 ID:zfTOLE2o
〜国軍本部〜

カツカツカツ…

秘書官「おはようございます」

副司令官「…司令は?」

秘書官「いらっしゃいますよ。どうぞ…」

カチャッ

副司令官「…失礼致します」

司令官「……ん」

黒革の椅子がギシッ…と音を立てて反転する。

身体を正面に向けた仮面の男がゆっくりと口を開く。

司令官「昨日はすまなかったね。私用でね…」

副司令官「いえっ、お構いなく…」

副司令官は発言と同時に書類の束をデスク上へと置く。

副司令官「此度の北伐における資料と報告書です」

司令官「…ん」
8 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 17:59:42.68 ID:zfTOLE2o
パサッ…

司令官は左手で書類を拾い上げ、一枚一枚ゆっくりと目を通す。

司令官「…で、どうかな?」

副司令官「……はっ?」

司令官「…本国のお偉い様は」

副司令官「え…ああ、まあ…いつも通りと言いますか…」

司令官「そう」

バサッ

司令官「…困ったもんだよねぇ」

副司令官「は、はぁ……」

司令官「…ん…そうか。君はあちらの出身だったっけ?」

副司令官「え、えぇ…」

司令官「それじゃヘタな事は言えないねぇ」

副司令官「此度の戦いでは戦果も上げられ、勇名は益々盛ん…」

司令官「……」
9 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:00:08.24 ID:zfTOLE2o
副司令官「民や兵の士気を上げるには…まぁ、うってつけかと…」

司令官「…そうだねぇ」

コンコン…カチャッ

秘書官「大軍師様、お見えになられました」

ドアを開ける秘書官の後ろより、右手で羽扇を仰ぐ男が姿を現す。

大軍師「…失礼致します」

司令官「…ん」

大軍師「おや、副司令官殿。先日はお疲れ様でした」

副司令官「貴公も戻られたか」

大軍師「ええ…」

副司令官「では私はこれにて…。あ、もう一つ……」

司令官「……?」

副司令官「殿下の命により、青龍隊の青年兵を出向させました」

司令官「…ん、これだね。後で目を通しておくよ」

司令官は書類を左手でひらひらと示す。
10 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:00:34.88 ID:zfTOLE2o
副司令官「それでは…」

テクテクテク…パタン

大軍師「代行として、贖宥状の発行を完了致しました」

司令官「…ん」

大軍師「北関の程近く…山中に拠点を設けておりました」

司令官「…なるほど。灯台下暗し」

大軍師「まさに。…ふふふ」

司令官「ふぅん…。女首領がよく頑張るねぇ」

大軍師「そういえば、生まれは東方のようですね」

司令官「…そう」

大軍師「今回の一手で、我が軍における北の布陣は整いつつあります」

司令官「…ん」

大軍師「あとは、制空権さえ得られれば…」

司令官「召喚隊の駒が…少ないからねぇ」

大軍師「……ええ」
11 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:01:00.65 ID:zfTOLE2o
司令官「何か手はないかねぇ」

大軍師「……」

司令官「副指令は召喚隊の力を、あまり注力してないからねぇ」

大軍師「外部から招聘するしかないですかね…」

司令官「……誰かいる?」

大軍師「…第一に浮かぶは……朱雀先生」

司令官「……彼は駄目だ」

大軍師「仰ると思いました」

司令官「…自由に泳がせるからこその強さもある」

大軍師「その通りで」

司令官「ま、それは君に任せるよ」

大軍師「ついでにもう一つ…」

司令官「…?」

大軍師「来るべき決戦に備え、そろそろ動き始めようかと思いまする」

司令官「…ん。そうか、そうだな」
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:01:27.37 ID:zfTOLE2o
大軍師「招聘に至る人材の捜索と、外交の許可を…」

司令官「いつでもいいよ。任せる」

大軍師「ありがとうございます」

司令官「ついでにもう一つ頼まれ事、いいかな?」

大軍師「……?」

司令官「とある人物に会ってきて貰えないかな?」

パサッ

大軍師「この方は…?」

司令官「その娘。今年度入隊らいいね」

大軍師「…珍しいですね。女性で技術官とは」

司令官「何か思うところでもあるんじゃない?ま、よろしく頼むね」

大軍師「はっ。では……」

司令官「…ん」

大軍師「失礼致します」

頭を一つ下げ、大軍師は部屋を後にした。
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:01:55.65 ID:zfTOLE2o
〜鉱山の町〜

戦士「よっと…」

召喚士「魔道士さん、手を…」

魔道士「ありがとうございます。よいっしょ…」

トンッ

魔道士「着きましたー!久々ですねぇ!」

戦士「さーて…元気にしてっかな?」

盗賊「………」

召喚士「盗賊さん…?」

盗賊「…ん?あ、ああ」

召喚士「…大丈夫ですか?何か……」

盗賊「あ、うん…!大丈夫!あれだ…えぇと…」

戦士「…?」

盗賊「め、眼鏡っ!大丈夫かな?」

魔道士「結局行方知れずですからね…」
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:02:26.27 ID:zfTOLE2o
戦士「そっかぁ…。奴ともここで会ったんだよなぁ…」

召喚士「……眼鏡さん」

港の前で佇む四人の背後から、聞き覚えのある声が響き渡る。

おかみ「ちょっとちょっと!戦士じゃないかいっ!!」

戦士「おかみさん!」

魔道士「お久しぶりですーっ!」

おかみ「みんな元気そうで…何よりだねぇ!」

召喚士「ご無沙汰してます」

おかみ「今日はどうしたんだい?また武器か何か…?」

戦士「うん。ちーっとばかし頼みがあって…」

おかみ「あの人なら家に居るから…とにかくおいでっ!」

召喚士「あ、あの…先に宿の手配を…」

おかみ「何だい?まさか…ウチに泊まらない気じゃないだろうねぇ…?」

盗賊「………」

おかみ「そうはさせないよっ、泊まりな!あはははは!」
15 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:02:52.81 ID:zfTOLE2o
〜鍛冶屋の家〜

おかみ「ただいまー!」

鍛冶屋「おかえりー」

奥の工房より返事だけが聞こえてくる。

おかみ「あんたーっ、お客さんだよーっ!」

鍛冶屋「はいはいはいはい。今行きますよー」

テクテクテクテク…

鍛冶屋「おやおやおや!戦士くんっ!皆さんもご一緒で!」

戦士「お久しぶりっす!」

盗賊「…こんにちは」

鍛冶屋「やあやあ、お元気そうで何よりだね。うんっ」

おかみ「さ、上がっとくれ。盗賊ちゃんと魔道士ちゃんは上の部屋使っとくれ」

戦士「上…?」

おかみ「ああ。空き部屋になっちまったからね……」

召喚士「……?」
16 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:03:41.09 ID:zfTOLE2o
鍛冶屋「鍛冶娘なら卒業後、国軍に入隊してね…」

戦士「国軍!?なんでまた…っ」

おかみ「あの娘の夢だったからねぇ……」

鍛冶屋「国家鍛冶師になる…。願いが叶ったよ。はははっ」

戦士「そっか…そうだったのか!」

魔道士「凄いじゃないですかっ!!」

おかみ「ありがとよ!まぁお陰でウチは静かになっちまったもんさ」

鍛冶屋「そうだねそうだね…。はははっ」

魔道士「それでは遠慮なく…失礼しますっ」

おかみ「すぐに夕飯の支度するから。……戦士っ!」

戦士「…?」

おかみ「薪の支度っ!風呂の準備しなっ!」

戦士「へい!」

召喚士「あ、俺も……」

鍛冶屋「じゃあ召喚士くんはこっちに…」
17 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:04:08.03 ID:zfTOLE2o
鍛冶屋に連れられ、召喚士は工房へと足を踏み入れる。

鍛冶屋「今のうちにみんなの武具のメンテにかかろう」

召喚士「すみません…。お忙しいところ…」

鍛冶屋「いやいやいやいや。最近は行商に出ないから結構楽なんだ」

召喚士「…そう…なんですか?」

鍛冶屋「うん。あ…別にサボってるわけじゃないからね!はははっ」

召喚士「はいっ。あはははっ!」

鍛冶屋「どれ…じゃあ見せてごらん…」

召喚士「はい…」

ゴトッ…ガシャガシャッ…ジャラッ…

鍛冶屋「……………」

召喚士「………」

鍛冶屋「なかなか…激戦を繰り広げてきたみたいだねぇ…」

召喚士「わ、分かるんですか!?」

鍛冶屋「モチロン!見ればどのぐらいの使用頻度かなんて…すぐ分かるよ!」
18 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:04:37.80 ID:zfTOLE2o
召喚士「へぇ…!流石ですねっ!」

鍛冶屋「……でも、これは本当にひどいものだねぇ」

召喚士「……」

鍛冶屋「あっ、召喚士くん達が悪いわけじゃないんだよ?」

召喚士「……ええ」

鍛冶屋「この刀…もうほとんど死んだ状態だね…」

鍛冶屋は雷切を手に、刀身部分を水平に眺める。

召喚士「死ん……!?」

鍛冶屋「多分普通に斬ってもさほど斬れないだろうね…」

召喚士「……」

鍛冶屋「戦士くんも騙し騙し使ってたんだろうねぇ…」

召喚士「そうか…だから……」

鍛冶屋「…ん?」

召喚士「いや、最近使用頻度が少ないとは思ってたんですが…」

鍛冶屋「彼も気付いてたんだろうね…」
19 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:06:28.84 ID:zfTOLE2o
ジャラッ…

鍛冶屋「それから…これ」

テーブル上に置かれた鎖を持ち上げ、鍛冶屋は呟く。

鍛冶屋「これも相当ダメージ負ってるね」

召喚士「最近では、盗賊さんの要でしたから」

鍛冶屋「武器と防具を兼ねてるから、消耗も早い…」

召喚士「なるほど…」

鍛冶屋「結界石を強化しないと切れちゃうかもなぁ…」

鍛冶屋は両手で鎖を左右に引っ張り、強度を確かめる。

鍛冶屋「召喚士くんのレイピアは?」

召喚士「あ、はい…。特に問題なさそうに感じます」

召喚士は脇に立て掛けたレイピアを、鍛冶屋へ手渡す。

鍛冶屋「……うーん、そうだね。状態は良いみたいだ」

召喚士「使用頻度が低いですから…ははっ」

鍛冶屋「そうだよねぇ…!後衛だもんねぇ…!」
20 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:06:55.70 ID:zfTOLE2o
コトッ

鍛冶屋「一応簡単な手直しはしておこう」

召喚士「ありがとうございますっ!」

鍛冶屋「使い勝手とかはどう…?」

召喚士「ええ…。特に問題なく…軽いし、何より………はっ!!」

召喚士は両手で慌てて口元を塞ぎ、目を丸くして鍛冶屋を見る。

鍛冶屋「……やっぱりそう思うかい?」

召喚士「し……しまっ…」

鍛冶屋「そりゃそうさ。なんたって柄の部分には北で仕入れた…」

召喚士「………はぁ」

休まる事なく語り続ける鍛冶屋を前に、召喚士はがっくりと肩を落とした。

テクテクテク…トン…

魔道士「私達も手伝いますー!」

おかみ「いいから座ってなよっ!」

盗賊「…これ、運べばいい?」
21 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:07:52.20 ID:zfTOLE2o
おかみ「全く……。ありがとさんっ!じゃあそっちに持っていっとくれ!」

盗賊「…うん」

魔道士「私はこっち作っておきますねっ」

おかみ「あぁ…それは…」

魔道士「レモン汁に胡椒…ですね?」

おかみ「!?………いや、凄いねっ!」

魔道士「そんな事ないですよっ、エヘヘッ!」

ガチャッ

戦士「うーし、終わったぞー」

おかみ「お疲れ!あんたー、もう出来るよー!」

戦士「……」

おかみ「あれ?おーい、あんたー!!」

戦士「まさか……」

おかみ「召喚士くんが大変だっ!!」

おかみは手を拭き、慌てて工房へと走る。
22 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/27(木) 18:09:33.55 ID:zfTOLE2o
鍛冶屋「…でも違うんだ。風の鉱石を上手く扱うには…」

召喚士「分かります!魔力をいかに溜めておけるかで、その威力が…」

おかみ「………」

召喚士「あ、おかみさん」

おかみ「あははっ、呆れた!」

鍛冶屋「…おや?もう夕飯かい?」

おかみ「そうだよっ!ほれ、早くおいで!」

召喚士「あっ、すみません…!」

おかみ「…アンタ見かけによらず凄いねぇ」

召喚士「…?」

おかみ「武器の話相手になれるなんて…相当なモンだよ!あはは!」

召喚士「そう…ですか?聞けば意外と素晴らしいもので…」

魔道士「おかみさーん!これはどうしますー?」

おかみ「はーい、今行くよー!あんた達も早くねっ!」

鍛冶屋「はいはいはいはい…今行きますよー。うんっ」
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:56:52.53 ID:26gYB2AO
一乙!

そして新スレとオマケ乙!
まさかこんなに長い付き合いになるとはなぁ
いや、まだ序盤だったなwwww
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 19:58:32.21 ID:.PUi6.DO
東方の帝の性別って何?
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:14:38.53 ID:7TZkKTko
>召喚士「そう…ですか?聞けば意外と素晴らしいもので…」
微妙にひどいコメントに笑わざるを得ない
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 22:53:52.19 ID:yhsN/0k0
>>24
水忍の言葉にあった「衆道」をググれば分かる。
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 00:19:45.21 ID:eglhuESO
VIPのときから見てるけど長いのにダレずにおもしろい話をつくり続ける>>1は本当にすごい!!
これからも楽しみにしてます!!!
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 00:19:45.57 ID:eglhuESO
VIPのときから見てるけど長いのにダレずにおもしろい話をつくり続ける>>1は本当にすごい!!
これからも楽しみにしてます!!!
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 00:22:58.45 ID:wAW4HR6o
大事な事なので(ry
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 00:33:06.10 ID:uF6mo.AO
本当、>>1やお前らとも長いよな…

魔導師男やら短髪やらの話読み返すと、懐かしい気持ちで胸がモワモワしてくる
でも魔王7人討伐の作戦で一気に終わりが見えてきた気がして少し悲しい
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 01:13:33.77 ID:eytB2cs0
お前登山したことあるか?
あれが山頂だって思って上ってみるとその先には
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 01:14:51.63 ID:VdIGnuc0
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org919124.jpg
ttp://img.tv2ch.net/jlab-tv/2/s/101815.jpg
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 01:22:40.85 ID:PBM7BXUo
最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! C・Y・C第1巻は、発売未定です。 ◆1otsuV0WF
戦士「チクショオオオオ!くらえアンラ・マンユ!新必殺音速火炎斬!」
アンラ・マンユ「さあ来い!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
アンラ・マンユ「グアアアア!こ このザ・フジミと呼ばれる魔王のアンラ・マンユが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」
(┣¨┣¨┣¨┣¨ド)
アンラ・マンユ「グアアアア」
ラーヴァナ「アンラ・マンユがやられたようだな…」
パズズ「ククク…奴は魔王の中でも最弱…」
ベルゼバブ「人間ごときに負けるとは魔族の面汚しよ…」
盗賊「くらえええ!」
(ズサ)
3人「グアアアアアアア」
召喚士「やった…ついに四天王を倒したぞ…これでサタンのいる魔王城の扉が開かれる!!」
サタン「よく来たな召喚士…待っていたぞ…」
(ギイイイイイイ)
召喚士「こ…ここが魔王城だったのか…!感じる…サタンの魔翌力を…」
サタン「召喚士よ…戦う前に一つ言っておくことがある お前は私を倒すのに『五行』が必要だと思っているようだが…別になくても倒せる」
召喚士「な 何だって!?」
サタン「そして魔道士はやせてきたので喜んでいた あとは私を倒すだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
召喚士「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある ユニコーンの伏線がある気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
サタン「そうか」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 
サタン「さあ来い召喚士!」
召喚士の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 01:40:14.72 ID:wAU4qMDO
>>1さん、乙です。
毎日の更新が楽しみです。
が、体調だいぢけ?健康第一で、どうか御自愛下さい。
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 02:39:53.67 ID:0SAxyASO
>>33
どこのギャグ漫画だwwww

不覚にもわろた
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 03:10:48.05 ID:KFv6O.AO
>>33
微妙に上手いのがなんか腹立つww
あと、ベルゼバブ関係ねえww
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 07:19:21.16 ID:ZVtQcQE0
ギリギリセーフ。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 08:30:59.91 ID:eqEEAaMo
>>33
なんだこの安っぽい言い回しww
デュクシwwwwwwデュクシwwwwwwって聞こえてきそう。
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 12:16:11.49 ID:FkEa8wAO
ギャグ漫画日和とかなついww あれまだやってんのか?
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/28(金) 17:35:58.89 ID:cscW1C2o
こんにちは。月末は色々と大変ですね…
ちょっとしか進められない…すみません…

>>33
決めろ!キラメキコカトリスってとこですね!!

とりあえず>>32は頂きました。↓続き
41 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 17:52:46.30 ID:cscW1C2o
戦士「いただきます!」

魔道士「いただきますーっ!」

おかみ「おかわりも、たーんとあるからね!」

盗賊「…モグモグ」

鍛冶屋「いやでも、残念だったなぁ…」

召喚士「…?」

おかみ「あの娘…みんなに会いたがってからねぇ…」

戦士「そっかぁ」

鍛冶屋「うん。鉱山での一件以来…あの子も随分変わってね」

盗賊「……」

おかみ「そうそう!急にこの人の手伝いなんか真剣にしちゃってさぁ」

召喚士「へぇ…!良かったじゃないですか!」

おかみ「あの娘なりに…自分の事を見つめ直したんだろうね…」

魔道士「……」

鍛冶屋「君達のお陰だよ。ありがとう」
42 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 17:53:12.78 ID:cscW1C2o
召喚士「い、いや…俺らは別に…」

戦士「そうそうっ!なーんもしてないってっ…」

おかみ「盗賊ちゃんや魔道士ちゃんに刺激されたんだろうさ!」

魔道士「へっ…!?私達に…ですか…?」

おかみ「うんっ!若い女の子でも…頑張れば道は拓けるってね!」

盗賊「……そうか」

召喚士「でも、若くして国家鍛冶師なんて凄いですね!」

戦士「確かに…。実技やら筆記やら試験もあるんだよな?」

おかみ「本人は運が良かった、なんて言ってたけどねぇ…」

鍛冶屋「毎日遅くまで頑張ってたからね!うん!」

魔道士「かっこいいですね!ふふっ!」

戦士「凄腕の女国家鍛冶師…なんてな!」

おかみ「泣き言

盗賊「…おかわり」

おかみ「はいよっ!!」
43 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 17:58:07.34 ID:cscW1C2o


魔道士「ご馳走様でしたー!」

戦士「あー、食った食ったぁ」

おかみ「はいよっ、お粗末様」

鍛冶屋「よし、じゃあ続きに取り掛かろうか」

召喚士「はい」

戦士「よっしゃ」

魔道士「あっ、やりますよ!」

おかみ「いいから!先にお風呂行っておいで」

魔道士「えーでもぉ…」

おかみ「いいからいいから!」

魔道士「はぁい…。じゃあ行きましょうか、盗賊さんっ!」

盗賊「!?」

おかみ「そうそう!一緒に入って済ませておいで!」

盗賊「…うぅ……はい」
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 17:59:31.91 ID:cscW1C2o
テクテクテク…

鍛冶屋「それじゃ本題に入ろうか」

戦士「おう。召喚士、悪いな…」

召喚士「…?」

ドンッ

戦士「コイツを盾にして貰いたい」

机上の斧を鍛冶屋の前に置き、戦士が真顔を見せる。

鍛冶屋「この斧を…盾に…?」

戦士「ええ」

召喚士「!?」

戦士「この前の戦いでちょっと思いついたんだ」

鍛冶屋「……」

召喚士「そ、そんな事出来るの!?」

戦士「こういうの好きだろ?親父さんっ」

鍛冶屋「……うん。大好きだよ!」
45 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:01:20.94 ID:cscW1C2o
戦士「言ってくれると思ったぜ!さぁ…こっからだ…」

召喚士「……?」

戦士「俺は…謝ったからなっ…」

召喚士「へ…っ?」

鍛冶屋「斧がもともとラブリュス型だからね、盾には良いよ!うん!」

戦士「しかも結界石……」

鍛冶屋「しかも結界石だしね!これに鉱石が付けば…」

召喚士「そうか!ただの盾でな……」

鍛冶屋「そうそう!ただの盾ではなく、魔法だって防げる代物に!」

戦士「………」

鍛冶屋「しかも平常時はコンパクトな盾として装備出来て…」

召喚士「戦いの時には斧…」

鍛冶屋「攻撃時には斧として扱える!これは凄い!更に言うと……」

召喚士「……」

戦士「何度も言うが…俺は謝ったからな…」
46 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:02:59.48 ID:cscW1C2o
おかみ「戦士ー!!」

戦士「ういーっす」

おかみ「悪いんだけど外行って、薪見ておくれっ」

戦士「ういーす。じゃあ召喚士…よろしく!」

召喚士「ちょっとっ!」

にこやかに退出する戦士に、召喚士は慌てて声を掛ける。

召喚士「はぁ…」

鍛冶屋「よーし…!それじゃ早速始めようか!」

召喚士「え、は…はいっ」

召喚士は慌てて足元の荷袋を机に上げ、紐を外す。

シュル…ゴトッ

鍛冶屋「これは…立派な鉱石だね!」

召喚士「ええ…。色々と苦労しました」

二人はうっすら赤く光る鉱石を眺め、笑顔を浮かべる。

鍛冶屋「さて…。早速、練成に取り掛かろうか!」
47 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:04:07.06 ID:cscW1C2o
テクテクテク…

戦士「よっと…」

戦士は薪を数本担ぎ上げ、風呂釜へと向かう。

ガラガラッ…ゴトッ

魔道士「盗賊さーん、ほらっ!」

盗賊「…おぉ。……この前の」

魔道士「はいっ。盗賊さんに頂いた物ですよー!えへへ!」

盗賊「…ど、どう?」

魔道士「んー…、おっ…おぉ!?」

盗賊「……」

魔道士「いい泡立ち具合です!」

盗賊「そ、そうか…っ」

魔道士「盗賊さんも使ってみて下さい!ほらほらっ」

盗賊「…うん。うわっ!か、顔に…っ!」

戦士「……」
48 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:04:40.57 ID:cscW1C2o
カチャッ

おかみ「お邪魔するよー!」

魔道士「あっ、おかみさーん!」

盗賊「…!!」

おかみ「おや…!二人ともスタイルいいねっ!羨ましい…」

盗賊「そ、そんな事…っ!」

魔道士「えーっ!?おかみさんだって全然……」

おかみ「いやいや、もう年だからねぇ…」

魔道士「まだ若いですよっ!エヘヘッ!」

おかみ「ほら…この辺なんて…」

魔道士「…私より大きいじゃないですかっ!もうっ!」

おかみ「盗賊ちゃんは…凄いねぇ…!」

盗賊「!?」

おかみ「こりゃあ男が黙ってないだろうえねぇ…!あははっ!」

戦士「…………」
49 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:06:06.82 ID:cscW1C2o
チャプッ

おかみ「……戦士ー!いるんだろー?」

戦士「!?」

おかみ「お湯が温いじゃないのさ!しっかり薪入れなっ!」

盗賊「!!」

戦士「…は、はい」

魔道士「戦士さん、お願いしますねー!えへへへ!」

戦士「……」

魔道士「…盗賊さん、隠さなくても見えませんって!」

盗賊「…!?」

おかみ「あら…?意外と照れ屋なんだねっ!あははは!」

魔道士「ふふっ!えへへっ!」

盗賊「……う、うぅ」

戦士「……はぁ」

溜息をつきながら、戦士は風呂釜へと薪を放った。
50 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/28(金) 18:16:42.78 ID:cscW1C2o


鍛冶屋「刃の部分はこのまま転用しよう」

召喚士「なるほど…」

鍛冶屋「火の鉱石は新たに軸の部分を作成して…」

召喚士「柄より魔力を送り込めばいいって事ですね」

鍛冶屋「そう。そして軸の部分を通して刃へと流れていく」

召喚士「無駄がなくて効率もいいですね!」

鍛冶屋「後は…盾の際、いかに魔力を誘導するか……」

テクテクテク…

召喚士「あ、おかえり」

戦士「どうだい?」

召喚士「うん。なかなかいい感じ」

戦士「そっか。んじゃ俺も手伝うよ」

鍛冶屋「じゃあ戦士くんはその鉄を溶かして…」

戦士「これか…?おっしゃ!」
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/28(金) 19:17:10.81 ID:cscW1C2o
すいません…また後ほど来ます
ご支援ありがとうございました!ノシ
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 19:49:45.90 ID:2dg7yAAO
>>42
おかみ「泣き言

の続きが読めないのはオレだけ?
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 19:57:26.45 ID:xAuLx9Y0
>>52
お前一人じゃないぜ!
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 20:06:29.69 ID:aI1Dl.Q0
>>52
邪気眼を持たぬ者には分かるまい…
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 20:41:38.67 ID:nzRVtoAO
最近>>1はわざとやってるんじゃないかと思えてくるよww
毎日働いてこの投下ペースだし仕方ないか。でも実は誤字を楽しみにしている俺もいるww
そこから思わぬ展開になったりするしなww
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:48:57.44 ID:j3fuX6oo
>>42は話してる途中で割り込んだだけじゃないの
そんな話はどうでもええわー、っつって
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 00:47:28.67 ID:/Bt7.82o
盗賊は鍛冶娘が戦士に誉め続けられるのをもう聞きたくなかったんだよ
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 01:12:57.77 ID:Xq5kc4go
ラブリュス 両刃の斧
赤く光る鉱石 タルウィのところから持ってきた

斧を盾にってどんなかんじなんだろ
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 01:28:21.50 ID:kvyBZUAO
スパイクシールドみたいな感じだと防御もできるしタックルで攻撃もできて効率的
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 02:10:01.22 ID:9sgwMVM0
戦士のそうび(ぶき)
・方天画戟
・十文字槍
・雷切
・無銘の斧

雷切はまだしも、槍2本もどうやって持ち運びしてたのか非常に気になる…
長柄の武器の長さは大雑把でも 狭窄空間用1.8〜2m、馬乗用2〜3m、歩兵用4〜8m前後は長さがある。
4mはアレでも、自分の身長〜倍の獲物×2に斧…
斧も実は結構長柄の獲物であることも多く…
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/29(土) 02:23:35.83 ID:iAk9jUAO
こまけぇこたぁいいんだよ!
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 02:44:05.96 ID:h90ECGIo
実はおかみの台詞には秘密が!?……ありません

おかみ「泣き言言って、のこのこ帰って来なきゃいいけどねぇ…」

多分こんな感じにしようと思ってた気がします…。すみません…orz

>>60
槍は2mくらいなんで、2本とも肩に担いでます
花の慶次とか無双の人達みたいなイメージですかね…
ついでに荷物なんかもぶら下げてるかもしれません!
あと、戦闘とか街では拠点や宿に預けているのでご安心を!

まあ真実は>>61と言う事で…
63 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 02:45:04.33 ID:h90ECGIo


魔道士「お待たせしましたー!」

召喚士「あっ、おかえりなさい!」

おかみ「どうだい?」

鍛冶屋「うん。大体のイメージは出来あがったよ」

召喚士「でも…これは結構時間かかるんじゃないですか…?」

鍛冶屋「そうだねぇ…。3日くらいはかかっちゃいそうだよ」

戦士「それでも3日か…。流石の仕事っぷりだな」

鍛冶屋「そうかい…?ずっと工房にいられるからだよ」

おかみ「ほら、アンタら風呂入っちゃいな!」

召喚士「あ、じゃあ戦士…先に入ってきなよ」

戦士「そうか?悪いな…!」

戦士は両腕を伸ばし、工房を後にする。

鍛冶屋「鉱石が仕上がるまで、召喚士くんのレイピアに取りかかろうか」

召喚士「はい!」
64 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 02:46:32.71 ID:h90ECGIo


鍛冶屋「よし…っ。じゃあそっち持ってて」

召喚士「はいっ」

グッ…グッ…

鍛冶屋「よーし、バッチリだ!」

召喚士「おぉ!ありがとうございます!」

鍛冶屋「いやいやいやいや、これくらい全然!」

スタスタスタ…

戦士「お待たせ!お…っ、終わったか?」

召喚士「うん。俺のレイピアは完成!じゃあ…行ってきます」

鍛冶屋「うん。それじゃ次は戦士くんの刀いこうか」

戦士「ういっす!」

鍛冶屋「……一回バラそうかね」

戦士「…うっす」

返答と同時に戦士は、鍛冶屋の横へ並び、雷切を見つめた。
65 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 02:47:06.09 ID:h90ECGIo


ガンガンガンッ!!……ジュウゥゥ!!

戦士「親父さん…」

鍛冶屋「…ん?」

戦士「すんません」

鍛冶屋「…?」

戦士「刀……」

鍛冶屋「ああ。仕方ないよ」

戦士「もっと大事に使っていれば……」

鍛冶屋「君がこまめにメンテしてるのも分かる…」

戦士「……」

鍛冶屋「でも、それ以上に戦ってきた…。その証だよ…」

戦士「……ええ」

鍛冶屋「武器は使ってこそ…本望。違うかい?」

戦士「……うっす」
66 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 02:47:34.33 ID:h90ECGIo


召喚士「…どう?」

戦士「おうっ、上々〜!」

鍛冶屋「もうほとんど終わりかけ。二人は寝ていいよー」

戦士「いやいや、悪いっすよ」

鍛冶屋「いや、本当にもう終わりだからねっ。大丈夫大丈夫」

召喚士「……」

戦士「そんじゃあお言葉に甘えて…」

鍛冶屋「うん。おやすみ!」

召喚士「おやすみなさい…!」

テクテクテクテクテク…

鍛冶屋「……さて…と」

スタスタ…コトッ

鍛冶屋「…?」

おかみ「コーヒー入ったよ。少し休もうじゃないか」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 02:55:39.14 ID:MN/JBQDO
週末の深夜更新乙!

>>1も少し休めよ−
68 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 03:12:46.83 ID:h90ECGIo
鍛冶屋「おっ、ありがとう」

鍛冶屋はコーヒーを手に一口すすり、一つ大きな息を吐く。

おかみ「3日で何とかなるのかい…?」

鍛冶屋「そりゃあ何とかするさ。早ければ早い方がいいからね!」

おかみ「だからって…手を抜くんじゃないよ…?」

鍛冶屋「それはもちろんっ!ははっ!」

おかみ「しかし偉いね。ちゃーんと手入れしてさ…」

鍛冶屋「うんうん。戦士くんが手入れしてなければ、この刀も死んでいただろうね…」

鍛冶屋は刀身を手に取り、まじまじと眺める。

おかみ「使い手も作り手も……良い得物さね!」

鍛冶屋「うんうん!本当にそう思うよ!ははっ……ん?」

ふと鍛冶屋は、工房の隅に立てかけられた槍に目がいく。

鍛冶屋「戦士くん…。槍なんて持っていたんだなぁ…」

テクテクテク…スッ…

鍛冶屋「!!」
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 04:00:39.49 ID:8KD7wMAO
斧コンパクトだったんだな

5行用の鉱石含んでるから戦斧と言えるサイズだと認識してた
70 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/29(土) 04:08:57.20 ID:h90ECGIo
槍を手にし、鍛冶屋は無言で立ち尽くす。

おかみ「…?どうしたんだい?」

鍛冶屋「……っ」

おかみ「あんた…?」

鍛冶屋「……まさか…!?いや…しかし…」

おかみ「…?」

鍛冶屋「……」

コトッ

おかみ「…もう…寝るね。あんたもキリいいところで休みなよ?」

鍛冶屋「あ、うん…。ありがとありがとう!おやすみ」

おかみ「……おやすみ」

テクテクテク…

立ち去るおかみを横目に、鍛冶屋は再び槍へと目をやる。

鍛冶屋「……ゾディアック…いや、まさか…知るはずもない」

鍛冶屋はぽつりと呟き、脇の椅子へと腰掛けた。
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/29(土) 04:14:22.79 ID:h90ECGIo
>>67
ありがとうございます!休みます!

>>69
一応戦士が片手で振りまわせるサイズですね

それではおやすみなさいです!
多数のご支援ありがとうございました!ノシ
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 05:17:45.00 ID:C344SwSO
>>1乙〜
オークに渡したのどんな形だったっけ?
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 06:53:49.52 ID:CBLhXsDO
>>72
潮干狩りに使うやつ
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 07:38:57.25 ID:AFDMgG.0
>>72
サンドラがもってるヤツ
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 09:42:50.48 ID:DAT4L6AO
>>1

そして潮干狩り把握
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 09:57:40.77 ID:9sgwMVM0
>>62
前田利家把握
しかし武器を預けるってどうよwwww

斧はDQの魔人の斧と脳内変換しておく
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 11:49:05.00 ID:oju1mEDO
えっ?預け屋とかRPGじゃ普通にあるだろ?それにDQには魔法の袋だってあるし
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 14:41:50.37 ID:DAT4L6AO
袋がいっぱいかどうか、重要なのはそこだけだ
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 14:43:35.99 ID:OQ.NUFEo
これまで回った世界では極端にモラルの低い国はないようだし
召喚士たちも当たり前のように荷を預けてるんだから
相当に成熟した社会なんだろな

空間操作系の魔法は出てこないから魔法の袋はないんじゃね?
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 14:45:44.59 ID:9j3p94Ao
大事なものは埋めておくだろ
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 14:53:04.14 ID:Xq5kc4go
初期のころはどんな武器使ってたんだっけ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 15:00:32.81 ID:JqBPUVAo
>>81
普通の市販の剣とか。
ヴァンパイア戦でコカさんに石化させられた後は三日月刀購入してたはず。
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 17:13:53.99 ID:vg9jJFU0
>>1さん。いつも楽しませて貰ってます!
先日から勝手に宣伝させてもらいました。
ご迷惑なようであればお知らせ下さい。

ttp://twitter.com/ike_cockatrice
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 17:50:41.35 ID:dz210YAO
>>83
なんぞこれ?

武器なんてそこまで気にしなくてよくね?
それよりも魔道士の胸がだな
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 18:00:03.94 ID:6v6/yWk0
>>83
「勝手に作って申し訳ありません」じゃなくて、作って良いか先に聞くのが普通だろ?
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 18:02:28.24 ID:9sgwMVM0
>>83
ママレの様に2匹目の泥鰌狙い?
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 18:06:34.23 ID:BvW9MASO
因みに俺は、戦士の斧をクロコダインさんのグレートアックスに変換して、ぐわああぁ!!
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 19:09:57.18 ID:kvyBZUAO
戦士が獣王激烈掌使うのか…ゴクリ
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 19:29:39.93 ID:DAT4L6AO
今日から社員寮を出て一般のマンションに一人暮らしの俺に天国の師匠と読者のお前らから俺に一言



孤独すぎ寂しすぎ泣いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 20:30:23.23 ID:QiI0h/A0
>>89
頑張れ!
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 20:44:40.85 ID:8Es59sDO
>>89
寂しくなったらいつでも言え!
遊びにいくぜ!?
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 20:48:25.46 ID:wRDOwQAO
>>83
許可とってから作れよ…
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 21:10:19.37 ID:hUB/I7w0
>>83
一般読者がでしゃばるなよ…
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/29(土) 21:31:29.01 ID:8KD7wMAO
以前のvipみたいにいきなり一般人が沸くのは無しにしてほしいわ
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 21:33:12.14 ID:0NeE3MMo
>>83
勝手すぎワロエナイ
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/29(土) 21:33:27.48 ID:qgVdBgIo
>>83
「勝手に作って申し訳ありません。」じゃないから…
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 21:37:39.32 ID:bgN4uYDO
>>83
うわぁ……
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/29(土) 21:39:59.01 ID:cFyp7cAo
>>83
>>83
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 21:45:52.96 ID:HRxnvw6o
お前らそんなに反応すると>>83の思う壺だろ
とりあえずこういうときは触らず運営さんに削除依頼だしたりとか……twitterてそういうのできるのかしら……
まぁなんにせよ>>1の判断待ちだな
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 21:50:46.34 ID:x6km2Ako
1の判断にまかせるといってもこういうのって断りにくいんだよね……
>>83が自分からけしてくれればいいんだけどそれでもう一回確認してうんぬんかんぬん
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/29(土) 22:24:14.82 ID:h90ECGIo
何だか凄い伸びてますね…!

とりあえず宣伝とかはご自由にどうぞ!!
でも今回は皆様の意見を尊重&色々と決めてから改めて…という感じでいかがでしょうか?
宣伝には感謝です!ありがとうございます!

>>89
師匠「一人でしか味わえない事もある。それを見つけて…とにかく楽しむこった!がははっ!!」
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 22:30:41.11 ID:ifGickAO
この世界の杖って魔翌力増幅効果的なものがあるのかな?
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 23:25:09.68 ID:DAT4L6AO
>>101

師匠ぉぉぉぉぉぉおおおおっ(´;ω;`)ブワッ
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/30(日) 00:48:34.86 ID:qzvm7cDO
>>1が良いと言うから構わないけど宣伝しまくって変なやつ来て荒れたら>>83がしっかり責任とれよ
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 01:13:48.27 ID:GsdV0QAO
>>104
つまり変な奴ら全員と結婚か
胸熱
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:14:34.57 ID:.5iM5/Eo
〜次の日〜

魔道士「おはようございます!」

おかみ「…おや、早いねっ。おはよう」

盗賊「……おはようございます」

おかみ「ありゃ…。薪持ってきてくれたのかい!?悪いねぇ…」

盗賊「……いえ」

両手に薪を抱えた盗賊は、礼を言うおかみにぺこりと頭を下げる。

テクテクテク…

おかみ「おや!?…早いねぇ」

鍛冶屋「いやぁ…結局一睡もしなかったよ…はははっ」

おかみ「あら…。そうなのかい?」

鍛冶屋「うん。どうしても朝までに仕上げておきたかったんだ」

おかみ「あんまり無茶するんじゃないよ…?」

鍛冶屋「まぁ、とりあえずこれで一区切り…」

召喚士「……おはようございます」
107 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:16:16.78 ID:.5iM5/Eo
おかみ「何だい…。結局みんな起床かね…」

戦士「んー…、あんまり眠れなくてなぁ…」

魔道士「実は…私も……」

おかみ「それじゃあ朝食にしようかねぇ…!」

盗賊「…手伝いますっ」



戦士「いっただっきまー…」

コンコン…

おかみ「おや…?」

魔道士「こんな早くに…お客さんですかね?」

おかみ「どれ……」

おかみは席を立ち、足早に玄関へと向かう。

テクテクテク…

鍛冶屋「彼ら…かな?」

召喚士「…?」
108 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:17:25.19 ID:.5iM5/Eo
カチャッ…

おかみ「はいはい。……何だ、アンタらかい」

赤い男「おかみさん!おはようございます!」

青い男「朝一で戻って参りやした!」

戦士「誰だ…?」

鍛冶屋「ああ。彼らはね、従業員ってところかな…?」

引き続き、玄関先からおかみと男達の声が響き渡る。

赤い男「今回も完売でしたよ!もう旦那の武器無しじゃ戦えないなんて奴まで…!」

青い男「お陰様で粗利もかなりのモンすよ!!」

おかみ「おや、そうかい。ご苦労様」

青い男「毎度っす!!」

赤い男「それじゃ、また後日来ますんんで…!」

おかみ「ああ、頼んだよっ」

パタン……テクテクテク

おかみ「いつもの二人。今回は完売だってさ」
109 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:21:58.65 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「本当かい!?いやいや良かった良かった!」

盗賊「…?」

鍛冶屋「実はね、最近は彼らに行商を任せているんだ」

召喚士「あっ…、昨日話していた…」

鍛冶屋「そう。だから僕も工房での作業に専念出来るんだ」

戦士「そうだったのか…」

おかみ「彼らはね、元は客だったんだけど…ちょっとトラブルがあってね…」

魔道士「トラブル…ですか?」

おかみ「イチャモンつけて来たところに…うちのが返り討ちにしちゃってさぁ…」

召喚士「へ、へぇ…」

鍛冶屋「いやはや…お恥ずかしい…」

おかみ「ああ、そうだよ!あんたらがこの前来た時さ!」

戦士「そう…だっけ?」

召喚士「そんな事も…あったような……」

鍛冶屋「も、もういいから食事食事!はははっ!」
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 02:34:54.30 ID:/OZA8MSO
ちょうど7ヶ月経ったのか…胸熱…
111 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:50:52.40 ID:.5iM5/Eo


おかみ「はいよっ」

召喚士「ありがとうございます」

おかみの手によりテーブルに置かれた紅茶を、召喚士はそれぞれに配り始める。

魔道士「食器洗い終わりましたー!」

おかみ「ご苦労さん!」

召喚士「実は一つ…相談が…」

盗賊「…?」

召喚士「武具の完成まであと数日…。鉱山に潜りませんか?」

鍛冶屋「鉱山へ…?」

召喚士「ええ。ただ待っているのも申し訳ないですし…」

戦士「実は昨日、俺も思ったんだ」

魔道士「鉱石が取れれば、お金にもなりますしねっ」

おかみ「おいおい…お金なんてそんな気にする事……」

盗賊「…いや、そうはいかない」
112 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:54:29.31 ID:.5iM5/Eo
戦士「…ここの鉱山にゃデケェ借りもあるしな」

召喚士「うん。……みんな同意見で良かった」

鍛冶屋「……ははははっ!」

魔道士「…?」

鍛冶屋「実はね、そう言うんじゃないかと思ってたんだよ。うん」

召喚士「へ…?」

驚く一同を余所目に、鍛冶屋は工房から武器を持ち運んでくる

ゴトッ……ドサッ

鍛冶屋「徹夜で仕上げた。武器は完璧さ!」

魔道士「お……おぉーっ!」

戦士「……雷切まで…!?」

盗賊「…凄い……新品みたい…!」

鍛冶屋「盗賊さんの鎖と、戦士くんの斧は間に合わないけど…」

召喚士「でもこれだけあれば十分ですよ!ねぇ?」

戦士「ああ!親父さん…!本当にありがとう!!」
113 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 02:56:32.19 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「いやいやいや!滅相もない!はははっ!」

おかみ「全く…。どっちも呆れちまうね…あははっ!!」

魔道士「それじゃ早速…」

召喚士「ええ!行きましょう…鉱山へ!」

盗賊「…うん!」

おかみ「気を付けるんだよ?夜には一度戻るように!」

戦士「ういっす!」

召喚士「じゃあ、支度をしてきます!」

魔道士「はーいっ!エヘヘ!!」

タッタッタッタッタ…

鍛冶屋「あ…っ、戦士くん!」

戦士「……ん?」

鍛冶屋「…ちょっと」

召喚士「……?」

戦士「なんすか…?」
114 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 03:00:09.00 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋に呼び止められ、召喚士と戦士は鍛冶屋の後に続き工房へ向かう。

鍛冶屋「……この、槍だけど」

戦士「ああ…。旅の途中で色々と…」

鍛冶屋「そう…。この槍って…知ってる?」

召喚士「…どういう意味ですか?」

鍛冶屋「やはり真意までは知らないか……」

戦士「何か…あるんすか?」

鍛冶屋は無言のまま槍の前へ進み、一部分を指差す。

鍛冶屋「ここ、紋章が彫ってあるだろう?」

戦士「…本当だ。全然気づかなかったわ…!」

召喚士「うん……」

鍛冶屋「こっちの槍にも…ほら」

召喚士「本当ですね…。でも…どちらも違う紋章が…」

戦士「これが…何か…?」

鍛冶屋「これは……ゾディアックだ」
115 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 03:05:37.02 ID:.5iM5/Eo
戦士「ゾディアック……?」

召喚士「な、何です…?それ…?」

鍛冶屋「……古の時代、伝説のナイトが携えたと言われる槍さ」

戦士「……」

鍛冶屋「その威力は凄まじく…魔王をも一撃で葬ったと言われている…」

召喚士「!?」

戦士「す……すげぇ…!!」

鍛冶屋「しかしその代償に、ないとは命を落とし…大地は二つに裂けたと言う…」

召喚士「っ!!」

鍛冶屋「その大地と言うのが、大陸と南方らしいけどね…」

戦士「ま、まさか…なぁ…。はははっ…」

鍛冶屋「うん。まぁ…数ある伝承の一つに過ぎない…」

召喚士「……」

鍛冶屋「でも、ゾディアックの存在は本当だと言われている」

戦士「そ……それが…これ!?」
116 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 03:11:34.92 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「正確にはそのうちの一つさ」

召喚士「…それは…つまり…!?」

鍛冶屋「ゾディアックは12本揃って、始めて一つとなる」

戦士「12本!?」

鍛冶屋「あまりの威力に恐れを成したかつての本国は、ゾディアックを封印した」

召喚士「本国が…っ?」

鍛冶屋「しかしそれが数十年前、封印を解かれ持ち出されたんだ…」

戦士「……」

鍛冶屋「犯人は魔王軍に内通した本国の重臣…」

召喚士「そ、それで…っ!?」

鍛冶屋「その者は処刑となり、ゾディアックは新たな手で封印される事となった…」

戦士「…新たな…手?」

鍛冶屋「とある国家鍛冶師により、12本の槍へと姿を変えた」

召喚士「そうか…っ!!それがこの……」

鍛冶屋「そう。12本のうちの2本が……まさにこれさ」
117 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 03:16:05.25 ID:.5iM5/Eo
戦士「そんな…!場所も何もかもが違う形で手に入れた槍が…!?」

鍛冶屋「運命なのかもしれない…。そういうの、信じたくはないけどね…」

召喚士「……」

鍛冶屋「とにかく、これは絶対に手放してはならないよ」

戦士「お、おうっ…」

鍛冶屋「そして…絶対に12本揃えようなんて思っても駄目だ」

戦士「……」

鍛冶屋「必ず…戦士くんの身に不幸が訪れる…」

召喚士「……他の槍の…所在は分かるんですか?」

鍛冶屋「…分からない。分かったとしても…やはり教えられないよ」

召喚士「そうですか…」

戦士「……ま、ぶっちゃけ槍に頼る気はない。気にする事でもねーさ!」

鍛冶屋「……」

戦士「大丈夫!そんな物に頼らなくても…俺らはやってやる!」

召喚士「……うん!」
118 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 03:18:42.54 ID:.5iM5/Eo
鍛冶屋「……そっか。安心したよ」

戦士「それにさ、こんなモンより親父さんの武器が一番だよ!ははっ!」

鍛冶屋「本当かい!?あははっ!まぁ何と言ってもね…これはね…」

戦士「し…しまった……」

召喚士「……支度してくる」



魔道士「オッケーです!」

召喚士「では、行ってきます!」

おかみ「夕飯作って待ってるからね!」

鍛冶屋「鎖は今日中に完成出来ると思うから!」

盗賊「…助かります」

戦士「んじゃ、行きますか!」

召喚士「うんっ」

魔道士「出発ーっ!」

盗賊「出発ー」
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/30(日) 03:26:25.73 ID:.5iM5/Eo
>>110
おぉー忘れてました!今日で7カ月!ありがとうございます!
しかし…今日もちょっと忙しくあまり進み具合が…すみません…

それではこの辺にて…!ご支援ありがとうございました!ノシ


〜次回予告〜

占い師「新たな武具を得るため、鉱山を訪ねた召喚士達…」

占い師「彼らは再び鉱山へ潜り、その刻を待つ…」

占い師「そして、四人の前に現れた男とは…?」

占い師「次回、第210話【戦士、心のむこうに】」

占い師「この次も、サービス、サービスゥ!」
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 03:47:47.51 ID:/OZA8MSO
予告ひっさびさに見たwwww
>>1乙〜
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 07:49:42.48 ID:XCXIRfU0
ナイトは謙虚だが
ないとだと可愛く見える
不思議
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 07:54:14.44 ID:TtinkMAO
210話wwwwww
終わる頃何話だろ…
てか>>1がやさしすぎて泣いた
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 08:12:27.54 ID:Efy9bG6o
210話wwwwwwww
すげえなwwwwww終わりがみえないww
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 09:06:54.47 ID:olcR5.AO
にちゃんもたしか今日で11周年だよな
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 10:21:08.73 ID:/JBX/QAO
>>1

占い師ちゃんももう少し大胆にサービスしてもいいと思うの
それこそ同一ばりの過激な描写で……………ゴクリ
126 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 15:04:21.41 ID:.5iM5/Eo
テクテクテク…

召喚士「本当にいいの?」

戦士「ああ。俺も盗賊もどっちかっつーとスピード重視だしな」

盗賊「…うん。早さは命」

召喚士「そっか…」

戦士「だからヘタな防具で守備力上げる代わりにスピーオ落としたくねーんだ」

魔道士「なるほどですね…」

戦士「それに今は、頼れる補佐のバックアッパーがいるしなっ!」

魔道士「へっ!?…そんな事っ」

戦士「頼りにしてるぜ?」

盗賊「…ヨロシクな。魔道士」

魔道士「は、はいっ!頑張ります!」

召喚士「それじゃ雑貨の補充だけでいっかぁ…」

戦士「だな。それが終わったら早速鉱山だ!」

魔道士「はいっ!」
127 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 15:04:50.37 ID:.5iM5/Eo
〜鍛冶屋の家〜

鍛冶屋「……」

コトッ

おかみ「…はい」

鍛冶屋「ありがと。……熱ちっ!…ははっ」

おかみ「いいのかい?あんな事まで話しちゃってさ・・」

鍛冶屋「放っておいても、…彼らならきっと知ってしまうよ」

おかみ「……」

鍛冶屋「だったら事前に伝えておいた方が、間違った道には進まない…」

おかみ「…悪いね。父さんのせいでアンタにまで迷惑…」

鍛冶屋「師匠は悪くないよ」

おかみ「でも、面倒事押しつけられちゃってさ…」

鍛冶屋「何度も言うけど、僕は君が好きで一緒になったんだ。面倒事とか関係ないよ」

おかみ「あ…あんた…」

とまどいの表情を見せるおかみに、鍛冶屋はにっこりと微笑んだ。
128 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 15:05:54.61 ID:.5iM5/Eo
〜鉱山〜

召喚士「さて…どこから行きましょうか?」

戦士「もちろん一番上…と言いたいところだが…」

盗賊「……」

魔道士「私も…大丈夫です!」

戦士「召喚士はどう見る?」

召喚士「今の力量から考えると……」

盗賊「……」

召喚士「今度来ても…仕留められる!」

戦士「リーダーのお墨付きだ。問題ないな」

魔道士「はい!」

盗賊「…出るとも…限らんしな」

召喚士「出ても楽な相手ではありません。くれぐれも注意しましょう」

戦士「…んじゃ、行こうかね」

魔道士「…行きましょう!」
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 15:07:06.31 ID:jN0KjcDO
うおーあっちぃー
130 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 15:20:33.14 ID:.5iM5/Eo
テクテクテク…

ワーカー「お…依頼か?ここは一番深い鉱山…」

戦士「分かってるよ」

見張りのワーカーが発する忠告に、戦士は知っていると言わんばかりの口調で返答する。

召喚士「あの、すいません…」

ワーカー「ん?」

召喚士「眼鏡さん、という方をご存じですか?」

ワーカー「眼鏡って、功績二位の…アイツか?」

魔道士「はい…っ」

ワーカー「そりゃあ有名だから名前ぐらいは知ってるが…」

召喚士「以前、ここで仕事をされていたのですが…」

ワーカー「さぁなー。俺も先日ここに来たばかりでな…」

召喚士「そうでしたか…。ありがとうございます」

盗賊「…行こ」

四人は見張りのワーカーへ一礼し、鉱山内へと入って行った」
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 15:37:57.37 ID:iBIqcBI0
また戦士がやる夫になりかけてるなw
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 17:20:48.37 ID:/tqCFuko
スピーオwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
おっおっお
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 17:56:08.01 ID:lqVSEEMo

=====∩========≪二≫   
      | |  /⌒ヽ             
      ヽ二( ^ω^)二⊃  魔王倒すお        
         ノ   /              
        ( ヽノ                
        ノ>ノ                 
        レレ  


        ...........⌒ヽ
    ..........  ( ´ω`)二⊃  あ、あれ?体が…
     ..........   /
       ..........ヽノ
     ..........>ノ

       ........../⌒ヽ
        ..........´ω`)  みんな…みんなありがとう…
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/30(日) 19:25:12.46 ID:MNp8lIAO
>>133
クソワロタwwwwww
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 19:35:53.33 ID:fLOFHjk0
>>133
戦士ーーーwwwwwwwwwwwwww
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 19:45:24.97 ID:lqVSEEMo
両刃斧のAAが難しかったんで絵で書いてみた
http://ux.getuploader.com/cockatrice/download/2/201005301939000.jpg

137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 20:11:31.17 ID:XCXIRfU0
ジュースをおごってやろう
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 20:24:04.77 ID:yyDTykYo
俺の中での戦士が>>136の所為でブーンになった。どうしてくれる
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 21:19:03.44 ID:2/sijCQ0
>>138
キミなら他のメンバーも想像できるはず
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 22:22:58.56 ID:yyDTykYo
>>139
まぁ、召喚士がモララーで魔道士がしぃで盗賊がクーだがなんだかで戦士は言わずとも

141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 22:27:24.93 ID:lqVSEEMo
( ´Д`)ノ「行けっ!コカトリス!!」

         ノノノノ
        (゚∈゚ )  ─_____
        丿\ノ⌒\  ____ ___
       彡/\ /ヽミ __ ___
           /∨\ノ\  =_
          //.\/ヽミ ≡=-
          ミ丿 -__ ̄___________


               ノノノノ  -___
              (゚∈゚ )  ─_____ ______ ̄
  ∧_∧        丿\ノ⌒\  ____ ___
 (;・∀・)       彡/\ /ヽミ __ ___
 (    )          /∨\ノ\  =_
 | | |          //.\/ヽミ ≡=-
 (__)_)         ミ丿 -__ ̄___________

  (⌒\ ノノノノ
   \ヽ( ゚∋゚)
    (m   ⌒\
     ノ    / /
     (   ∧ ∧
  ミヘ丿 ∩∀・;)
   (ヽ_ノゝ _ノ
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 22:37:41.40 ID:/tqCFuko
>>141
おい









おい
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 22:48:16.48 ID:5SeZLYAo
確かに口調とかマッチするなww
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 22:49:22.87 ID:gmZg4nEo
つーかクックルとか懐かしいなおい
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 23:17:17.33 ID:/JBX/QAO
ギコやらしぃやら、なんだここは…どうやら私は過去にタイムスリップしてしまったらしい
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/30(日) 23:20:46.38 ID:dBBXaAw0
>>137
9本でいい
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 23:41:48.65 ID:nW/NTAAO
コカトリスが進化したらクックルになるのか
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/30(日) 23:57:46.83 ID:.5iM5/Eo
〜鉱山内部〜

戦士「ここって結構複雑なんだよなぁ…」

魔道士「そうでしたっけ?」

戦士「お前は後から来たから、目印で分かったんだろ」

魔道士「あっ、そうか…」

召喚士「最初に書いた目印はことごとく外れだったけどね…」

戦士「そうそう。眼鏡さんのお陰で助かったよな」

盗賊「…ああ」

盗賊「…!?」

戦士「どうした?」

目の前の分岐点を眺める盗賊に、戦士は声をかける。

盗賊「…印が…まだある」

戦士「ホントだ…」

召喚士「あれ以来…誰も入ってないのかな?」

魔道士「そうなのかもしれませんね…」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 00:06:02.04 ID:kzpjt12o
戦士「まぁ、そうそう潜る奴らもいないだろうしな」

召喚士「特に最深部なんてね…」

盗賊「…そうだな」

召喚士「ここを右に入れば、まもなく最深部へと続く穴ですね」

戦士「盗賊、魔物の気配は…?」

盗賊「…いや……特に」

召喚士「…行きましょう」

魔道士「はいっ」

戦士「一応動けるように準備しておけよ?」

戦士は雷切を鞘より抜き、右手に握る。

盗賊「…無論だ」

盗賊も同様に蜘蛛切を構え、先頭をゆっくりと進み始める。

ザッザッザ…

盗賊「…ロープも…このままだな」

召喚士「…ええ」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 00:09:46.14 ID:kzpjt12o
最深部へと続く穴へ、一本のロープが垂れ下がっている。

戦士「俺が行こうか?」

盗賊「…ん、大丈夫」

盗賊は身軽にロープへ飛びつき、颯爽と最深部へ消えていく。

戦士「どうだーっ?」

盗賊「…問題ないー!」

召喚士「じゃあ魔道士さん、ゆっくりと…」

魔道士「はいっ。……んしょ」

戦士「俺は最後に降りるから、先に召喚士…」

召喚士「あ、うん…。ありがと」

ゆっくりと降りる魔道士にの後を、召喚士が続く。

戦士「おっし…」

シュルシュルッ…ススッ…

戦士「……っと。全員無事だな」

魔道士「大丈夫ですよ!」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 00:16:08.33 ID:kzpjt12o
盗賊「……」

召喚士「…人の入った気配は…やはりないですね」

戦士「魔物の気配もないな…」

盗賊「…うん」

魔道士「……」

テクテクテク…

召喚士「……?」

盗賊「…どうした?」

召喚士は中央にしゃがみこみ、地面の土を右手で一撫でする。

召喚士(……炎の…後…?)

盗賊「…召喚士?」

召喚士「あ、いえ…っ」

盗賊「…眼鏡の…事か?」

召喚士「あっ、ええ…。きっと無事ですよね…?」

盗賊「…ああ。彼の者は…強いからな」
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 00:20:11.09 ID:qxUhSoSO
眼鏡早く帰ってくるお
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/31(月) 00:24:59.98 ID:kzpjt12o
>>131-147
この流れ大好きですw
またやってしまい、申し訳ないですお…

鼻水と咳が止まらないので失礼します…
ご支援ありがとうございますお!ノシ
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 00:59:26.48 ID:xoWh1AAO
風邪流行ってるな。お大事に
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 01:00:42.95 ID:GxhHjU60
>>1乙!
しっかり休んで早く治すんだぞ!!
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 01:41:31.53 ID:qvM3oQAO
>>1

なんなら俺が鼻水吸ってやろうか?ん〜チュパッ☆
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 02:27:23.74 ID:Hcap7oAO
>>156
さすがの俺もそれは引くわ
   _、_
  (;^ω^)\
  | \ /\√|
  ( 丶√|  ̄
 ノ>ノ ̄
 レレ ((
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 03:20:50.00 ID:89cpQgDO
さっそく>>83の出番か
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 07:30:58.44 ID:RqqjgoAO
流れ的に
お断りします想像してた
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 07:53:20.16 ID:6ZlVXAQo
     丿   ,;⌒⌒i.
  ノノノノ⌒ヽ (   ;;;;;)  ______
 (゚∈゚ )  ミ)     ,,:;;;) |   ゴミ    |
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161 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:22:44.80 ID:zwt39.go
召喚士「ええ…」

戦士「強いって言ってもさ、直接戦ってるの見たのって…」

魔道士「そういえば…この前が始めてですね」

召喚士「でも…眼鏡さんの場合、何か『強い』って分かるんだよね…」

戦士「まぁ功績二位だし、実績は申し分ないだろうけどな」

盗賊「……なんだろう」

召喚士「…?」

盗賊「彼の者は他の人と違う…。何かが違う…」

魔道士「そうなんですか…?」

盗賊「…うん。…よく分からないけど」

戦士「しかし、お前にしちゃ珍しいよな」

召喚士「…えっ?」

戦士「普通ならさ、死に物狂いで探そうとするのに…」

召喚士「え、あ…あぁ…。そうかもね」

魔道士「…?」
162 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:23:11.14 ID:zwt39.go
召喚士「盗賊さんみたいに、具体的には分からないんだけれど…」

盗賊「……」

召喚士「ここでの時もそうだけど、何か距離を置いているような…」

戦士「それは同感だな」

召喚士「だから余計な手は貸さない方がいいと言うか…」

盗賊「……うん」

魔道士「でも、寂しいですよ…そんなのって…」

召喚士「……」

戦士「ようし…!」

召喚士「…?」

戦士「次会ったときは、酒でも飲ませて洗いざらい語らせるか!」

召喚士「そんな無理矢理っ…!?」

魔道士「それも…いいかもしれませんね!」

召喚士「ま、魔道士さんっ!?」

魔道士「エヘヘッ!!」
163 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:23:39.32 ID:zwt39.go


戦士「……よし、っと」

壁面を削り、細々とした鉱石を、戦士は両手で丁寧にかき集める。

召喚士「結構取れましたね!」

魔道士「はいっ!なんだか宝探しみたいで楽しいですね!」

ゴリゴリッ…ゴリゴリゴリッ…

盗賊「……」

戦士「お前は必死になりすぎだ…」

召喚士「そろそろ戻りましょうか…」

戦士「時間も結構経ったしなぁ」

魔道士「おかみさんに怒られちゃいますよ?」

召喚士「そうですね…。戻りましょうか」

盗賊「……」

戦士「ほら、盗賊…行くぞ?」

盗賊「…うん」
164 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:24:11.07 ID:zwt39.go
テクテクテク…

戦士「何だお前、まだ未練あんのか?」

魔道士「充分過ぎるほど取ったと思いますけど…」

盗賊「…いや」

召喚士「何か気になる事でも…?」

盗賊「…結局…魔物は出なかったな」

戦士「そういや…そうだな…」

召喚士「…確かに」

魔道士「もう魔物もいないんですかね?」

召喚士「……」

戦士「この前倒した奴が、ここのボスだったのかねぇ」

召喚士「かもしれないね…」

魔道士「それじゃあこの鉱山は、もう平和って事ですね!」

戦士「そういう事に…なんのか?」

召喚士「さ、さぁ…。どうだろう…」

盗賊「……」
165 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:24:37.74 ID:zwt39.go
〜鉱山出入り口〜

ワーカー「おう…。早いな」

戦士「日帰りツアーなもんでね」

召喚士「あの…」

ワーカー「ん?」

召喚士「ここはもう、魔物はいないんですか?」

ワーカー「う〜ん…。俺も奥まで入ったわけじゃないからなぁ…」

盗賊「……」

ワーカー「でもここのところ、何事もないようだし…落ち着いたんじゃないか?」

魔道士「そうですか…。じゃあ…やっぱり……」

ワーカー「…?」

召喚士「いえっ、ありがとうございました」

ワーカー「おう」

戦士「すっかり日も暮れちまった。戻るとすっか」

盗賊「…うん」
166 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:25:19.93 ID:zwt39.go
〜鍛冶屋の家〜

魔道士「ただいまですー!」

おかみ「はいよ、おかえりっ!収穫はあったかい?」

戦士「まー…ボチボチですかねぇ」

鍛冶屋「おや、おかえり!どうだったどうだった?」

召喚士「はい。何事もなく…無事に…」

鍛冶屋「それは何より。こっちも一段落ついたところだよ!」

戦士「本当ですかい!?」

鍛冶屋「うん。早速工房で話をしよう」

戦士「ういっす!すぐ行きます!」

召喚士「あっ、俺も…!」

おかみ「おいおい、そんな慌てなくたって逃……」

バタバタッ…タッタッタ…

おかみ「全く…。子供みたいにはしゃいじゃって…」

魔道士「ふふっ」
167 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 16:48:03.72 ID:zwt39.go


鍛冶屋「……じゃん!」

鍛冶屋はオのを二人の前へ突き出す。

戦士「…?」

召喚士「あんまり変化がないようみ見えるけど…」

鍛冶屋「ふっふっふ…!」

にんまりと笑う鍛冶屋は、斧をおもむろに左手へと近づける。

鍛冶屋「僕が今…左手に付けているのは、鉄製のガントレット」

そう言いながら、突き出す鍛冶屋の左腕には、腕用の防具が装着されている。

戦士「…んで?」

鍛冶屋「斧を逆手に持ち…柄の底を……押す!」

ガチッ……バチイィンッ!!

召喚士「!!」

戦士「おぉ!?」

斧は勢いよく直角に曲がり、ガントレットの部分へぴたりと張り付いた。
168 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 17:03:02.10 ID:zwt39.go
鍛冶屋「…どうかな?」

戦士「…ど、どうかなって……分からん」

召喚士「う、うん…。あまりにも唐突過ぎて…ちょっと…」

鍛冶屋「はははっ!そりゃそうだね。ごめんごめん」

鍛冶屋は頭を掻きながら苦笑する。

召喚士「これって……磁石…ですか?」

鍛冶屋「…流石だね!その通り!!」

戦士「磁石…?」

鍛冶屋「つまりこの両刃の…中央部分に磁石を埋め込んであるんだ」

戦士「ほうほう…!」

鍛冶屋「普段は斥力で…くっ付く事はない…」

召喚士「それが…さっきのギミックで…」

鍛冶屋「うん。柄の底に付けたボタンを押すと、磁力が反転するんだ」

召喚士「なるほどっ!!それでガントレットにくっ付くわけか!」

戦士「…斥力?磁力が反転…?」
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 17:04:14.68 ID:Hcap7oAO
彼の者って「かのもの」だよな
170 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 17:06:30.51 ID:zwt39.go
鍛冶屋「ちなみにこの柄の部分も…」

戦士「ちょっとストップ!」

鍛冶屋「…?」

戦士「…全く分かりません」

召喚士「えぇと…」

鍛冶屋「…分かった。一から簡単に説明しよう」

戦士「すんません……」

鍛冶屋は引き出しから、小さな磁石を二つ手にする。

鍛冶屋「いいかい?磁石には二面性があるんだ」

戦士「二面性?」

召喚士「魔法で言えば…火と水両方の属性を持っているって感じかな」

戦士「おぉ、なるほどな!」

鍛冶屋「つまり片面が火。もう片面が水になっているわけ」

戦士「ほうほうほう!」

鍛冶屋「火と水は相容れないけど…火と火はピタリとくっ付くのさ」
171 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 17:22:19.16 ID:zwt39.go
鍛冶屋は片方の磁石をひっくり返し、二つの磁石はぴたりと一つになる。

戦士「なるほど!理解した…!」

鍛冶屋「それでね、この柄の部分も同じギミックになってるんだ」

召喚士「……」

鍛冶屋「直角に折れた柄の部分をもう一度押すと…」

カチッ…バシンッ!!

鍛冶屋「元通り…」

召喚士「武器として使っている時に、折れたりは大丈夫なんですか?」

鍛冶屋「うん。試したわけじゃないけど、かなり強力な磁石を使ってるから…」

戦士「まぁ…よく分からんけど、とりあえず斧と盾…両方で使えれば問題ないよ」

鍛冶屋「それは保証するよ。とりあえず現状の最善方法としてこれしかないかな」

召喚士「良いと思いますよ!うんっ」

戦士「何か注意点は?」

鍛冶屋「強いて言うなら磁石が強力だから…磁場かなぁ」

召喚士「…磁場」
172 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 17:40:21.73 ID:zwt39.go
鍛冶屋「まぁそれも、状況に応じて切り替えれば問題ないけどね」

召喚士「いざとなれば、俺のノームもあるし…」

戦士「ノーム?白虎の…?」

召喚士「うん。ノームの特殊能力は磁場や重力での身動き制限を解除してくれるんだよ?」

戦士「そ、そうだっけ…?」

召喚士「ま、まぁ…一度も使ったことないし。そういう状況になった事もないからね…」

戦士「……なるかな?」

召喚士「さ、さぁ……ははっ…」

戦士「とにかくだ親父さん。斧と盾の併用は可能なんだな?」

鍛冶屋「それはもうバッチリ仕上げるよ!」

召喚士「あとは何をすれば…」

鍛冶屋「両刃部分を盾向きに改良しないとね」

戦士「……このまんまじゃ駄目なの?」

鍛冶屋「そりゃ外側は丸みをつけたりしないと…。刃が砕けちゃうよ?」

召喚士「…そうですよね。…武具一つでも大変な作業なんだなぁ」
173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 17:45:58.81 ID:zwt39.go
おかみ「ほら〜男共ーっ!夕飯だよーっ!!」

戦士「ういーっす!いま行きまーす!」

鍛冶屋「とりあえずそういう事で。…さ、食事にしよう!」

召喚士「はいっ」

鍛冶屋は斧とガントレットを外し、食卓へと向かう。

召喚士「……」

戦士「どした?」

召喚士「いや、面白いなって…」

戦士「……鍛冶師にでもなるつもりか?」

召喚士「いやいや、それも面白いけど…磁石がね」

戦士「…?」

召喚士「色々と応用出来ると思わない?」

戦士「あー、そういう事は任せるよ。俺は頭悪いからよく分からん!はははっ!」

召喚士「そんな難しいことじゃないって…あっ、待ってよ!」

足早に工房を退室する戦士を、召喚士は慌てて追いかけた。
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/31(月) 18:03:00.61 ID:zwt39.go


盗賊「…わ、私!?」

おかみ「昨日は戦士と魔道士ちゃんだったからね。順番だよ…順番!」

盗賊「…うぅ……い、いただきっ」

おかみ「声が小さいっ!」

盗賊「いっ、いただきます!」

魔道士「いただきますー!」

鍛冶屋「それでね、明日の夜にはなんとか終えられると思う」

召喚士「じゃあ…明日も鉱山行く?」

戦士「でもなぁ…もう鉱石も結構回収したし…」

おかみ「アンタら暇ならちょっと手伝ってみないかい?」

魔道士「手伝いますよー!」

召喚士「何をすれば良いんですか?」

鍛冶屋「……明日、大型船が入港するからね!」

盗賊「……?」
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 18:16:20.29 ID:zwt39.go
〜次の日〜

ジワジワジワ…

盗賊「……」

テクテクテク…

盗賊「…あ、あの…っ」

男「…ん?」

盗賊「…あのあの…あのぉ…えっと」

男「……?」

テクテクテク…

盗賊「……あぅ」

盗賊はがっくりと肩を落とし、背後を振り向く。

チラッ…

おじさん「本当かいっ!?じゃあ買っちゃおうかなー?」

魔道士「ありがとうございますっ!エヘヘ!」

盗賊「……」
176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 18:19:10.52 ID:zwt39.go
チラッ…

老人「そんなに良いものなのかね?」

戦士「おうよ!俺もずっと使っているが…ブッ壊れた事は一度もないね!」

老人「…ふむ。じゃあこの杖を一つ貰おうかの」

戦士「毎度っ!!」

盗賊「……」

チラッ

召喚士「…それで、こういう素材を使っているわけです」

女ワーカー「へぇ…!そりゃ凄いじゃない」

召喚士「今ならお安くできますよ?」

女ワーカー「…一本貰うわ。オマケにいい男だしね!うふふっ!」

召喚士「へっ!?い、いやいや!ありがとうございますっ…!」

盗賊「……はぁ」

ジワジワジワ…

盗賊「……今日は…暑いなぁ」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 18:22:03.42 ID:zwt39.go
〜昨晩〜

召喚士「えぇ!?…商売をですか?」

おかみ「そ。ただ冒険してるだけじゃつまらないだろ?」

戦士「久々だなぁ…」

魔道士「…ふふ…燃えますね」

盗賊「魔道士!?」

おかみ「大型船には色んな人がいるからね!商売のチャンスなのさ」

召喚士「…確かに面白そうですね。やってみましょうか」

盗賊「……」

戦士「こういう経験もしとかないとなっ!」

召喚士「うん。後々約に立つかもしれないし…」

おかみ「…そうだ!」

魔道士「……?」

おかみ「せっかくだし、みんなで売上勝負ってのはどうだい?」

戦士「おぉーっ!?……良いじゃねぇか!それでいこうっ!!」
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 18:26:05.49 ID:zwt39.go
〜現在〜

盗賊「……はぁ。…まだ一本も売れてない」

ジワジワ…

盗賊「…みんな…あんなに売ってるのに」

座り込む盗賊の正面では、魔道士が笑顔で客に囲まれている。

盗賊「……どうしよう」

ジワジワジワ…

盗賊「…あぁもう!…暑い!」

怒り口調の盗賊は、装束の胸元をやや緩める。

盗賊「…次こそ…ちゃんと売らないと!」

テクテクテク…

盗賊「…ここっ、こんに…ちはっ!」

おじさん「!?」

盗賊「…ぶっ、武器は…武器は要りませんかっ!?」

おじさん「……」
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 18:28:53.73 ID:V0QLBxQ0
こ、こるは盗賊ちゃんがんばるシリーズじゃないか
すばらしい
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/05/31(月) 18:37:01.20 ID:zwt39.go
盗賊「…あ、あのっ…そのぉ…!」

ジーッ

おじさん「……こ、これはなんとも立派な」

盗賊「ほ、本当っ!?」

おじさん「えっ!?あ、ああ…!いやっ…ははは!」

盗賊「……?」

おじさん(これ程の谷間…そうそう拝めるものではないぞ!?)

盗賊「…よ、良かったら…そ…そのぉ」

おじさん(しかもそんな潤んだ瞳で上目遣いをぉぉぉ!!)

盗賊「…だ、駄目…?」

おじさん「…………買います」

盗賊「…ほ、本当!?あ、ありがとう!」

ジャラッ…カシャッ…

盗賊「…や、やった!初めて…売れたっ!」

おじさん「ワーカーでもないのに…何で剣なんか買っちゃったんだろ…」
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/05/31(月) 18:40:40.71 ID:zwt39.go
しんどいので帰ります…中途半端ですみません…
今日は来れないかもしれません…重ねてごめんなさい…

皆様もお身体等、お気を付け下さいませ…
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 19:37:36.07 ID:eruowUoo
>鍛冶屋「火と水は相容れないけど…火と火はピタリとくっ付くのさ」

戦士「S極とN極がくっつくわけだから、この説明は不適切…なのかな?
いいのか? 俺は頭悪いからよく分からん!はははっ!」
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 19:49:03.27 ID:ZpGkagAO
だよなww
とりあえず>>1、今日は休みなさい
身体を壊しては元も子もないぞ?
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 20:22:47.76 ID:Hcap7oAO
俺、今日からおじさんでいいや
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 20:30:15.42 ID:jZ7gPwSO

既に余裕でリアルおじさんなわしに隙はなかった

186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 20:36:39.51 ID:FUqj67Y0
S極とかN極ってのは科学が発達して磁力線とか
そーゆーのが目で見えるようになってから付けられた定義だろ
この世界じゃそんなに科学は発達してない様だし
磁石の性質の説明としては問題無いんじゃないかい

ってか、そーゆー「同極は反発するもの」みたいな固定観念に囚われないで
物事の説明ができる>>1の頭の柔らかさがうんぬんかんぬん
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 20:47:39.72 ID:qvM3oQAO
わざとなんだろ?わざとなんだろ?


盗賊ちゃん、谷間見せたのわざとなんだろ?ボッキーン

でもやっぱり魔導師ちゃんが一番可愛いな
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 20:52:57.43 ID:zLFjPRgo
鍛冶屋(五行で例えたのは失敗だったかなぁ…)

それよりもこの斧の構造がイマイチわからないのはオレだけかなぁ
柄が直角に折れる?
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 20:54:57.02 ID:hs3OROko
>>188
こう、ばきーんといってかこんとなり、最後にちゃきーんだ
わかったかい?
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 21:20:05.14 ID:6ZlVXAQo
>>188
盾がとびだす ババンバン
刃がとびだす ババンバン
磁石の威力だ 鋼鉄アクス
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 21:33:22.56 ID:6RQsW8oo
 .|    |
(><) (><)
 .|    .|
 .| →  .|| バキーン
 .|ポチッ W       こう?
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 21:39:23.02 ID:2.YE1HAP
この斧の周りで剣とか振って大丈夫なのか…?
磁石で固定できるくらい強力なら普通の鉄がくっつくと大変なことにならんか?

と言う突っ込みは無しな
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 21:59:04.31 ID:FI5HgaMo
磁石の周りを金属で覆えば磁場が遮断されるから問題ない
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 22:12:49.11 ID:pPulguko
みんな解説ありがとうなっ!

>>189
なるほど!(゚∀゚)!さいごちゃきーんなっ!
・・・どういうことだってばよ!

>>190
磁石の力で斧を撃ち出すんですね
わかります

>>191
鍛冶屋「柄の底を・・・押す!」
ガチッ……バチイィンッ!!
ギャアァァァァ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!

召喚士(指を挟まれた…)

戦士(なぜ直角んとこで止めなかった…)
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 22:14:29.25 ID:K40sVsDO
電磁誘導
雷切

科学と魔術が交差ry
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 22:17:20.68 ID:6ZlVXAQo
>>192
雑魚「食らえー!! 俺の自慢の鉄の剣」

戦士「マグネットッパワー全開!!」

雑魚「うわー、俺の剣が盾にくっ付いて取れないだとー!!」
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/31(月) 22:51:41.08 ID:0GTwAoYo
マグネットパワープラス!
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 22:55:32.63 ID:ZwRqrdMo
ジケルド!
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:03:18.16 ID:OjEEAYso
肩こりが治りました。
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:13:46.12 ID:RqqjgoAO
雷切の電気でやばくならんかな
レールガンのように…
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:23:58.03 ID:CiNrTkAO
マグネットパワーマイナス!
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:29:55.80 ID:qxUhSoSO
ゲェー
>>198から>>200がペッタンコだぁ〜!!

203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:33:58.27 ID:6ZlVXAQo
>>197 ==≡田 >>198>>199>>200 日≡== >>201
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/31(月) 23:40:40.67 ID:wN31imE0
もうお前らのコメント合戦のほうがストーリーより面白い件

ガンダムに似たような盾があったような…記憶違いかなぁ…
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 00:01:48.61 ID:eI/Ya6SO
いかん。磁力と聞くと、つい某赤鬼さんを思い浮かべてしまう…
戦士「ジェネシック!エメラルド!戦士!バスターッ!!」
戦士「ワーカーとしては二流だな。」
戦士「意気がるな、王子。」

とりまー、>>1乙!
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 00:18:14.47 ID:btBAMmE0
そうだ。鋼鉄ジークだ

>>205 ありがとう
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 00:23:46.70 ID:p9A2U.AO
磁力と言ったらコンバトラーだろjk
j(磁力と言ったら)k(コンバトラー)だ
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 01:07:06.06 ID:fRrUst60
世代の壁を感じるからあんまり豪語すんな
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 01:10:22.00 ID:4o60PC6o
kじゃなくてcだがな
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 02:56:30.51 ID:RfqDpQAO
戦士「超電磁スピン!!!」

ゴルリン「グェーーー!!!!!!」
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 03:22:27.53 ID:3Zxv3sAO
>>192

突っ込みも何も、だからノームの話がでたんじゃねーのか
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 03:27:12.10 ID:brcUrcAO
お前ら磁石大好きだなwwww
やたらと磁石が好きな時って絶対誰でもあるよな
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 03:33:02.54 ID:NndtMwAO
ジークやらコンバトラーやら…ジジイばかりだな


同年代が多くでうれしいです
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 05:38:56.57 ID:nBcrVcDO
のびてると思ったらオマイラばっかりで全俺が泣いた
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 06:31:33.35 ID:7YLE9QDO
ガンダムの改造でマグネットコーティングっぽいのがあったな
何はともあれ>>1さん、身体は大事にして下さいな。
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 08:34:19.79 ID:uimcc.20
一乙。
盗賊が可愛すぎて(ry

それよりみんな磁石反応し過ぎだろ。

誰の磁石が一番協力か競い合った
消防の頃を思い出したぜ…

217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 08:58:23.69 ID:QsR2et60
俺達放課後電磁場倶楽部の出番のようですね。
       r ‐、
       | ○|         r‐、
     _,;ト - イ、      ∧l☆│∧  
    (⌒`    ⌒ヽ    /,,ト.-イ/,、l  
    |ヽ  ~~⌒γ⌒ ) r'⌒`!´ `⌒)
    │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /|
 
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 09:41:20.80 ID:Qlwjvcko
ノームさんにそんな能力が・・・

重力磁力を操るてきな能力だったのか
高い崖から飛び降りとかできたりしないのか?
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 15:48:57.96 ID:0sTiU6SO

うーでが飛び出すダダンダーン
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 15:50:34.19 ID:DidaFWYo
昔250スレとか言ってたっけwwwwwwww
あと235スレか…
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 15:58:19.77 ID:xMzggxEo
>>219
脚が飛び出す ババンバン
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 16:21:28.08 ID:btBAMmE0
磁石の力だ 鋼鉄ジーク
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 16:24:53.64 ID:SBhOWFAo
磁力の力だ
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 16:59:09.68 ID:Oli3W0A0
磁場の力だ
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 17:22:41.11 ID:2BRsVsSO
磁界の力だ
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 17:23:57.12 ID:9gRxYIco
もしかして魔王の力とは銅たkうわ何をするあwwせdrふじこlpシネー
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 17:30:41.25 ID:2wBP.2SO
マグネティックワールド:アンチこの流れ
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/01(火) 17:58:06.51 ID:O4iS7VIo
こんにちは!一体…何が起きたのでしょうか…!?
何故こんなに伸びて…いや、ありがとうございます!↓続き
229 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 17:58:41.53 ID:O4iS7VIo


召喚士「…ありがとうございました!」

テクテクテク…

戦士「どうだ?売れたか!?」

召喚士「うん。あとは…包丁とか日用雑貨がちょこっとあるくらい」

召喚士は地面に敷いた布を畳みながら、戦士の問いかけに答える。

戦士「そりゃ結構」

召喚士「戦士は?」

戦士「残り1本!!」

そう言うと戦士は振り返り、背中に背負った武器の束を見せる。

召喚士「おぉー!結構売れたね!」

戦士「召喚士には負けちまったみてぇだけどな!はははっ!」

召喚士「まぁ俺も…魔道士さんには敵わないみたいだけどね…。ははっ」

戦士「…?」

怪訝な表情で横を振り向く戦士の目に、人だかりが飛び込んでくる。
230 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:00:10.01 ID:O4iS7VIo
商人「…んー、じゃあ二本買うから何とかこの値段で…」

魔道士「その値段なら三本で…!!」

商人「……仕方ない。じゃあ三本貰いましょうか」

魔道士「ありがとうございますっ!エヘヘ!」

男ワーカー「お嬢ちゃん!コイツはあと一本ないのかい?」

魔道士「あっ、えぇと…少々お待ち下さい!」

老人「これ、貰おうかの…」

魔道士「お爺さんお目が高いですね!それならこの値段で…」

老人「むぅ…若いのに商売上手じゃのう…。よし、その値で買おうかの!」

戦士「……流石は商人の娘…か」

召喚士「う、うん…」

テクテクテク…

盗賊「…三本売れた…ふふっ」

魔道士「…あっ!?」

手にした小銭を見つめながら、笑みを浮かべる盗賊に、魔道士は声をかける。
231 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:00:40.26 ID:O4iS7VIo
魔道士「盗賊さーんっ!!」

盗賊「……魔道士?」

魔道士「まだ商品余ってますかぁー!?」

盗賊「……う、うんっ」

魔道士「こっち来て、手伝って下さーいっ!」

盗賊「…!?」

魔道士「早くーっ!!」

盗賊「…あっ、う…うん!」

タッタッタッタッタ…

魔道士「助かりました!えぇと…あ、あった!」

魔道士は盗賊の背から剣を一本抜き取り、正面の男へ見せる。

魔道士「もう一本ありましたよぉ、はいっ!」

男ワーカー「おお、わざわざ悪いなっ!じゃあ二本頂くぜ」

魔道士「ありがとうございます!盗賊さんっ、会計お願いします!」

盗賊「…ふぇっ!?」
232 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:01:24.37 ID:O4iS7VIo


青年(…こ…これは凄い!)

老人(……生きてて良かった)

男(…しっとり汗ばみ光る…そのテカリ具合がまた何とも…)

女「ちょっとぉ、いつまで見てるのよー?行こうよー!」

男「あ、ああ…。あまりにも素晴らしいテカリ…い、いや!輝きだったから…」

魔道士「ありがとうございましたー!」

盗賊「…あ、ありがとうっ!」

ゾロゾロゾロ…

魔道士「やりましたねっ!完売です!」

盗賊「う、うんっ!」

魔道士「盗賊さん、ありがとうございました!」

魔道士は両手を前に揃え、笑顔で頭を下げる。

盗賊「こ、こちらこそっ!」

それを見た盗賊も慌てて同様に頭を下げた。
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 18:01:48.11 ID:Xk9uHlUo
残り一本で武器の束だと…

ゾディアックの槍か!!
234 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:01:57.17 ID:O4iS7VIo
戦士「……」

召喚士「二人とも…凄いなぁ…」

スタスタスタ…

魔道士「あ…っ、お疲れ様ですっ!」

召喚士「凄いですね!完売じゃないですか!」

魔道士「盗賊さんと二人で頑張りました!エヘヘ!」

盗賊「わっ、私は…何も…っ」

戦士「四人トータルだと…8割近く売ったか…。上出来だなっ!」

魔道士「えぇと…利益も……うんっ!バッチリです!」

召喚士「しかし凄い活気ですね…!」

召喚士は大型船の前に広がる、露店や行商の人々に目をやる。

戦士「西方から北の港…そしてここ経由で本国に行くらしいぜ」

魔道士「それで、色々な人達が……」

盗賊「…成程」

四人は行き交う人々をしばし眺め、鍛冶屋の家へと戻っていった。
235 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:02:42.14 ID:O4iS7VIo
〜鍛冶屋の家〜

戦士「たっだいまー!」

おかみ「おかえり!もうじき日が暮れるから迎えに行こうかと思ったとこだよ」

鍛冶屋「どうだったどうだった?」

魔道士「……じゃーん!!」

魔道士は、両手に抱えた布の袋を二人へ見せる。

おかみ「おや!?…凄いじゃないか!!」

鍛冶屋「えっ…!?こ、こんなに…売れたの…?」

召喚士「全て完売とまではいきませんでしたが…」

鍛冶屋「いやいやいやいや!充分!充分だよ!」

おかみ「ありゃあ…。しばらくあの二人は仕事無くなっちまったねぇ…」

戦士「やべ…っ、在庫分売り切っちまったか…!」

おかみ「なぁに嬉しい悲鳴さね!さ…夕飯にしようじゃないか!」

魔道士「はーい!えへへっ!」

おかみ「荷物片付けたら、すぐ食卓に来るんだよっ」
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/01(火) 18:05:04.92 ID:O4iS7VIo
>>229
戦士「残り半分!!」

そう言うと戦士は振り返り、背中に背負った武器の束を見せる。


>>233
直したのに保存し忘れてました。すみません…!
途中で話の流れ変えたのでそのままに…ご指摘ありがとうございます!
237 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:05:47.26 ID:O4iS7VIo
カチャカチャッ…コトッ…

盗賊「……モグモグ」

戦士「それで…親父さん、盾はどうっすっか?」

鍛冶屋「うん。さっき打ち終えて、あとは組み上げて微調整するだけ」

召喚士「えっ!?もう…ですか…?」

鍛冶屋「うん、そうだけど?」

盗賊「…は、早いな」

戦士「親父さんは一日…しかも一人で鍛錬まで終えちまうからなぁ」

召喚士「相槌も一人……で?」

鍛冶屋「えっ?うん…。そうだけど…

魔道士「な、なるほど…!東方にまで噂が広がるわけですね…」

戦士「親父さんの師匠ももの凄い人だったんだよな?」

鍛冶屋「え…?あ、まぁ…うん」

おかみ「……ほら、喋ってないでさっさと食べちゃいなっ!」

戦士「おっと…すんません」
238 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:06:21.91 ID:O4iS7VIo
〜工房〜

テーブルに置かれた武具を挟んで、鍛冶屋と四人が並ぶ。

鍛冶屋「明朝の船で出るようだし、まとめて説明するね」

召喚士「お願いします」

鍛冶屋「まずは…魔道士さん」

魔道士「はいっ」

鍛冶屋「魔道士さんの武具については、ほぼ変化はありません」

魔道士「はいっ!…えぇ!?そうなんですかぁ…」

鍛冶屋「既に完成されていますので、ヘタにいじる必要はないですね」

魔道士「なるほど…」

鍛冶屋「ローブについては…私ではどうにも出来ませんし…」

召喚士「裁縫師の仕事ですもんね…」

鍛冶屋「せめてもと思い、杖をですね…」

ゴソゴソ…

魔道士「!?」
239 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:06:50.48 ID:O4iS7VIo
机上に置かれた杖の先端はハート型を模し、中央に結界石が埋め込まれている。

戦士「何…これ…?」

魔道士「かわいいじゃないですかっ!ありがとうございますー!!」

魔道士は杖を手に取り、くるくると回りながら笑顔でそれを振る。

鍛冶屋「一応…女の子らしく…ね」

戦士「……布団叩きみてぇ」

魔道士「ちょっと!失礼ですよっ!!」

盗賊「……いい」

召喚士「!?」

鍛冶屋「次は…盗賊さん」

盗賊「は、はい!」

鍛冶屋「蜘蛛切については研いだだけです」

盗賊「……」

鍛冶屋「これを作った刀工は大した者ですね。施しようがありません」

盗賊「…成程」
240 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:07:19.69 ID:O4iS7VIo
鍛冶屋「せめてもと思い…鍔の部分をハート型に…」

戦士「!?」

盗賊「…そ、それは…ちょっと」

鍛冶屋「そう思ってしませんでした。ははっ」

盗賊「……そ、そう」

鍛冶屋「あまりそういうイメージではないですもんね。はははっ」

盗賊「……う、うん」

鍛冶屋「そして鎖ですが……」

ジャラッ…ゴトッ

鍛冶屋「思ったより武器としての使用頻度が高そうなので強化しました」

召喚士「見た目は…あまり変わらないように見えますが…」

鍛冶屋「鎖部分における結界石の比率を高めました」

魔道士「おぉーっ!」

鍛冶屋「これで強度による破損の不安はないでしょう」

盗賊「……凄い…!」
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:08:02.03 ID:O4iS7VIo
鍛冶屋「盗賊さんの魔力によっては…弱い魔物なら一撃かも…」

召喚士「…?」

鍛冶屋「結界石の比率を上げたという事は、魔力の流れも強力になります」

戦士「……それで?」

鍛冶屋「つまり、予め魔力を流しながら放てば……」

召喚士「そうかっ!縛り上げたりするだけで魔物を…」

鍛冶屋「そうそう!そういう事です!」

魔道士「凄い…凄いじゃないですか!」

鍛冶屋「もっと言うと…魔力を高めれば、自分の石で操れますよ」

戦士「操る…?鎖をって事…?」

鍛冶屋「そう。自分の手の延長みたいに自由自在に…」

盗賊「…そ、そんな事まで…!」

鍛冶屋「まぁこれは相当量の魔力がないと難しいですけどね…ははっ」

盗賊「…あ、ありがとう…ございますっ!」

盗賊は鎖を大事そうに抱え込み、深々と頭を下げる。
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:08:46.25 ID:O4iS7VIo
鍛冶屋「じゃあ次は…召喚士くんかな?」

召喚士「はい」

戦士「お楽しみは最後ってか…!」

鍛冶屋「召喚士くんも特に変化なしだね。レイピアを研ぎなおして終わり」

召喚士「いえいえ、充分です」

鍛冶屋「何もないのも寂しいから、これをオマケで…」

コトッ

魔道士「何ですかこれ?短剣?」

戦士「これは…マンゴーシュだな…」

魔道士「マンゴーシュ?」

召喚士「レイピアを持つ反対側…利き手以外の手で持つ短剣です」

魔道士「剣を二本で戦うんですか?」

鍛冶屋「これはね、防御用の剣なんだ」

魔道士「防御用…ですか…」

召喚士「相手の攻撃をこれでいなしたり、受け止めて防ぐんです」
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 18:09:34.60 ID:Xk9uHlUo
魔法少女マジカル魔道士☆
244 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:11:18.26 ID:O4iS7VIo
魔道士「へーっ!」

鍛冶屋「近接用だから体術が絡んでくるけど…」

戦士「召喚士なら大丈夫だな!こうみえて体術、剣術なかなかのもの…」

鍛冶屋「なら良かった!うんうん!」

召喚士「助かります!ありがとうございます!」

鍛冶屋「いやいやいやいや!さぁてラストは…戦士くん!」

戦士「待ってました!!」

鍛冶屋「雷切は結構消耗があったけど、昨日見せた通り問題なく元通り」

戦士「うっす!」

鍛冶屋「元がしっかりしてるし、戦士くんのメンテも良かったから…」

戦士「ドワーフのジーサンもきっと喜んでくれてるよな…」

召喚士「うん……」

鍛冶屋「お待ちかねの斧だけど…」

鍛冶屋は後ろにしゃがみ、床から斧の刀身部分を持ち上げる。

鍛冶屋「よいっしょ……っと」
245 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:11:46.45 ID:O4iS7VIo
ゴトッ

召喚士「!!」

魔道士「だいぶ形状が変わりましたねぇ!」

鍛冶屋「水平のままだと、盾として使用した時に傷つくし…」

盗賊「……」

鍛冶屋「刃の部分も削れてしまう恐れがあるからね…」

魔道士「なるほどですねぇ…」

鍛冶屋「こうして少し山なりにしておく事で、それを防ぐんだ」

戦士「それに山なりの盾だと、武器の軌道もいなせるしな!」

鍛冶屋「そういう事!!」

召喚士「色々考えて作られているんですね…」

鍛冶屋「火の鉱石については、細かくして刃に錬りこもうかとも考えたけど…」

戦士「…けど?」

鍛冶屋「後の四行も考えて、とりあえず両刃の軸に埋め込んであるよ」

鍛冶屋の指差す先には、両刃を支えるように、赤い鉱石がきらきらと輝く。
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:12:13.07 ID:O4iS7VIo
盗賊「…かっこいい」

戦士「そんで、あとは柄の部分をつけておしまいか…」

鍛冶屋「まぁそういう事になるかな。明け方までには何とか…」

召喚士「…手伝いますよ!」

戦士「おうっ!」

鍛冶屋「いやいやいやいや!大丈夫大丈夫!」

魔道士「でもぉ…」

鍛冶屋「難しい作業でもないし、今日は売る手伝いもして貰ったからね!」

召喚士「本当に…いいんですか?」

鍛冶屋「うん。明日からの冒険に備えてゆっくり休んで!」

召喚士「なんだかすみません…本当に…」

鍛冶屋「気にしないで!僕が好きでやってる仕事だからね!」

戦士「おやじさん…」

魔道士「ありがとうございます!」

鍛冶屋は目を細め、微笑みながら何度も頷いた。
247 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:12:40.85 ID:O4iS7VIo


おかみ「おや、終わったかい?紅茶入ってるよ」

盗賊「…いただきます」

戦士「俺らは先に上に行って、明日の準備してるわ」

召喚士「じゃあ…おやすみなさい」

魔道士「おやすみなさいっ!」

おかみ「んーっ、あたし達も一息ついたら寝ようかねぇ…」

魔道士「……」

テクテクテク…

おかみ「…?」

魔道士「…おかみさん、結構凝ってますね…!」

おかみの背後に回り、魔道士が肩を揉み始める。

おかみ「そんな気を遣わなくたっていいのに…」

魔道士「こうみえても結構上手いんですよ!ねっ、盗賊さん?」

盗賊「えっ!?あ…う、うん」
248 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:13:07.52 ID:O4iS7VIo
おかみ「はぁ〜、なんだか悪いねぇ…」

魔道士「いえいえっ!ふふっ」

おかみ「二人のお母さんは元気なのかい?」

盗賊「…私は…幼い頃に…死別した」

おかみ「そうかい……。そりゃお気の毒に…」

魔道士「私は…健在で元気です…」

おかみ「しっかり親孝行してあげないと駄目だよ?」

魔道士「……はい」

おかみ「……何かあるみたいだけど、母親なんだからね?」

魔道士「…はいっ」

おかみ「んー!ありがとっ、楽になったよ!」

魔道士「あっ、良かったです…!」

おかみ「さぁ今日はしっかり寝て、明日からまた頑張らないとね!」

魔道士「…はいっ!」

盗賊「…・・・」
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:13:40.99 ID:O4iS7VIo
〜次の日〜

ソーッ…コソコソッ…カチャッ…パタンッ

戦士「……よぉし、ちょっくらさがしてくるわ!」

召喚士「うん、頼む!こっちは任せて!」

戦士「おうっ!」

タッタッタッタッタ…

召喚士「さて……。行けっ!シルフ!!」

シュイィィン

シルフ「あのさぁ…だからこういう事に…」

召喚士「しーっ!しし、静かに…!」

シルフ「…アンタねぇ、ぶっ飛ばすわよ?」

召喚士「そこを何とか!お願いします!」

シルフ「全く…行けばいいんでしょ行・け・ば・!」

ヒュイーンッ

召喚士「……はぁ」
250 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:14:06.84 ID:O4iS7VIo
コンコンコンッ

魔道士「すーっ…すーっ…」

コンコンコンコンコンコンコ

盗賊「…!?」

物音に飛び起き、窓を見る盗賊の目に、シルフの姿が飛び込む。

盗賊「…?」

シルフ「――!!」

盗賊「…な、なに…?」

魔道士「うぅ…ん…。とうぞくさぁん…?」

盗賊「…下?」

シルフは勢いよく何度も頷く。

盗賊「…なんか…下に来いって」

魔道士「……?」

シルフ「――!!」

盗賊「…し、静かに…?あ、う…うん!」
251 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:14:46.94 ID:O4iS7VIo
テクテクテク…ソーッ…カチャッ

魔道士「あ、召喚士さん」

家の前の木陰から、召喚士は二人を手招きする。

タッタッタ…

魔道士「おはようございます」

盗賊「…どうした?」

召喚士「実は昨晩、戦士と二人で…」

ヒュイーンッ…

シルフ「これでいいの!?」

召喚士「あ、ありがとうございました…」

シルフ「全く…。召喚獣使いが荒いんだからっ!ぷんっ!」

召喚士「……」

シルフ「次やったらタダじゃおかないんだからねっ!」

シュイィンッ…

召喚士「……はぁ」
252 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:15:41.45 ID:O4iS7VIo


戦士「早朝だがそれなりにいたよ」

走り戻ってきた戦士がにこやかに話す。

魔道士「よし…!行きましょう!!」

盗賊「…行きましょう!」

召喚士「やはり女性は頼りになりますね」

戦士「全くなこって……」



魔道士「これなんかどうですか!?」

召喚士「悪くないと思いますよ!ペアだし…!」

盗賊「…これ…かわいい」

戦士「……自分が欲しいモン見てねぇか…?」



魔道士「これで…バッチリですね!!」

召喚士「はい!じゃあ急いで戻りましょう!」
253 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:16:08.75 ID:O4iS7VIo
〜鍛冶屋の家〜

カチャッ…テクテクテク…

盗賊「!?」

おかみ「みんな揃ってどこ行ってたんだい?」

ドアを開けると、正面に立っていたおかみが声をかける。

戦士「い、いやぁ…ちょっと…」

鍛冶屋「おはよう〜」

魔道士「おはようございます!」

召喚士「あの、あれです!朝の露店を見に…!度の準備です!」

おかみ「そうだったのかい!言ってくれればいいのに…」

召喚士「す、すいません…」

鍛冶屋「さぁさぁ!朝食だよ。食べましょう食べましょう!」

おかみ「これ運んでいっておくれっ」

魔道士「あ、はいっ!」

六人は食卓に着き、一時の団欒を終えた。
254 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:16:41.50 ID:O4iS7VIo


戦士「魔道士ーっ!これ持っていけるかぁ?」

魔道士「あっ大丈夫ですよー!」

盗賊「…よいしょ」

テクテクテク…

鍛冶屋「戦士くんっ!出来たよ!!」

戦士「おぉ!!本当ですか!?」

鍛冶屋は斧とガントレットを手に、戦士の元へ歩み寄る。

戦士「すげぇ…!本当に出来たんだ…!!」

鍛冶屋「じゃあ、このガントレットを…腕に…」

戦士「ういっす」

カチカチ…カチャッ

鍛冶屋「そして……はい」

鍛冶屋は両手で斧を持ち上げ、戦士へ手渡す。

戦士「……これが…新しい俺の武具…!」
255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:17:11.89 ID:O4iS7VIo
戦士は嬉々とした表情で斧を逆手に持ち、柄の底を押す。

カチッ……バチンッ!!

戦士「……すっげぇ!!」

召喚士「やったね…戦士!」

盗賊「…か、かっこいい!」

鍛冶屋いやいやいやいや、頑張った甲斐があったかな…はははっ」

魔道士「本当にありがとうございました!」

戦士「…親父さん、おかみさん。ありがとうございます!」

おかみ「そんな、かしこまらなくたっていいんだよ!」

深く頭を下げる戦士に、おかみが苦笑で声をかける。

戦士「…と、そこで。…召喚士!」

召喚士「うん」

スタスタスタ…

鍛冶屋「…?」

おかみ「…な、なんだい?」
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:18:27.73 ID:O4iS7VIo
ガサッ…

召喚士「大した物でないですけれど…。お二人にこれを…」

鍛冶屋「な…何これ!?…えっ!?」

戦士「世話になりっぱなしだからな。心ばかしのプレゼントっつー事で…」

魔道士「開けてからのお楽しみですよー!」

おかみ「あ…あんた達…」

盗賊「…ありがとう…ございました」

おかみ「ま、全く…!余計な事するんじゃないよっ!あははっ!」

おかみは指で涙を拭いながら笑う。

召喚士「さて…行きましょうか!」

魔道士「本当に色々と…ありがとうございました!」

鍛冶屋「またいつでも来てね!」

戦士「ういっす!助かります!」

おかみ「みんな気をつけるんだよ!!」

盗賊「…はいっ」
257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:23:17.31 ID:O4iS7VIo


おかみ「…全く。困ったモンだねぇ…!あははっ」

鍛冶屋「いい子達だよ、本当…うんうん」

カサッ…

おかみ「…!!」

鍛冶屋「お揃いの…エプロンに、ひざ掛けかぁ」

おかみ「あらやだ、こっちには化粧品まで…」

鍛冶屋「へぇー、何だか色々貰っちゃったね。ははっ!」

おかみ「でも…このエプロンは付けられないよ…」

おかみが広げる二つのエプロンには、大きなハートマークが描かれている。

鍛冶屋「はははっ!仕返しされちゃったかな…?」

おかみ「……?」

鍛冶屋「さぁーて…久々にゆっくり寝ようかな!」

おかみ「しっかり休んでおくれ。在庫はもうないんだからさ!あははっ!」

鍛冶屋「そうだったそうだった…!あはははっ!」
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 18:26:47.20 ID:SBhOWFAo
>>239
布団タタキでワロタwwwwwwww
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:28:22.31 ID:O4iS7VIo
〜港〜

戦士「何だあれ…?」

召喚士「国軍の船だね。また戦闘があるのかな…?」

戦士「大規模戦闘があったばっかりだってのに…物騒な事で…」

盗賊「……」

国軍の船からは少数の兵と士官らしき数名が出入りしている。

召喚士「じゃあ…船に向かいましょうか」

魔道士「そうですね!」

戦士「大型船なんて久々だなぁ…!」

召喚士「西方行った時以来だよね?」

盗賊「…うん」

戦士「んで、次はどうすんだ?本国行くか…西方か…」

魔道士「何かありますか?」

盗賊「…私は…特にないな」

召喚士「……」
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:34:20.14 ID:O4iS7VIo
戦士「はぁ!?遅れてる…?」

係員「はい…。申し訳ありません」

おじさん「おいおい!俺は早く本国へ行かなきゃならねーんだよ!」

男「早くしろーっ!」

召喚士「な、何でまた…」

係員「それが…貨物室に密航者が居た関係で…」

魔道士「密航者…?」

戦士「…まさか、その正体はどこぞの王子でした…なんて事はねーだろうな?」

係員「……?」

船員「いたぞっ!おら…!こっち来い!!」

魔道士「密航者の人ですかね…?」

振り返る一同の前に、密航者らしき人物が船員に引きずられ姿を現す。

船員「おらっ!こっちだこっち!!」

戦士「ありゃあ野宿者だな……」

戦士は汚れた衣服と、長く伸びた髪や髭を見て呟く。
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 18:36:11.61 ID:SBhOWFAo
どこぞの王子wwwwww
あいつかww
262 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:38:03.23 ID:O4iS7VIo
魔道士「野宿者…ですか?」

戦士「たまにいるんだよ。船に潜り込んで移動しようっつー野宿者が…」

召喚士「北には多いですからね…」

盗賊「…ああ、そういえば」

係員「お待たせ致しました!準備が整いましたので順番にお進み下さい」

戦士「…行くぞ盗賊ー」

盗賊「……」

船員「北で潜り込みやがったな・・・この野郎っ!」

野宿者「…うっ…うぅ…!」

ヨロヨロッ…ドシャァッ

船員「しっかり歩けっ!全く……」

テクテクテク…

船員「な、何だ…!?」

盗賊「…もう…許してやれ」

船員「はぁ!?」
263 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:42:19.29 ID:O4iS7VIo
盗賊「……」

船員「あのな姉ちゃん、コイツはタダで船に潜り込んで…」

スタスタスタ…

戦士「まったく…。厄介事に首突っ込みやがって…」

盗賊「…す、すまん」

戦士「まぁいい。そいつはこっちで引き取る。問題ないな?」

船員「あ、あのなぁ…」

戦士「ほれっ」

ヒョイッ…ジャラジャラッ

船員「!?」

戦士「コイツの舟代だ。足りんだろ?」

船員「そりゃあそうだが…無賃乗船は犯罪……」

ザッザッザ…

声「私に免じて…無罪という事でいけませんかね?」

戦士と盗賊の背後より、羽扇を手にした男が近づき、声を発する。
264 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:45:20.02 ID:O4iS7VIo
タッタッタ…

召喚士「戦士…!?どうし……」

大軍師「こんにちは。朱雀先生…」

召喚士「だ、大軍師…さん!?」

船員「国軍の…大軍師様っ!?」

戦士「……」

大軍師「運賃はお支払頂いたのでしょう?それでは開放して下さい」

船員「…国軍の方が仰られるのであれば…もちろんっ!」

船員は恐縮しつつ野宿者を起こし、戦士へ預ける。

船員「それでは…失礼します!」

タッタッタ…

戦士「…あんがとよ。助かった」

大軍師「いえいえ…。貴方がただから…ですよ」

召喚士「……?」

大軍師「いいえ、何でもありません。ふふっ」
265 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:50:13.92 ID:O4iS7VIo
魔道士「大軍師さんはどうしたんですか?」

大軍師「ええ。ちょっと所用が御座いまして…」

盗賊「……戦か?」

大軍師「いえ。戦はしばらくありませんよ」

召喚士「……」

大軍師「まぁ…戦以外が本来の私の仕事ですから…」

魔道士「な、なるほど…」

大軍師「それでは、そちらの方はお任せ致しますが…宜しいので?」

戦士「ああ…。乗りかかった船だ…仕方ねぇ」

大軍師「ふふっ…。実際の船には乗れませんでしたけどね…」

戦士「え…っ?あぁーっ!!」

振り向く戦士の横を、無常にも船は出発していく。

召喚士「し、仕方ないよ…。ははっ…」

戦士「言ってくれりゃあ良かったのに…」

盗賊「…す、すまぬ」
266 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 18:58:46.91 ID:O4iS7VIo
大軍師「それでは私はこれにて…」

魔道士「あ、はいっ!ありがとうございました!」

大軍師は一礼し、その場を去って行った。

召喚士「そ、それで…この人どうしようか…?」

野宿者「…うぅ…っ…!!」

戦士「あーあー、ほら…倒れた時に小物散らばせてんじゃねーか…」

戦士はしゃがみこみ、地面に落ちる野宿者の私物を拾い集める。

戦士「…しっかしガラクタばっかりこんなに持って……ん…?」

古びたペンダントを手に、戦士はぴたりと立ち止まる。

戦士「……」

カパッ…

召喚士「……どうしたの?…戦士?」

魔道士「戦士さん?」

戦士「そ…そんな…っ!?なんで…なんでっ!!」

古びたロケットペンダントの中には、幼き日の戦士と、母の姿が描かれていた…。
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/01(火) 19:06:18.03 ID:O4iS7VIo
ここまでにて失礼致します!
ご支援ありがとうございました!では!ノシ
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 19:09:40.78 ID:4o60PC6o
なに!?

_| ̄|○l||li
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 19:11:00.38 ID:nBcrVcDO
ねぇ?>>1はSなの?生粋のSなの?
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 20:04:29.02 ID:Xk9uHlUo
野宿者「そ、それは北の奥地で出会ったお方から預かったモノ」

戦士「北の…」

野宿者「そう、とても大事なモノなんだ…返してくださらんか」

戦士「そいつはどこにいったんだ!!」

野宿者「北の魔王を倒すと言って…」



的な定番展開?
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 20:09:46.78 ID:EKxJZsA0
1はどSだなww
乙!
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 20:28:44.37 ID:9gRxYIco
      .'``・* 。
      |     `*。
     ,。∩      *   
    + ζ(゚ー゚*ζ *。+゚ 布団ふわふわにな〜れ♪
    `*。 ヽ、  つ *゚*
     `・+。*・' ゚⊃ +゚
     ☆   ∪~ 。*゚
      `・+。*・ ゚
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 22:28:39.27 ID:ODL//Ago
戦士「そんな…まさか…」

魔道士「イヤーッ!!」
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/01(火) 22:36:35.13 ID:SsErrAs0
戦士「じょ、冗談じゃ…」
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/01(火) 22:38:07.52 ID:FgsIlEDO
>>270
ふざけるなよ
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/01(火) 23:56:04.79 ID:FXI4BnQo
〜鍛冶屋の家〜

コンコン…

おかみ「はいはい…。今日は営業し……」

大軍師「…どうも…こんにちは」

おかみ「っ!?」

鍛冶屋「ん…?お客さんかい…?」

玄関まで顔を出す鍛冶屋の表情が一瞬のうちに硬くなる。

大軍師「鍛冶屋殿、ご無沙汰しております…」

鍛冶屋「……何か用かい?」

大軍師「……例の物を」

衛兵「ははっ!」

ザッザッザ…ゴソゴソッ…ゴトッ

鍛冶屋「…随分大きいね。武器かな?」

鍛冶屋は、二人の衛兵が運んできた、大きな布に包まれた物を見つめる。

大軍師「……この二つの物を…合成して頂きたい」
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 00:02:14.10 ID:iBefD.AO
>>272
クソかわいいww
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 00:03:51.39 ID:dnjqW1co
おかみ「!!」

鍛冶屋「ゾディアックなら申し訳ないがお断りだよ」

大軍師「いえいえ、あれはもはや我らの手に負える物ではありませんよ…」

鍛冶屋「じゃあ一体…」

シュルシュルッ…パサッ…

大軍師は二つの布を剥ぎ、不敵な笑みを浮かべる。

鍛冶屋「こ……これは…っ!?」

おかみ「ちょ、ちょっと…!話なら余所でしようじゃないか…」

おかみは玄関先に集まる人々を見ながら、不安そうに話す。

大軍師「確かに…人が集まってしまいましたね。申し訳ありません…」

鍛冶屋「……」

大軍師「お二人は我らの船へ。…お連れしなさい」

衛兵「はは!…では、こちらです」

鍛冶屋「……行こう」

おかみ「う…うん……」
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 00:07:42.43 ID:dnjqW1co
〜船着き場〜

魔道士「お……父さん…ですか!?」

召喚士「!!」

戦士「……」

盗賊「…こ、この人が…!?」

戦士「……ああ、間違いない」

三人は同時に、野宿者の顔を見る。

野宿者「……うっ……うぅ」

戦士「だが、どうも様子がおかしい…。さっきから意識がはっきりしないというか…」

召喚士「う、うん…っ」

魔道士「一度医者に診て貰いましょう!」

盗賊「…とりあえず…鍛冶屋の家へ行こう」

召喚士「それが良いですね…!戦士、背負える?」

戦士「あ、ああ…っ」

戦士は地面へ座りこむ野宿者を抱え上げ、その身体を背負う。
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 00:11:47.16 ID:dnjqW1co
タッタッタッタッタ…コンコンコン……コンコン

魔道士「……留守みたいです」

召喚士「…しまったな。どうする…!?」

盗賊「…この町に…医者は?」

戦士「鉱山の町だ。一人や二人はいるだろうが…所在までは…」

盗賊「…そうか」

召喚士「……!!そうだっ、国軍!!」

魔道士「!?」

召喚士「軍船なら軍医はいるはずだ!大軍師さんに頼んでみよう!」

盗賊「…成程…妙案だ!」

タッタッタッタッタ…

衛兵「だから…大軍師様は取り込み中で、お繋ぎする事は出来んのだ…」

召喚士「そこを…何とかっ!」

衛兵「申し訳ないが……」

魔道士「そ、そんなぁ……」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 00:14:50.42 ID:dnjqW1co
召喚士「やぱり町医者を探すしかないね…」

戦士「そうみたいだな…」

魔道士「町の人に聞いてみましょう!」

テクテクテク…

男「あ、あのぉ……」

突如、召喚士達に一人の若い男が話しかける。

召喚士「は、はい……?」

男「そちらの方……御病人…ですか?」

戦士「あ、まぁ……」

男「良かったら…診させて頂けませんか…?」

魔道士「…えっ!?」

ドクター「あ……申し遅れました。私、ドクタート言います」

盗賊「……ど、どうも」

ドクター「今年から医者になった新米ですが、全国を渡り歩いてます。どうぞ…宜しく…」

召喚士「…よ、宜しく…です」
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/02(水) 00:24:22.86 ID:dnjqW1co
こんばんは、どSです。熱が下がらないので寝ます…ごめんなさい

>>270
この発想はなかったですwこっちも面白かったかもですね!

>>272
魔道士!?


今更ですがあぷろだの戦士斧見させて頂きました!
ああいうギミックもカッコイイですね!
ご支援ありがとうございました!それではおやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

魔道士「急に科学の話とか…難しいですよぉ」

盗賊「う…うん」

魔道士「書いてる本人も熱で何書いてるか分からない状態らしいです」

戦士「な、なんつー無責任な……」

魔道士「話も…ブレまくりだとか…親子対面までこんなに長くなっちゃって…」

召喚士「え、えぇ。まぁ…いいんじゃないですか…?いや、ダメ…か」

魔道士「とりあえず…杖がハートになりました。どこに向かっているのでしょうか…」

戦士「魔道士…。遠い目やめろ……」

召喚士「と、とりあえず…これからも宜しくお願い致しますっ!」
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 00:28:15.64 ID:HD5iN6DO
>>どS
お大事に〜 ノシ
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 00:49:33.07 ID:TUXBAvQ0
>>どS
まずは体調を整えろ
話書くのはそれからだ
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 04:58:11.90 ID:NO.IToSO
>>どS
乙です〜
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 06:12:30.02 ID:NuwCccDO
>>1さん、乙です。
今、スタミナ失うと夏バテが心配です。
御自愛下さい。
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 07:31:29.77 ID:j3DlzoDO
>>どS乙
魔道士ワロタ
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 10:33:35.11 ID:Iwr80oAO
>ドクタート 言います

どこぞの中国人かと
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/02(水) 11:04:06.47 ID:Ycoitr.o
毒 太唐
あまり中国人ぽく無いな
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 13:29:43.25 ID:j3DlzoDO
>>289
なんか一生童貞でいそうな名前だな
291 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:19:40.17 ID:XMoLGp6o
〜診療所〜

キィッ…

看護士「ごめんなさい…午前の診察は…あら?」

ドクター「…こんにちは」

看護士「先生ーっ!ドクターさんが見えられましたよー!」

慌しく走り回る看護士が、奥の部屋めがけ大声を出す。

医者「入って貰えー!」

看護士「先生は置くにいるからっ!…あっ!こら、待ちなさい!」

子供「やだよーっ!」

タッタッタッタッタ…

ドクター「行きましょう。こちらです…」

戦士「なにやら…賑やかだな…」

魔道士「ええ…」

ドクター「賑やかでは…困るんですけどね……」

召喚士「…?」
292 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:20:07.80 ID:XMoLGp6o
テクテクテク…

医者「おう!来てくれたかっ!」

ドクター「はい。急患がいらっしゃるので終えたら手伝います」

医者「頼む!昼過ぎまでビッシリだ…!」

ドクター「……ではこちらの部屋へ」

ドクターの誘導で隣接する診察室へ移り、戦士は野宿者をベッドへ寝かせる。

野宿者「……うっ……うぅ…」

戦士「……」

ドクター「…では、失礼します」

スッ…ゴソゴソッ…トントン…

ドクター「……」

盗賊「……」

スゥッ…

ドクター「外傷や目立った傷はなし…」

召喚士「はい。それは確認しました」
293 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:20:33.87 ID:XMoLGp6o
ドクター「…?」

召喚士「俺…召喚士なんです。怪我なら召喚獣で治癒出来るので…」

ドクター「そうでしたか…医学的知識もおありのようですね…」

召喚士「書物レベルの知識ですから…。役には…」

戦士「それで…っ、どうなんだ!?」

ドクター「特に病んでいる様子もなく…意識もはっきりしています」

戦士「本当かっ!?」

ドクター「ただ…何日も食事を摂っていないようですね」

魔道士「……」

ドクター「何か食べる物を…。それから入浴もした方が…」

戦士「お、俺が買ってくる!」

盗賊「…わ、私もっ行く!」

ドクター「それではお願いします」

戦士「おう!」

盗賊「い、いってきますっ!」
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:21:10.48 ID:XMoLGp6o
〜市場〜

戦士「……」

テクテクテク…

盗賊「……」

戦士「……」

チラチラッ…

盗賊(戦士…折角父上が見つかったというのに…)

テクテクテク…

盗賊(なんて…声をかけてあげればいいのかな…)

テクテクテク…

盗賊(と、とりあえず…私が笑顔で…頑張らなくちゃ…うんっ)

テクテクテク…

盗賊「…せ、戦士っ!」

クルッ

盗賊「い、いないっ!!…あれっ!?」
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:21:58.07 ID:XMoLGp6o
戦士「じゃあこれ一つくれ」

店員「毎度っ!」

タッタッタ…

盗賊「はぁ…はぁっ」

戦士「どこ行ってたんだお前は…」

盗賊「…ご、ごめんっ」

店員「はいよっ、お待たせ!」

戦士「ほれ、帰るぞ」

盗賊「…あ、うん」

テクテクテク…

盗賊「……」

戦士「……」

盗賊「せ、戦士…あのぉ…」

戦士「…気にすんな。落ち込んだりしてねーからよ」

盗賊「……うん」
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:22:25.29 ID:XMoLGp6o
〜診療所〜

戦士「どうだ…?」

魔道士「あっ、おかえりなさい!いまお風呂に…」

戦士「そっか…」

ドサッ…スタスタスタ

戦士「風呂ってこっちか?」

魔道士「えっ、あ…はい!」

戦士「サンキュ」

スタスタスタ…

盗賊「……」

魔道士「戦士さん…やっぱりいつもと感じが違いますね…」

盗賊「…うん。しばらくは…仕方ない」

魔道士「なんとか…してあげたいけど…」

盗賊「…余計な事はしない方が…良さそうだな」

魔道士「ええ……」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:22:55.06 ID:XMoLGp6o


野宿者「……うぅ…」

召喚士「戦士、担げる?」

戦士「おう。よっ……と」

ドクター「降ろしていいですよ。拭き終えました」

召喚士「ふーっ…とりあえず食事かな…」

戦士「バナナとかそういうので良かったんだよな?」

ドクター「ええ。絶食状態だったと思うので、胃に優しい物ならば…」

ガサゴソッ…トンッ

戦士「ほれ…食ってくれ」

野宿者「…っ……うぅ!」

バナナを差し出す戦士の手から、野宿者は奪い取るようにそれを食す。

野宿者「…ふっ……うぅ…っ」

戦士「……」

召喚士「……」
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:23:22.03 ID:XMoLGp6o


ドクター「とりあえず食事も済ませ、落ち着きましたね」

戦士「……」

ドクター「大丈夫。ただ寝ているだけですよ」

ドクターはベッドへ横たわる野宿者を見つめ、微笑む。

召喚士「戦士…本当に親父さんで間違いないんだね?」

戦士「…幾らバカな俺でも、親の顔忘れる程…愚かじゃないさ」

魔道士「……一体何があったんでしょうか…?」

ドクター「…記憶喪失」

召喚士「え……っ?」

ドクター「恐らくですが、全生活史健忘…それも重度の…」

魔道士「そ、そんな…」

戦士「……」

戦士「……どうすりゃ…治るんだ?」

ドクター「……今のところ、治療法はありません」
299 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:23:53.22 ID:XMoLGp6o
盗賊「……」

魔道士「そんなのって…どうしたら…」

ドクター「とりあえずは、身内である貴方が傍にいてあげて下さい」

戦士「……」

ドクター「自宅や、思い出の地へ赴くのも良いと思います」

召喚士「環境の変化から記憶を取り戻す手掛かりにするわけですね」

ドクター「それでも確実に…とは言い切れません」

戦士「…分かった。ありがとう」

ドクター「今日はここに泊まると良いでしょう。何かあれば私も対処します」

戦士「……助かる」

ドクター「では…他の方の診察に行きますので…失礼します」

召喚士「あのっ、ありがとうございました!」

ドクター「いいえ、それでは…」

戦士「……」

立ち去るドクターに、戦士は深く頭を下げ、三人もそれに合わせ一礼した。
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:24:31.16 ID:XMoLGp6o
〜夜〜

魔道士「ご飯食べてきました」

盗賊「…看病変わるから…行ってきて」

召喚士「ありがとうございます。それじゃ行こうか。戦士…」

戦士「……ああ」

テクテクテク…

召喚士「食欲…ある?」

戦士「…いんや、あまりないなぁ」

召喚士「じゃあバーで飲みながら簡単に…」

戦士「そうするか…」

召喚士「あ…鍛冶屋さんの所、寄る…?」

戦士「…世話かけたばかりだしな。無関係だし…いいだろ」

召喚士「そう…だよね」

戦士「港のとこにあるバーでいいよな?」

召喚士「あ、うんっ!問題ないよ」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:25:01.33 ID:XMoLGp6o
〜港のバー〜

召喚士「……」

戦士「……」

コクコクッ…コトッ

召喚士「あ、あのさ…」

戦士「大丈夫。別に落ち込んだりしてるわけじゃないから」

召喚士「そ、そっか…」

戦士「自分でも不思議なほど落ち着いてるよ」

召喚士「……そう」

戦士「正直言うと、不安だったんだろうなぁ…」

召喚士「…?」

戦士「親父はきっと生きてる。自分でもそう信じてたし…みんなそう言ってくれた」

召喚士「うん…」

戦士「でもやっぱり、万が一の事を考えちまってたんだろうなぁ…」

召喚士「戦士…」
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:25:28.29 ID:XMoLGp6o
戦士「だからさ、怪我だろうが病気だろうが…生きてた事でほっとした」

召喚士「そっか…」

戦士「何だかんだ言っても、唯一の肉親だしな…!」

召喚士「そうだよね。しかも…会えた事が奇跡だよ!」

戦士「あぁ、そうかもしんねぇ…!あんな偶然そうそうあってたまるかよっ」

召喚士「ほんとだよ…。俺達ラッキーだよね!」

戦士「…あんがとな」

召喚士「…え?」

戦士「いや…色々と気ぃ遣って貰っちまって…」

召喚士「そんな今更…。お互い様だって」

戦士「あぁ…」

召喚士「人の繋がり…。これがあってこそだもん」

戦士「そう…だよな!」

召喚士「うんっ!あはははっ!」

戦士「はははっ!」
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:26:00.08 ID:XMoLGp6o
〜診療所〜

魔道士「あっ、おかえりなさい…」

戦士「親父はどうだ?」

盗賊「…まだ…寝てる」

戦士「そうか。よし…代わるわ!サンキュ」

盗賊「…うん」

召喚士「さて…これからどうしようか……」

魔道士「まずは戦士さんのお父様の記憶を…」

戦士「……その事についてだが」

召喚士「…うん」

戦士「しばらく…パーティー抜けるわ」

盗賊「!?」

召喚士「え…っ!?い、今なんて……」

戦士「迷惑かけちまうのは申し訳ないと思ってる…。すまんっ」

魔道士「せ、戦士さん…!?」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:26:28.78 ID:XMoLGp6o
召喚士「なんで!さっき話したばかり…」

戦士「だからこそだ!」

召喚士「!?」

戦士「オッサンから聞いたろ?あと数年しかねーんだ…」

盗賊「……」

戦士「こんなところでみんな揃ってもたついてる暇はねぇ」

召喚士「……」

戦士「何も今生の別れってワケでもねーんだし…」

魔道士「で…でもぉ……」

戦士「親父の記憶が戻るとも限らねぇ…。いつ戻るかも分からねぇ…」

戦士は右拳を強く握り締め、膝の上へ置く。

戦士「でもな、たった一人の肉親なんだ。ここで放り投げて…旅を続けるわけには」

召喚士「……それは…もちろんだよ」

戦士「そしてお前ら三人まで付き合わせるわけにゃいかないんだ」

盗賊「わ、私はっ…」
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:27:20.20 ID:XMoLGp6o
戦士「頼むっ!」

盗賊「っ!!」

戦士「…必ず……必ずまた一緒に旅すっから…さ」

召喚士「戦士……」

戦士「今は……行かせてくれ…」

魔道士「……」

召喚士「……分かった」

盗賊「!?」

召喚士「その代わり、一つ約束してくれ」

戦士「……ああ」

召喚士「必ずまた…帰ってきて。他の人に代わりは務まらないから」

戦士「召喚士…っ」

魔道士「四人一緒には…駄目なんですか…?」

盗賊「…戦士。すぐ戻って来いよ!」

戦士「当たり前だ!ピンチの時にゃ真っ先に駆けつけてやる!」
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:28:33.14 ID:XMoLGp6o
〜朝〜

召喚士「最後にもう一度確認するけど…良いんだね?」

戦士「ああ。立ち止まるのは一人で充分」

召喚士「…分かった。何かあればワークショップで逐一連絡を」

戦士「了解」

召喚士「じゃあ……また」

戦士「おうっ!」

魔道士「盗賊さん…行きましょう?」

盗賊「………」

俯く盗賊を抱きしめ、魔道士が召喚士の後を追う。

戦士「……」

テクテクテク…

ドクター「良かったんですか…?」

戦士「……ああ。いいんだ…これで…」

両拳を握り締め震える戦士の足元が、ぽつりぽつりと濡れた。
307 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:29:20.45 ID:XMoLGp6o


戦士「ほら…親父、行くぞ?」

野宿者「……うっ…うぅー」

ドクター「これからどちらへ?」

戦士「まずは故郷に帰ろうと思う」

ドクター「…それは良いと思います」

戦士「あそこにゃ顔見知りもいるし、何かきっかけがあればと思ってな」

ドクター「大変だとは思いますが…お気をつけて…」

戦士「おう、世話んなったな…!」

ドクター「あ、そうだ…。これを…」

ドクターは白衣のポケットから紙切れを取り出す。

ドクター「私の自宅…というか診療所です。何かありましたらご連絡を…」

戦士「…本国か」

ドクター「世話役が常駐しておりますので…」

戦士「分かった。助かるぜ…!」
308 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:29:46.77 ID:XMoLGp6o
〜船上〜

盗賊「…………」

デッキの手すりに腕を置き、穏やかに動く海を見つめる。

盗賊「…………」

頭上にはカモメが数匹飛び回り、時に独特の鳴き声を発す。

魔道士「盗賊さん…ずっとあの調子ですね…」

召喚士「しばらくは…仕方ないですかね…」

魔道士「やっぱり四人でお父様の…」

召喚士「そうしたいのは山山ですが…」

魔道士「…」

召喚士「親子二人の方がいい事もあります…」

魔道士「そうですよね…やっぱり…」

召喚士「それに…強引に付いて行っても、戦士は怒るでしょうし…」

魔道士「ずっと負い目背負ってしまいそうですもんね…」

召喚士「だから…今はこれで良いんだと思います」
309 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:30:14.43 ID:XMoLGp6o
スタスタスタ…

召喚士「盗賊さん…」

盗賊「…ん」

召喚士「間もなく西方に着きますよ。そろそろ…」

盗賊「…ん、ああ」

魔道士「何か飲みますか?」

盗賊「…いや…大丈夫」

召喚士「じゃあ戻りましょうか」

盗賊「……ん」

テクテクテク…

魔道士「西方に着いたらどうするんですか?」

召喚士「サモナーさんの所へ行こうと思ってます」

魔道士「サモナーさん…!?」

召喚士「しばらく音信がないので…。心配というわけではないのですが…」

盗賊「……」
310 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 16:30:58.29 ID:XMoLGp6o
〜西の港〜

魔道士「着きましたねー!」 

盗賊「…うん……そして暑い」

召喚士「えぇと、まずは一気に…西国目指して頑張りましょう!」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…暑い」

三人は港を西へ進み、街道沿いを急ぐ。

魔道士「あれ?」

召喚士「どうしました…?」

魔道士「以前より、道が整備されてません?」

盗賊「…確かに…綺麗になってる…?」

召喚士「そうですね…。道幅も広くなってますし…」

魔道士「でもそのお陰で、商人さんも通行しやすそうですねっ!」

魔道士は指差す先には、複数の荷馬車から連なるキャラバンの姿がある。

その更に前方にも、大小さまざまな隊商が、広い街道を行き交っていた。
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/02(水) 16:46:52.40 ID:Ycoitr.o
えええええ!
戦士がいなくなるなんて…
悲しいな…
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 17:28:21.29 ID:kIH.HgSO
数年後…

そこには元気に庭を走り回る戦士と野宿者の姿が

野宿者「全ては戦士のお陰だよ」

戦士「何を言ってるんだお。僕は当たり前の事をしたまでだお。
僕たちを支えてくれた全ての人…特に召喚士魔導師、そして盗賊というかけがえのない仲間に感謝するお」

313 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 17:51:46.61 ID:XMoLGp6o
〜西国〜

魔道士「すっかり遅くなっちゃいましたね…」

召喚士「でも、一日で西国まで来られるようになりましたよね」

盗賊「…うん」

魔道士「どうします?お城、行ってみますか?」

召喚士「そうですね…。顔を出さないのも失礼ですしね…」

盗賊「……」

召喚士「でも、苦手なんですよね…ははっ」

魔道士「そうそうっ、接待というか…。待遇が…」

召喚士「そうなんですよ…。きっとまた泊まっていけ、って流れに…」

盗賊「…ご飯は…美味しいけど」

召喚士「久々に王子にも会いたいし、今日のうちに行きましょうか」

魔道士「はいっ!!」

盗賊「…同意」

三人はランプの優しい灯りで彩る街並みを抜け、城門へと足早に向かった。
314 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 17:52:13.27 ID:XMoLGp6o
〜城門〜

衛兵「…ふぁあ…早く交代こねーかなぁ…」

スタスタ

衛兵「おぉ…待ってました…」

盗賊「……?」

門兵「何だ…交代じゃなかっ……」

召喚士「へっ…?」

門兵「ままっ、待ってましたぁ!!さぁどうぞ!お入り下さいぃ!」

魔道士「!?」

門兵「召喚士様ご一行、お見えになられましたぁ!!」

召喚士「ちょ、ちょっと…やめて下さいっ!」

タッタッタッタッタ…

衛兵「何っ!?おぉ…!さぁどうぞこちらへ!」

召喚兵「あれが生ける英雄だぞ!」

新兵「おぉ…噂どおり、うつく…お強そうだ…!」
315 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 18:01:14.81 ID:XMoLGp6o
召喚士「…何…これ…?」

魔道士「さ、さぁ…」

衛兵の案内で、三人はあっと言う間に大広間へと通される。

シズシズシズ…

女王「お待ちしておりましたよ。皆様方…」

召喚士「これは女王陛下。ご機嫌麗しく…」

女王「おや…?戦士様のお姿が……」

召喚士「か、彼は今…別行動でして…」

女王「……そうであったか」

テクテクテク…

神官「これは召喚士殿、ご無沙汰しております」

王女「御機嫌よう」

魔道士「王女様っ!御機嫌ようっ」

盗賊「…ご、御機嫌よう」

見様見真似で、盗賊は両手で裾を持ち開き、挨拶をする。
316 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 18:05:12.36 ID:XMoLGp6o
王女「今日は泊まっていかれるのですよね?ねっ?」

魔道士「えっ!?あ…あぁーやっぱり……」

王女「また…色々とお教え頂けますか?お姉様…」

魔道士「!?」

盗賊「お、姉……」

魔道士「……分かりましたっ!エヘヘ!!」

召喚士「ま、魔道士さんっ!?」

神官「召喚士殿も是非、旅の話などをお聞かせ下さい」

召喚士「は、はぁ……」

魔道士「あの…っ、ところで王子様は…?」

神官「今はほとんど城におられませんよ…」

召喚士「そうなんですか…?」

神官「ええ…。お陰で政務は全て私に……」

盗賊「…ご愁傷様です」

神官「まぁ、良い事ではあるんですけれどね…」
317 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 18:09:15.64 ID:XMoLGp6o
魔道士「…?」

神官「王子の品行は日に日に良くなる一方でして…」

盗賊「……」

神官「これは直接民と接する場にいるからこそ…身が引き締まるというもの」

召喚士「なるほど…」

神官「今は軍を率い、魔物を西へと追いやる一方で、地域の復興や投資に力を注いでおります」

魔道士「おぉー!凄いじゃないですかっ!」

神官「ええ。王子の戦才は先代を凌ぐ程に優れていらっしゃいます」

女王「ええ。先代もさぞお喜びの事でしょう…」

召喚士「そうでしたか…」

神官「まぁ……政治については…からっきしですが…」

召喚士「それを神官さんが補っている…。いい流れじゃないですか」

盗賊「…うん」

神官「そう言って頂けると救われます…」

神官は申し訳なさそうな表情で苦笑する。
318 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 18:15:48.66 ID:XMoLGp6o
女王「これ、部屋の準備は?」

女官「整っております。ご案内致します」

王女「まずは入浴などいかがですか?うふふっ」

盗賊「…は、はぁ」

半ば強引な接待に戸惑いながらも、魔道士と盗賊は王女と女官に誘われ退室する。

神官「召喚士殿は私の部屋へ…」

召喚士「あ、はいっ…」

女王「食事の用意が整いましたら、お呼び致しますわ」

召喚士「あ、ありがとうございます」

神官「それでは参りましょうか」

召喚士「は、はい!」

テクテクテクテクテク…

神官「戦士殿はどちらへ…?」

召喚士「あ…っ、実は…ですね……」

召喚士は鉱山での出来事を神官へ伝える。
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 18:20:47.92 ID:yrW.glE0
戦士いなくなるけどさ
ゲームだと離脱した後復帰したキャラって
その時のレベルのままのときがあるよな
でも戦士は違うよね?(チラッ
320 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/02(水) 18:27:43.01 ID:XMoLGp6o
〜神官の部屋〜

神官「……そうでしたか…お父上が…」

召喚士「ええ…」

神官「私も何かお手伝い出来れば良いのですが…特に思いつきません…」

召喚士「いえいえっ、お気持ちだけで充分です」

神官「して、最近はどのように?召喚獣収集ですかな?」

召喚士「それについてはひとまず落ち着きました」

神官「そうでしたか。それは結構…」

召喚士「今は…ですね……」

〜風呂〜

王女「……」

フニフニ

魔道士「ど、どうしました…?」

盗賊「……?」

王女「い、いえっ……何でもありません…」
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/02(水) 18:31:38.04 ID:XMoLGp6o
それでは帰宅します!ご支援ありがとうございました!ノシ

>>311
きっとすぐ帰ってきます!と思います!

>>312
これはww

>>319
もちろんですっ!(キリッ
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 18:48:42.49 ID:iBefD.AO
>>312
笑っちゃいけないと思っていたのに
盛大に鼻水噴き出して、電車の乗客に白い目で見られただろうが
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 21:43:44.52 ID:hxKWSPwo
これは戦士が帰ってくるまでどうなるんだろう?
その場その場で、戦士の代わりの前衛が、仲間として登場するのかな?
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 21:46:40.10 ID:qL5A0e2o
修行じゃね?
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 22:34:23.30 ID:7LUDU2Uo
ここで王子が前衛だろ女子高生
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 23:38:22.03 ID:JqgwbcAO
王子も立派になったな
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 00:23:23.54 ID:tUAHZPYo
だが、奴だけは許されのだ!
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 00:49:48.96 ID:Xb563Zs0
かむな
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 01:22:19.00 ID:YaPUHQSO
このスレがまた暗黒面に落ちておるのう

戦士はきっと立派な槍使いになっていて欲しいお
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 04:24:01.52 ID:rU2.QFoo
戦士父が復帰してPTに加わってくれるがすぐに戦死する展開がいいな
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 07:47:47.17 ID:Vn5XLISO
帰ってきた時に剣王震空牙放ちそうな別れ方だったな
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 10:20:14.20 ID:gdNDT/co
常識的に考えると介護スキルが上がってるだけのような
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 10:22:20.03 ID:0frBqy.o
裏技
パーティー離脱前に斧を預けてから離脱すると
戻って来た時に斧が二つになる
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 10:27:21.12 ID:A.29w1Uo
>>331
その頃には盗賊は武闘家に転職してて、波動拳とか撃っちゃうわけですね
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 10:55:10.34 ID:/pZrSEUo
肉かb…頼れる盾が居なくなったのはつらいな
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 13:36:36.50 ID:ar0F02DO
>>332
行け!介護士!
というイケメン俳優を起用したドラマに発展するわけですね、わかります
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 14:08:36.76 ID:Z1NRBgAO
たね、きのみは無駄になるので注意
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 17:26:32.23 ID:LKKSTXQ0
召喚士はマーラが喚べるようになるわけだな
339 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:03:53.27 ID:hObAsVIo
カポーン

盗賊「……ふー」

魔道士「気持ちいいですねぇ〜」

盗賊「…うん。広いお風呂は…久々だ」

王女「……」

盗賊「…な、何だ?」

魔道士「…?」

王女「盗賊様はいつから…そのようなお身体に…?」

盗賊「…と…言いますと?」

王女「あの…ですから…」

ザバッ…タユンッ

魔道士「これの事ですよね!」

盗賊「ちょ、ちょっとっ!…もうっ」

王女「え、えぇ…」

盗賊「……13…かな」
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 18:04:16.80 ID:LzTLNfUo
キタwwwwwwww
341 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:04:33.88 ID:hObAsVIo
王女「!?」

盗賊「13歳!?」

盗賊「あっ、そ…その頃から…大きくなりだして…その」

王女「私…もう17になりましたわ…」

魔道士「……20になりましたけど」

盗賊「……」

王女「何が違うのでしょうか…。食生活などでしょうか…」

魔道士「牛乳飲むと良いって聞きますよね!盗賊さんも…」

盗賊「…牛乳は嫌い。…すぐお腹痛くなるから」

王女「……」

魔道士「……」

盗賊「……あ、あの…っ」

王女「…私は、そういう事で判断しない殿方を選びたいと思います」

魔道士「……私も…そうします」

盗賊「……う、うん」
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:05:03.07 ID:hObAsVIo
チャポッ…パシャパシャッ…

魔道士「でも…凄いですね」

盗賊「…?」

魔道士「王子様もまだ11歳ですよね?」

王女「この前12歳になりましたわ」

魔道士「おぉ、それで戦場に出てるんですもんね…」

盗賊「…うん」

王女「最初の頃はなんというか…ただ猪突猛進で…」

盗賊「……」

王女「でも今はきちんと、自分の事も理解してやっているようですわ」

魔道士「凄いなぁ……」

盗賊「…うん」

王女「私にとってはお姉さまがたの方が…凄いと思いますけど…」

盗賊「…?」

魔道士「そうですか?」
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:05:38.81 ID:hObAsVIo
王女「ええ。まだ嫁入り前にも関わらず…世界を旅されて…」

盗賊「……」

王女「ましてや凶暴な魔物を…。尊敬致しますわ」

魔道士「そ、そんな事ないですよ!ねぇ…?」

盗賊「そ、そうだっ」

王女「あ、あのぉ…」

魔道士「は、はい…!」

王女「……お二方はその…と、殿方との経験など…」

盗賊「っ!?」

魔道士「け、けけ…経験とぉ…言いますと…っ!?」

王女「あっ、い…いえっ!私とした事がはしたない…!申し訳…」

魔道士「いっ、いえ…!おお気になさららずっ!!」

盗賊「う、うんっ!」

魔道士「な、なんだかのぼせてきましたねっ!あ、上がりましょうか!」

盗賊「そ、それがいい!うんっ!」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:06:10.11 ID:hObAsVIo
〜神官の部屋〜

神官「…成る程。国軍もかなり本腰ですね」

召喚士「ええ。数年以内にカタをつけるつもりのようです」

神官「…あまり事を急ぐのも…危険かとは思いますが」

召喚士「ええ。でも…滅多に訪れない好機なのも間違いはないです」

神官「……分かりました。我ら西国も出来る限りのご協力は致しましょう」

召喚士「!?」

神官「…と、言っても…本国から話があれば…ですがね」

召喚士「……ええ」

神官「西国と本国は、西方諸国のような険悪な状態というわけではありません」

召喚士「……」

神官「しかしそれはあくまで交易に基づいた友好関係と言えます」

召喚士「それが軍事同盟となれば…」

神官「まぁ…いずれその日は来るかとは思いますが…」

召喚士「…?」
345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:06:37.48 ID:hObAsVIo
神官「ご存知ですか?ここよりはるか西に位置する…砂漠の果て…」

召喚士「いえ…。何か…あるのですか?」

神官「普段険悪な我ら西方諸国が、唯一…団結するのです…」

召喚士「……?」

神官「その古代遺跡に棲まう…一匹の魔物のために…」

召喚士「ま……まさか…」

神官「最後に戦ったのは21年前だそうです」

召喚士「魔王……っ!!」

神官「その名を…魔王『イブリース』……」

召喚士「――っ!!」

神官「…とは申しても、私自身…見た事もありませんが…」

召喚士「……」

神官「西国は西方諸国の中でも、最も東に位置する国です」

召喚士「え、ええ…」

神官「そのせいもあってか、連合の際には後方支援がメインでした」
346 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:07:37.33 ID:hObAsVIo
召喚士「…でした…?」

神官「ええ…。今までは、です。しかし現状は全く違う」

召喚士「今後は西国が盟主となり……」

神官「西高原国、西海岸国と…立て続けに滅んでしまいましたから…」

召喚士「そうか…。前線を務める国が…既に…」

神官「そうです。もし今後…イブリースを討伐する話しがあるならば…」

召喚士「……必然的に西国が筆頭となるわけですね…」

神官「国軍のみに任せっきり…というわけには参りませんから」

召喚士「だからと言って、西方のみでは力が…」

神官「その通りなのです」

召喚士「…でも、今まで魔王が侵攻してきた事はないのですか?」

神官「私が文献で知る限りはありません」

召喚士「……何か…理由があるのでしょうか…?」

神官「さぁ、そこまでは何とも……」

召喚士「……」
347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:08:16.14 ID:hObAsVIo
神官「とにかく、こちらから手を出さない限り…イブリースは動きません」

召喚士「…時間はある…と?」

神官「…その刻までに、西国も早急に下準備を整えましょう」

召喚士「……頑張ってください」

神官「…召喚士殿、きっと貴方の力も必要になりますよ」

召喚士「…?」

コンコン…カチャッ

女官「お食事の準備が整いました」

神官「おっと…。話が長くなってしまいましたね…」

召喚士「あっ、もうこんな時間か…」

神官「それでは広間へ戻りましょうか」

召喚士「あ、はいっ…」

席を立つ神官の後を追うように、召喚士も椅子から腰を上げる。

召喚士「あ、そうだ…。神官さん……」

神官「……?」
348 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:10:11.58 ID:hObAsVIo
召喚士「アヌビスの方はどうですか?」

神官「……えぇ。まぁ」

召喚士「…?」

神官「西高原国にて発掘した文献のお陰で、解析は進んでおります」

召喚士「そうですか。良かった」

神官「まだ不明瞭な部分が多いので何とも言えませんが…」

召喚士「…なるほど」

神官「西高原国にはまだ書物も多数存在するようです」

召喚士「じゃあ…それを回収出来れば…」

神官「はい。今現在も徐々に回収は進めているところです」

召喚士「そうでしたか…!」

神官「ただ……」

召喚士「……ただ?」

神官「いえ、失礼。行きましょう。皆…待っておられる事でしょう」

召喚士「あっ、はい…っ」
349 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:11:37.54 ID:hObAsVIo
〜大広間〜

盗賊「……おぉ」

魔道士「凄いご馳走…っ」

女王「東西に貿易路が拡張した事で、様々な食材が手に入るようになりました」

魔道士「確かに…。魚介類も豊富に…!」

召喚士「本当だ…」

王女「さぁ召喚士様、こちらへお座り下さいませ」

召喚士「あ、ありがとうございます」

王女「ふふ…っ!」

盗賊「…いただきます!」

神官「酒もありますよ。あっ、魔道士さんはまだお酒が飲め…」

魔道士「飲めますっ!」

神官「…!?そ、そうでしたかっ。失礼…」

魔道士「いただきますっ!!」

召喚士「あ、あの…魔道士さん。あまり飲みすぎないように…」
350 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:12:41.43 ID:hObAsVIo


魔道士「ご馳走様でしたっ!美味しかったぁ!」

王女「喜んで頂けて光栄ですわっ、お姉様!」

女王「こちらこそ旅のお話など、ありがとうございました」

召喚士「いえっ、とんでもないです…!」

神官「いつかは私も世界、というものを見てみたいものですね」

魔道士「楽しいですよー!…大変な事もありますけど」

盗賊「…うん。世界は…広い」

王女「私もご一緒しようかしら…」

召喚士「えっ!?」

女王「これ、皆様を困らせるでない…」

王女「分かっております。ふふっ」

召喚士「で、では…おやすみなさい」

神官「明朝、見送らせて頂きますので」

魔道士「おやすみなさい!」
351 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:14:20.77 ID:hObAsVIo
〜部屋〜

召喚士「……はぁ」

ベッドに横たわり、天井を見つめる召喚士から溜息がこぼれる。

召喚士「……」

ゴソッ…モゾッ…

召喚士「寝付けない…」

バサッ…スタッ……テクテクテク

個室を出ると左右に長い通路が伸び、その正面にはテラスが見える。

召喚士「……」

テラスに向かう召喚士は、扉をあける前に先客の存在に気づく。

カチャッ…キィッ…

召喚士「…盗賊さん」

盗賊「……召喚士…まだ、寝ないのか?」

召喚士「何だか…寝つけなくて。ははっ…」

盗賊「……そうか。私もだ」
352 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:43:05.90 ID:hObAsVIo
召喚士「何だか…いつもより部屋が広くて…」

盗賊「……ん」

召喚士「……」

盗賊「……」

召喚士「戦士…故郷へ戻ったんですかね…?」

二人はテラスより外を眺めながら話し続ける。

盗賊「…どうだろうな」

召喚士「早く良くなるといいですね…」

盗賊「……召喚士」

召喚士「は、はい…?」

盗賊「…私達は…私達の出来る事を頑張ろう」

召喚士「…盗賊さん」

盗賊「…戦士に…笑われないように」

召喚士「……そうですね」

テラスに広がる夜景はただただ暗く、月だけがぼんやりと浮かんでいた。
353 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:45:58.19 ID:hObAsVIo
〜北の山中〜

戦士「……よし、手を…っ…おいっしょ!」

野宿者「…うぅー!」

戦士「ふーっ、あとは道なりに下るだけだ!頑張ろう!」

野宿者「……うぅ…」

戦士「足元気を付けろよ?」

テクテクテクテクテク…

戦士(不思議なもんだな…)

テクテクテク…

戦士(今まで手を引いてくれてた親父を…)

テクテク…

戦士(今度は俺が引っ張ってやるなんてさ……)

ジャリッ…

戦士「……見えたぞっ!ほら、親父!」

野宿者「……うぅ?」
354 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:49:44.46 ID:hObAsVIo
山から続く道をしばらく下ると、ふもとの滝へと出る。

その道を真っ直ぐ進むと、そこは戦士の故郷である村に辿り着く。

戦士「……ふぃー、着いたーっ!」

野宿者「……うっ…うぅ」

戦士「さて、まずは村長に……」

スタスタスタ…コンコン

戦士「こんばんはー」

村長「…!?……戦士か!!」

戦士「どうも。ご無沙汰です」

村長「こんな夜分にどうした…?」

戦士「実は……」

戦士は真横にいるお世辞にも綺麗とは言えない男を見つめる。

村長「……?」

野宿者「……うぅ…うー」

村長「ま、まさか……っ!?」
355 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:52:20.93 ID:hObAsVIo


村長「………」

戦士「……」

暖炉に灯る薪が、ぱちぱちと音を立てる。

村長「…そうであったか」

戦士「……」

野宿者「……うぅー」

村長「さぞ…大変だったのであろうなぁ」

戦士「村長、申し訳ない…。家を……」

村長「もちろんじゃ。好きに使いなさい」

戦士「…助かる…っ!」

野宿者「…?」

村長「明朝、村の者にも申し伝えよう。人手がいるじゃろ?」

戦士「ありがとうございます…!」

戦士は一礼し、村長より家の鍵を受け取った。
356 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 18:56:14.28 ID:hObAsVIo
カチャカチャッ…ギイィ…

戦士「しまったなぁ…。この前家具から何から全部カタしちまった…」

テクテクテク…

戦士「ま、寝るスペースがありゃいいだろ…」

野宿者「……」

戦士「親父、布団持ってくるからこっちに…」

野宿者「……うぅ」

戦士「…ん?どした?」

スタスタスタ…

野宿者は手に持つロケットをじっと見つめ立ち尽くしている。

戦士「……ほれ、夜も遅い。もう寝よう」

野宿者「……う…っ」

テクテクテク…

戦士「……」

古びた布団の上へ野宿者を寝かし、その脇で戦士も横になった。
357 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/03(木) 18:57:28.30 ID:hObAsVIo
あぁ…今日は何だか仕事が凄まじくて全然進まない…
とりあえずここまでにて失礼します!
多分後ほど更新出来るかと…ご支援感謝です!それでは!ノシ
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 19:31:30.14 ID:x0BL.mAo
>>1乙!
この先野宿者がどうなるのかwwktk
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 19:53:02.67 ID:LzTLNfUo
野宿者の名前がずっと野宿者というのは
実はよく似た他人とか
魔物がモシャスしてたり
鋼の錬金術師のホーエンハイム的な感じの伏線か?

そうでないならそろそろ戦士父とかにしてあげないとかわいそう…
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/03(木) 20:35:24.35 ID:hUMllYAO
>>359
余計な口を挟むなよ
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 22:17:17.66 ID:0frBqy.o
先読みとかで荒れるのを見てても
きっと他人事で、見て学習するって事をしないんだろうな
些細な事に目くじら立てて荒らさないように気を使ってても、そろそろ噴火するよ
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 23:03:35.23 ID:met9mcAO
つまり厨は氏ねってことだ
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/03(木) 23:19:00.59 ID:XpWe9kDO
穏便にいこうぜ
スレが荒れるのは恐らく>>1さんが一番嫌う事だしさ
364 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:24:03.48 ID:v6xkHw2o
〜次の日〜

戦士「……ん〜」

ゴソッ…

戦士「……もう…朝かぁ…」

朝日を避けるように寝がえりを打ちながら、戦士は無人の布団を見つめる。

戦士「何だ…。もう起きたのか……」

ポリポリ…

戦士「………」

ガバッ…ダンッ!!

戦士「…っじゃねーだろ!!どこ行った!?」

ガチャッ…タッタッタッタッタ…

青年「あっ、戦士さ……」

戦士「親父見なかったか!?」

青年「……さ、さぁ?」

戦士「見かけたら捕まえといてくれ!!」
365 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:24:48.77 ID:v6xkHw2o
タッタッタッタッタ…

青年「……?」

幼馴染父「やあ、おはよう」

青年「あっ、おはようございます」

幼馴染父「……戦士くんは?」

青年「さ、さぁ…。何だか慌てて出て行きましたけど…」

幼馴染父「……?」

タッタッタッタッタ…

戦士「くっそぉ…!あんな状態でうろついてちゃあ…」

タッタッタッタ…ガサガサッ…

戦士「はぁ…はぁはぁ…っ!…くそっ!!」

必死に汗を拭いながら、戦士は周囲をぐるりと眺める。

戦士「……っ!!」

ふと右上に目線を移した刹那…その瞳に、動く人影が飛び込んでくる。

戦士「あん…なっ所に…!!」
366 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:25:24.51 ID:v6xkHw2o
戦士は慌てて滝をよじ登る野宿者の真下へ駆け寄る。

タッタッタ…ザザッ

戦士「親父ーっ!何やってんだぁ!!」

野宿者「……え…っ?」

戦士「あぶねぇだろ!!降りろーっ!!」

野宿者「……うぅっ!」

ズルッ!!

戦士「っ!!」

………バシャアァァンッ!!

戦士「ちっくしょおぉ!!」

バッ…ドボォンッ!!

足を滑らせ滝壺に落ちた野宿者を救う為、戦士が大慌てで川へ飛び込む。

戦士(………いたっ!!)

ゴポッ……グイッ!!

野宿者「……っ!!」
367 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:28:52.76 ID:v6xkHw2o
ザバァッ!!

野宿者「…ごほぉっ!!げほっ!!」

戦士「馬鹿野郎っ!!死にてぇのか!!」

野宿者「……ごほっ…!す、まん……」

戦士「……ったく!!」

ポタポタポタッ…

戦士「………す…まん…?」

戦士は目を丸くし、ゆっくりと背後の野宿者へ振り返る。

野宿者「……た、助かり…ました…ごほごほっ!」

戦士「……喋った」

野宿者「……」

戦士「記憶が……戻ったのか…!?」

ガバッ!!

野宿者「……あ、あ…のっ…?」

戦士「親父…親父っ!!俺だ、戦士だ!!分かるか!?」
368 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:40:23.63 ID:v6xkHw2o
野宿者「………?」

戦士「……」

野宿者「あ、あの…ぉ…」

戦士「……駄目…か」

野宿者は怪訝な表情で、落胆した戦士の顔を覗き込む。

戦士「まぁ…とりあえず、話せるようになっただけ…マシ、か」

野宿者「……あ、あのぉ」

戦士「んー?」

野宿者「……えぇと」

戦士「なんだよ…」

野宿者「北東の…村って…分かりますか?」

戦士「北東の村…?ま、まぁ…多分…」

野宿者「そこへ…行きたいのですが…」

戦士「何で……?」

野宿者「……さ、さぁ」
369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:50:13.86 ID:v6xkHw2o
スタスタスタ…

青年「あっ!戻ってきた!!」

戦士「おー、さっきは悪かったな!」

青年「もーっ、朝一で村長に聞いて…すっ飛んで来たんですよ?」

幼馴染父「戦士くん、元気そうで何より…」

戦士「親父さん…。ご無沙汰っす」

幼馴染「そちらの方が…戦士父さんかい?」

戦士「ええ。ほらっ…」

戦士は野宿者の髪をかき上げ、その顔を二人に見せる。

幼馴染「戦士父さん…!良かった…っ…無事だったんだね!」

青年「おやっさん!!」

野宿者「……?」

戦士「…ああ。ちょっと…ワケありでな…」

幼馴染父「……?」

戦士「詳しくは家の中で話します。…どうぞ」
370 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/03(木) 23:54:32.09 ID:v6xkHw2o
〜西国の城、城門前〜

神官「本当に…ここまでで宜しいのですか?」

召喚士「ええ…。ここからは西の山へ行くだけですから…」

魔道士「お世話になりました」

王女「お姉様…っ、また必ずいらして下さいませ…?」

魔道士「もちろんですっ!えへへ!!」

盗賊「…では」

女王「旅のご無事をお祈り致しておりますわ…」

召喚士「ありがとうございます。王子にも宜しくお伝え下さい」

神官「はい。必ずや……」

魔道士「さようならーっ!」

スタスタスタ…

王女「……行って…しまわれましたね」

女王「ええ…。楽しい時も…束の間ですわね」

神官「また会えますよ…。必ず……!」
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/04(金) 00:38:03.52 ID:pCkOCQ2o
ではここらで失礼致します!ありがとうございました!ノシ

〜オマケ〜

戦士!戦士!戦士!戦士ぃぃうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!戦士戦士戦士ぃううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!戦士の逞しい筋肉の汗をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!二の腕モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
東方での浴衣姿の戦士かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
新しい斧も完成して良かったね戦士!あぁあああああ!かっこいい!戦士!かっこいい!あっああぁああ!
お父さんも見つかって嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!戦士がいないなんて現実じゃない!!!!あ…じゃあ今もよく考えたら…
戦 士 は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!藤蔵ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?夢の中の戦士が私を見てる?
夢の中の戦士が私を見てるぞ!戦士が私を見てるぞ!夢の中の戦士が私を見てるぞ!!
夢の中の戦士が私に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私には戦士がいる!!やったよ兄様!!ひとりでできるもん!!!
あ、夢の中の戦士いいいいいいいいいいいいいいぃぃ!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあ父様ぁあ!!じ、侍女ー!!水忍んぁああああああ!!!風忍火忍土忍雷忍んぁあああ!!
ううっうぅうう!!私の想いよ戦士へ届け!!北方にいる(と、思われる)戦士へ届け!

ガバッ!!

盗賊「……ゆ、夢…か…っ」
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 00:43:50.85 ID:zV5jesSO
(;´д`)トウゾクサン…


( ̄▽ ̄;)1乙♪毎度毎度応援してます。
おやすみなさい。
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/04(金) 00:45:46.02 ID:YsxhIsDO
誰か早く>>1の元へ黄色い救急車を。
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 00:47:07.18 ID:jneWv4I0
battle fieldにいる時にコネロスして、2時間後にログインしたらまた同じ場所からはじまった。

落とされる時と落とされない時があるけどなんだろう?
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 00:47:59.75 ID:jneWv4I0
誤爆しました・・

>>1が壊れたかと思って焦って手が滑ったんだ
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 01:00:30.69 ID:ujfmHhI0
クソワロタww

>>1
iPhoneから支援できないなんてあんまりだ…
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 01:13:53.03 ID:RTshke.o
召喚しと盗賊のツーショットは久しぶりだな
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 02:13:18.44 ID:DurtIEAO
声出してワロタwwww
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 03:33:12.07 ID:l1SSX1w0
クッソワロタwwwww

>>1乙。
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 06:25:48.58 ID:XjyoycDO
>>1乙!

あぶねえ……電車の中で笑うところだった
381 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 09:25:29.83 ID:cF6gGsAO
>神官「最後に戦ったのは21年前だそうです」
召喚士「魔王……っ!!」
神官「その名を…魔王『ファブリーズ』……」
召喚士「消臭っ!!」

だめだオレも黄色い救急車ああああ
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 11:18:08.76 ID:Nw1RwSso
♪ △ ♪ 
 (゚ω゚)ノ
└( (   オバケの救急車〜♪
  ( ヽ ♪
♪ △
ヽ(゚ω゚) 
♪) )┘ オバケの救急車〜♪
 ノ > ♪

こんなAAが保存されてたんだ
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/04(金) 11:28:37.51 ID:rSfihlwo
>>382
それはイニシエの時代の芸人ネタです。
再び目にすることが出来るとは…
384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 16:58:22.27 ID:MauQaI6o
〜戦士の故郷〜

幼馴染父「…記憶…喪失っ」

青年「おやっさんが…!?」

戦士「ああ…」

沈痛な面持ちの三人をよそに、野宿者は一人、怪訝な表情を浮かべる。

幼馴染父「それで…この村へ戻って来たんだね」

戦士「ええ。何かきっかけになれば、と思って…」

幼馴染父「いいと思う。しばらくはゆっくりするといいよ」

青年「俺らも手伝いますから!」

戦士「ありがとよ。でも…」

幼馴染父「……?」

戦士「なぁ…?なんで北東の村へ行きたいのか…覚えてないのか?」

野宿者「……えぇ…と?」

青年「北東の村…ですか?」

戦士「ああ。何やら理由は分からんが、行かなきゃならんらしい」
385 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 16:59:02.25 ID:MauQaI6o
幼馴染父「幾ら君らとて…この状態では危険だと思うが…」

戦士「ああ。それは否めない」

青年「助っ人出来ればいいんですけど…」

幼馴染父「私らのような一般人ではないぁ…」

青年「役に立つどころか、足手まとい…」

青年は後頭部をかきながら苦笑する。

戦士「助っ人…」

青年「あっ!それならいっそワーカーに依頼するとか…!」

戦士「……それも手だな」

幼馴染父「国軍の討伐が落ち着いたとはいえ…北は油断出来ないからね…」

戦士「…そ、そうだよ…!」

幼馴染父「…?」

戦士「いるじゃねぇか…!強力な助っ人達がよ…っ!!」

青年「強力な助っ人…ですか?」

戦士「……おうっ!」
386 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 16:59:42.03 ID:MauQaI6o


.幼馴染父「本当に気を付けてな…!」

戦士「なぁに、こっからなら一日もかかりゃしませんから」

青年「ワークショップ経由の手紙は手配しておきます!」

戦士「おうっ、頼む!!では…行ってきます!!」

幼馴染父「うむ…。戦士父さんも気を付けてな?」

野宿者「……え、ええ」

ザッ…テクテクテク…

戦士「親父、覚えてっか?」

野宿者「……?」

戦士「親父がさ、国軍だったなんて知らなかったよ…ビックリしたぜ」

野宿者「国軍…?」

戦士「そう。しかも…あんなに強くていい人達が…仲間だったなんてよ!」

野宿者「は、はぁ…っ…?」

戦士「さぁ行くぜ!いざ…北方司令部へ!!」
387 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:00:15.42 ID:MauQaI6o
〜西方、街道〜

召喚士「凄いな…」

盗賊「…?」

召喚士「あ、いえっ…街道が西にもずっと延びていて…」

魔道士「そういえば…。以前は砂漠を整備した程度だったのに…」

召喚士「昨日言っていた、交易ルートという事ですね…」

盗賊「…成程」

魔道士「露店なんかも出てて…賑やかですねぇ」

召喚士「街道が港まで直に続いていて…本国との貿易にも繋がる…」

盗賊「…活気があって…良い兆候だ」

召喚士「ええ」

魔道士「あっ、あれなんでしょうね?」

召喚士「あれは…キャラバンサライですね」

魔道士「キャラバンサライ…あっ、隊商宿ですねっ!」

召喚士「行ってみましょうか!」
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:00:50.87 ID:MauQaI6o
テクテクテク…

男「いらっしゃい。キャラバン護衛のワーカーかね?」

隊商宿の入り口に設けてある、簡易的なカウンター。

その中にいる髭の男が召喚士達へ問いかける。

召喚士「いえっ…。俺らはただのワーカーです」

男「旅人か。宿泊かね…?」

召喚士「食事を……」

男「なら正面の食堂だ。武器はここで預からせて貰うよ」

男の合図で二人の傭兵が奥より姿を表す。

傭兵「武器はこれで全てか?」

召喚士「はい…」

コトッ…ゴトッ…

男「よし…いいぞ。余計な部屋に入らず、真っ直ぐ進め」

魔道士「は、はいっ」

召喚士を先頭に、三人は通路を奥へと真っ直ぐ進んだ。
389 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:01:50.70 ID:MauQaI6o
スタスタスタスタ…

盗賊「…厳重だな」

召喚士「ええ。まぁ…仕方のない事ですが…」

魔道士「隊商宿は主に取引などに使われる場所ですからね…」

盗賊「…取引」

召喚士「各キャラバンの持つ宝物が山のようにありますから…」

盗賊「…そ、それは凄いなっ」

召喚士「以前、本国での依頼を受けたの…覚えてますか?」

盗賊「…ああ」

魔道士「あれもキャラバンですよね」

盗賊「…そっか。成程な」

魔道士「キャラバンの数が多ければ交易が盛り上がり…国も繁栄します!」

召喚士「…だからこそ西国は、この交易路を最優先で発展させたんですよ」

盗賊「……」

魔道士「流石神官さんですねっ!えへへ!」
390 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:02:17.75 ID:MauQaI6o
〜食堂〜

ガヤガヤガヤ…

魔道士「おぉ…賑わってますねぇ!」

召喚士「ええ。まだ昼前だというのに…」

盗賊「……」

召喚士「席は…あそこ空いてますね。いいですか?」

魔道士「私はどこでも大丈夫ですよーっ」

盗賊「…うん」

テクテクテク…スタッ

三人が空きテーブルへ着席うると、周囲からひそひそと小声が聞こえる。

チャラ男「…おいおい、随分若けぇ女だぞ?」

チンピラ「優男一人が…女二人連れで冒険ゴッコかよ…けっ!」

召喚士「……」

ドスドスドス…

大男「よぉ…。ここは初めてかい?」
391 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:02:56.15 ID:MauQaI6o
魔道士「えっ、あ…はい…」

テーブルの横へ突如現れた大男に戸惑いながらも、魔道士が答える。

大男「よお兄ちゃん、女でも売りに来たのかい?なんなら俺が…」

召喚士「…違います。失礼ですよ」

大男「……へっ。よぉ姉ちゃん達、こんな男よりあっちで一杯どうだい?」

魔道士「…結構ですっ!」

盗賊「…同意」

チンピラ「どうせ入り口で傭兵にボディチェックされて来たんだろぉ?」

チャラ男「俺達にもボディチェックさせてよぉ〜ギャハハハッ!」

盗賊「……」

スッ

召喚士「と、盗賊さんっ!?」

盗賊「……私一人でいい」

魔道士「ちょ、ちょっと…っ…」

大男「…あぁん?」
392 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:03:40.17 ID:MauQaI6o
スタスタスタ…

盗賊「…」

大男「何だぁ?お相手してくれるってか?」

盗賊「…食事の邪魔だ。消えろ」

大男「……あ?」

チンピラ「おいおい姉ちゃん!威勢がいいのは構わんけどよぉ…」

チャラ男「相手みてから啖呵切れよっ!ギャハハッ!!」

大男「おい、部屋の鍵よこせ」

チャラ男「へいへい」

チャリッ…ポイッ……パシィッ!!

大男「二階の部屋で相手してやる…。タップリとな!」

盗賊「……」

召喚士「盗賊さん…」

盗賊「…大丈夫。それとも…心配か?」

大男の前に立つ盗賊は、背後の召喚士に振り向き、笑顔で問いかける。
393 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:04:50.48 ID:MauQaI6o


魔道士「行っちゃいましたね…」

チンピラ「あーあ…今頃ダンナのブツで壊されちまってるなぁ…」

チャラ男「もうあの女も使い物にならねぇ…」

チンピラ「いい身体してたんだけどなぁ」

召喚士「……」

魔道士「召喚士さん…っ!」

召喚士「…分かってます。騒ぎを大きくしたくありませんから…」

召喚士は卓上で握った拳を、静かに膝の上へ置く。

魔道士「と、とりあえず…食べて待ってましょうっ!」

召喚士「そうですね……」

テクテクテク…

盗賊「……ただいまー」

魔道士「あっ!?盗賊さん!!」

盗賊「…あ、あぁっ!?……先に…食べてるし」
394 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:05:54.40 ID:MauQaI6o


召喚士「あ、あのぉ…盗賊さん…?」

盗賊「…んー?……モグモグ」

召喚士「さ、先程の…男はどちらに…?」

盗賊「…ああ。部屋で寝とるぞ?」

召喚士「そう…ですか…」

魔道士「て、手加減…しましたよね?」

盗賊「…うーん。肋骨ぐらいは折れてるかもしれん」

召喚士「!!」

魔道士「盗賊さんっ!?」

盗賊「…だって…仕方ないであろう?」

ダダダダッ!!

チンピラ「だっ誰か!!医者をっ!医者を呼んでくれえぇ!」

チャラ男「お、おいっ!部屋で何があった!?」

盗賊「……さぁ」
395 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:06:41.62 ID:MauQaI6o
チャラ男「ダンナをあそこまでズタボロに出来るなんて…上位ランカーに違いねぇ」

チンピラ「まさかとは思うが…ま、魔物かもしれんぞ…!?」

食堂内が一気にざわめき、一人…また一人とその場を後にする。

チンピラ「くそぉ…!おい、医者を探しに行くぞ!」

チャラ男「お、おうっ!」

タッタッタッタッタ…

召喚士「………はぁ」

盗賊「…ごめん…なさい」

召喚士「いえ…。シービショップしてきます…」

魔道士「行ってらっしゃい…」

テクテクテク…

魔道士「盗賊さん…。めっ、ですよっ!」

盗賊「……はい。…ごめん」

騒々しい隊商宿とは正反対に、その食卓には静寂が訪れる。

それとはまるで正反対の如く、隊商宿の喧騒は、徐々に大きさを増す。
396 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:07:35.10 ID:MauQaI6o
〜隊商宿、入り口〜

チンピラ「はぁはぁ…っ!はぁ…!」

男「何だ、さっきから騒がしい…」

チャラ男「ここいらに医者は……」

男「おい!街道に出るんじゃねぇ!!」

チャラ男「!?」

傭兵「これから軍隊が通過する。その後だ」

チンピラ「そ、そんな事言ったって…今は医者がっ…」

男「あのなぁ…。軍隊って西国の…」

チャラ男「えぇい!知るかよ!!」

タッタッタ…

傭兵「あっ…!馬鹿者!!」

街道へ飛び出す二人の目の前に、数頭の騎馬が姿を現す。

チャラ男「ひ…っ…ひぃ!」

衛兵「…行軍の邪魔だ。西国本体と知っての狼藉か?」
397 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:08:40.77 ID:MauQaI6o
チンピラ「すすっ、すんません!すぐに…すぐにぃ!」

――「どうした?何を慌てている?」

騎馬の中心に位置する男が二人へ声をかける。

男…というには若々しく、その姿は明らかに少年に近しいものであった。

衛兵「…陛下っ!このような者…我らが…」

王子「慌てるには、何か理由があるんだろ?」

チンピラ「へへっ、陛下あぁ!?」

チャラ男「じっ実は…医者っ!医者を探しておりましてぇ!」

王子「病人か?」

チンピラ「病人…あ、いやっ…怪我!怪我人です!」

王子「…おい。衛生兵を一人付けてやれ」

衛兵「……はっ」

王子「衛生兵を一人付ける。すぐに手当てしてやれ」

チャラ男「あっ、ありがとうございますうぅ!!」

平伏し涙を浮かべる二人に、王子は手で制し、にんまりと笑顔を見せた。
398 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:09:28.49 ID:MauQaI6o
〜食堂〜

スタスタスタ…

魔道士「おかえりなさい!大丈夫そうでした…?」

召喚士「え、ええ…まぁ…」

盗賊「…本当に…すまぬ」

召喚士「まぁ…盗賊さん一人が悪いわけではありませんから…」

盗賊「……うぅ」

召喚士(肋骨に尾てい骨に鼻骨骨折。そして脱臼に…打撲多数…か)

魔道士「何だか外が騒がしいですね…?」

召喚士「…そういえばそうですね。何でしょうか?」

盗賊「…?」

魔道士「行って…みます?」

召喚士「そうですね。もう食事も平らげましたし…」

盗賊「…うん」

魔道士「それでは行きましょうかっ!」
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/04(金) 17:11:08.70 ID:rSfihlwo
あぁ・・・今からアルファードのドア交換しなきゃならないのに・・・
次が気になる。
400 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:22:44.94 ID:MauQaI6o
テクテクテク…

召喚士「何かあったんですか?」

男「ああ…軍隊が通ったんだよ。西国の…」

魔道士「西国の?へぇ〜!」

男「それより食堂こそ何かあったのか?慌てて大勢出てきたが…」

盗賊「……」

召喚士「さ、さぁ……?」

傭兵「…?」

魔道士「軍隊さんは…もう行ってしまったのですか?」

男「ん、ああ。つい今しがた通過して行ったよ」

召喚士「俺らも行きましょうかね」

魔道士「そうですね!」

男「毎度ー」

盗賊「…こ、こちらこそ」

男「……?」
401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:24:03.03 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜

戦士「ほれっ、もうちょいだ…頑張れ…っとぉ!」

野宿者「…はぁ…ひぃっ…!」

戦士「よーし…!着いたー!」

戦士は重い足取りで歩く野宿者の手を引き、司令部の城壁を見上げる。

戦士「朝っぱらから出たのに…もう夕方だよ…」

野宿者「…はぁ…はぁはぁ…はぁ…っ」

戦士「それでも…マシな方か…」

スタスタスタ…

戦士「たのもーっ!」

門兵「……?」

戦士「あっ、いや…弓のおじさ…左翼長殿をお願いしたい!」

門兵「あの…。貴方は…?」

戦士「戦士、と申します」

門兵は首を傾け、不思議そうな顔で城門の奥へ消えて行く。
402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:25:43.88 ID:MauQaI6o
戦士「さーて…。どうなる事やら…」

ザッザッザ…

参謀「…おぉ、本当に戦士殿だ」

戦士「アンタ…参謀さんだっけか?先日はどーも」

参謀「いえいえこちらこそ…。本日はお一人で…?」

戦士「あ、いやぁ…ちょっと知人が一人…」

戦士は後方に隠れている野宿者を呼びつける。

参謀「…?」

戦士「朱雀センセー達とは別行動でな。左翼長さんに取り次いで欲しいんだけど…」

参謀「それは構いませんよ。さぁ、どうぞ」

参謀の誘導に応じ、戦士は会釈しつつ城門を通過する。

ザッザッザ…

参謀「それで…そちらの方は…?」

戦士「……えぇと…親父です」

参謀「…!?」
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:26:46.14 ID:MauQaI6o
〜応接間〜

戦士「……」

野宿者「…うぅっ……はぁ」

戦士「大丈夫だって。国軍には変わりないけど捕まったりしねぇから…」

コンコン…カチャッ

参謀「お連れしました」

左翼長「……」

戦士「どうも…」

騎士長「…ほ、本当…なのか!?」

椅子より立ち上がる二人の元へ、騎士長が走り寄る。

騎士長「…ちっきしょぉ!本物だ!おいっ、本物の戦士父だぞ!!」

左翼長「本物ってお前…。久しぶりだな…元気にしてたか?」

野宿者「……は…はっ……!!」

左翼長「……?」

戦士「…実はな、記憶喪失なんだそうだ」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:28:55.15 ID:MauQaI6o


応接間の中央にある円卓。

そこへ座る五人の男達からははただただ沈黙が続く。

ようやく重い口を開くように、騎士長の声が応接間へ響く。

騎士長「…そんで、どうするつもりだ?」

戦士「…分からん」

左翼長「……」

戦士「でも、何やら北東の村へ行かにゃならんらしい…」

参謀「北東の村…ですか?」

戦士「ああ。……なっ?」

野宿者「ほ、北東の村は…どこにありますか?」

騎士長「村に行かなきゃならんって事だけは覚えているのか…」

左翼長「そこへ行けば…何か手掛かりがある…か」

参謀「可能性は大いにありますね」

戦士「ああ…」
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:30:05.64 ID:MauQaI6o
参謀「戦士殿もその為に、此処へ来られたのでしょう?」

戦士「!?…・・・はははっ、お見通しでしたか!」

騎士長「そうなのか?」

参謀「何もなければ、真っ先に向かっているはずです」

左翼長「手を貸せって事か…」

戦士「申し訳ないとは…思ってる」

左翼長「いや、むしろ好都合」

戦士「へっ…?」

参謀「実は本部より、各支部へ通達が出ているのですよ」

左翼長「結構前の話だけどな」

騎士長「それも…総司令直々のご命令だ」

戦士「……?」

左翼長「戦士父を捜索せよ…・・・ってな」

戦士「!?」

野宿者「……?」
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:31:21.61 ID:MauQaI6o
戦士「何でまた…!」

左翼長「さぁなー…。そこまでは俺らも分からん」

参謀「おそらくですが、魔王討伐の為かと…」

戦士「魔王…討伐か…」

騎士長「バーテンのタコもようやく重い腰を上げやがったし…」

左翼長「ぶっちゃけ特殊遊撃の連中が一番手馴れてっからな…」

参謀「有能な人材は一人でも欲しい…と言ったところでしょうか」

戦士「なるほどなぁ…」

左翼長「明朝出発しよう。俺も出る」

騎士長「俺も出ざるを得ないわな…」

参謀「念の為、精鋭を若干名準備させましょう」

戦士「…すんません!…何だか」

左翼長「お前にも、お前の親父にも借りがあるからな…」

騎士長「ああ!ここで恩返ししねぇと…いつ返すんだか」

二人を顔を見合わせ、高らかに笑い飛ばした。
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:32:22.08 ID:MauQaI6o
〜西方、西端の町〜

魔道士「到着〜!」

召喚士「もう日も暮れてしまいましたし…今日はここで一泊しましょうか」

盗賊「…そうだな」

テクテクテク…

召喚士「すいません。三人なんですが…」

宿屋「いらっしゃいませ。お部屋は一つで宜しかったですか?」

召喚士「宜しくありませんね。二つで…」

宿屋「かしこまりました…。こちらが鍵でございます」

召喚士「どうも…」

魔道士「先に食事済ませちゃいましょうかっ」

盗賊「…それがいい」

召喚士「そうですね。あ…先に行ってて下さい」

盗賊「……?」

召喚士「ワークショップでお金を下ろしてきます」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:33:32.94 ID:MauQaI6o


召喚士「……」

カチャッ…キィッ…

店員「いらっしゃいませ!」

召喚士「すみません。お金を下ろしたいのですが…」

店員「はい。では…こちらの書類をご記入下さい!」

召喚士「ありがとうございます」

キュポッ…キュキュッ…ススッ

店員「はい、ありがとうございます!少々お待ち下さい」

召喚士「……」

パラパラパラッ…パラ…

召喚士(……おっ、功績…24位か!!)

店員「お待たせ致しました!ご確認下さい!」

召喚士「あ、はい…。大丈夫です」

店員「他に何か、ご用件はございますか?」
409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:34:10.54 ID:MauQaI6o
召喚士「あの…手紙とか届いてないですよね?」

店員「手紙…ですか?……ええ、特にお預かりは…」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」

店員「いえいえ!それではまたのお越しをお待ちしております!」

テクテクテク…カチャッ…パタンッ

召喚士「……戦士…大丈夫かなぁ」

召喚士は夜空を見上げ、宿へと足早に戻っていった。

〜西国の城〜

門兵「陛下のお戻りだっ!敬礼ーっ!!」

パッカパッカパッカ…

王子「いいよいいよ。もうっ…」

王子は眉間に皺を寄せ、整列する門兵に苦言を呈す。

ザッ…スタッ…

神官「王子、お帰りなさいませ」

王子「うん、ただいま!」
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:35:23.54 ID:MauQaI6o
テクテクテクテクテク…

神官「如何ですか?西の首尾は?」

王子「まぁ…普通かな。魔物もどんどん西に逃げてるし…」

神官「ほぉ…」

王子「村や町もどんどん復興してるからね!活気が出てきたよ!」

神官「それは何より」

王子「こっちは何かあった?」

神官「特には…強いて言うなら本国の商人達が面会を…」

王子「えー、めんどくさいなぁ…。神官が済ませておいてよ」

神官「そうはいきませんよ」

王子「ちぇっ…。まぁいいや。適当にあしらっておこ…」

神官「あ、もう一つ重要な事が……」

王子「んー?」

神官「召喚士殿ご一行がお見えになられてましたよ」

王子「えぇ!?」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:36:24.83 ID:MauQaI6o
神官「もう…行ってしまわれましたけど…」

王子「何だよぉー!入れ違いかぁ…」

神官「残念でしたねぇ」

王子「何その嬉しそうな顔…」

神官「いえ…、私はお会いできましたからね」

王子「はぁ…会いたかったなぁ…」

神官「会おうと思えばいつでも会えますよ」

王子「それはそうだけど…みんなだって忙しいじゃん!」

神官「子供みたいに駄々こねないで下さい」

王子「子供だっ!!」

神官「はははっ…ごもっとも」

王子「まぁいいや、もっと……」

神官「……?」

王子「もっと…強く、そして…背も伸びてから会おう!うんっ!」

神官「…ふふっ。頑張って下さい」
412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:37:07.84 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜

パタンッ…

戦士「……」

左翼長「…寝たのか?」

戦士「ん、ああ…」

左翼長「どうだ?一杯やるか…?」

戦士「おっ、いいねぇ…!」

ニンマリと微笑む左翼長の後を追い、戦士も司令室へと向かう。



左翼長「まずは…戦士父の無事を祝って…」

戦士「無事…なのか?」

左翼長「生きていた事がまず無事だろ」

戦士「まぁ…そうだなぁ」

左翼長「最近じゃ…馴染みがどんどん逝っちまうからなぁ…」

戦士「おじさん……」
413 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 17:38:13.22 ID:MauQaI6o
左翼長「……アイツの事、聞きたいか?」

戦士「んー…」

左翼長「……」

戦士「そりゃ聞きたいさ…色々とな」

左翼長「……そうか」

戦士「でも、今はやめとくわ」

左翼長「…?」

戦士「やっぱり本人の口から聞きたい」

左翼長「戦士…」

戦士「そのためにも…親父の記憶を取り戻す…必ずな!」

左翼長「ああ…。この国の為にもだ…!」

戦士「へっへっへ!」

左翼長「何だよ…気持ち悪りぃな…」

戦士「いや、まさか弓のおじさんとこうして飲む日が来るなんてなぁ」

左翼長「……そうだな。嬉しい限りさ」

左翼長は笑みを浮かべ、グラスの酒を一気に飲み干した。
414 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 18:15:51.21 ID:MauQaI6o
〜次の日〜

魔道士「おはようございますー!」

召喚士「おはようございます」

盗賊「…ちゃんと寝れたか?」

召喚士「えっ、あ…えぇ」

盗賊「…なら…良し」

召喚士「それではサモナーさんの所へ…」

魔道士「出発〜!エヘヘ!!」

盗賊「…元気だな」

魔道士「盗賊さんも!だいぶ元気になりましたねっ」

盗賊「え…っ!?」

魔道士「いつまでも…クヨクヨしてても仕方ありませんからね」

盗賊「…ああ。その通りだ」

召喚士「魔道士さん、盗賊さん…」

魔道士「さぁ、頑張って…登りますよーっ!」
415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 18:26:22.58 ID:MauQaI6o


魔道士「でも…不思議ですねぇ」

盗賊「…?」

魔道士「ついこの前まであんなり魔物がいたのに…」

召喚士「そういえばここにもゴブリンの巣があったりしましたね…」

魔道士「もう、みんな倒してしまったんでしょうか?」

召喚士「まぁ、それもあるとは思いますが…」

盗賊「……」

召喚士「おそらくは西国の人達が頑張っているから…」

魔道士「あっ、そうですよねぇ」

召喚士「なんとか西へ追いやっているようですし…」

盗賊「…ああ」

召喚士「でも、魔物が出ないとは限りませんから」

魔道士「はいっ!警戒しながら…ですねっ!」

盗賊「…うん」
416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/04(金) 18:33:21.56 ID:MauQaI6o
〜北方司令部〜

左翼長「……髪も切っちまえ」

騎士長「おう、そうだな…きひひ!」

野宿者「…う、うわぁ…!!」

戦士「大丈夫だって…髭剃るだけだから…」

左翼長「おら、暴れんじゃねぇ!サッパリしろや!」

騎士長「記憶失っんのに…この辺は変わらんなぁ…」

野宿者「やだっ!…いやだ!!」

左翼長「おらっ、暴れると…危ねぇぞ!」

ジョリジョリッ…チョキチョキッ…

参謀「……べ、別人だ…!」

左翼長「ほれ…鏡。男前だねぇ…!」

騎士長「こんな小奇麗になったのは結婚式以来か?」

戦士「……だ、誰だよっ」

左翼長「いやいや…。親子ソックリじゃねぇか!がはははっ!!」
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/04(金) 18:42:25.27 ID:MauQaI6o
ではここまでにて失礼致しますー
ご支援ありがとうございました!ノシ

>>373
ちょっとおおおぉぉ!?><

>>381
これはアリですwそして一緒に救急車乗りましょう…

>>382
カワイイ!!

>>399
お気にせず交換して下さい!
魔道士「コカトリスよりはやーい!」
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/04(金) 19:11:24.04 ID:rSfihlwo
>>417
また追い討ちをかけられた…
コカトリスより早いって…
魔道士ちゃんには言われたくなかった言葉だなぁ(´Д⊂グスン
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 22:34:53.13 ID:Nw1RwSso
          / ̄ ̄\
 親父ぃ   .ノ  \,_.  .\  
        (>)(< )    | 
     / ̄(__人__)    . |   
   /  _ノ ::.ヾ⌒ ´     |
  /  o゚⌒ ::::{      .  /
  |     (__人\    .カ
  \     ` ⌒´ン     .ノノ  ギュッ
   /  ̄   ./  . .. し}
     .(⌒二_刄j⌒)  .i

左翼長「いやいや…。親子ソックリじゃねぇか!がはははっ!!」
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/04(金) 23:01:59.93 ID:Pl6Qxf.o

           / ̄ ̄\
         /  ヽ_  .\    パシャッ!
         (>)(<)。  |      ____
         (__人__)  ゚  |     /      \
         l` ⌒´    |  / ─    ─   \
        . {         |/  。⌒    ⌒ o   \
          {       / |      (__人__)      |
     ,-、   ヽ     ノ、\    ` ⌒´      /_
    / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/><  ` ー─ ' ┌、 ヽ  ...ヽ,
   /  L_         ̄  /           _l__( { r-、 .ト
      _,,二)     /            〔― ‐} Ll  | l) )
      >_,フ      /               }二 コ\   Li‐'
              最愛の息子と共に
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 01:47:04.02 ID:gXeLBgAO
>>1
毎日ありがとう!

戦士はいつまでやる夫なんだww
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 01:57:22.55 ID:So9Xliko
>>421
だってたまに語尾おになるんだもんww
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 02:35:41.14 ID:SZN4kIDO
>>1
支援
424 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:02:54.79 ID:4dwkLOEo
西端の村から数里の先、標高こそさほどの大きさはないが、

獣道の続く険しい山がそびえ立つ。人も住まぬような険しい山。

〜サモナーの家〜

召喚士「着いた…」

魔道士「相変わらず…綺麗な所ですね…」

盗賊「……ああ」

草木が乱雑に生え、自然の作りだす幻想的な景色。

その頂上付近に、一つの小さな家が構えられている。

テクテクテク…

魔道士「あっ…マーメイドさんっ!」

召喚士「こっ、こんにちは…!」

マーメイド「…あら、こんにちは。お久しぶりね」

盗賊「…お久し振りです」

そこにせせらぐ水流の行きつく先…きらきらと水面の光る小さな泉。

ここに住まうはさも美しき人魚の姿、すなわち召喚獣『マーメイド』である。
425 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:03:57.76 ID:4dwkLOEo
召喚士「あの…サモナーさんは…?」

マーメイド「家の中にいると思うけど…」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」

召喚士はお辞儀をし、裏手から玄関へと向かう。

コンコン…

サモナー「はーい」

カチャッ

召喚士「どうも…!」

サモナー「…!?召喚士くん…!」

魔道士「こんにちはっ!ご無沙汰してます!」

盗賊「…お無沙汰してます」

サモナー「皆さん、お元気そうで何より」

召喚士「突然の訪問…失礼します」

サモナー「いえいえ、気にする事はないよ。さぁ、どうぞ」

魔道士「はいっ!お邪魔します!」
426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:05:02.02 ID:4dwkLOEo


サモナー「荷物は置いた?」

魔道士「はいっ」

サモナー「それじゃ紅茶を淹れたから、庭へ移ろうか」

盗賊「…うん」

スタスタスタ…カチャッ…

サモナー「マーメイド、召喚士くん達が来てくれたよ!」

マーメイド「ええ。先程ご挨拶したわ」

サモナー「そうだったか。それじゃこっちにどうぞ」

魔道士「はいっ!」

召喚士「失礼します」

三人は泉のほとりにあるテーブルへ移り、着座する。

カチャッ…コトッ

盗賊「…ありがとう…ございます」

サモナー「それで、今日は…どうしたのかな?」
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/05(土) 03:05:04.55 ID:14CYU3Mo
寝なくていいのか?
428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:07:00.51 ID:4dwkLOEo
召喚士「ええ。サモナーさんの様子を伺いにきたのが一つと…」

サモナー「もう一つは…あれかな…?」

召喚士「……はい。急かすようですみません」

サモナー「こちらこそ、連絡出来ず申し訳ない…」

召喚士「い、いえっ…」

サモナー「結論から言うと、実はまだ分かってない事が多すぎるんだ…」

召喚士「そうでしたか…すみません…」

サモナー「いやいや、それぐらいは報告するべきだったね…」

召喚士「いえっ!とんでもない…っ」

サモナー「いやいや…本当に申し訳ない…」

召喚士「そんな…」こちらこそ催促するようで……」

サモナー「いや、結局は僕が伝えるべき事を怠ったために…」

召喚士「そんな事…っ!」

盗賊(……この二人……何だか)

魔道士(とても……面倒臭いですね……)
429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:08:12.88 ID:4dwkLOEo


サモナー「……そうかぁ。あと4年を切っている…のか」

盗賊「……」

召喚士「本来なら慌ててすべき事でもないのですが…事態が事態なので…」

サモナー「うん…。そうなると事は急を要するね」

魔道士「はい……」

サモナー「とりあえず今、把握ている限りを伝えよう」

召喚士「…ありがとうございます!」

サモナー「まず一つ目。召喚獣の五行について…」

召喚士「……はい」

サモナー「僕の見解によると、五つ目の属性、これは存在すると思う」

魔道士「…つまり魔法と同じ仕組みと言う事ですか…?」

サモナー「うん。そういう事になるかな」

召喚士「それは、どんなものなのですか?」

サモナー「…ごめん。まだそこまでは分かってないんだ」
430 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 03:09:16.26 ID:4dwkLOEo
盗賊「……」

召喚士「そうですか…」

サモナー「でも、本国や西国にはこれといって一切の手掛かりがないのも確か…」

召喚士「それ以外の地域になる…と?」

サモナー「僕はそう踏んでいるよ」

魔道士「それ以外の地域……」

盗賊「……東方…?」

サモナー「……かもしれないね」

召喚士「式神…っ!」

サモナー「そこで二つ目、召喚獣と東方の式神の関連性…」

盗賊「……」

サモナー「全く同じとは言い切れないけど、近しいものは確かにある」

召喚士「ええ。俺も実際この目で見て、そう感じました」

サモナー「大きく違うところは召喚方法。そして召喚獣の種類」

召喚士「東方では陰陽師と呼ばれる方々が、札を利用して召喚してましたね…」
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/05(土) 03:20:43.06 ID:4dwkLOEo
>>427
すみません…寝ます…

というわけで、おやすみなさいです!ノシ

>>419-423
「やる夫が戦士になるようです」ですね!これは期待!
こちらこそ毎日読んで下さってありがとうございます!感謝!

〜オマケ〜
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   魔王倒すお!
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /
       【戦士】

    |                   \
    |  ('A`)           キャッキャ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄        ウフフ/
     【召喚士】

   ∧ ∧
   (*゚ー゚)  エヘヘ!!     川゚ -゚) たわけっ!
  ⊂  ⊃             |(|  |)
 〜(  |               |  |
   U U              し`J
  【魔道士】           【盗賊】

  ∧_∧
 ( ´∀`)
 (     )
 │ │ │
 (__)_)
 【サ モナー】
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 03:47:46.70 ID:XniDX6SO
1乙♪
オマエモナー
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 05:29:10.45 ID:BtiU/.SO
召喚士wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 09:36:11.03 ID:MB2y1oAO
>>1と黄色い救急車デート…



私事だが犬がヤバい…死なないでくれ
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 14:09:14.75 ID:hETa2gAO
おい誰かシービショップかユニコーン呼んでこい
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 14:43:11.85 ID:Z7W/zHo0
俺がシービショップしてやる
待ってろ
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/05(土) 14:45:02.09 ID:14CYU3Mo
>>436しかし「職業:自宅警備員」では召喚できない。
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 14:46:25.78 ID:wtXo.4oo
シービショップってこんな感じのイメージだ

    |┃
    |┃  ____
    |┃/⌒  ⌒\
    |┃ (―)  (―)\ 
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\ 回復してやるお   
    |┃           |
    |┃          /
    |┃ヽ・    ・ ̄ /
    |┃ \    ,.:∴~・:,゜・~・:,゜・ ,
    |┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
    |┃  (::)(::)  ヽ    ・゜゜・∴~゜
    |┃/    >  )    ゜゜・∴:,゜・~
    |┃     (__)    :,゜・~:,゜・゜゜・~.
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/05(土) 14:50:03.73 ID:4dwkLOEo
>>1も今日は動物病院行ったですよ…
昨日ぬこが怪我しちゃったですよ…

ワンコも良くなりますように…!!
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 15:24:53.94 ID:dvFGwADO
ぬこ飼ってるんかいいなあ

それはそうと犬も猫も良くなるといいな
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 16:24:48.37 ID:MB2y1oAO
仕事代えたばっかで休めないし
親は人命に関わる仕事してるんで休めなくて

いま休憩でかえってきたがなんとか頑張ってくれてる…

鼻かわいてて腸液が漏れてるんだよ
なんだよこれ…
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 16:26:36.01 ID:MB2y1oAO
ごめん
スレ汚しだよね
応援してくれてる人ありがとう
何があっても後悔しないように出来るだけ傍にいる

>>1のぬこ頑張れー!!
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 17:13:33.53 ID:J9gmzvE0
ちょっとベホマの準備してくる
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/05(土) 17:45:48.76 ID:1PMYQoAO
じゃあおれハッスルダンス踊るわ


そ〜れ ハッスル!
ハッスル
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 18:18:09.56 ID:gXeLBgAO
俺のレスタの出番か
446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 18:21:42.65 ID:KWah/YAO
王子を>>431みたいなAAに例えたら何がしっくりくるかね
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 18:55:34.85 ID:BksyELYo
>>446
ギルガメシュだっけ?それがあっているかと
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 19:00:38.50 ID:iJ8pAmso
これか


      ,.. ------ 、/|
     /         ヽ
   /          ヽ  ドモ、王子ッス
   |  l/‐| /|A/-ヽ _ |
   | /━   ━ | /rヽ!
   レl′  l     レ'_ン`
     ヽ  t::ュ   ノN`
     >,..__,..r;;'´l`
      lfr;Vゝイ;;;ヾ;`l
      |ll|;;|| l ||;;;;;|;ll;|
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 20:16:28.67 ID:58jiITs0
>>445
シフデバかけまーす
450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:02:54.41 ID:4dwkLOEo
サモナー「札……」

召喚士「……あっ、そうだ」

盗賊「…?」

召喚士は室内へ戻り、手荷物より小さな巾着を取り、戻って来る。

召喚士「…これが、その札です」

サモナー「こ、これが…っ!?」

手渡された数枚の札。それを見てサモナーが表情を引き締める。

召喚士「ええ。東方の陰陽師さんに頂いた物です」

サモナー「これで……召喚が出来るのかい?」

召喚士「召喚獣…式神を予め札内へストックしておくようです」

サモナー「そ…そんな事が…っ!?」

召喚士「彼からはそれを召喚ではなく…『使役』、と呼んでいました」

サモナー「式神…。神を使役する…か」

召喚士「言葉は違えど、やはり召喚術と同じ類になるのでしょうか…?」

サモナー「……おそらくはね」
451 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:03:27.42 ID:4dwkLOEo
召喚士「…って事は、俺達にも扱う事が出来る…」

サモナー「大きな違いは…?」

召喚士「えっ…?」

サモナー「召喚士が体感した限りでいいよ」

召喚士「あ、はい・・。召喚術はリアルタイムで魔力を消費します…」

サモナー「……うん」

召喚士「しかし式神の使役は、前もって魔力を蓄積する…」

サモナー「召喚術のように、召喚獣がやられても…術者への被害はない…」

召喚士「はい。しかし、魔力の追加が出来ないので…使い方が大変難しいですね…」

サモナー「そうだね。相当の熟練者…戦闘中の判断にも長けていないといけないね」

召喚士「その分、札によって複数のストックが可能のようですから…」

サモナー「同じ式神でも、魔力によって五段階とか…持っていれば良いわけだね」

召喚士「その辺り、便利といえば便利かもしれません…」

盗賊「…む、難しい」

魔道士「何が…何だか……」
452 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:03:54.27 ID:4dwkLOEo
召喚士「とりあえずは…東方に鍵がありそうですね…」

サモナー「本国や西方なら使用者がいてもおかしくないしね」

魔道士「そうですよね…。五つ目の属性があるなら使う人がいないとおかしいですもんね」

盗賊「……うん」

召喚士(東方…か。行くべきなのかな…)

サモナー「マーメイドも知らないそうだしね」

マーメイド「お役に立てず…ごめんなさい」

召喚士「いえっ、とんでもないです」

サモナー「東方か…。僕もいずれは訪れてみたいな」

召喚士(占い師さんの予言……)

盗賊「……?」

召喚士「あ、いえ…っ」

魔道士「とにかく、今はこれといって動けませんね」

サモナー「ええ。僕も引き続き調査を進めよう」

召喚士「…ありがとうございます」
453 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:04:21.88 ID:4dwkLOEo
〜北方司令部〜

ザッザッザッザッザ…

参謀「精鋭兵50ほどで宜しいですか?」

騎士長「充分だろう。調査のみだしな」

左翼長「北東に村まで通常行軍でも数時間程度」

戦士「……」

左翼長「魔王軍の動きはないとはいえ、各自気を抜くなよ?」

青衛兵「おぉーっ!」

参謀「では……進軍!」

ドドォッ…パッカパッカパッカ…

戦士「大丈夫か?」

戦士は必死に手綱を引く野宿者を気にかける。

野宿者「…おっ…おぉ、何とか……っ」

騎士長「記憶はなくとも、身体で覚えてるってか…」

戦士「……」
454 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:04:48.85 ID:4dwkLOEo
北方司令部より平地を東へ数キロ。戦士の故郷より更に東の先…。

北方に存在する、地図にすら載らない小さいな村の一つ、『北東の村』がある。

ドドッドドッドドッ…

参謀「…どうです?」

偵察兵「この先数キロ。魔物の気配ありません!」

参謀「そうですか…ご苦労様。引き続きお願いいします」

偵察兵「はっ!!」

左翼長「さぁて…ぼちぼち北東の村だ」

騎士長「その村に一体…何があるのかねぇ…」

戦士「……」

参謀「騎兵前進!バリスタ隊は後方より進軍っ!」

騎士長「北伐以来設立のバリスタ隊も初陣だな」

左翼長「タイミング的には丁度よかったかもしれんな」

参謀「ええ。内容も行軍距離も…不謹慎ですが練習にはうってつけです」

戦士「さっすが北方司令部の皆さん。抜かりないです事…」
455 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:05:16.68 ID:4dwkLOEo
騎士長「見えてきたぞ。あの山の中腹部が北東の村だ」

騎士長は前方に広がる山脈の一角を指差し、戦士に声をかける。

戦士「……」

野宿者「北東の村…。行かなきゃ…」

戦士「もうじき着くからな。…親父」

参謀「縦列でゆっくり進めっ。ゆっくりだぞ」

左翼長「今更こんな地に何があるんだかな…」

騎士長「こいつが嗅ぎまわっているとすると…まぁ魔王軍関連だろうな」

戦士「……?」

野宿者「おわっ…!おっとと…っ」

戦士「ゆるやかとはいえ足場が悪いから…気を付けろよ?」

野宿者「……お、おぉ」

戦士「なぁ、おじさん。今更ってどういう事だ?」

左翼長「ん…?あぁ、お前は知らんのか」

青衛兵「見えてきましたっ!北東の村です!」
456 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:05:46.17 ID:4dwkLOEo
〜北東の村〜

戦士「……」

左翼長「意味が分かったか…?」

パッカパッカパッカ…

戦士「これって……」

騎士長「そう。正確には…北東の村、だった所さ」

ゆっくりと馬を前に進める戦士の眼前に広がる景色。

木々は枯れ、建物は崩れ、そしてただ無人の村であった存在が広がる。

左翼長「この辺りの村はな、とうの昔に全滅だよ…」

騎士長「北に近ければ近いほど、被害も大きいって事さ」

戦士「……」

野宿者「北東の……村…」

パッカ…パッカパッカ…

戦士「親父…?」

無意識に馬を進める野宿者。その正面に浮かぶ小さな影に戦士は気づく。
457 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:06:14.64 ID:4dwkLOEo
戦士「な、何だ…あれ…?」

左翼長「…?」

戦士「ほら…あっちの空、何か来る…?」

騎士長「……!?」

参謀「…ド、ドラゴンです!ドラゴンが一匹っ!」

左翼長「くっそぉ…!迎撃準備ーっ!!」

突如上空より迫りくる一匹のドラゴン。一同は動揺しつつも迎撃態勢を取る。

戦士「親父っ!下がれーっ!」

野宿者「……!?」

戦士「上だ上!!魔物が近づいてるんだよぉ!!」

その瞬間、上空が一瞬光り輝き、赤く燃える光球が徐々に近づく。

騎士長「回避ーっ!!」

戦士「ちっくしょおおぉぉ!!」

……ゥゥウウウウ……ドゴオオォォンッ!!

ドラゴンの放った火球は、野宿者を助けに駆け出した戦士もろとも、その光に飲み込んだ。
458 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:06:41.84 ID:4dwkLOEo
ドドオオォォ……

騎士長「くっ…!!」

左翼長「…!?戦士っ!?……戦士父っ!!」

爆風により地面へ叩きつけられた左翼長が慌てて飛び起き、周囲を見渡す。

左翼長「……っ!!」

参謀「ドラゴンが来ますっ!」

騎士長「バリスタ隊っ!迎撃準備ーっ!!」

ドラゴン「ゴアオオオォォ!!」

騎士長「おいっ!動けるかっ!?」

左翼長「あ、ああ…っ!」

左翼長は正面にぽっかり空いた穴から目を上空へと移す。

騎士長「地面が脆くなってやがったんだ…!」

左翼長「山あいだ…。下に洞窟があってもおかしかねぇ…」

騎士長「とりあえず今はドラゴンが先だ!俺達までやられちゃ意味ねぇ!」

左翼長「……あ、ああ!青衛兵っ、左右に分かれドラゴンを牽制しろ!」
459 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:07:09.58 ID:4dwkLOEo


ゴトゴトッ…ドシャアァァッ…

戦士「……う…っ」

ググッ…ノソッ…

戦士「お…やじ…っ…!?」

ガバッ

戦士「…親父っ!どこだーっ!」

野宿者「……くぅ…っ」

戦士「そっちかっ!今行く!!」

ダダッ!!

戦士は瓦礫を押しのけ、下に倒れる野宿者の身体を起こす。

戦士「…くっ!」

野宿者の頭部から滴る血を布で拭い、戦士は安堵の表情を浮かべる。

戦士「良かった…。岩で切っただけか……」

野宿者「……っつ…うぅ!!」
460 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:07:38.31 ID:4dwkLOEo


戦士「…大丈夫か?」

野宿者「…い、痛いっ…!」

血の滲む頭部の布を押さえ、野宿者は苦悶の表情で唸る。

戦士「どうやら下に落ちちまったらしいな…」

ザッザッザ…

戦士「どこからか…上に登らないと…っ」

戦士は両手に抱えた荷物を見つめ、野宿者の顔を覗く。

戦士「…これ、持ってくれ」

野宿者「……?」

ヒョイッ…

戦士「元はアンタの武器だろ。魔物が出ないとは限らねぇ…」

野宿者「…や、槍…!?」

戦士「馬は潰れちまったし…両手塞がってちゃ俺も戦えねぇし…」

戦士は両腕で抱えた荷物をひょいと上げて見せ、おどけた表情を浮かべる。
461 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:08:10.24 ID:4dwkLOEo
野宿者「…は、はぁ」

戦士「とりあえず道なりに進むしかねぇか……」

野宿者「……あ、ああ」

ザッザッザッザッザ…

戦士「…なぁ親父」

野宿者「……?」

戦士「親父は村を飛び出してから…ずっと何してたんだろうなぁ…」

野宿者「……」

戦士「正義感の強いアンタの事だ。ずっと魔物でも退治してたのかもなぁ…」

野宿者「魔物退治……」

戦士「記憶戻ったらさ、色々と話してくれよなっ!」

野宿者「…はぁ」

戦士「俺も酒飲めるように…あぁ、親父は下戸だったっけ…」

野宿者「……はぁ」

戦士「何はともあれ、まずは……ん?何だ…あれ…」
462 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:08:57.38 ID:4dwkLOEo
テクテクテクテクテク…

道なりに真っ直ぐ進むと、そこは開けた洞窟の一角であった。

戦士「…なっ、なんだよ…!こ…これは…よ…!!」

その周囲を覆う壁、そして地面に所狭しと貼りつく奇妙な物体。

戦士「魔…物!?違う…これは卵だ!!」

赤黒く脈打つその丸い物体は、ぼんやりと半透明に内部を映し出す。

戦士「…魔物の…!?ドラ…ゴン…!?ドラゴンの卵!!」

数百はあると思われるそれらは、全てドラゴンを孵化させる存在。すなわち卵であった。

戦士「馬鹿なっ!?何だってんだこれはよぉ…!!」

野宿者「ひ……ひぃ…っ!!」

戦士「!?」

慌てふためき腰を落とす野宿者を振り返る戦士。

戦士「っ!?」

そこに転がるのは人間であったと思しき骨や腕…臓器の一部である。

戦士「……!!」
463 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:09:35.16 ID:4dwkLOEo
野宿者「うっ…うえ…っ!うえぇ!!」

戦士「……まずいな…!俺の直感がそう言ってやがるぜ…!へへ…っ」

戦士は苦笑を浮かべ、額の汗を一度、また一度と拭う。

その瞬間、後方の岩陰より物音が鳴り、空洞内に反響する。

戦士「っ!!」

ジャリッ!!

戦士「……人間…!?」

振り向きざまに戟を構える戦士は、目を細め人影らしき姿を見据える。

シュイィィン……ドウウゥゥンッ!!

戦士「――っ!?」

人影から突如輝く光が次第に大きさを増し、戦士の前に一体の巨大な姿と変わり果てる。

戦士「…し……召喚獣っ!!何なんっ……」

ベヒーモス「ゴオオアアァァッ!!」

戦士「何ぃーっ!?」

現れたベヒーモスの口内が輝きだし、戦士目がけ閃光がほとばしる。
464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:10:04.37 ID:4dwkLOEo
キュイィィ……バシュウウゥゥッ!!

戦士「くっ!!」

ドドオオォォンッ!!

戦士「…ってぇ!……親父っ!?」

間一髪横へ交わし起き上がる戦士は、野宿者の姿を探す。

戦士「っ!?」

ベヒーモス「グルオオォォ!!」

ヒュオッ…バギャアアァァッ!!

ベヒーモスの追撃…右足から繰り出す鋭い爪の一撃が戦士を捉える。

しかし戦士は咄嗟に身を捻り、左腕の盾で直撃を避けた。

戦士「……ぐ…うぅ…っ!」

しかしその威力は凄まじく、戦士の身体は後方の岩へと叩きつけられる。

ドシャアァァッ…

戦士「…う…ぐは…ぁ…!!」

ベヒーモス「ガアアアアァァッ!!」
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:10:33.54 ID:4dwkLOEo
キュウイイィィッ……

戦士「……ち…く…しょ……」

ドドオオォォンッ!!

ベヒーモスの口からは再び閃光が撃ち放たれ、戦士の眼前は眩い光に包まれる。

戦士(景色が…スローになって見えるぜ……)

ヒュイイィィッ……

戦士(あれだあれ…。えぇと…そうそう、走馬灯ってヤツだな…)

イイィィ……

戦士(ここまで…かよ…くそぉ…)

ィィ……

戦士(召喚士、魔道士…盗賊。すまねぇ……)

……

戦士(親父は…無事か…?駄目だ、分かんねぇ……)



戦士(親父……)
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:11:12.22 ID:4dwkLOEo


戦士「……んん」

戦士父「おい、もう昼だぞ。いつまで寝てるんだお前は…」

戦士「あ…父さん」

戦士父「何を寝ぼけてる!さっさと港まで行ってこれを売って来い!」

戦士「……今日は勘弁してよぉ」

戦士父「ふざけるな!お前ももういい歳なんだ。働いて貰わんと困る」

戦士「そんなぁ……」

戦士父「お前には近いうち、狩りも教えるからな」

戦士「えぇー!?」

戦士父「いいから…さっさと起きろ!」

戦士「無理だよぉ…!何だか身体が痛くて…」

戦士父「そうやってすぐ仮病を…。情けない…!」

戦士「本当だって…!ベヒーモスの攻撃にやられて……」

戦士「いいから起きろ!立てっ!!」
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 21:12:29.57 ID:4dwkLOEo


戦士「……ん…っ!……ゆ…め…」

――「起きろ。立てっ!!」

戦士「あぁ…親父。……ごめん…」

ゆっくりと目を開ける戦士の目の前に、一人の男が立ちはだかる。

十字槍を構えたその背中はとても懐かしく、暖かく…そして大きかった。

戦士「……え……っ…?」

戦士父「…立てるか?」

戦士「お、おや…じ…?」

戦士父「……良い槍だ。お前が見つけて来たのか?」

戦士「親…父……っ!親父っ!!」

戦士を庇うように立ちはだかる戦士父は、背後を振り向き、微笑む。

戦士父「感動の対面は後だ!今は目の前の敵を倒すぞ!」

戦士「……お、おうっ!!」

戦士はゆっくりと起き上がり、その目を右手で何度も擦り、拭った。
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 21:27:03.87 ID:BksyELYo
これは・・・・好きすぎる展開でこっちも燃えてくるな・・・
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 21:34:49.15 ID:Z7W/zHo0
ありがちは置き換えたら王道だからな
かっこいい
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 21:41:25.53 ID:KWah/YAO
おい、いいじゃねぇかこのやろう。王道は大好きだぞこのやろう
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 21:54:05.23 ID:53hzewDO
>>1の書く熱い展開は毎回鳥肌モノだなっ
さあ、続きはまだか?
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:51:57.90 ID:4dwkLOEo
〜北東の村〜

ドドオオォォンッ!!

ドラゴン「ゴアオオオォォ!!」

騎士長「何だか知らんがえらくお怒りだっ!」

参謀「右翼っ!回避ーっ!!」

ズドオオォォンッ!!

左翼長「バリスタの準備はっ!?」

参謀「三大ほどは既に使えます!」

左翼長「よーし…ぶっ放してやれ!」

騎士長「持ってきて正解だな…」

左翼長「建物の残骸を壁に使えっ!的が小さい分、こちらは有利だ!」

精鋭兵「了解です!!」

左翼長「さぁて…。弓をよこせっ」

精鋭兵「弓…っ!?は、はいっ!!」

左翼長「たかがドラゴン一匹…!なめんなよ!」
473 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:53:39.56 ID:4dwkLOEo
騎士長「たかが…って。相手はドラゴンだぞ!?」

左翼長「そういう心構えで戦えって……事だよっ!」

バシュッ!!

左翼長の放つ矢はドラゴンの頭上を大きく越え、はるか彼方へ消える。

騎士長「ほれ見ろ!」

左翼長「これでいいんだよ!さて……逃げるぞっ!」

騎士長「はぁ!?」

ドラゴン「グルルッ…グオオオォォ!!」

一矢によりドラゴンは方向を変え、逃げる左翼長の姿を追う。

左翼長「おらっ!馬飛ばさねぇと、とっ捕まんぞ!?」

騎士長「牽制かよ!くっそ……!」

猛スピードで逃げ回る二頭の馬を上空からドラゴンが追う。

左翼長「さぁ頼むぞ…!いけぇ!!」

参謀「……ってぇ!!」

参謀の号令と同時に、ドラゴンの右方からバリスタが発射される。
474 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:54:07.71 ID:4dwkLOEo
バシュウゥゥッ!!…ゴウッ!!

ドラゴン「……!?」

バサッ!!……シュウゥゥンッ!!

騎士長「は、外したっ!?」

参謀「いえっ!あれでいいのです!!」

上空へと放たれたバリスタは、山なりに村の奥へと落下する。

その先端は平坦であり、鏃の類は一切ない。

左翼長「あれも……囮よ!」

参謀「ってぇ!!」

北方兵「うおぉーっ!!」

バシュウウゥゥッ!!

一撃目のバリスタを回避し、態勢を整え直しきれていないドラゴンを、

背後から二撃目のバリスタが見事に捉える。

ヒュオオォォッ……ドズウゥゥッ!!

ドラゴン「グギャアアァァッ!!」
475 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:54:43.99 ID:4dwkLOEo
左翼長「まだ仕留めてねぇぞ!連撃だっ!」

参謀「次ぃーっ!!」

バシュゥゥッ!!

北方兵「バリスタ組み立て完了っ!!」

参謀「よし!どんどん撃ちなさい!!」

北方兵「いけぇ!!撃て撃てぇ!!」

組み上げられたバリスタから、次々に巨大な矢が撃ち放たれる。

ドスドスドスッ!!

複数の巨大な矢は、ドラゴンの体を前後左右から捉え、そして貫き、

ドラゴンの瞳は徐々に光を失いながら地上へとその身を落下させた…。

ドズウゥゥンッ!!…ドシャアアァァ…

騎士長「い…よっしゃあ!!」

左翼長「まだ来るかもしれん!準備を怠るな!」

北方兵「了解です!」

表情を緩めない左翼長の顔を伺い、他の兵達も再び配置へと戻った。
476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:55:30.80 ID:4dwkLOEo
〜北東の村、地下〜

戦士「……」

戦士父「…」

ベヒーモス「グガアアァァ!!」

戦士父「散れっ!!」

戦士「おうっ!」

ベヒーモスが大きく口を開いた瞬間、二人は左右へと別れる。

気を取られベヒーモスの動きが一瞬止まる。その刹那…

戦士父「……しっ!!」

ザシュッ!!

一瞬のうちにベヒーモスの背後へと回った戦士父は、

十字槍で召喚獣を斬りつけ、再び右方へと間合いを取る。

戦士(は…早い…っ!)

戦士父「ボーっとするな!隙あらば躊躇せず仕掛けろ!」

戦士「お、おうっ!」
477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:56:12.25 ID:4dwkLOEo
ベヒーモス「グガオオオォォ!!」

戦士父「閃光が来るぞ!そっちだ!」

戦士「……見てろよ…っ!」

戦士は逃げる素振りも見せず、どっしりと下半身に力を入れる。

戦士父「馬鹿野郎っ!かわせっ!!」

ベヒーモス「カアアァァッ!!」

キュイイィィ…バシュウゥゥ!!

戦士「……くぅ!!」

ボッ!!………ギギギギイイィィッ!!

戦士父「何っ!?」

戦士「…ぐく…っ…!どう…だっ!!」

撃ち出された閃光は、戦士の左腕へと命中する。

しかしその光は直撃せず、四方へと拡散している。

戦士父「ふ…防いでいるのか!?」

戦士「お…らああぁぁーっ!!」
478 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:56:39.71 ID:4dwkLOEo
戦士父「……!!」

戦士父は慌てた素振りでベヒーモスの懐へと走り出す。

戦士父「炎の熱で…閃光を拡散してやがんのか…!」

ダダッ……ザクゥッ!!

戦士父「俺とした事が…見とれちまってたぜ」

ベヒーモスの顎を手にする十字槍で貫きながら、戦士父が苦笑する。

ベヒーモス「グルオオオォォ!!」

戦士「よ…っし!…うまくいった!」

ベヒーモス「フウウゥゥ…!!グウウゥゥ…ッ!!」

戦士は戟を地面へ突き刺し、鞘に手をかけながら前方へ走り出す。

戦士「トドメ……いくぜっ!!」

戦士父「……おう!」

頭部を貫かれたベヒーモスは、苦痛によりその身を大きく仰け反らせる。

戦士「……はあぁっ!!」

戦士父「……ふんっ!」
479 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:57:11.16 ID:4dwkLOEo
ベヒーモスの顎より十字槍を引き抜いた戦士父は、即座にその場を飛ぶ。

戦士父「美味しいところは…くれてやるっ!」

ヒュオッ……バキイィィッ!!

大きく振りかぶり叩きつけた槍はベヒーモスの頭部へ直撃し、

その反動で巨体が大きく下方へと倒れ出す。

チャキッ……

戦士「………」

ゆっくりと倒れ込むベヒーモスの前で戦士は立ち止まり、

雷切の柄を右手でしっかりと握りしめる。

スゥッ…

戦士父「…いい…落ち着き具合だ」

戦士「………っ!!」

チャキッ………ザシュウウゥゥ!!…ガカアァァッ!!

ベヒーモス「グギイイアアァァッ!!」

稲光とともに放たれた一閃が、ベヒーモスの巨体を真っ二つに斬り裂いた。
480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:58:06.47 ID:4dwkLOEo
クルクルッ……カシャッ

戦士「ふーっ…」

雷切を鞘へと収めると同時に、ベヒーモスがその姿を消した。

スタッ

戦士父「……見事!」

戦士「……へへっ」

戦士は口を尖らせ、恥ずかしそうに笑う。

戦士父「……いるんだろ?出て来い!」

戦士「!?」

戦士父は後方の岩陰へ向けて大声で叫ぶ。

そこにはコートを纏った男が呼吸を乱し、蹲っている。

戦士「…な、何モンだ…!?」

戦士父「……」

コート男「……はぁ……はぁ」

戦士父「あれだけの召喚獣だ。もはや魔力はあるまい…」
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/05(土) 22:59:10.17 ID:4dwkLOEo
コート男「……ふ…っ…ふふっ」

戦士「…!?」

戦士父「……屍人か」

戦士「アンデッドか!?」

コート男「………」

スゥッ…

戦士父「!?」

タタッ!!

戦士「い…いねぇ!?」

戦士父「退いたみたいだな…」

戦士「……」

戦士父「……戦士」

戦士「あ、ああ……っ」

戦士父「……ただいま」

戦士「…ああ。お、おかえり…!」
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/05(土) 23:02:47.48 ID:4dwkLOEo
ご飯食べてました。すみません
そして風呂入ってきますです!

>>468-471
考えたんですが王道にしました!
ありがとうございます!

ワンコは大丈夫かなぁ…。もうお年なのかな?心配です…
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 23:04:45.00 ID:wSPpzowo
>>1乙!いってらっしゃい!
今回の章はかなり面白いな…今までの中でも、特にwwktkするぞ
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 23:29:04.14 ID:53hzewDO
>>1乙!

せ、背中流してあげようか?////////
俺男だけど
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 23:41:46.52 ID:u4GAh0Uo
じゃあボクは前を洗ってあげるね/////
僕も男だけど
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/05(土) 23:44:24.43 ID:BksyELYo
なら俺は後ろを///
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 00:00:53.43 ID:JT1D4QAO
>>482
この話題は書くまいと思ってましたが気にして下さってるようなので

うちのは八歳のチワワです
血縁に混ざりのないチワワは5〜6年生きれば長いらしく
8年ともなると病院通いの場合が多いみたいなので
元気だったのが逆に珍しいらしいです

犬も自分も今は少し落ち着きました

去年16年を兄妹のように共にしたパグを亡くしてまして
その時を思い出してパニックになってました

スレの住人のみなさんご迷惑おかけしました

488 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 00:40:35.86 ID:atK/G5co
言いたかったんだろ
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 00:46:57.06 ID:5EVyFbgo
お前のせいで、家の飼い猫が死ぬときのこと想像しちまったじゃねーか…
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 00:48:25.82 ID:vqcfVWEo
勝手に語りだして書くまいと思ってたとかそのまま[ピーーー]ばいいのに
491 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 00:58:16.81 ID:K6CzUoAO
何これ戦士親子カッコ良すぎ漏れた

>>490
さすがの俺もそれは引くわ
そういうのは、たとえ思ってたとしても口に出さないのが大人
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/06(日) 01:03:03.46 ID:lcfMYdQo
おぉ良かった!まずは何よりですね…!
熱とか伝染病とかあるので早めの病院を心がけ下さい!↓続き
493 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:04:04.11 ID:lcfMYdQo


戦士父「見ての通り、ここはドラゴンの巣…だ」

戦士「……」

二人は一度周囲を見渡し、その光景に改めて戦士は息を飲む。

戦士「ドラゴンの…巣…!」

戦士父「…と言っても、ドラゴンが自然に作りだした物ではない」

戦士「…つ、つまり…?」

戦士父「作為的に作り上げられたモンだって事さ」

戦士「一体誰が!?」

戦士父「そりゃ魔王軍だろ。誰かは知らんがな…」

戦士「……魔物が…そんな事を…?」

戦士父「らしいな…」

戦士「……」

戦士父「…村を襲って、手っ取り早く餌と巣を確保してんのさ」

戦士「…え、餌…!?」
494 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:04:41.62 ID:lcfMYdQo
戦士父「お前も見たろ?無数に転がる人骨や…人間だった一部を…」

戦士「――っ!!」

戦士父「つまりそういう事だ」

戦士「む…村の人々を…っ!」

戦士父「……」

戦士「ゆ…許せねぇ…!!」

戦士父「……さぁ、地上へ戻るぞ」

戦士「……なぁ親父」

戦士父「…?」

戦士「魔物って…一体何なんだよ…!」

戦士父「…どういう意味だ?」

戦士「だってよ、基本は悪いい奴らだけどよ…中には良い奴もいる」

戦士父「…それで?」

戦士「俺…何がなんだか分かんねぇんだよ…っ!」

戦士父「……」
495 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:05:07.54 ID:lcfMYdQo
戦士「なぁ親父!魔王を倒せば全て終わるのか!?なぁっ!」

戦士父「……知るか」

戦士「は…っ!?」

戦士父「俺は全知全能の神でも何でもねぇ。唯の人間だ」

戦士「……」

戦士父「そんな事、分かるわけないだろう」

戦士「……っ」

戦士父「それはお前が自分で示せよ」

戦士「…示す…?」

戦士父「人間にだって良い奴もいれば悪党もいる」

戦士「……」

戦士父「ただ種族が違う…。そんだけの話だ」

戦士「……親父」

戦士父「俺が分かるのはそこまでさ。後は自分の目で確かめろ」

戦士「魔王を倒せば…平和になるんだよな…?」
496 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:05:53.02 ID:lcfMYdQo
戦士父「平和になるかは知らん」

戦士「そ…っか…」

戦士父「でもな、魔王の代わりは存在しない」

戦士「代わり…」

戦士父「魔王の存在は絶対だ。意思を継ぐ奴はいても、代わりは務まらん」

戦士「……」

戦士父「魔王の事、どこまで知っている?」

戦士「えっと、確か…七人いて…五年に一度その力がどうとか…」

戦士父「その中の一人、魔王パズズ…」

戦士「あぁ。青龍先生達の伝説が倒したとかいう…」

戦士父「正しくは倒したのではなく、封印な」

戦士「…あ、ああ」

戦士父「魔物の奴ら、なぜか必死でパズズの復活に尽力注いでやがる」

戦士「…!?」

戦士父「裏を返せば、パズズの代わりは務まらない。復活させる以外の道はないのさ」
497 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:06:19.19 ID:lcfMYdQo
テクテクテク…

戦士「なるほど…」

戦士父「まぁ、魔王全てを封印するなんてのはいつの話か…」

戦士「いや…そうでもない」

戦士父「…?」

戦士「今…国軍が躍起になって、それを画策してるよ」

戦士父「本当か…!?」

戦士「ああ。まぁ…詳細は国軍の奴らに聞いてくれ」

戦士父「あ、ああ…。そうだな」

戦士父は足を止め、岩陰の間をよじ登り、隙間を覗き込む。

戦士父「ビンゴ…。ここから地上に出られそうだな」

戦士「!?」

戦士父「話の続きはとりあえず生還してからだな」

戦士「お、おうっ!」

岩場の隙間に潜り込む戦士父に続き、戦士も後を追う。
498 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:06:51.07 ID:lcfMYdQo
〜北東の村〜

左翼長「やはり見当たらんか……」

騎士長「こうなると…穴に落ちたとしか考えられんな…」

参謀「……捜索隊の準備を進めます」

左翼長「おう…っ」

左翼長は胸ポケットより煙草を取り出し、火を付ける。

シュボッ…

左翼長「……」

ゴトッ…ドンッ…

左翼長「……?」

煙草を燻らす左翼長の背後から物音が聞こえる。

左翼長「何だ…ぁ?」

ガチャガチャッ……バンッ!!

左翼長「……!?」

背後にある建物の残骸。そのドアが突如開き、中より槍を手にした男二人が姿を見せる。
499 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/06(日) 01:07:19.10 ID:lcfMYdQo
左翼長「ぶ…無事だったか!!」

戦士「あれ…?おじさん!?て事は…地上に戻ったのか」

戦士父「みてぇだな」

左翼長「っ!!」

ポロッ…

戦士父「おい、煙草落ちたぞ?…聞いてんのか?」

左翼長「……も、もしかして…っ」

戦士「ああ…!記憶…戻ったぜ!!」

左翼長「は…はは…っ!そうかい…そうかよっ!!」

戦士父「迷惑かけたな。色々と…」

左翼長「ったく…。心配掛けさせやがって…」

ザッザッザ…

騎士長「おぉ!?帰ってきてんじゃねぇか!!」

参謀「その建物が…地下へ繋がって…?」

戦士「ああ。そうらしいな…」
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 01:21:09.06 ID:8ddhp8E0
ちなみにさっきの戦闘では親父さんには槍二本渡したのか?
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 01:26:27.64 ID:iP8Iz.DO
>>500
親父さんには十字槍
戦士はきとい(携帯で変換できない)の戟
親父さんが使ってた二本槍の片割れは、オークが所持

だろ?

そういや、オークが持ってる槍はゾディアックの内の一本なのかな?
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 01:47:06.99 ID:8ddhp8E0
戦士って二本槍もってなかったか?
槍と檄だっけ?
どっちにしても記憶喪失してるおっさんに長物二本渡そうとするかな
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/06(日) 02:11:48.92 ID:lcfMYdQo
左翼長の煙草とともに落ちてました…もう寝るとします…
ご支援ありがとうございました!今日は更新出来るか微妙です…すみません><
では、おやすみなさい!ノシ

>>484-486
ハーレムでありがとうございました///

>>500-502
戦士の槍推移

北方司令部で戦士父の十字槍&多股の槍ハケーン。託される。

オークに多股の槍プレゼント。

華国にて騎都尉の戟を形見にゲトー。

長得物二本もウゼー…

親父!これは返すしかない!十字槍返却。 ←今ココ

〜オマケ〜

戦士「親父は何で髪とか伸ばしっぱなしなんだ…?」

戦士父「面倒だから」

戦士「えっ!?」

戦士父「面倒だから」

戦士「そうすか……」
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 02:12:38.41 ID:iP8Iz.DO
>>502
確か、親父さんが使ってた二本槍は、北方の国軍から戦士に渡り、その後戦士が、その内の一本をオークに預けた。
この時点で、戦士は一本の槍を所持。
んで、華国にて、きといの檄を受け継いで、槍と檄の計二本を現在は所持。

のはず!

親父さんは、戦士が持ってきた十字槍をドラゴンの巣で使用。
檄、斧兼盾と雷切は、戦士が装備して、2人でベヒーモス撃破!
って感じじゃないか?
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 02:16:01.49 ID:iP8Iz.DO
だらだら駄文書いてたら、>>1がきちんとレスしてくれてた…
恥ずかしい…

>>1乙!
俺も寝よう。
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 02:21:53.38 ID:8ddhp8E0
なるほど
長物二本持たせて昔の戦闘スタイル強制して記憶戻す切欠にしたんじゃなくて
ベヒーモスの脅威で記憶戻っただけか
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 02:38:53.67 ID:FsqLPIko
コート男「計画通り」
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 03:20:10.75 ID:3JYjJUAO
親父は記憶が戻るという死亡フラグを無事に乗り切ったな!
さすが戦士の父ちゃん
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 04:34:59.31 ID:0qokN2SO
これで戦士のパワーアップフラグがビンビンだな!
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 05:52:03.28 ID:98Dy5MDO
熱い展開だった!
>>1
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 20:09:08.32 ID:oG01Le2o
>>507
コート男と聞くとどうしても中が全裸に思えて困る
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 21:23:41.24 ID:QcG12KU0
魔道士ちゃああああああああああああああああん
単勝1,7倍に半月分の生活費賭けて見事に散った俺をやさしく癒してぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


掲示板にすら載らないっておかしいだろ…orz
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 22:35:30.16 ID:Fju366DO
>>512

自業自得だ、甘えんなww
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 23:19:22.96 ID:tgPJYd20
すれち
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/06(日) 23:56:26.88 ID:lcfMYdQo
>>512
魔道士「もうっ!ギャンブルは駄目です!めっ、です!…次は程々にして下さいね!」
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 23:59:12.14 ID:9yDELbwo
>>1優しいなwwwwwwww
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 00:01:09.56 ID:CBOnVt.o
>>515
かわいいよ>>1かわいいよ
518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 01:45:36.14 ID:LrS92MAO
どうでもいいけど、>>494-496の左端の2文字が縦に全部戦士なのが

俺「……お前意外とおっぱい大きかったんだな」

俺「……いやっ…あんまりじろじろ見ないでっ…お兄ちゃん///」

俺「おおっ、柔らかい…」

俺「……んぅっ///」

妹「」

みたいでツボったww
ごめん、それだけですハイ
>>1いつもありがとう!愛ちてゆのよさ
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 06:34:03.65 ID:i/sXF2DO
>>518
今日病院やってるから行ってこい
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 10:57:18.94 ID:ysNslmUo

  どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
   三           三三
        /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  三三三
  三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン
      /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
    〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
    ,へ;:ヾ-、 ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ
  . 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド' ←>>518
    };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll



   どうしてこんなになるまで放っておいたんだ! ?
   三           三三
       ∧/;:"ゝ  三三 ∧f;:二iュ  三三三
  三   ( ^ω^ )    ,.( ^ω^ )^)
      /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
    〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
    ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ
  . 〈::ミ/;;;iー゙ ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド' ←>>518
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                     ♪
                ∩∧__,∧∧__,∧∧__,∧
  =、`ー-="⌒ヽ      ヽ( ^ω^ )7ω^ )7ω^ )7  ♪
  ,..シ'=llー一'";;;ド'    /`ヽJ   ,‐┘  ,‐┘  ,‐┘
   ̄ ̄ll          ´`ヽ、_  ノ 、_  ノ 、_  ノ
             ♪    `) )  `) )  `) )
            どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
                 どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
521 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:05:12.76 ID:K22X.two


騎士長「おいおい…本当かよ…」

参謀「そんなものが…地下に…」

戦士「ああ。しっかりこの目で見てきたぜ」

左翼長「……」

戦士父「ここだけじゃない。周辺の村は…ほぼ同様の状態だ」

騎士長「魔物が作為的に…繁殖を行ってるってのか?」

戦士父「まぁ、そうなるな」

左翼長「聞いた事あっか?」

参謀「いえ、前例はないですね…」

騎士長「人間にゃ居たけどな。そんな奴…」

戦士「…?」

左翼長「…あぁー、そうだな」

参謀「魔王軍においても、そのような知識と技術が備わったという事ですね」

騎士長「戦術といい…近年で飛躍的に向上してやがる…!」
522 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:06:35.04 ID:K22X.two
左翼長「ドラゴン…ドラゴンか……」

戦士父「そう。だからこそ厄介なんだよ」

戦士「そうなのか…?」

参謀「我が軍が結界石を打ち込んでいるのはご存知ですよね?」

戦士「ん、ええ…まぁ」

騎士長「地上侵攻は結界である程度食い止めたり、進路を絞れる」

左翼長「でも対空ばかりは…どうしようもねぇ…」

戦士「そうか…っ。空からだと結界も素通り…」

騎士長「補強はしてるが召喚隊の数が少なくてなぁ」

戦士父「早めに打てる手は、打っておいた方がいい」

左翼長「ああ。わざわざ孵化させる必要もねぇ」

騎士長「この村も、焼くしかない…か」

参謀「……火の用意をっ!」

北方兵「ははっ!」

戦士「……くそっ」
523 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:07:22.90 ID:K22X.two


地下洞、そして地上にある民家の残骸に放たれた火がめらめらと燃える。

戦士を始め、一同は上がる火の手をただ静かに、じっと見つめる。

戦士父「そういや、人間が一人地上へ上がって来なかったか?」

左翼長「……?」

参謀「いえ…見てはおりませんが…」

戦士「そういやあの野郎、どこ行きやがった…?」

左翼長「地下に人がいたのか?」

戦士父「白いコートを着た白虎の召喚士。中年の男だ」

騎士長「召喚士?そいつが何か…」

戦士父「仕掛けてきた。巣を守る…おそらくは敵側の人間だろう」

左翼長「まさか……またアンデッドか…!?」

戦士父「…?」

参謀「可能性は高いです」

騎士長「最近流行ってんだよ。魔王軍による人間の再利用…ってのがよ」
524 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:08:32.90 ID:K22X.two
戦士父「……不粋な話だ」

戦士「……」

騎士長「まぁ、とにかくだ。まずはお前が無事で良かったよ」

参謀「記憶はいつから無くされたので…?」

戦士父「分からん…」

左翼長「記憶は完全に戻ってねぇのか?」

戦士父「古い記憶は残っているが…部分的に欠けて曖昧だな…」

騎士長「そうか…。まぁしばらくは安静にするといいさ」

戦士父「……」

左翼長「さーて、司令部に戻るかね…」

参謀「もう大丈夫そうですね…。消化をっ」

北方兵「消化開始ーっ!周囲からゆっくり中心部へ進めー!」

戦士「親父、司令部行くよな…?」

戦士父「……」

騎士長「当ったり前だろうが!積もる話も山ほどだしなっ!」
525 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:09:30.45 ID:K22X.two


騎士長「何でまた急に記憶が戻ったんだ?」

戦士「そういや…そうだな…」

戦士父「…何だろうな。何か…呼ばれたんだ」

左翼長「息子の声が届いたってか…」

戦士父「…そうなのかもな」

参謀「状況を把握されていると言う事は…」

戦士父「コイツに連れ回された事は覚えてるよ」

騎士長「親子愛ってやつかねぇ…」

戦士「な、何だよそれ…っ」

騎士長「はっはっは!照れるな照れるな。…ほら、もうすぐ司令部だ」

左翼長「……各自一息ついたら会議室へ集合してくれ。話がある」

参謀「…かしこまりました」

左翼長「もちろん、お前ら二人もだからな」

戦士「……?」
526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:10:02.36 ID:K22X.two
〜北方司令部、会議室〜

左翼長「……」

議長席のの左翼長を筆頭に、一同が次々と着席する。

左翼長「ばたばたとしちまって悪いな」

騎士長「何だよ、急に改まって…」

左翼長「一つ…提案事項がある」

参謀「……?」

左翼長「なぁ、戦士父」

戦士父「…?」

左翼長「軍に戻ってくれ」

騎士長「!?」

戦士「……!!」

戦士父「…馬鹿言え。一度退役した者が戻る事は出来ん。軍規違反だ」

左翼長「今までの功績も踏まえて、お前なら何とかねじ込める」

騎士長「最悪…軍規の改変を本部へ提言しよう。それ程の力がある」
527 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:11:42.74 ID:K22X.two
戦士父「あのな…」

参謀「それに…此度は事情が特殊ですからね…」

左翼長「そうだ。総司令自ら探しているんだ。ねじ込めないわけがない」

戦士「親父が…複役…?」

戦士父「いい加減にしろ。俺は戻る気はない」

騎士長「おいおい…。軍に居た方が色々融通利くって知ってるだろ」

左翼長「…まぁそう言うと思ったさ」

戦士父「すまんな…」

騎士長「お、おいおいっ…」

左翼長「じゃあお前だ。戦士」

戦士「……は…っ!?」

戦士父「!?」

左翼長「親父の代わりに、お前が入隊しろ」

騎士長「お前…っ、なんつう大胆な…!」

戦士「ちょっと…待ってくれよ!」
528 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:12:24.73 ID:K22X.two
左翼長「お前がワーカーだって事は重々分かってる」

戦士「ああそうだ!だから国軍なんて…」

左翼長「しかしな、お前程の逸材…代わりはそうそういやしねぇ…」

戦士「いくらおじさんの頼みっつってもなぁ、こればかりは…」

左翼長「親父が無理ってんなら、お前しかいないんだよ…」

戦士「だから…っ、俺は更々国軍なんかになるつもりは…」

左翼長「お前の功績と実力なら、少尉あたりでねじ込める」

戦士父「…分かった。一晩考えさせてくれ」

戦士「!?」

左翼長「……」

戦士父「俺の代わりに戦士が被る事はない。一晩考えさせてくれ…」

左翼長「……いいだろう」

戦士「親父?」

戦士父「気にするな。お前はお前の進みたい道を行けばいい」

戦士「……親父」
529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:15:26.07 ID:K22X.two
騎士長「話は以上か?」

左翼長「ん、あ…あぁ」

騎士長「ようし…それじゃあ始めよう!」

左翼長「…?」

騎士長「決まってるだろ。戦士父の復活祝いだよ!」

参謀「…早速、準備を整えてまいります」

左翼長「こういう時は本当に仕事が速いな…」

騎士長「何だ?嫌か…?」

左翼長「……嫌なわけ…ねーだろ!このっ!」

騎士長「だよなぁ!おら、戦士親子!!」

戦士「!?」

騎士長「主賓は風呂でも入ってサッパリして来いっ!」

戦士父「……」

戦士「い、行くか…」

戦士父「…ああ」
530 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:16:00.98 ID:K22X.two
〜風呂〜

カポーン

戦士「……ふー」

戦士父「……」

戦士「な、なんだかこの年になって風呂入るのは…照れるな…」

戦士父「…そうか?」

二人は頭にタオルを乗せ、肩まで湯に浸かり並んでいる。

チャポッ…

戦士「親父さぁ…」

戦士父「ん?」

戦士「何で、国軍辞めちまったんだ?」

戦士父「……」

戦士「すげぇ強かったんだろ?それなのに…」

戦士父「魔物を倒すだけが強さじゃない」

戦士「…」
531 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:16:28.44 ID:K22X.two
戦士父「自分の弱さに気づいた。だから辞めた」

戦士「……」

戦士父「だがな、逃げ回る事はもっと弱い。それに気づいた…」

戦士「そっか……」

戦士父「お前のお陰さ。ありがとな」

戦士「へ…っ!?」

戦士父「…さ、もういいだろ。上がるぞ」

ザバッ

戦士「お、おうっ」

戦士父「そうだ…」

戦士「……?」

戦士父「今夜寝ずに起きていろ。すぐ動ける用意もな…」

戦士「…え?」

戸惑う戦士を余所に、戦士父は黙って風呂場を後にする。

その姿を見て、戦士も慌ててその背中を追った。
532 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:17:06.95 ID:K22X.two
〜大広間〜

ザワザワザワ…ワイワイ…

参謀「…では北方司令より一言お願い致します」

左翼長「えー…知っての通り、北方はますます厳しい環境と相成った」

騎士長「……」

左翼長「今後は更に苦しい戦いが続くだろう」

戦士父「……」

左翼長「今日は普段の労いも兼ねて、戦いを忘れ飲んでくれ!」

北方兵「おぉーっ!!」

左翼長「では、明日からの戦いに…乾杯っ!」

一同「カンパーイ!!」

騎士長「さーて…色々と話を聞かせて貰おうかねぇ」

戦士父「俺が話す事は特にないぞ?」

左翼長「記憶も曖昧だしなぁ…」

騎士長「そっか。んじゃこっちの話をしてやるか!まずはだな……」
533 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:18:37.33 ID:K22X.two
〜西端の町〜

召喚士「すみません。何だか夜遅くまで…しかも送って頂いて…」

サモナー「気にしないで。買い出しも兼ねての事だし」

魔道士「ありがとうございましたっ。えへへ!」

サモナー「うん。身体には気を付けて旅を…」

盗賊「…うん」

召喚士「それでは。……また来ます」

サモナー「いつでも歓迎するよ」

タッタッタッタッタ…

町人「先生っ!サモナー先生!!」

サモナー「…?」

町人「はぁはぁ…っ、良かった!先生助けて下さい!」

サモナー「ど、どうしました…!?」

町人「魔物がっ、魔物が暴れ出して…!」

召喚士「!?」
534 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:20:42.87 ID:K22X.two
サモナー「一体どういう事です!?」

町人「西国の軍隊が一旦戻ってるんです!」

盗賊「……」

町人「それで…隙を見て魔物達が一気に…」

サモナー「間隙を突かれたか…。若しくは軍の不手際か…」

町人「先生っ!先生は召喚士なんでしょう!?何とか…」

サモナー「……っ」

町人「ワーカーなんざ一目散に逃げ出しちまって…。あの見掛け倒しども…」

魔道士「召喚士さん…っ」

召喚士「……ええ。分かっています」

ザッ

召喚士「サモナーさん。ここは俺達が…」

サモナー「!?」

町人「兄さん達…戦えるのか…!?」

魔道士「任せて下さい!頑張ってみます!」
535 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:24:06.50 ID:K22X.two
町人「こんな…お嬢ちゃん…も…?」

魔道士「……なんだか…失礼ですね」

盗賊「…魔物は…どこに?」

町人「えっ、あ…ここから南に下った山道にまで近づいててっ…」

召喚士「分かりました。…行きましょう」

盗賊「…ああ」

魔道士「はいっ!」

召喚士「サモナーさん…ありがとうございました」

サモナー「……すまない。召喚士くん」

召喚士「気にしないで下さい。俺らの仕事です!」

町人「途中まで案内するよっ!付いて来てくれ!」

召喚士「お願いしますっ!」

魔道士「急ぎましょう!」

タッタッタッタ…

サモナー「………」
536 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 18:27:43.51 ID:K22X.two


町人「……はぁ…はぁっ、着いたっ!」

召喚士「……」

町人「この先の山道に魔物がいる…」

盗賊「……承知っ」

町人「悪いが…俺はここまでだ!死にたくねぇ…!」

召喚士「ありがとうございました!急いで町へ…」

町人「す、すまんなっ!」

タッタッタッタッタ…

魔道士「この山道の奥に…魔物が…」

召喚士「町からさほど離れていない…。まずいな…」

盗賊「…ああ。抜かれたらあっと言う間だ」

召喚士「……何とかここで食い止めましょう!」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…勿論だ」
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 20:03:52.83 ID:e2jXi2DO
>>1
この焦らし上手がぁぁぁ!

乙です。
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 20:19:58.02 ID:gkUBkIDO
>>1乙!
北方も西方もすげぇ気になる展開の所でお預けだな!!
最近体調崩してたみたいだけどもう大丈夫なのか?
無理はすんなよー
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 21:17:20.15 ID:zDbExI.0
戦士父の言葉も気になるな
>>1乙!
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/07(月) 22:02:12.12 ID:P35AsOko
あっちで父と息子の近親相姦が始まりそうだな
541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:22:05.41 ID:X.2NxaAo
西端の村より南下する事およそ数里。

遥か西…古代遺跡へと続く秘境の道が山中に一本伸びる。

召喚士「では…行きましょうか」

盗賊「…前は…任せろ」

山道は険しい岩と木々に覆われ、月光が足元のみ照らし出す。

その他の明かりと言えば、背後にそびえる西国の簡易的な砦の光のみである。

召喚士「行けっ!サラマンダー!!」

シュイィン…

サラマンダー「おう…。次はどこに来とるっちゅーねん」

召喚士「今は西方です」

サラマンダー「ふぅん…西方ねぇ。奇特なやっちゃ…」

魔道士「宜しくお願いしますねっ!サラマンダーさん!」

サラマンダー「はいはい。ほな行こうかの…」

盗賊「…うむ」

召喚士「道は狭い…。気を付けて下さい…!」
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:23:26.16 ID:X.2NxaAo
ザッザッザッザッザ…

召喚士「……視界が悪いな」

盗賊「…ああ」

召喚士(盗賊さんの集中力も…半端じゃない…)

盗賊「……」

召喚士(逆を言えば…それだけ精神的な消耗が大きい…)

サラマンダー「道はずーっと一本じゃのぉ…」

盗賊「…うむ。しかし…左右の森が厄介だ」

魔道士「真っ暗で…何も見えないですね」

盗賊「…これは昼間でも…相当の暗さだぞ…?」

召喚士「潜むには絶好の条件……」

魔道士「……っ」

サラマンダー「お〜こわこわ!さっさと抜けようかの…」

召喚士「ええ…」

盗賊「…賢明だな」
543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:24:36.09 ID:X.2NxaAo
一同は更に山中を登り続ける。道は別れる事もなく、ただただ続いている。

サラマンダー「だいぶ進んだのぉ…」

召喚士「……そうですね。魔物の気配はありますか?」

盗賊「…いや…特に。…しかし」

魔道士「……?」

盗賊「…ところどころ…何かに見られている感覚は…ある」

召喚士「ただの獣か…。はたまた…魔物か」

盗賊「…仕掛けてこないのは気になるな」

魔道士「詠唱しておきますね…っ」

サラマンダー「山も…もう半分ぐらい登ったのぉ」

召喚士「もう中腹部か…。景色が分からないから全然…」

カサカサッ

盗賊「!?」

召喚士「……ただ…木が揺れただけのようです」

魔道士「ビ、ビックリしたぁ…っ!」
544 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:28:49.68 ID:X.2NxaAo
カサカサカサッ…

魔道士「風が出て来ましたねぇ…」

サラマンダー「そか?なーんも感じんけど…」

盗賊「っ!!」

召喚士「まさかっ……」

召喚士と盗賊は慌てて鞘より得物を抜く。…が、

その動きよりも素早く、盗賊の身体が宙へと浮く。

召喚士「盗賊さんっ!!」

盗賊「く…っ…!!」

魔道士「きゃああぁぁっ!!」

その背後では魔道士も同様に、その身体を宙へと舞いあげている。

召喚士「魔道士さんっ!?」

魔道士「…うく…っ…!!」

盗賊「…は…っ…あう…っ!!」

宙に浮く二人の身体には、何本もの枝が纏わり付き、その身を封じていた。
545 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:39:48.16 ID:X.2NxaAo
〜北方司令部〜

戦士「……」

用意された個室の中央。明かりも付けず、戦士が一人椅子へ座る。

戦士「……」

外から差し込む月光が足元を照らし出す。

カチャッ…

戦士「!?……親父」

戦士父「…静かに」

パタン…テクテクテク

戦士「どうしたんだよ…!?こんな夜中に…」

戦士父「……行くぞ」

戦士「…!?行くって…どこに……」

戦士父「ココを出るんだよ。お前はこのまま軍属になりてぇのか?」

戦士「…いやっ…まさか」

戦士父「…だろ?んじゃ行くぞ」
546 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:47:55.75 ID:X.2NxaAo
ザッ……タッタッタッタッタ…

戦士「なぁ親父。出るったって…こっからどうやって…」

タッタッタ…

戦士「城門や塔には見張りの兵が…」

戦士父「簡単な話だ。……飛び降りる」

戦士「はぁ!?」

戦士父「城壁を飛び降りる。以上」

戦士「そんな簡単に……っ」

戦士父「何だ?怖いのか?」

戦士「そうじゃねぇけど、真っ暗だし…ある程度の覚悟ってモンが…」

戦士父「よし…!飛び降りるぞっ!」

ザシッ……ババッ!!

戦士「マ…マジかよ!?……くっそぉ!!」

ババッ!!

二人の男は城壁より闇の中へ飛び降り、その姿を消した。
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:50:40.38 ID:X.2NxaAo
バンッ!!

左翼長「何だとぉ…!?」

司令室へ戦士親子の失踪を伝えに来た兵へ、左翼長は怒号を発す。

騎士長「あんのヤロウ…ッ!」

左翼長「ちっ…。まぁいい…」

騎士長「追うか…?」

左翼長「行き先はおよそ絞れる。朝一で追跡する」

騎士長「了解…して、行き先は?」

左翼長「ドラゴンの巣はまだある。そう言っていた…」

騎士長「なーるほど…。北東にある他の村をあたるつもりだな?」

左翼長「おそらくそうだろう。向こうは徒歩だ。夜道じゃ大した距離は進めん」

騎士長「明朝でも充分に追いつく…。いや、それどころか先回りも出来るな」

左翼長「俺とお前で二手に分かれて追うぞ。挟んで逃げ場を封じる」

騎士長「全く…。とんだ鬼ごっこときたもんだ…」

左翼長「……ああ。手間掛けさせやがって」
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/07(月) 23:56:24.29 ID:X.2NxaAo
戦士父「……と、奴らは考えるハズだ」

戦士「なるほど…」

戦士父「そこで裏をかいて…北西へ向かう」

戦士「北西…?」

戦士父「司令部からだとほぼ北進って感じだがな」

戦士「そこにも…村が…?」

戦士父「ああ。…幾つかある」

戦士「……北っつーと…召喚士の故郷らへんか…」

戦士父「何か言ったか?」

戦士「いんや、何でもねぇ…」

戦士父「夜通し進むぞ。朝方には辿り着きたい」

戦士「お、おうっ」

戦士父「……何だ?急にニヤニヤして…」

戦士「い、いやっ…何でもない…っ!」

戦士父変な奴だな……」
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/07(月) 23:59:07.88 ID:X.2NxaAo
こんばんはー。今日はすっごく眠いので早々に失礼しますです!
本日もご支援ありがとうございました〜おやすみなさいー!ノシ

>>538-540
あざっす!体調はもう完治寸前です!
父と息子は誰得…BL需要あるなら…まぁ…
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 00:32:17.52 ID:4p9s96Q0

>>549
おtいやめてドS
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 00:34:25.20 ID:0KxoVxQ0

その需要は幻想です
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 00:46:35.64 ID:ePZxmpIo
丁度、やる男とやらない男がやってるAAを見つけたところなんだ





自重しとくよ
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 06:28:35.15 ID:Kie7e2DO
それが懸命な判断だ
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 15:26:49.23 ID:GRrb2pso
触…いや,樹モンスターよく出るなあ。
盗賊は遭遇二回目?
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 17:41:58.65 ID:HLyOQQAO
おっぱいに反応してんだな
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:54:55.53 ID:FS08rEQo
〜西方、西の山〜

盗賊「…ふっ……ぐぅ…っ!!」

魔道士「…んう……ぅ…!!」

左右の闇より伸びる枝が、二人の四肢と胴体にきつく纏わりつく。

召喚士「盗賊さん!魔道士さんっ!!」

ギチギチッ……ズズッ…

サラマンダー「はよ何とかせんかいっ!」

左右の闇に、一つまた一つと赤い光が浮き上がり始める。

その光はそれぞれ二つずつ並び、木の幹から放たれ、まるで目のように見える。

召喚士「くそ…っ!」

サラマンダー「魔物の気配じゃ!気ぃつけぇ!!」

召喚士「分かってます…!」

木々は赤い瞳をぎょろぎょろと動かし、沈黙のまま枝を伸ばし続ける。

盗賊「くうぅ…っ!!……んっ!」

魔道士「うっ……んんっ…!!」
557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:55:36.53 ID:FS08rEQo
サラマンダー「はよせんかい!!」

召喚士「しかし下手に手を出せば二人の身体も…!」

絡みつく枝は四肢以外にも、首や胸部、腰に巻きつき、その動きを封じる。

召喚士(枝のみを攻撃しないと…二人の身体を傷つけてしまう…!)

ズルルッ…ギチィ…

盗賊「はう…っ…!!」

魔道士「……うぅーっ!」

執拗な攻めを堪え、魔道士の右手に持つ杖が輝き出す。

キュイィィ…

魔道士「…こ…っの…ぉ!!」

杖の先端…ハートを模したその部分から炎が発せられ、その場で炎上する。

ドドオォンッ!!…ゴオオォォ!!

召喚士「!?」

サラマンダー「嬢ちゃん!?」

炎に包まれた枝の一部は焼け落ち、黒煙の中より魔道士が地面へと落ちる。
558 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:56:04.21 ID:FS08rEQo
パチパチッ……ドサァ

魔道士「……けほ…っ!…けほっ!」

召喚士「魔道士さんっ!大丈夫ですか!?」

魔道士「ローブの…お陰で、なんとか…っ!けほっ!」

サラマンダー「耐炎のローブか…。なんちゅうか…」

召喚士「こんな使い方も…っ」

魔道士「無我夢中で、咄嗟の事でしたから…」

ギチギチッ…

盗賊(ま、魔道士…無事か…っ)

盗賊は目線を下げ、解放された魔道士を確認する。

盗賊(私はどうする…かな…)

ギチッ…ミチッ…

盗賊(…私も魔法が使えたら…!?そうか…っ!)

ズズッ……ズリュッ…

盗賊(一か八か…やってみるか…!)
559 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 17:56:18.87 ID:5DJEsvco
ジブリール的か何か
560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:56:37.88 ID:FS08rEQo
盗賊は脱力し、ゆっくりと目を閉じる。

魔道士「と、盗賊さん…っ!?」

サラマンダー「諦めんな!」

盗賊「……ふーっ」

キイイィィンッ

魔道士「え…っ!?」

召喚士「!!」

光り輝く盗賊の腹部に、召喚士と魔道士は驚きの表情を見せる。

サラマンダー「なんじゃ…あ!?」

バシュウウゥゥッ!!

盗賊の腹部へと巻きついた枝が一斉に弾かれ、闇の中へと戻っていく。

盗賊(緩んだ…!!これならば…っ)

シュルッ…

直前の衝撃により緩んだ枝の隙間から、盗賊は右腕を抜き、

素早く蜘蛛切の柄へとその指を伸ばす。
561 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:57:49.16 ID:FS08rEQo
チャキッ……シュバッ!!

蜘蛛切を逆手に持ち一度腕を回す。姿勢と正すとその身は既に自由となり、

二度目は身体ごと一回転し、盗賊の着地と同時に枝は粉々に舞い散った。

ザシュッ……スタッ

盗賊「……はぁっ…ごほ…っ」

魔道士「盗賊さん!大丈夫ですか!?」

召喚士「今ユニコーンを…っ!」

盗賊は二人を見つめながら左手で制し、小さく笑みを浮かべる。

盗賊「…大丈夫」

魔道士「……良かった…っ」

召喚士「……流石です!」

サラマンダー「お前…全然役に立たんのう…」

召喚士「……すいません」

盗賊「…とにかく…一度後退しよう!」

魔道士「はいっ!!」
562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:59:13.74 ID:FS08rEQo
〜サモナーの家〜

カチャッ…

マーメイド「あら、おかえりなさい」

サモナー「あ、ああ…。ただいま」

マーメイド「……どうか…した?」

サモナー「……いや」

マーメイド「そう…」

サモナー「さぁて…お茶にでもしようかな」

サモナーは笑顔を見せ、屋内へと振り向き、足を進める。

マーメイド「……いいの?」

…ピタッ

サモナー「……」

マーメイド「あっ…詳しくは聞かないけれど…」

サモナー「…魔物がさ、南から近づいてるんだって」

マーメイド「…そう」
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 17:59:55.80 ID:Kie7e2DO
ズリュッてナニをした効果音なんだろうか
564 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 17:59:56.72 ID:FS08rEQo
サモナー「召喚士くん達が討伐に向かってくれたよ」

マーメイド「うん…」

サモナー「凄いよね。躊躇も何もなく…すぐ飛んで行った…」

マーメイド「うん。凄いわね…」

サモナー「若いのに大したものだよ。ははっ…」

マーメイド「いいの?そんなに無理して…」

サモナー「無理…って、何で僕が…」

マーメイド「じゃあ…こっち向いて、顔を見せてよ…」

サモナー「……」

マーメイド「召喚士くん達と出会って…貴方は充分変わったわ」

サモナー「……」

マーメイド「行きたければ行けば良い。嫌なら行かなければ良い…」

サモナー「……」

マーメイド「頑なに自分を貫かなくとも…正直に生きれば良いじゃない」

サモナー「…うん」
565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:00:34.67 ID:FS08rEQo
マーメイド「人の為であっても、自分の為であっても…正直生きている貴方が好きよ」

サモナー「マーメイド…」

マーメイド「…私の事は気にしなくていいから。ねっ?」

サモナー「……ごめ…ん」

マーメイド「ほんのちょっぴり合う時間が減るだけ。後は何も変わらないわ」

サモナー「ごめん…ごめ…っん…」

マーメイド「さぁ、涙を拭いて…。行きましょっ」

サモナー「……」

マーメイド「みんなが…待ってるわ」

サモナー「……ああ…っ。行こう…!」

マーメイド「それでこそよ。サモナーさん」

シュイィィン…

サモナー「……よし」

サモナーは右腕で顔を擦り、そのまま屋内へと入っていく。

その背後には水面に映る月と、波紋だけが広がる泉が広がっていた。
566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:01:06.56 ID:FS08rEQo


タッタッタッタッタ…

召喚士「ここなら問題なさそうですね」

盗賊「…ああ」

三人と一匹の召喚獣は、周囲が開けた道まで後退し、息を整える。

魔道士「どうしましょう…っ!」

召喚士「……」

盗賊「…燃やすしか…ないか」

魔道士「でもこれだけの規模だと…」

召喚士「山を焼く事になってしまいます…。それは避けたい…」

サラマンダー「そうじゃのぉ…」

盗賊「……」

魔道士「じゃあどうすれば…」

召喚士「…思い切って、逃げちゃいましょうか」

盗賊「…!?」
567 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:01:40.44 ID:FS08rEQo
魔道士「に…逃げるって……」

召喚士「山の入り口まで戻っちゃいましょう」

サラマンダー「…そんで、どーすんの?」

召喚士「西国の軍隊が戻るまで、そこで食い止めます」

盗賊「……」

召喚士「山中は地の利がない…。魔物の思う壺です」

魔道士「な、なるほど…」

召喚士「日が昇れば魔物の侵攻も遅くなるでしょう…」

盗賊「…それで軍隊が…戻ってくれば」

召喚士「後は彼らに強力して貰い迎撃も良し、結界を張るも良し…です」

サラマンダー「ほーそらええなぁ!そうしよ!」

召喚士「では一旦後退し、態勢を……」

ズズウウゥゥンッ…

盗賊「っ!!」

召喚士「な、何だ…っ!?この揺れ……」
568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:02:23.68 ID:FS08rEQo
ズズウウゥゥンッ…

一同は突如の地響きに慌てて周囲を見回す。

ズズウウゥゥンッ…バギャアアァァッ!!

山中へと続く道の木々がなぎ倒され、巨大な魔物が姿を現す。

盗賊「…っ!!」

召喚士「な…何だ!?見た事も…ないぞ!?」

姿を現した巨大魔物は、鰐のような顔を持ち表面は硬い鱗で覆われている。

大陸や北方ではその姿を見た事もなく、西方にひっそりと棲まう魔獣である。

魔道士「詠唱しますっ!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン…

召喚士「気を付けて下さい!未知の魔物です!!」

盗賊「…ああ」

盗賊は口元へ布を上げ、蜘蛛切を右手に構える。

魔獣「……ブゴオオォォ…ッ!」
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 18:06:04.11 ID:dYde1Y.o
コカトリス「ほう…めずらしい、峯山龍か…」

召喚士「峯山龍?」

コカトリス「あいつはやっかいだぞ…きたっ!!!」





みたいな?
570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:15:06.52 ID:FS08rEQo
ズシイイィィンッ!!

召喚士「コカトリス!!」

召喚士の呼び掛けとともに、コカトリスは素早く上昇する。

コカトリス「……かなりの大きさだ。…骨が折れるな」

盗賊「魔道士っ!援護を頼む!」

魔道士「はいっ!!」

タンッ!!…タタタッ…

盗賊は魔獣めがけ走り出し、その巨大な顔の下に潜り込む。

盗賊「…しっ!」

シュンッ……キインッ!!

盗賊の手より放たれたクナイは、金属音を立て空しく地面へと落ちる。

盗賊「…はぁ!」

ザシュッ……チュインッ!!

盗賊(やはり見た目通りの強度…。通常攻撃では通じぬか…)

斬撃を浴びせ後方へと着地した盗賊は、蜘蛛切の刃先を眺め、再びそれを身構える。
571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:28:26.79 ID:FS08rEQo
バサッ…

コカトリス「かなりの大きさだ!」

召喚士「ありがとう!」

上空からの報告を簡易的に済ませ、コカトリスは再び上昇を始める。

召喚士(全体の石化は無理かな…。一部分…顔だけでもなんとか食い止めれば…)

ドズウウゥゥン!!

召喚士「!?」

魔道士「きゃあ…っ!!」

サラマンダー「ななっ、何だぁ!?地面が盛り上がって…」

ドズウウゥゥン!!

召喚士「くぅ…っ!」

召喚士と魔道士はバランスを崩し、その場へ座り込む。

盗賊「大丈夫かっ!?」

召喚士「はいっ!こちらは気にせず!」

盗賊「分かった!」
572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:35:34.88 ID:FS08rEQo
タンッ!!…

盗賊「…魔道士!」

魔道士「いつでもいけますっ!」

召喚士(流石は盗賊さんだな。足場を全くものともしていない…)

盗賊はただ一人、地響きの中を身軽に飛び回り間合いを詰める。

召喚士「行けっ!ユニコーン!!」

シュイィン…

召喚士「コカトリス!一緒に盗賊さんをっ!」

コカトリス「ああ!援護するっ!!」

ユニコーン「いっくよー!お姉ちゃんっ!!」

ユニコーンは勢いよく駆け出し、盗賊の後を猛スピードで追う。

魔獣「……ブゴオオォォ!!」

魔道士「撃ちますっ!」

盗賊「こいっ!」

魔道士は光り輝く両手で杖をかざし、大きな炎の塊が盗賊の頭上へと発生する。
573 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/08(火) 18:44:07.83 ID:FS08rEQo
ドドオオォォンッ!!…ゴアオオォォッ!!

盗賊「りゃあぁ!!」

ザシュッ!!

盗賊の放つ炎を纏った蜘蛛切の一撃が魔獣を直撃する。

盗賊「!?」

しかしその一撃は全く効果を見せず乾いた音を奏でながら、魔獣の鱗に弾き上げられた。

魔獣「ブグオオオオォォ!!」

ブオォッ!!

ユニコーン「たあっ!」

ドシィンッ!!

ユニコーン「今のうちに!!」

盗賊「!?……す、すまんっ!」

顔を振り上げる魔獣へ体当たりし、ユニコーンは盗賊の退路を開く。

魔道士「…そ、そんな…っ」

召喚士「炎も…通じないのか…っ!」
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/08(火) 18:46:28.60 ID:FS08rEQo
うあぁ…傘がない…それでは帰ります!
ご支援ありがとうございます!ノシ

>>554
触手は一番ギリギリの表現が出来るので…
擬音や呻き声も含め…

>>569
ググったら結構モロですねwモンハン面白そう…
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 18:49:28.54 ID:dYde1Y.o
>>574
ごめん…モンハンしたことないんだ…
コカトリスは経験豊富だから知ってるモンスター多いんじゃね?
って思ってググって書いた
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 18:52:05.63 ID:bQDg9UAO
引っ越しして一人暮らし始まってからまとまった読む時間がなくて辛い

せっかく師匠に励ましてもらったのに
やっぱり師匠程度じゃ所詮下ネタパワーしかみなぎらないのか…
やっぱりもう俺には魔導師ちゃんしか…
召還士loveだろうが関係ない 俺は俺の愛する魔導師ちゃんを思い続けるうんぬん
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 20:07:45.49 ID:fUdzOgDO
>>576
おい、俺の大好きな師匠を師匠程度なんて言うんじゃねえ!
自分の命を削ってまで朱雀界へ行ってコカトリスに召喚士の事をお願いしてくれたんだぞ!

あと白虎先生はババアじゃねえ!!

あ、>>1
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/08(火) 20:09:42.51 ID:2EtxXRc0
>>576
君は実に気持ち悪いなあ
579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 20:10:08.79 ID:fUdzOgDO
>>576
ごめん、言い過ぎた。
お前も新生活が始まって慣れない環境で大変なんだよな。すまんこ

一人暮らし頑張れ!
早く慣れて余裕が出来るといいな!
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 20:16:26.85 ID:ePZxmpIo
いつもの人に相応しいAAはこれしかないだろう
   _ ,、_,、   ,
  ゙フ ゙) 'д')__ノ,ミi マドウシチャーン ハァハァ
  i彡'^ヽ.  i―'゛
      〉  `--、          ,,,,,,,,,
     / / ̄フ/         ζ 'д)_ ウワーン、キモイヨー
   ,ノ/   レ'            ノ 1. r'
   レ'               ゙-'`ー'
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 20:53:25.58 ID:zuhBHVIo
これの小さい版は初めて見たwwwwww
582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/08(火) 21:27:04.99 ID:yS3C/sko
ちっちゃいと8頭身(? が可愛いんだがww
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:18:10.50 ID:5xkAhTwo
シュウゥゥ…

ユニコーン「大丈夫!?」

盗賊「ああ!すまぬっ!」

コカトリス「召喚士!」

召喚士「うん…っ!」

盗賊の無事を確認すると、コカトリスは低空飛行で魔獣へ近づく。

召喚士「頭部を石化して…動きを封じる!」

盗賊「魔道士!」

魔道士「はいっ!…雷ですね!」

タンッ!!

ユニコーン「ほらっ、こっちだよー!!」

魔獣「ブゴオオォォ!!」

巨大な口を開き雄叫びをあげる魔獣を牽制するユニコーン。

その動きに合わせ、上空よりコカトリス、地上から盗賊が再び接近する。

コカトリス「…さぁ、行くぞ!」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:18:39.13 ID:5xkAhTwo
バサッ…シュイイィン!!

魔獣「ガアアアアァァッ!!」

盗賊「今だっ!!」

ジャララッ……ビュオォッ!!

魔道士「いっけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァッ!!

盗賊の投げ飛ばす鎖めがけ、魔道士の放つ雷が付加する。

稲妻を帯びた鎖は蛇のように暴れまわり、魔獣の上顎へと絡みつく。

バチチッ!!

魔獣「グガアアアアァァ!?」

先端へ巻きつく鎖の電撃に、魔獣の動きが一瞬止まる。

その瞬間を逃さず、コカトリスが魔獣の眼前に現れ、大きく口を開く。

召喚士「行けぇっ!!」

コカトリス「…食らうがいいっ!!」

黒く濁った吐息が、魔獣の頭部めがけて放たれた。
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:26:12.47 ID:5xkAhTwo
ゴオオォォッ!!…

魔獣「ッ!!」

コカトリス「な…っ!?」

召喚士「っ!!」

ズズッ…ズゾゾオォ…

コカトリスによる石化の息は、魔獣を捉えたかと思われたが、

その直前、盾のように現れた木々の枝により、無情にも遮られる。

召喚士「くっ…!!」

ズゾゾッ!!

ユニコーン「まずいっ!?」

コカトリス「ぬう…っ!!」

周囲の木々からは二匹の召喚獣へもその枝を伸ばし、動きを封じる。

ユニコーン「足をとられたっ!?」

召喚士「仕方ないっ!」

召喚士が正面へ回ると同時に、二匹の召喚獣はその場より姿を消す。
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:26:58.33 ID:5xkAhTwo
シュイィィン…

召喚士「再召喚士を…っ!」

盗賊「飛べっ!!」

魔道士「召喚士さんっ!後ろ!!」

召喚士「!?」

ズズズッ……ガシィ!!

召喚士「しま…っ……」

背後より迫る枝が、召喚士の身体を縛りつけ、宙へと舞い上げる。

召喚士「く…うぅ…っ!!」

ギチチッ…

魔獣「ググオオオオォォ…ッ!!」

魔獣の前へと突き出された召喚士は、苦悶の表情を浮かべる。

それと同時に巨大な口が開かれ、口内より赤い輝きが増幅する。

召喚士「っ……!!」

魔獣「グゴオオオオォォ!!」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:27:32.25 ID:5xkAhTwo
魔道士「召喚士さぁん!!」

ドドオオォンンッ!!…ゴアオオオォォ!!

召喚士「ぐああぁぁっ!!」

魔獣の口より発せられた炎が、召喚士の身を包み込む。

着弾と同時に上下へ伸び、一本の大きな火柱となり、その身を焦がす。

ドドオオォォッ!!

盗賊「召喚士ぃーっ!!」

召喚士(………!?)

ゴポゴポッ…

召喚士(…み……水…!?)

火柱は外部より徐々に水柱へと変わり、召喚士の身体を消火する。

召喚士(…心地良い…なんだろうこの感じ)

オオォォ……バシャアァァッ!!…ドサッ

地面へと落下し倒れる召喚士は、駆けつけた一人の男をその目で捉える。

サモナー「おいで、マーメイド!!」
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:30:21.27 ID:5xkAhTwo
魔道士「…サ、サモナー…さん…!?」

盗賊「…!!」

召喚士「がはっ…!ごほ…っ!!」

ガシッ

サモナー「大丈夫かい?召喚士くん…」

召喚士「サ……サモナーさん…。どうして…」

サモナー「……遅くなってすまない」

サモナーは魔獣を睨みつけながら、召喚士へ腕を貸す。

召喚士「す、すみません…」

サモナー「初めて見るな…。なんだこいつは…」

魔獣「ブゴオオオオォォ!!」

サモナー「盗賊さん、召喚士くんを後方へ!」

盗賊「う、うんっ!」

盗賊は召喚士を肩に担ぎ、素早く後方へと下がる。

サモナー「さて……」
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:32:33.09 ID:5xkAhTwo
ザザッ…

召喚士「ぐっ…!」

魔道士「大丈夫ですか!?」

召喚士「ええ…。大事になる前になんとか助かりました…」

盗賊「…良かった」

ガサッ…

召喚士「っ!!」

魔道士「……マーメイドさん!?」

マーメイド「何とか間に合ったわ」

背後の草むらよりマーメイドが姿を見せる。

マーメイド「召喚士くん、大丈夫?」

召喚士「さっきの水はマーメイドさんの…」

マーメイド「ええ…。そのまま動かないで…」

召喚士「…?」

起き上がろうとする召喚士を止め、マーメイドは両手をかざす。
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:33:01.51 ID:5xkAhTwo
パアアァァッ…

魔道士「や、火傷が…っ!?」

召喚士「……す、凄い!」

マーメイド「洋服までは戻らないけどね…」

ボロボロに破れた上半身を見て、マーメイドは苦笑する。

マーメイド「ごめんなさいね。傷までは塞がらないけれど…」

召喚士「…充分です!」

破れた服を脱ぎ捨て、召喚士は立ち上がる。

盗賊「…いけるか?」

召喚士「ええ…!サモナーさんを援護しましょう!」

魔道士「はいっ!!」

三人は再び魔獣を見上げ、その巨体めがけ走り出す。

タッタッタッタッタ…

魔獣「ブゴオオオオォォ!!」

サモナー「くっ…!!」
591 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:34:15.54 ID:5xkAhTwo
ゴアオオォォッ!!

召喚士「大丈夫ですか!?」

サモナー「召喚士くん、もう平気?」

召喚士「ええ。お陰様で…!」

炎を回避し片膝をつくサモナーへ、召喚士が手を差し伸べる。

召喚士「炎や物理攻撃は効きません…」

サモナー「トドメは君に任せるよ」

召喚士「…はい!」

四人はその身を寄せ、密集した状態で攻撃に備える。

魔獣「グブオオオオォォ!!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

サモナー「おいで、ケルピー」

シュイィンン…

二人の召喚士による詠唱により、二匹の召喚獣が姿を成す。

見慣れた大鳥と、ケルピーと呼ばれる水を纏った馬のような召喚獣である。
592 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 17:37:30.86 ID:5xkAhTwo
バシュウゥッ!!

大きく上空へ羽ばたくコカトリスを確認し、二人の召喚士は左右へ散る。

その中央後方では盗賊が刀を構え、背後の魔道士が魔力を増幅する。

サモナー「あまり時間はかけたくない…」

召喚士「……チャンスは一度!」

魔獣「グボオオオオォォッ!!」

布陣をお構いなしに、魔獣は口を開け、炎を溜める。

キュイイィィ…

サモナー「今だっ!」

サモナーの指示に従い、ケルピーが魔獣の左足方向へと駆ける。

ドズンッ!!……バシャアアァァッ!!

魔獣「!?」

ケルピー「……ふんっ」

その刹那、魔獣の左足が地中へ大きく沈む。

その大きな左足の下には、巨大な水面が池のように広がる。
593 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 18:14:59.51 ID:5xkAhTwo
ガクンッ!!

水面に引き摺り込まれる様に、魔獣は足を取られバランスを大きく崩す。

召喚士「よぉし!!」

盗賊「いやっ、まだだ!!」

タンッ!!…タタタタ…

盗賊が叫び、召喚士とサモナーの間を抜け、魔獣へ駆け寄る。

魔獣「ウウウウゥゥ…ッ!!」

ズズッ…ズズズッ…

足元を掬われよろける魔獣を庇うように、無数の枝が再び伸びる。

盗賊「はあっ!」

タンッ!!…タタタッ…シュバッ!!

盗賊はその枝の上を器用に飛び跳ね、次々と斬り落とす。

サモナー「は…はは。凄いな…っ」

盗賊「ここで…っ、活路を……」

召喚士「盗賊さん!背後っ!!」
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 18:17:12.14 ID:y4ARA2DO
>>1
どうしてもコカトリスの大きな姿が想像できない。
SFCのFF4召喚みたいな感じ。
595 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 18:25:52.14 ID:5xkAhTwo
盗賊「!?」

母体の枝から小さな枝が針のように飛び出し、背後より盗賊めがけ迫る。

魔道士「やあっ!」

ドドオオォンンッ!!…ボゴオォォ!!

盗賊「…流石っ!」

魔道士「はいっ!!」

魔道士の放つ土壁に背を守られ、盗賊は再び枝の上を走る。

盗賊「これで…っ…どうだ!!」

ズバッ…ザシュウゥッ!!

召喚士「空いたっ!コカトリス!!」

コカトリス「おう!!」

盗賊が斬り拓いた隙間より魔獣の顔を確認するコカトリス。

その口は大きく開き、冷たい石化の吐息を溜め込む。

召喚士「魔力を……もっとっ…!!」

コカトリス「はあぁっ!!」
596 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 18:27:01.21 ID:5xkAhTwo
魔獣「グゴオオオオォォッ!!」

猛スピードで急降下する召喚獣に対し、魔獣は抵抗の素振りを見せる。

両者の口が開かれ、互いの口内へ吐息と光が集約する。

サモナー「マーメイド!」

サモナーはすかさずマーメイドを呼び、火球を放つ魔獣の前に水壁を形成する。

巨大な水壁は魔獣の放つ火と衝突し、大量の水飛沫がその場に飛び散る。

サモナー「く…っ!……魔力が…」

召喚士「行けっ!スキュラ!!」

シュイィン…

スキュラ「…はぁ!!」

ドドオオォォンッ!!

サモナー「!?」

召喚士「これで…っ…どうだぁ!!」

マーメイドの水壁にスキュラの水撃が合わさり、その大きさと厚みを増し始める。

ドドオオォォンッ!!……バシュウウゥゥッ!!
597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 18:27:35.92 ID:5xkAhTwo
火球は水壁へ完全に飲み込まれ、水蒸気となってその形を消失した。

コカトリス「これで……邪魔はないっ!」

シュオオォォッ…

コカトリスは大量に溢れる水蒸気の中より姿を現し、一直線に魔獣へ向かう。

コカトリス「……はあぁっ!!」

ゴアオオオオォォォォ……

魔獣「グ…ッ……ガアアアアァァッ!!」

放たれた石化の息が一瞬で魔獣の顔、左部分を飲み込む。

もがく様に顔を左右へと揺さぶるが、徐々に顔半分を灰色に染めていく。

召喚士「……っ」

魔道士「や、や…った!?」

魔獣「グアオオオオォォ……ッ!!」

ドズウゥンッ!!…ズズンッ!!…ズズウウゥゥ…

盗賊「逃げるぞ!?」

サモナー「追い討ちは危険です…!」

地中へと潜り込む魔獣の姿を追跡しようと飛び出す盗賊を、サモナーが諌める。
598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/09(水) 18:28:41.16 ID:5xkAhTwo


コカトリス「反撃の…反応はないな…」

召喚士「……」

盗賊「…枝も…動きを止めたな」

魔道士「終わり…ですかね…?」

召喚士「…ええ。……ぐく…っ!」

ガクッ…

サモナー「おっと…。大丈夫かい?」

召喚士「す、すいません…。ちょっと魔力を…使いすぎたみたいで…」

ふらつく召喚士を支え、サモナーが心配そうに見つめる。

盗賊「…一度…退こう」

サモナー「それが賢明だね。西国の砦まで退がろうか…」

シュイィン…

召喚士「は、はい…」

二人が顔を見合わせると同時に、周囲から召喚獣が消える。マーメイドを残して。
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/09(水) 18:35:30.59 ID:5xkAhTwo
それではここいらで!ご支援感謝感謝っ!ノシ

>>576
黄色い救急車をお奨めします。…嘘です
dat落ちもしないしまとめても頂いてるのでのんびりご覧下さいー

魔道士「ちゃんとご飯食べてますか?もし良かったらご飯作りに行
師匠「弱音吐くのはもっと耐えてからにしろ!バカヤロウ!」

>>594
適当でいいですよー
強いて言うなら魔力とともに日々大きくなってる感じですかね
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 18:38:44.14 ID:hdpASR.o
久々にリアルタイムで見た
>>1乙!
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 19:21:51.91 ID:7DQ2sQDO
>>1乙!
召喚士は格段に強くなってるよな
召喚士好きな俺としては嬉しいぜ。

パーティーがコカトリスの石化の息と毒の針で攻撃翌力は高いけれど
他が未熟だった頃とかを読み返すと今の成長っぷりに胸が熱くなるな!
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 20:56:48.25 ID:4wpBxlAo
    ∩_∩
   / \ /\
  |  (゚)=(゚) |  
  |  ●_●  | 
 /        ヽ 
 | 〃 ------ ヾ |
 \__二__ノ 
603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/09(水) 21:28:43.98 ID:KY.DnS.0
>>602
なんか喋れよwww
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 21:40:22.20 ID:kYVuDjQ0
すごい…一体感を感じる……!
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [[sage]]:2010/06/09(水) 21:50:19.64 ID:CQEwma.0
イソジンのかば君が怒ってるの?
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/09(水) 22:37:41.60 ID:1vnjHoDO
かばおくんだよ
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/09(水) 23:14:43.64 ID:YF829AMo
マキバオーは関係ないだろ
608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 00:17:03.16 ID:glD1lngo
〜西国、西の砦〜

盗賊「……朝だ」

盗賊は砦の奥、東から登る太陽を見つめてつぶやく。

魔道士「本当だ…。いつの間に…」

サモナー「…どうやら助かったみたいだね」

砦の脇に巻き上がる砂塵をサモナーが指差す。

ドドッドドッドドッ…

召喚士「…西国の…兵…!?」

サモナー「そのようだ…。砦で休ませて貰えそうだね」

騎馬隊は砦の正門を通過し、徐々にこちらへ近づいて来る。

ドドッドドッ…ドドッ…

親衛隊「…やはり…そうであったか!」

召喚士「……?」

魔道士「あ、あの……」

一人の親衛隊が下馬し、盗賊の前へと歩み寄る。
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 00:18:20.02 ID:zRB/icDO
触手か…一瞬あっちかと思ったよ
610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 00:23:48.04 ID:glD1lngo
ザッザッザ…

盗賊「……あ、あの」

親衛隊「覚えて…らっしゃいませんか…?」

盗賊「……?」

親衛隊「一年以上前、ヴァンパイア討伐の時…」

盗賊「…あ…っ」

親衛隊「その時…生き残った者の一人です。今は親衛隊長を…」

親衛隊は緊張からかもじもじと小声で盗賊へ説明を続ける。

親衛隊「あの時、森で貴方に…貴方の強さに驚嘆致しました」

盗賊「……う、うん」

親衛隊「改めて、ありがとうございました!」

召喚士「あの時の…生き残りの…!?」

親衛隊「はい。3人の内の一人です…」

魔道士「そうでしたかぁ…」

喜ばしい事ながらも素直に喜ぶわけにはいかず、神妙な面持ちで一同は沈黙する。
611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 00:31:27.68 ID:glD1lngo
親衛隊「あっ、とにかく…此度はまことありがとうございました!」

魔道士「い、いえっ…魔物はまだ完全に倒したわけではなく…」

親衛隊「分かっております…」

召喚士「……?」

サモナー「えぇと…それはつまり…?」

親衛隊「続きは砦の中でお話しましょう。さぁ、どうぞ」

親衛隊の案内により、一同は砦内へと足を進める。

ザッザッザ…

親衛隊「いやぁ、本当なら王子も来れれば良かったのですが…」

召喚士「…!?」

魔道士「王子様が…ですか?」

親衛隊「ええ。通常なら王子が率先するのですが、今回は珍しく来客の為そのまま西国に…」

召喚士「そうでしたか…。残念…」

親衛隊「さ、お入りください」

召喚士「あ、すみません」
612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 00:35:43.78 ID:glD1lngo
〜西国の砦、応接室〜

コトッ…

親衛隊「どうぞ」

魔道士「ありがとうございます!エヘヘッ!」

召喚士「それで…先程の続きですが…」

親衛隊「ええ。通常なら魔物から襲ってくる事はありません…」

サモナー「……ほう」

親衛隊「ですから、こうして全軍引き揚げる事も出来たのです…」

盗賊「……では…何故?」

親衛隊「あの山に棲む魔物は決して自ら襲いかかる事はありませんでした。過去一度も…」

魔道士「それって…つまり…」

召喚士「何者かが…足を踏み入れたが為に…!?」

親衛隊「以外は考えられません…。町には触れ書きを出しておいたのですが…」

サモナー「外部の…者…」

召喚士「可能性はありますね…」
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 01:28:20.25 ID:zwMjpsAO
寝たのかな?

>>1おつ
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 07:22:21.72 ID:z/bZFYSO
おはよう乙
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 08:40:42.45 ID:r5PnpoAO
変なツイッター消えとるね
完結するまで宣伝は控えるべきやないかな?
読者は多いし変なの沸くと困るし
完結したらみんなで派手に宣伝してやろうジャマイカ
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 09:27:24.63 ID:YsjrbMSO
何年後の話だよwww
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 10:03:55.83 ID:uNCbO5so
ニコ厨[ピーーー]
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 10:27:42.21 ID:uNCbO5so
しね
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 15:37:42.91 ID:xSU.J2AO
>>617-618
えっ
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 16:01:42.35 ID:KElGmUQo
saga知らないとかどんだけーと釣(ry
sage知ら(ry
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 16:27:45.48 ID:uNCbO5so
>>620
622 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:22:43.02 ID:VlWhtqEo
盗賊「……」

魔道士「人なんて、居なかったですけどねぇ…」

サモナー「ええ…」

召喚士「盗賊さんは何か感じました?」

盗賊「…いや…特に」

親衛隊「その辺りは我々が調査させて頂きます」

召喚士「よろしくお願いします」

親衛隊「察するに、一度退いたからには問題ないでしょう」

召喚士「町の人には改めて伝えておいた方が良さそうですね」

サモナー「ええ。魔物が接近していると感じている節がありましたから…」

召喚士「近づいたわけではなく、あくまで棲み付いている…」

盗賊「……」

召喚士「結界で封じるよりは、人間が立ち入れないようにした方がいいですね」

親衛隊「分かりました。立て札以外にも見張り台などを設けるよう検討しましょう」

サモナー「宜しくお願いします。町の人は僕から伝えておきます」
623 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:23:12.10 ID:VlWhtqEo


親衛隊「では…お気をつけて」

魔道士「ありがとうございますっ、王子様にもよろしくお伝え下さい!」

親衛隊「承知しました。戦士先生にも是非宜しくと…」

盗賊「…先生?」

親衛隊「ええ!以前稽古をつけて貰いましたので…」

召喚士「あ…そういえば…っ」

親衛隊「あれからますます腕をお上げになられているのでしょうね」

魔道士「…はい!もちろんですとも!」

親衛隊「我らも負けぬよう頑張ると、そうお伝え下さい!」

盗賊「…相分かった。…必ずや」

サモナー「では…行きましょうか」

召喚士「それでは失礼します」

魔道士「皆様もお元気で!それでは…!」

四人は門の前にて一礼し、西国の砦を後にした。
624 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:23:38.38 ID:VlWhtqEo
〜北方、北西の村〜

テクテクテク…

戦士父「着いたぞ。ここが北西の村だ」

戦士「……ここも…ヒデェもんだな」

戦士父「ああ。滅んで何年が経つだろう…」

一部には草木が生え廃墟と化した無人の村を、沈痛な表情で二人は見つめる。

戦士「ここにもドラゴンの巣ってのがあるのか?」

戦士父「…それを調べに来たんだろうが」

戦士「…全て把握してるってワケじゃねぇんだな」

戦士父「……行くぞ」

テクテクテクテク…

戦士「地上には見あたらねぇな」

戦士父「北東の村と同じく、おそらく地下だろう…」

戦士「じゃあ、どっかに入り口があるってか…」

戦士父「民家や茂みを手分けして探すぞ」
625 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:24:11.55 ID:VlWhtqEo


戦士「うーん……」

ガサッ…ゴソゴソッ…

戦士「ねーなぁ…」

戦士父「戦士っ!」

草むらを掻き分ける戦士を呼ぶ声が、遠くから響き渡る。

戦士「!?……見つけたかっ!」

タッタッタッタッタ…

戦士(…教会…!?)

十字架のそびえる屋根をくぐり、内部へ足を踏み入れると、

正面奥に佇む祭壇の脇に、戦士父が片膝を立て戦士を手招きする。

戦士「ここかっ!?」

戦士父「見ろ…。おそらく避難用の壕になっているのだろう」

戦士「……なーるほどな」

戦士父「……これを見ろ」
626 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:25:01.95 ID:VlWhtqEo
戦士父は地下へと続く階段の一部分の指差す。

戦士「……足跡!?」

戦士父「ああ。埃のせいでくっきりと残っている…」

戦士「つまりまだ新しい…。こっちは随分小さいな…子供か?」

戦士父「……或いは女か。行くぞ」

戦士「お、おうっ」

松明に火を灯し、ゆっくりと階段を降りる戦士父を戦士が後から追う。

コツコツ…カツコツカツ…

戦士「……結構下るなぁ」

戦士父「右へ右へと曲がっている…。村の中央部分に当たるのか?」

しばらく続く階段を降り進むと、短い通路の奥に扉が見える。

戦士「扉が閉まってる…。あの奥か…」

戦士「……待て!」

戦士「…!?」

戦士父「扉の前……。人…か!?」
627 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:25:51.61 ID:VlWhtqEo
テクテク…テク…

戦士「親父…気を付けろよ?」

戦士父「ああ」

地下扉の前へうつ伏せに倒れる人の姿。その目の前へ戦士父は足を進める。

戦士父「女…?まだ息があるな…」

戦士「……アンデッドか?」

戦士父「そこまでは判断つかん。だが、生きている」

戦士「若いな。ワーカーかな?」

女「………う…っ」

戦士「!?」

戦士父「……」

呻き声を上げゆっくりと目を開ける女を、戦士父は仰向けにし、顔を起こす。

女「……!?…ひ…っ…!」

戦士父「落ち着け…ワーカーの者だ。自分の名前は分かるか?」

女「……ウ…ウィッチ…」
628 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:26:24.75 ID:VlWhtqEo
〜西端の町〜

魔道士「戻ってきちゃいましたけど…大丈夫ですかね?」

召喚士「彼らも把握しているようですし、任せましょう」

サモナー「うん、問題ないと思うよ。さて…」

盗賊「……」

サモナー「僕は早速みんなに近寄らないよう促してくるよ」

召喚士「お願いします」

サモナー「集合はここでいいかな?それじゃまた後で…」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…どうする?」

召喚士「…ワークショップへ行きませんか?」

魔道士「ワークショップ…ですか?」

召喚士「ええ」

盗賊「…何か…依頼か?」

召喚士「……手紙を書きましょう。…戦士に」
629 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:26:58.94 ID:VlWhtqEo
〜北西の村、地下壕〜

ウィッチ「……」

戦士「そんで、お前さんは他のワーカーとここへ来たんだな?」

ウィッチ「…そうでございますわ」

ウィッチは虚ろな表情で言葉を返す。

戦士父「他の者はこの奥へ入っていった…」

戦士「んで、一人上で待機していた…と」

ウィッチ「帰りが遅いので…降りて来たでございますわ」

戦士「……」

戦士父「内部で何かあった可能性が高いな」

戦士「……行くか」

戦士父「気を付けろよ…?」

戦士「了解っ!」

ウィッチ「い…行くでございますか…?」

戦士「お前は上で待機してな」
630 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:27:31.04 ID:VlWhtqEo
ウィッチ「わ、私も行くでございます!」

戦士父「…君は戦えるのか?」

ウィッチ「…こう見えても、一応魔道士でございます」

戦士父「何が出来る?」

ウィッチ「火と土と…木行を少々…」

戦士「付加は?」

ウィッチ「そのような高等なものは……」

戦士「やっぱり危ねぇな…。地上で…」

戦士父「……分かった」

戦士「!?」

戦士父「その代わり、後方で補佐だけ頼む」

ウィッチ「分かりましたでございます…っ!」

戦士「・・・いいのか?…ボソッ」

戦士父「目の離れた所よりは近場に居た方が守りやすい」

戦士「……そっか」
631 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:28:35.35 ID:VlWhtqEo
戦士父「そんじゃ行くぞ」

戦士「おうっ!」

ウィッチ「はっ、はいでございます!」

二人の男は並んで立ち、長得物を右手で構える。

戦士「……」

戦士父「お前、槍は苦手か?」

戦士「え…っ?」

戦士父「構えがぎこちない。無理に不得手の武器を使う事はないぞ」

戦士「…お見通しかよ」

戦士父「貸せ」

パシッ

戦士「あっ…!?」

戦士「近接は任せる」

戦士「……得意分野だ!」

戦士父は鼻で笑い、ゆっくりと扉を開いた。
632 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:29:32.33 ID:VlWhtqEo
ギイイィィ…

戦士「……っ!!」

戦士父「想像以上だな…!」

戦士「…下がってろっ!」

ウィッチ「は…はいでございますっ!」

地下壕内で小さく呻き声を発する、翼の生えた小さな魔物達。

孵化したばかりのそれらはまだ子供と思しきドラゴンの群れである。

ドラゴン「グルルルルウウゥゥ…」

戦士「卵から孵ってやがる…っ!」

戦士父「小さいと言えどドラゴンだ。油断はするなよ!」

戦士「おうっ!」

返答と同時に戦士が正面の群れに飛びかかる。

タンッ!!

戦士父「奴の援護を頼むぞ!」

ウィッチ「はいでございます!!」
633 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:30:19.40 ID:VlWhtqEo
ドラゴン「グルアアアアァァ!!」

戦士「うおりゃああぁぁ!!」

両足を突き出し襲い掛かるドラゴンを右へかわし、

戦士の右手は素早く腰の柄へと伸び、それを抜刀する。

ザシュッ!!

戦士「次ぃ!!」

鞘より抜かれた刃先が電工を放ち、小さなドラゴンを一刀の下に斬り伏せた。

戦士父「右は任せたぞ!」

戦士「おうっ!」

初動を確認し安心したのか、戦士父は左へと走り、前衛は二手へと分かれる。

戦士父「……ん?」

タッタッタ…

戦士父「こっちも…ゾディアックか…」

先程奪い取った戟の一部を見て、戦士父はつぶやく。

戦士父「なんとも不思議なものだな…」
634 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:30:56.30 ID:VlWhtqEo
ドラゴン「ガアアアアァァッ!!」

正面上空より迫り来るドラゴン達へ向け、戦士父は右手の槍を投擲する。

戦士父「…ふんっ!!」

ググッ…ブオンッ!!

ドラゴン「!?」

槍は上空の二匹を貫き、そのまま山なりに落下を始める。

戦士父「……はぁ!!」

ザシュッ!!…サクッ!!…ブンッ…ザシュウゥッ!!

戦士「す…っげ…!」

敵をお構いなしに猛進する戦士父は、手にする戟で

一瞬の内に三匹を絶命させ、更に奥深くへとひた進んでいく。

戦士父「おおぉ!!」

バシュッ!!…ザクゥ!!

やがて周囲の数匹を斬り落とした後、落下する槍を右手で受け取り、

再び二本の槍を身体の前で身構えた。
635 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:31:29.64 ID:VlWhtqEo
戦士父「ぼさっとしてんな!」

戦士「お、おうっ!」

ウィッチ「…す……すご…っ…」

戦士父「ふんっ!!」

戦士「っりゃああぁぁ!!」

二人の男により小さなドラゴン達は、簡単にその数を減らしていく。

ドラゴン「グ……グルアアァァ!!」

ウィッチ「はっ…!?」

戦士「後ろかっ!?」

戦士の背後より一匹のドラゴンが炎を吐き出す。

ドドオォンッ!!…ボゴオォ!!

戦士「土壁…!?ウィッチか!?」

ウィッチ「…間に…合った!?」

炎は土に覆われた壁に防がれ、黒煙となり周囲から消える。

戦士「へっ…。やるじゃねぇか!」
636 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:32:35.08 ID:VlWhtqEo
ズバッ!!…ガカアァッ!!

ドラゴン「グギャアァ!!」

戦士父「……ふんっ」

二人の動きを見つめ戦士父は小さく微笑み、再び走り出す。

戦士父「うおぉっ!!」

ブンッ!!……ザクウゥッ!!

強く握られた右手から、再び槍が投擲される。

最前面に位置するドラゴンはかろうじて避けるも、片翼を失いふらふらと落下する。

戦士父「……あと…少し!」

ダンッ!!……ブオッ…ザシュウウゥ!!

落ちてくるドラゴンを宙で真っ二つにし、返す戟で槍の落下点にいる魔物を薙ぎる。

戦士「……ふー」

……パシッ!!

戦士父「…こっちはあらかた…片付いたかな」

落ちてきた槍を受け取りながら、戦士父は右方の二人を覗き込んだ。
637 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:34:56.35 ID:VlWhtqEo
ザクゥ!!……ザンッ!!

戦士「……よっし!」

ドドオォンッ!!…ゴオオォォ…

ウィッチ「……はぁ…はぁ…!」

戦士「もう大丈夫だ!下がっててくれや!」

ウィッチ「は、はいでございますわ!」

テクテクテクテク…

戦士父「終わったか…?」

戦士「ああ。親父も…?」

戦士父は無言のまま親指で背後を指す。

戦士「……すげ」

戦士父「途中、幾つか人骨があった…」

ウィッチ「……っ!!」

戦士父「おそらく…既にやられちまってる」

戦士「…だろうな。人の気配を全く感じねぇ」
638 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 17:36:36.97 ID:VlWhtqEo
戦士父「ここも焼いておくぞ」

戦士「おう。…頼んだぜウィッチ」

ウィッチ「……?」

戦士「炎で地下壕を焼き払ってくれ」

ウィッチ「……は、はいでございます…っ!」

ウィッチは目を瞑り、ゆっくりと杖を身体の前へ掲げる。

キュイイィィ…

ウィッチ「………」

イイィィ……ドドオオォォンッ!!…ゴオオォォッ!!

ウィッチの杖から放たれた炎は左右二手に分かれ、壁沿いに地下壕を包み込む。

戦士父「よーし…いいだろう。行くぞ」

戦士「……ああ」

ウィッチ「……っ」

三人は燃え広がる炎をじっと眺める。

しばらくの後、戦士父がそっと扉を閉じ、その場を後にした…。
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 17:57:23.62 ID:rzyJxMDO
戦士父ってなんかディルムッド・オディナみたいだな
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 18:05:41.62 ID:5DXbltQo
何箇所か父がぬけてるっぽいなwwwwwwwwwwwwwwww
戦士ばっかりだしなwwwwwwwwwwwwwwww
641 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 18:08:26.74 ID:VlWhtqEo
〜西端の町〜

召喚士「…では、これでお願いします」

店員「はい。お預かり致します」

ワークショップの店員は、三通の手紙を受け取る。

魔道士「お願いしますねっ!」

カチャ…テクテクテク…

召喚士「戦士への報告はこれでオッケーっと…」

魔道士「盗賊さんはあんなに長く、何を書いてたんですか?」

盗賊「なっ、内緒だ!」

召喚士「あ、サモナーさん」

サモナー「丁度良かった。町長と酒場諸々に伝え終わったよ」

魔道士「それじゃ…ご飯にしましょうか!」

召喚士「そうですね!空腹で…ははっ…」

盗賊「……うん」

サモナーと合流し、四人は食事処へと場所を移す。
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/10(木) 18:13:58.21 ID:VlWhtqEo
ああああ本当だすみません…!
>>631
戦士父「近接は任せる」

>>636
戦士父「……ふー」

あとこれも…
>>633
鞘より抜かれた刃先が電光を放ち、小さなドラゴンを一刀の下に斬り伏せた。
643 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 18:16:28.08 ID:VlWhtqEo
〜食事処〜

魔道士「いっただきまーす!」

召喚士「マーメイドさんは…?」

サモナー「流石に人前では出せないよ…」

召喚士「そっか…。召喚獣ですもんね…」

サモナー「いや…それもあるけど…その…」

盗賊「……?」

魔道士「召喚士さんっ。マーメイドさんは洋服を着てないんですよ!?」

召喚士「……あ…っ!」

サモナー「お、お恥ずかしい…」

魔道士「優しいんですね、サモナーさんっ。えへへ!」

盗賊「…モグモグ」

サモナー「そ、それで…次はどこへ行くんだい?」

召喚士「あっ…え、えぇとですね…!」
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 18:19:28.45 ID:5DXbltQo
あとここも?
>>626
戦士父「……待て!」
645 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/10(木) 18:22:24.94 ID:VlWhtqEo
盗賊「……」

召喚士「戦士の動向も気にはなりますが…」

サモナー「…うん」

召喚士「一旦は本国へ向かおうかと思います」

魔道士「本国…ですか!?」

サモナー「……青龍先生かい?」

召喚士「…はい」

盗賊「……青龍先生」

召喚士「あの方は唯一、魔王を倒した実績のある生存者です」

サモナー「…そうだね。しかも召喚士だ」

召喚士「以前はやんわりと交わされてしまいましたが…」

サモナー「召喚術についてのノウハウはあの方が一番詳しいだろうからね」

召喚士「はい」

サモナー「うまくいけば…五つ目の召喚獣に関する鍵も…」

召喚士「はい…。分かるかもしれません」
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/10(木) 18:25:16.81 ID:VlWhtqEo
>>644
お恥ずかしい…その通りでございます…

ちょっと頭冷やしてきます!…残業という名の…
ご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 19:11:42.36 ID:PCwiGzco
ウィッチは魔導のウィッチでいいんだよな
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 19:52:49.97 ID:DhtYNkAO
>>1

師匠に、下ネタの、下品の化身であると言っても過言ではない師匠に、バカヤロウと渇を受けた…感動だよ
でも今はそんなのは隅の隅に置いといて、魔導師ちゃんにご飯作りにきてもらいたいな!この際存在が文字列だけとか細かいことは気にしないからさ!
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 20:07:10.22 ID:J.is2u2o
ウィッチ「ファイヤー!」

ドラゴン「がおー!」

ウィッチ「サンダー! ブレインダムド!」

ドラゴン「がおー!」

ウィッチ「 じゅげむ!」

ドラゴン「がおー!」
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 20:17:53.13 ID:rbVQ3JEo
俺「ばっよえーん」
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 20:21:06.16 ID:LQeto/6o
つかユニコーンの前の召喚獣は一体どうなったのだろうか
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 20:52:30.85 ID:vEu3/2DO
>>1乙!
残業は終わったかな?
おつかれさま
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/10(木) 22:19:34.19 ID:g0sMOAAO
VIP落ちたか?
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/10(木) 23:33:01.83 ID:xSU.J2AO
>>653
そんなにVIPPERが時の記念日を重視していたとは露知らず
655 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:07:11.66 ID:o3mWSoko
魔道士「まずは…本国ですね…」

召喚士「…構いませんか?」

魔道士「…はい。私は大丈夫です」

盗賊「……」

召喚士「じゃあ、今日の夜にでも早速船に…」

サモナー「召喚士くん…」

召喚士「はい…?」

サモナー「一つ、お願いを聞いて貰っても良いかな?」

召喚士「……はい」

サモナー「…僕も…一緒に連れて行ってくれないかい?」

魔道士「えっ!?」

召喚士「サモナー…さん…!?」

サモナー「あっ…お邪魔ならいいんだ……」

召喚士「いやいやっ!邪魔だなんてそんな…っ!」

サモナー「…本当かい?」
656 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:07:47.23 ID:o3mWSoko
魔道士「もちろんですよっ!ねぇ!」

盗賊「…ああ…!」

召喚士「でも…良いんですか…?」

サモナー「……ああ、いいんだ」

盗賊「……」

サモナー「自分を偽って生きるより…正直に生きた方がいい…」

魔道士「サモナーさん…」

サモナー「気づけたのは君達のお陰かもしれないね…」

召喚士「……そうですか。なら、こちらこそ是非!」

サモナー「…ありがとう!」

魔道士「頼もしいですっ!エヘヘ!!」

盗賊「…よろしく」

サモナー「じゃあ一旦、荷支度をするから…また後ほどここで」

召喚士「分かりました。船の手配は済ませておきます!」

サモナー「うん。ありがとう」
657 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:08:17.67 ID:o3mWSoko
〜北西の村〜

ウィッチ「改めまして…。ウィッチでございます」

戦士「戦士だ。んで、こっちが親父…」

戦士父「君以外の人間は、全て地下壕へ…?」

ウィッチ「……そうで…ございますわ」

戦士父「…そうか」

戦士「何人ぐらいいたんだ?」

ウィッチ「フォーマンセルが4組…16人でございます」

戦士「結構な数だな…」

戦士父「ワークショップの依頼…じゃないよな…?」

ウィッチ「詳しくは知らないのでございますが…おそらく…」

戦士「どういう事だ?」

戦士父「後付け功績だよ」

戦士「何だそれ…?」

戦士父「依頼でも何でもないが、先に功績上げてランク上げるってやつさ」
658 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:08:45.47 ID:o3mWSoko
戦士「ああ、そういう事か…」

戦士父「ウィッチ…だったか?」

ウィッチ「はい…でございます…」

戦士父「家は…?今いくつだ?」

ウィッチ「20歳でございます…。家は本国に両親が…」

戦士父「そうか…」

戦士「連れて帰るか…」

戦士父「……だな」

戦士「…さーて、飯にすっか」

戦士父「お前何か作れるのか?」

戦士「いんや……」

ウィッチ「そ、それでしたら…私が…っ!」

戦士「お、そうか?すまねぇ…」

ウィッチ「いいえっ、この程度…恩返しにもならないでございます…」

戦士父「そんな気にする事は……」
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:09:21.47 ID:o3mWSoko
ウィッチ「み、水を汲んで来るでございますっ!」

タッタッタッ…

戦士父「……」

戦士「なぁ、親父」

戦士父「ん?」

戦士「親父も…本国行くんだよな…?」

戦士父「…どう思うんだ?」

戦士「……」

戦士父「本国じゃ顔が割れ過ぎてる。無理だな…」

戦士「いいじゃねぇか!総司令直々の捜索願いなんだろ!?」

戦士父「それがネックなんだよ…」

戦士「……?」

戦士父「お前はこのままのこのこ本国行って…何も無いとでも思ってるのか?」

戦士「……いや」

戦士父「何かあるから捜してんだろ…?そんなもんはまっぴらだ」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 00:15:25.49 ID:o3mWSoko
戦士「でも…よ…」

戦士父「4年後だろ…?刻が来れば嫌でも顔を合わすさ」

戦士「……」

戦士父「そうだ…。4年と言ってもな、正確には4年を切ってるぞ」

戦士「…っ?」

戦士父「日蝕ジャストに動いても後手だ。国軍はおそらく来年あたりから動き始める…」

戦士「!?」

戦士父「…お前も覚悟と準備…進めておけよ」

戦士「そ、そうか…!そうだよな…っ」

テクテクテク…

ウィッチ「んっしょ…!」

戦士「……ほれ、貸してみ」

ウィッチ「!?」

両手で重そうに持ち運ぶ桶を、戦士はひょいと奪い取り、片手で運んで行く。

ウィッチ「あ…ありがとうございます」
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 00:23:26.98 ID:SD7pYYDO
戦士は、ウィッチと新たにフラグを立てた
召喚士は…まさかマーメイドNTRか?

しかし、戦士父がどうしても味方に見えないのは、俺がひねくれてるのか?

>>1は毎日凄いよな…乙!先に寝させてもらいます。
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/11(金) 00:26:37.37 ID:bKLPcuU0
ウィッチと聞くとぷよぷよのあいつで再生されてしまう
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/11(金) 00:37:21.68 ID:o3mWSoko
眠くなってしましました…寝させて頂きます…!
ご支援ありがとうございましたー!それではおやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

それはまだサモナーがこの町へ来て間もない頃…

サモナー「ほら、ここが西端の町だ。水も綺麗だろう?」

マメイド「本当…。素敵な所ねっ!」

サモナー「気に入って貰えたようで良かったよ」

マーメイド「…あら、何かしら…?」

青年「お、おい…上半身裸だぞ…!?……ハァハァ」

老人「目の保養になるのぅ…はぁはぁ」

おじさん「それよりも…足が…っ!?はぁはぁ…」

へんたい「ハァハァハァ…!!ハァハァ」

マーメイド「ど、どうも…っ。こんにちは…」

サモナー「………」

それ以来、サモナーは人前にマーメイドを晒す事はなくなったと言う…。
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/11(金) 01:03:43.23 ID:sr2Zmbso
マメイド乙
665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 01:05:20.45 ID:9mWrI.6o
豆井戸
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 01:13:28.98 ID:5gT3gEDO
おやすみなさい+乙でした
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 01:14:45.53 ID:VqhkFloo
マーメイドは陸上ではどうやって移動してるんだろうか
ぴちぴち
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 01:24:13.91 ID:oc0WiAAO
サモナーがマーメイドとセクースする場合どこに突っ込めばいいのかね?
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 02:08:20.09 ID:5mNOphc0
ゲス野郎
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 02:13:27.25 ID:jSBFkIAo
卵にかけるんじゃね?
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 06:42:39.23 ID:dL/CloDO
>>667
人魚は歩けないあなたは知らない
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 11:35:14.58 ID:sPtGOoDO
>>1
最近は1日2回更新が多くて嬉しいぜ。
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 12:18:16.98 ID:z5s872SO
お疲れ様です。
毎日楽しみにしてます。
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 12:58:32.49 ID:OabIpgAO
サモナーさんに青龍嬢の事を伝えないのかしら
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 13:24:28.61 ID:iqEqlLM0
仁侠と書いて、にんぎょと読むきん!
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 13:31:52.71 ID:q4nNzvoo
白虎じゃなかったっけ?
677 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 13:40:51.82 ID:pK5fkQ2o
玄武娘は自分で会いに行くからやっぱりいいって言ってたような。
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 15:47:52.74 ID:pknrfFso
そういやサモナーさん、自分の仲間が既に全員お亡くなりになってるの知ってたっけ?
679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/11(金) 16:47:26.83 ID:ahe4TcDO
知らないよ。伏せてあるはず。
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/11(金) 17:07:50.40 ID:4ROI/ico
こんにちはー。支援が沢山!感謝感謝ですー!
皆さんフラグとか覚えてて頂けて嬉しいですね!
ユニコーンとか玄武娘とか短髪とかはこの辺で一気に片付ける予定っすー
↓続き
681 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:09:04.23 ID:4ROI/ico
〜西端の町〜

サモナー「お待たせ」

召喚士「いえいえ。こちらも手配完了です」

魔道士「夜の船で、そのまま寝て…朝には本国ですね!」

召喚士「そうです。部屋もたまには豪華な…」

魔道士「本当ですかっ!?やったぁ!!」

盗賊「……」

召喚士「じゃ、じゃあ…西国へ向かいましょうか」

盗賊「…うん」

サモナー「街道を行けば充分間に合うね」

召喚士「そうですね。馬を借りて隊商宿には寄らず一気に…」

魔道士「馬…苦手です…」

召喚士「一緒に乗りますか?」

魔道士「!?……い、い…いえっ!が…頑張りますっ!」

召喚士「……?」
682 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:10:07.89 ID:4ROI/ico
〜西国〜

本国商人「どうぞこれからもご贔屓に!!」

王子「はーい。次〜」

テクテクテク…

大商家「陛下、ご機嫌麗しく…」

王子「はーい。ありがとー」

大商家「こちら本国からの手土産にございます」

王子「どうもー」

大商家「今後もどうか大商家とよしなにお取り計らいを…」

王子「はーい。次〜……大商家…?」

大商家「は、はい…」

王子「その名前もしや……娘…いる?」

大商家「は、はい…。魔道士という一人娘ですが…今は…」

王子「……やっぱり!よしなにします!!」

大商家「…!?あ、ありがとうございます!!」
683 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:10:55.14 ID:4ROI/ico
テクテクテク…

神官「王子、よろしいですか?」

王子「んー?あ、じゃあね!魔道士さんのお父上!」

大商家「娘をご存知で…!?あ、ちょ…ちょっと…!」

王子「んで何?」

神官「国軍より客人が…」

王子「国軍…?本国じゃなくて?」

神官「どうします?お通ししますか?」

王子「まー会わないわけにはいかないよねぇ」

神官「……でしょうな」

神官は衛兵に誘導を促し、国軍の客人を王の間へ通す。

テクテクテク…

神官「……」

王子「始めまして…かな。国軍さんが何の用だい?」

大軍師「お初にお目にかかります。大軍師…と申します。ふふっ」
684 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:12:13.87 ID:4ROI/ico


大軍師「いやはや…活気があって結構な事ですね」

王子「そう?」

大軍師「ええ。商業が発展すれば国は潤いますからねぇ…」

王子「そうかなぁ…。僕は軍事力が高い方がいいけど…」

大軍師「その軍事力にかかるものも費用ですよ…。ねぇ?」

神官「ええ。まぁ…」

王子「そんなもんかぁ…。あー経済とかめんどくさい!」

神官「それで…貴殿は本日、何用にて…」

大軍師「失礼致しました。単刀直入に申し上げますれば…」

王子「うん」

大軍師「交易のみではなく、軍事同盟を結んで頂きたい」

神官「!?」

王子「同盟…!?」

大軍師「……ええ。…ふふふっ」
685 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:13:07.83 ID:4ROI/ico
王子「…でもタダってわけにはいかないよ?」

大軍師「無論…承知しております」

神官「それで、何を条件に…?」

大軍師「まずは我が国における、術法についての資料を譲渡致します」

神官「…ほう…っ。それは召喚術もですかな?」

大軍師は羽扇を揺らし、こくりと頷く。

大軍師「更に研究中の技術を譲渡、共有させて頂きます」

王子「何それ…?」

大軍師「通信技術…と言ったところでしょうか」

王子「通信?」

大軍師「これが完成の暁には、通信手段が飛躍的に向上…改善します」

神官「それはなかなかに興味深いですね」

大軍師「あとは魔王討伐の際における共闘などといったところで…」

王子「三日月島」

大軍師「……は?」
686 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:13:36.04 ID:4ROI/ico
王子「三日月島が欲しい」

大軍師「!?」

神官「……」

王子「あの島をくれるならいいよ」

大軍師「……これは…参りましたね」

王子「どうする?」

大軍師「あの島には、我が軍の西方司令部もありますし…」

神官「……」

大軍師「領土の問題です。即答は難しいところ……」

タタタッ…

衛兵「失礼致します!南の砂漠にサンドワームが多数出現!!」

神官「何っ!?」

王子「なんで急にっ!」

衛兵「おそらくは西の山の主に関係するものかと!」

王子「…すぐに出る!馬を正面に回して!」
687 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:14:31.95 ID:4ROI/ico
衛兵「ははっ!」

衛兵は大きく頷くと、急ぎ足で城門へと走り出す。

王子「…と言うわけだから。また今度っ!」

神官「王子っ!」

タッタッタッタッタ…

神官「はー…」

大軍師「お若いのになかなか勇ましいですね」

神官「……お恥ずかしい」

大軍師「いえいえ。それに度量も素晴らしい」

神官「また…日を改めるという事で…」

大軍師「そうですね。本日はこれにて失礼致します」

神官「悪い話ではありません。こちらも前向きに検討致します」

深々と頭を下げ、大軍師はゆっくりとその場を退出する。

神官「召喚士殿の言う通りかな…」

王の間は神官のみを残し、静寂が訪れた。
688 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:15:36.60 ID:4ROI/ico
〜夜〜

パチパチッ…メラッ…

ウィッチ「すーっ…すーっ…」

戦士父「……眠ったか」

戦士「ああ…。気丈に振舞っちゃいるが…昨日の今日だしな」

戦士父「本国へは、明日の朝ゆっくり向かうといいさ…」

焚き火に枝を投げ込む戦士父の正面に、戦士はゆっくり腰掛ける。

戦士「…親父」

戦士父「何度も言わせるな。本国へは行かん」

戦士「それは分かったよ…」

戦士父「じゃあ何だ…?」

戦士「………い、いや…何でもない」

戦士父「…変な奴だな」

戦士「あ…そうだ。バーテンさんやマジシャンのオッサンも心配してたぞ?」

戦士父「…へっ。アイツ等もしぶといな」
689 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:16:30.67 ID:4ROI/ico
戦士父は笑みを浮かべながら手元の水を口に含む。

戦士「良かったら、会いに行ってやってくれ」

戦士父「……」

戦士「大陸港の町で…バーやってっからさ…」

戦士父「…考えておくよ」

戦士「ああ」

戦士父「師匠も元気か?」

戦士「……師匠は……死んだよ」

戦士父「……そうか」

戦士「……」

戦士父「笑顔で逝ったのか?」

戦士「ああ。笑顔で逝った」

戦士父「……ならば良いさ。それならばな…」

戦士「……」

戦士父「疲れた。そろそろ休もう…」
690 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:17:31.89 ID:4ROI/ico
〜西国〜

魔道士「来た来たっ!あの船ですね!」

サモナー「船なんて…久々だなぁ」

召喚士「じゃあ行きましょうか」

盗賊「…うん」

テクテクテク…

魔道士「おぉー!広い部屋ですねー!」

召喚士「リビングは共有ですが、寝室はそれぞれ個室です」

テクテクテク…カチャッ

魔道士「お風呂も広いし…綺麗ーっ!」

盗賊「…良かったね。魔道士」

魔道士「はいっ!えへへへー!!」

召喚士「じゃあ荷物を置いたら食事に…」

盗賊「…うん!」

サモナー「な、なんだか緊張しちゃうな…ははっ」
691 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:18:07.08 ID:4ROI/ico
〜レストラン〜

魔道士「…テラスでディナーなんて…素敵ですねぇ!」

召喚士「潮風が気持ちいいですね!」

サモナー「凄いご馳走だな…」

盗賊「…いただきます!」



魔道士「サモナーさんて…少食ですね…」

サモナー「そ、そうかな…?」

盗賊「……モグモグ」

召喚士「あぁーっ!!」

盗賊「!?……んっ、んぐっ!!」

魔道士「盗賊さん!?」

サモナー「ど、どうしたの…?」

召喚士「…一つ…サモナーさんに伝えなければいけない事が…っ」

サモナー「ぼ、僕…に?」
692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:19:50.11 ID:4ROI/ico


サモナー「そうか…。玄武娘が…」

召喚士「……」

サモナー「もう随分会っていないなぁ。彼女は元気かい?」

魔道士「はいっ!それはもう元気で…」

サモナー「ははっ、相変わらずみたいだね」

召喚士「彼女は自分の力でサモナーさんを見つけるって言ってました」

サモナー「そうか…。僕なんかを……」

盗賊「……」

召喚士「もし…無事、会う事が出来たら…」

サモナー「うん。彼女の気持ちには応えられないけど…」

召喚士「あ、あの…」

サモナー「…?」

召喚士「サモナーさんは玄武先生の継承者だったんですよね?」

サモナー「…そういう事になるね」
693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:20:35.36 ID:4ROI/ico
召喚士「何故、継承しなかったのですか?」

盗賊「……」

サモナー「それは召喚士くんもよく分かってるんじゃないかな」

召喚士「…あ…っ」

サモナー「つまりそういう事さ」

魔道士「……サモナーさん」

サモナー「でも、ただ一つ違うのは……」

サモナーは一度俯いたが、少しの後、再び顔を上げ笑顔で語る。

サモナー「一人は現実から逃げてしまったけど…一人は現実を受け入れた」

召喚士「……」

サモナー「でも、僕ももう逃げないよ。現実から逃げても…何も変わる事はないから」

魔道士「……はいっ!」

サモナー「さて…もう食べ終わったかな?」

盗賊「…お腹…苦しい」

召喚士「はははっ!じゃあ戻りましょうか!」
694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:21:08.40 ID:4ROI/ico


サモナー「……」

テクテクテク…

召喚士「寝れないんですか?」

テラスから外を眺めるサモナーに背後から声をかけ、召喚士はグラスを差し出す。

サモナー「久々の旅で興奮してるのかな…ははっ」

召喚士「……」

サモナー「ふー…。もうじき夜明けかぁ…」

召喚士「あの…サモナーさん……」

召喚士は下唇を噛み、声を押し殺すように搾り出す。

召喚士「実は…もう一つ報告しなくてはならない事が…」

サモナー「ん…?」

召喚士「…短髪さん…達…なんですが…っ」

サモナー「……あぁ」

召喚士「じ、実は…その……っ…」
695 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:21:46.44 ID:4ROI/ico
サモナー「…ありがとう。その先は言わなくて良いよ」

召喚士「え……っ…?」

サモナー「あの時は気を遣ってくれたんだろう?」

召喚士「…!?」

サモナー「僕もね、あれからついつい彼らが元気か気になってさ…」

召喚士「……っ!すみません…っ」

サモナー「ワークショップで確認してしまったんだ…」

召喚士「すみませ…っ…!」

サモナー「召喚士くんが謝る事はないよ」

召喚士「そうじゃないんですっ!あの時俺がもっと強ければ…」

サモナー「……」

召喚士「もっと魔力があって…コカトリスやユニコーンを……」

サモナー「召喚士くん。それは自惚れだよ」

召喚士「……!?」

思いがけない一言に、召喚士は潤んだ表情を上げサモナーを見つめる。
696 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:24:51.39 ID:4ROI/ico
サモナー「確かに君が強ければ彼らを救えたかもしれない…」

召喚士「……」

サモナー「でも、彼らがもっと強ければ君の力なんて必要なかった」

召喚士「……で、でも」

サモナー「僕がいれば…事態はもっと違っていた…」

召喚士「…サモナーさん」

サモナー「彼らが強ければ、あんな依頼は断っていたかもしれない…」

サモナーはグラスを傾け酒を一口飲み、話を続ける。

サモナー「君らが強ければ、君らはあの場へいなかったかもしれない…」

召喚士「……」

サモナー「いいかい?それは運命なんだ。『あの時…』とか『ああすれば』とか…」

召喚士「はい…」

サモナー「そんな事は悔いても覆るものじゃないんだ」

召喚士「その…通りです…」

サモナー「だから気に病まず、この先何が出来るか…それが大事なんじゃないかな」
697 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:25:33.52 ID:4ROI/ico
召喚士「……はい…っ」

サモナー「なんだか説教臭くなってしまったね…ごめん…」

召喚士「い、いえ…っ!」

サモナー「…説教…と言うよりは…自問かな」

召喚士「…?」

サモナー「おっ、夜が明けるよ。ほらっ…」

サモナーは前方の水平線を指差し、微笑む。

召喚士「……」

サモナー「毎日新しい朝を迎えられる…。幸せな事だね」

召喚士「そうですね…」

サモナー「次の世代の為にも、僕達が頑張らないとね…」

召喚士「はい…っ」

サモナー「……ちょっと酔っちゃったかな。ははっ」

召喚士「…戻りましょうか」

サモナー「うん…」
698 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:26:01.49 ID:4ROI/ico
〜北西の村〜

ゴソゴソッ…ザッ…

戦士「……行くのか?」

戦士父「…起きてたのか」

戦士「…黙って行くんじゃねーかと思ってさ」

戦士父「流石は親子ってか…」

戦士「次…どうすんだ?」

戦士父「そうだな…。北方もアイツ等が五月蝿そうだしなぁ」

戦士「……」

戦士父「まぁ…適当にプラプラしてるよ」

戦士「…そっか」

戦士父「……頑張れよ」

戦士「…ああ」

戦士父は荷物を背負い、その場を立ち去る。

戦士父「……そうだ」
699 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:26:30.12 ID:4ROI/ico
戦士「…?」

戦士父「お前のその…ゾディアックだが…」

戦士「ああ。持っていっていいぜ」

戦士父「いや…扱いには気を付けろよ」

戦士「……?」

戦士父「そいつは諸刃だ。決して12本……」

ブンッ…パシッ!!

戦士「元は親父のだろ?持ってけ」

戦士父「……」

戦士に投げ渡された十字槍を受け取り、戦士父はじっとそれを見つめる。

戦士「あんたと違って二本なんて扱えねぇからな…」

戦士父「……ふんっ、情けない」

戦士「何だとっ!」

戦士父「……貰ってくぞ。あばよ」

戦士「ああ。またな…親父!」
700 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:27:21.92 ID:4ROI/ico


ウィッチ「……ん…んん…っ」

戦士「…お目覚めか?」

ウィッチ「……!?」

バッ

ウィッチ「…あ…っ」

戦士「おはよう」

ウィッチ「そっか…。昨日…助けて頂いて…」

戦士「……」

ウィッチ「夢…ではないのでございますね…」

戦士「残念ながら…現実だ」

ウィッチ「……」

戦士「これから本国へ向かうぞ」

ウィッチ「は、はいっ!…あれ?お父様…は?」

戦士「ああ…。もう旅立ったよ」
701 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:28:00.08 ID:4ROI/ico
ウィッチ「……そうでございましたか」

戦士「まずは北の港だ。そこから船で本国へ行く」

ウィッチ「は、はいでございます!」

戦士「昼までには着きたいところだな…」

ウィッチ「が…頑張りましょうでございますっ!」

戦士「よーし…そんじゃ、早速行くか!」

ウィッチ「はいでございます…っ!」

戦士「……そんな敬語じゃなくていいぞ?」

ウィッチ「い、いえいえっ!年上…ましてや命の恩人…!」

戦士「……」

ウィッチ「お気にせずでございます!」

戦士「…律儀だなぁ」

ウィッチ「す、すみません…!」

戦士「あーいえいえ。んじゃ行こうかね」

戦士は荷物を担ぎ上げ、その後ろをウィッチが付き従い、二人は村を出た。
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 17:46:18.33 ID:aX97o0g0
>>1さんきてたー
ウィッチさんと盗賊さんのバトルはあるかな?
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 17:51:03.43 ID:oFu8RBgo
自惚れの下りどこかで見たことがあるぞ・・・なんだったかな・・・
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 17:52:03.97 ID:4ROI/ico
〜船上〜

召喚士「あっ、おはようございます」

魔道士「おはようございます!」

盗賊「…おはよう」

サモナー「もうじき本国ですよ」

魔道士「あっと言う間でしたね…」

召喚士「ええ…」

盗賊「……」

召喚士(戦士…無事頑張ってるかな…)

魔道士「あっ!見えてきましたよー!」

サモナー「そろそろ準備しておきましょうか」

盗賊「…どうした…行くぞ?」

召喚士「あ、はい…っ!」

船はゆっくりと本国へ入港する。

降り立つ四人を迎えるは希望か…はたまた試練か…。

〜第十七部、完〜
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/11(金) 18:02:14.41 ID:4ROI/ico
ちょっとここで一旦切っておきます。思ったより長くなってしまって…

>>702
どうしましょうかね…最近はキャラが一人歩きしてるんで
正直先が読めないです…でも面白くしたいですねー

>>703
ジャブローに散る!
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 18:44:50.13 ID:tc/W8IAO
>>1
ああ、マチルダさんだったか


僕が二次元の存在だったら、魔導師ちゃんと結ばれたかもしれないのに
僕が画面に入れたら、魔導師ちゃんとチュッチュ出来たかもしれないのに……っ!!!
707 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 18:46:20.60 ID:oFu8RBgo
ああ、途中で気づいたんだよ
待ちるださんだってね・・・
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/11(金) 18:55:58.82 ID:4ROI/ico
――本国。

世界の中心部に位置するこの街には、ありとあらゆる物…そして者が集まる。

そこには王宮があり、国軍本部があり…世界を動かす先陣となるべき要所。

世界中に存在する国々の中でも、最も大きく…最も強く…。

東方、西方、華国…等々。無数の人種が集い、そして夢を見る所…。

何度訪れても街は廃れる事もなく、日々進化し続け、留まる事を知らない…。

召喚士達は船を降り、何度来ても慣れぬその地に、ただただ呆然とするばかりである。

召喚士「行けっ!コカトリス!!」 

〜第十八部〜
709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 19:08:39.83 ID:Ot.TotQo
もうきたのか!はやい!
710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 19:20:30.62 ID:5Y4AbNco
きた!>>1きた!メイン>>1来た!これで勝つる!
711 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 19:28:13.83 ID:hhm/4Q6o

( ^ω^) 「ただいまだお」

_/\_
 (゚、゚ ソン  「は、はじめましてですわ」

川 ; - ;) 「・・・…ダレ?」ブワッ

('A`) 「オ、オチツイテ、トウゾクサン」

イ从゚ ー゚ノリ 「おめーの席ねーがら」

?('A`;≡;'A`)? 「サ、サモナークン?」オロオロ
712 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 19:42:54.51 ID:Yviz3VEo
         ____
         /     \    
      /   ⌒  ⌒ \   何言ってんだこいつら
    /    (●)  (●) \     
     |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
    \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
 __/          \  |__| | |             |
 | | /   ,    サモナー  \n||  | |             |
 | | /   /         r.  ( こ) | |             |
 | | | ⌒ ーnnn        |\ (⊆ソ .|_|___________|
  ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_
713 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 19:44:37.64 ID:TsbT55Io
         ____
         /     \    
      /   ⌒  ⌒ \   何言ってんだこいつ
    /    (●)  (●) \     
     |   、" ゙)(__人__)"  )    ___________
    \      。` ⌒゚:j´ ,/ j゙~~| | |             |
 __/          \  |__| | |             |
 | | /   ,    召喚士    \n||  | |             |
 | | /   /         r.  ( こ) | |             |
 | | | ⌒ ーnnn        |\ (⊆ソ .|_|___________|
  ̄ \__、("二) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_

714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 21:58:25.07 ID:sPtGOoDO
>>1乙!17部も面白かったぜー!
こういう話でドンドンキャラが魅力的に見えてくるよな。
そしてしっかりストーリーにも繋げるから本当に凄いよな!

>>711
俺も同じ妄想してたwwww
715 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 22:25:45.37 ID:oc0WiAAO
ですわ口調のおかげでウィッチの姿が黒子で変換されてまう
716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 22:34:50.33 ID:t6zjfG2o
むしろウィッチがぷよぷよのイメージなせいでマーメイドがセリリに…
717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/11(金) 23:36:26.59 ID:IXxWdcAO
みんな考えることは同じなのか…?
718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/12(土) 00:28:29.01 ID:/Fln5UMo
まだ頑張ってたんだ
5位で読むのやめちゃったけど
読んでみようかな
719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 00:52:25.87 ID:HkI57IAO
まだどころか毎日ずっと書き続けてるぞ
とりあえず読み返してこい。話はそれからだ

あ、>>1
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 02:01:57.49 ID:Moou.3Q0
>>1
やっぱコカトリスは面白いな
今の所これを読むために生きているもんだ
721 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:27:37.12 ID:KHgQXY.o
〜本国〜

魔道士「着きましたー!」

盗賊「…うん」

召喚士「しかし…いつ来ても賑やかですね…」

サモナー「うん…。久々だけど相変わらず凄い所だね…」

魔道士「じゃあ…、さっそく国軍本部へ行きますか?」

召喚士「まずはワークショップに寄って行きましょう」

魔道士「あ…。戦士さんから返事が来ているかもしれませんもんね!」

召喚士「はい」

盗賊「!?……い、行こう!今すぐ行こうっ!」

サモナー「……」

召喚士「そ、それじゃ行きましょうか…っ!」

魔道士「…サモナーさん?」

サモナー「あ、ううん…。行こうか」

召喚士「……?」
722 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:28:17.37 ID:KHgQXY.o


盗賊「……」

召喚士「戦士からは…特になにもありませんでしたね」

魔道士「まだ確認してないって事…ですかね?」

召喚士「そうですね。まぁ故郷の村だと多くても週に一回来るかどうかですし…」

魔道士「…そうなんですか?」

召喚士「田舎は専用の建物があるわけではなく、船の定期便に合わせてですから…」

魔道士「そっかぁ…」

召喚士「…まぁ焦らず待ってましょう」

盗賊「…うん」

魔道士「そうですね…」

召喚士「……さて、では国軍本部へ行きましょうか」

サモナー「そうだね。行くなら早い方が良いと思うよ」

魔道士「はいっ!」

ワークショップからそのままの足で、四人は国軍本部へと向かう。
723 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:31:11.36 ID:KHgQXY.o
〜国軍本部〜

召喚士「…ここも久し振りですね」

サモナー「では行きましょうか」

テクテクテク

召喚士「あの、すみません」

門兵「……?」

召喚士「青龍先生をお願いします。朱雀先生が面会を…と」

召喚士は朱雀の紋章であるアクセサリを門兵へ見せる。

門兵「朱雀先生…ですか?しばしお待ちを」

門兵は一礼し、しばらくの後再び姿を現す。

門兵「どうぞお入りください」

魔道士「ありがとうございます」

スタスタスタ…

門兵「こちらの会議室にてお待ち下さい。まもなくお見えになられますので」

召喚士「ありがとうございます」
724 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:33:31.16 ID:KHgQXY.o


カチャッ…

青龍先生「おぉ、朱雀先生。久しいのう…ひょっひょ!」

召喚士「青龍先生!ご無沙汰しております」

盗賊「…お久し振りです」

青龍先生「…おや?確かお主…」

サモナー「玄武先生の弟子、サモナーです。ご無沙汰しております」

青龍先生「そうかそうか…。お主も朱雀のと顔見知りじゃったか」

サモナー「色々と事情がありまして…」

青龍先生「それで、本日は何用かの?」

魔道士「今日は召喚術の事についてお伺いに…」

青龍先生「…そうか。…構わんよ、座りなさい」

召喚士「はい」

一同は着席し、青龍先生が話しを切りだす。

青龍先生「…それで、何を聞きたいのかのう」
725 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:33:57.67 ID:KHgQXY.o
サモナー「五つ目の召喚獣…ご存じですか?」

青龍先生「五つ目…とな?」

召喚士「はい。魔法の五行と同じく、五つ目の属性が存在するんですよね?」

青龍先生「……」

サモナー「先生。隠し事はやめましょう…」

青龍先生「ひょっひょ…!末恐ろしい奴らよの」

魔道士「じゃあ…やっぱり……」

青龍先生「存在はする。…だがお主らには使えんよ」

召喚士「……!?」

青龍先生「この儂にさえ使えん…。あれは特殊なものなんじゃよ」

サモナー「…特殊……それは式神という事で宜しいんですね?」

青龍先生「……そんな事まで分かっておるのか」

召喚士「やはり…!式神の存在こそ…第五の召喚属性だったんだ!」

サモナー「僕らの狙い通り…でしたね」

召喚士「ええ…っ!これで大きく前進しました」
726 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:54:15.62 ID:KHgQXY.o
青龍先生「…悪いが、知ったところでどうにもならんよ」

召喚士「……可能性はありますよね?」

青龍先生「…?」

召喚士「俺が使える属性をご存じですよね?」

青龍先生「……そうだのう。主ならば…もしかしたら」

サモナー「そう。全属性の召喚が出来る召喚士君ならば…」

召喚士「式神を使役する事が出来るかもしれません…!」

盗賊「……」

魔道士「召喚士さん…凄い…っ!」

青龍先生「…して、仮にそれを極めてどうするつもりかの…?」

召喚士「…え…っ?」

青龍先生「五行を放てば即ち…分かっておるよな?」

召喚士「そ…それは…」

青龍先生「我が身を犠牲に、魔王を倒す…か?」

召喚士「……」
727 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 02:58:55.27 ID:KHgQXY.o
青龍先生「やめとけやめとけ。そんなものは年寄りの仕事じゃよ…ひょっひょ」

サモナー「先生っ!」

青龍先生「良いか?儂はもう齢を越えておる…」

盗賊「……」

青龍先生「人生ももう残り僅かじゃ…。何も惜しむ事なぞない」

召喚士「青龍先生……」

青龍先生「自己犠牲というものはの、そういう人間の役目じゃて…」

魔道士「……」

青龍先生「主らのような、次代を背負う人間は死してはならんのじゃ…」

サモナー「……」

青龍先生「あくまで探究心として、全属性の道を拓くのは構わん」

召喚士「……先生」

青龍先生「じゃが、それ以上は決して許さん。儂の目が黒いうちはの…ひょっひょ」

召喚士「……分かりました。お約束致します」

青龍先生「…物分かりの良い…素直な子じゃ。ひょっひょっひょ!」
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 03:42:14.25 ID:KHgQXY.o
盗賊「……」

サモナー「…」

青龍先生「さて、質問は以上で良いかの…?」

召喚士「あっ、もう一つ…」

青龍先生「…?先の内容についてはもう…」

召喚士「分かっております。別件の事で…」

青龍先生「…ほう」

召喚士「先生は、召喚獣が入れ替わったり…経験ありますか?」

青龍先生「入れ替わる…はて?」

サモナー「…?」

召喚士「実は…ユニコーンの事なんですが…」

召喚士はユニコーンの件についての一部始終を話す。

召喚士「……」

サモナー「そんな…事っ…」

青龍先生「それは儂も…初めて聞くのう」
729 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 03:43:18.19 ID:HkI57IAO
うおーこんな時間までキトルー!乙!
730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/06/12(土) 03:44:12.58 ID:eMywGUDO
金曜→土曜の深夜更新キテター!!
>>1乙!
戦士達との鉢合w…合流シーンはこの土日で来そうだな!
楽しみにしてるぜww
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/12(土) 03:48:02.38 ID:KHgQXY.o
こんばんは!だいぶ遅くなりました!

>>711-713
ワロタww

>>714
ありがとーございますっ!正直会話だけで面白味あるのかドキドキでした…

>>718-719
なんとか頑張ってます!ぜひ読んで下さい!!

>>720
勿体なき御言葉…!こちらも書く事に生き甲斐を感じております!

>>729-730
こんな時間になってしまい申し訳ありません…
土曜はちょっとアレですが、日曜は一日費やせそうですー

以外の皆様もまことに感謝!!よーし…頑張るぞー!
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/12(土) 04:04:19.20 ID:KmHyZww0
夜も遅いんだから無理しちゃだめだよー
最近ヘルシングみてどうにも銃器をぶっ放して魔物狩りしてる連中の妄想ガガガガ
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:14:54.57 ID:KHgQXY.o
サモナー「つまり…最初のユニコーンは別れを告げ…」

召喚士「……はい」

青龍先生「別のユニコーンに入れ替わった…と」

盗賊「…そういう…事」

サモナー「確かにユニコーンは女性…しかも、処女である身の者に…あっ…」

魔道士「……」

盗賊「……っ」

サモナー「す、すみません…」

青龍先生「召喚獣の世界には行ってみたのかの…?」

召喚士「はい。しかしその時には既に…」

青龍先生「うぅむ…。儂も長い事召喚術に携わっては来たが…初耳よの…」

サモナー「僕もです…。文献でも聞いた事がない…」

召喚士「そうですか……」

サモナー「ユニコーンも知らんのじゃどうしようもないのぅ…」

召喚士「そうですよね……」
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:18:19.57 ID:KHgQXY.o
サモナー「それについても色々と調べてみるよ」

召喚士「ありがとうございます」

青龍先生「特に支障は出ておらんのか?」

召喚士「それはないですね…」

青龍先生「お主が初めてユニコーンを見て、そして呼びだしたのは…」

召喚士「北の小さな村でとある召喚士が使っているのを見て…」

盗賊「……」

召喚士「その後しばらくして…同じく北の地で治癒に使いました」

青龍先生「それが初めての召喚獣かの?」

召喚士「ええ…」

サモナー「誰かに継承されたわけでもなく、ユニコーンを初召喚…か」

召喚士「何…か?」

サモナー「いや、割と高等な召喚獣だから凄いなって…」

青龍先生「……時にお主、両親は召喚士か何かか?」

召喚士「両親…ですか?」
735 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:22:29.28 ID:KHgQXY.o
サモナー「!?…そうか、親が召喚士なら資質を引き継いでいる可能性はありますね!」

魔道士「な、なるほど…っ!」

召喚士「両親は物心つかぬうちに死別致しました…」

青龍先生「…なんと、そうであったか」

召喚士「なので詳細は全く……」

サモナー「生まれは北の村でしたっけ?」

召喚士「はい…。調べてみる価値は…ありますかね?」

サモナー「大いにあると思います。確信は持てませんが…」

召喚士「……そうですか。…成程」

青龍先生「……確かに辻褄が合うのう」

盗賊「……?」

青龍先生「仮にじゃ。借りにお主の親が白虎の召喚士であったなら…」

召喚士「……最初から使えてもおかしくは…ない」

サモナー「そして朱雀である師匠さんに施術を受ければ…っ」

青龍先生「白虎属性の朱雀持ち召喚士…かの」
736 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:27:23.33 ID:KHgQXY.o
召喚士「俺の親が…召喚士だった…!?」

青龍先生「まぁ、ユニコーンの件については根本的な解決にはならんがの…」

サモナー「召喚士くんの出生に何か秘密が……」

魔道士「確かに…そう考えると話がうまく合いますね…っ」

召喚士「……」

盗賊「…探る価値は…ある、か」

召喚士「…ありがとうございます」

青龍先生「主もなかなか…難儀な道を歩んでおるのかもしれんの…」

召喚士「……」

青龍先生「さて、今度こそおしまいかの?しばし疲れてしまったわい…ひょっひょ」

召喚士「あ…っ、すみません!ありがとうございました!」

青龍先生「なぁに。五行絡み以外であればいつでも歓迎じゃよ」

首を左右に鳴らし、青龍先生は声高に笑い飛ばす。

召喚士「助かります」

青龍先生「次代を担う若者への餞別じゃ。ジジイの戯言と思うて受け取ってくれ…ひょっひょ!」
737 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:31:42.04 ID:KHgQXY.o
召喚士「ありがとうございました。青龍先生!」

青龍先生「また…生きているうちに会いに来ておくれ」

魔道士「も、もちろんですよ!もうっ!」

青龍先生「デートも大歓迎じゃぞ?ひょっひょっひょ!」

盗賊「……」

サモナー「それでは、失礼します」

青龍先生「うむ」

カチャッ……パタン…

青龍先生「……五つ目の属性…知ってしまったか」

テクテクテク…ストッ

青龍先生「まぁ良い…。知ったところでどうする事も出来まいて…ごほごほ…っ!」

会議室を出る召喚士達の前に、見覚えのある軍人が姿を現す。

魔道士「!?」

召喚士「貴方は…副司令官さん…!?」

副司令官「やあ、朱雀先生が訪問していると聞いてね…」
738 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/12(土) 04:35:10.38 ID:KHgQXY.o
召喚士「北伐以来ですね…」

副司令官「少し…良いかな?」

盗賊「……?」

副司令官「立ち話も何だ。こちらへ…」

召喚士「は…はい……?」

副司令官の誘導で廊下を最奥まで進む四人。突き当たりには扉があり、それは本部の核となる部屋である。

〜司令室〜

コンコン…カチャッ

副司令官「…失礼致します」

総司令「……ん」

副司令官「朱雀先生ご一行をお連れ致しました」

総司令「……そう」

召喚士「し、失礼致します。ご無沙汰しております」

総司令「……ん。そうだな」

仮面の男は口元をやや緩め、召喚士に返答した。」
739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/12(土) 04:51:03.84 ID:KHgQXY.o
>>732
了解ですー!…というわけでここいらにて失礼を…!
いいですね。この世界だと銃器がないので、そういうのも書いてみたいですね!

ご支援ありがとうございました!おやすみなさい!ノシ

〜オマケ(意味ないので今回はすっ飛ばして頂いて結構です)〜

( ^ω^)「女キャラは意外といるんだお」

('A`)「ソウナンダ…」

( ^ω^)「でも魔道士と盗賊が人気を二分してるお」

('A`)「アトハ…ダレガイタッケ…」

(#^ω^)「そのぐらい把握しておくお!いちいち面倒だお!」

('A`)「……ゴメンナサイ」

( ^ω^)「特別だお。よく覚えておくお」
・占い師、白虎長(36) 国軍の女。ミサトとリツコみたいな関係だといいっすね
・おかみ(39) 鍛冶屋の嫁。1児の母。オソノさんみたいだといいっすね
・鍛冶娘(19) 男勝りな感じのツンデレっ娘ってやつです。はい
・玄武娘(14だったかな) ですの
・朱雀嬢(16) ですわ
・白虎嬢(18だったかな) ですね〜

('A`)「コンナニイッパイ…」

(^ω^)「他にも女王、王女、南方弓長、巫女、女将、北方女兵、幼女…」

('A`)「エエエ…」

( ;^ω^)「女侍、女剣士、北方女兵、プリースト、女弓兵…そして新キャラのウィッチ…ああもう把握出来ないお!」
740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/12(土) 06:38:24.24 ID:FtNFIco0
メモ書きも兼ねてるってわけだな
741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 09:33:35.52 ID:slTwhEDO
>>1
モヤさま面白いよな
742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 10:38:36.87 ID:eMywGUDO
あの後更に追加更新してくれてたのか!
>>1乙!超乙!! 大量更新で嬉しいぜ!

あと、女キャラ一覧の所に弓使いさん(27)も入れておいてくれると最高に嬉しいんだぜ!
743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 14:16:34.34 ID:wQ7rhsAO
キャラがみんなジョージとかそういった名前じゃなくて名称だからややこしいんだろうな。特に問題はないけど
744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 15:27:49.07 ID:DgdfBTgo
さて…麒麟さんは出ないのかな…
745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 15:31:34.97 ID:i542Fhgo
ゾウさんの方が…
746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 15:32:59.42 ID:fkg9UD2o
  / ̄ ̄ ̄\
  / | ̄ ̄ ̄| ヘ
 |ノ― ―丶|
 rY `)(´ レヘ
 ヒ(  ||  )ノ
  丶ノ(_)丶/
  丶 ー― /
   ∧  ∧
  /\`ー"/\
 /|   ̄ ̄  |丶


   / ̄ ̄\_
  /    ハ \
  / / ノ / 丶 丶
 ( ////ノ~| |
 | イ  ̄ ii  ̄丶 |
 | |  (_)  | |
 丶|(――――)|ノ
  丶  ̄ ̄ ノ
   )\__/(
  /|\_/|\
747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 15:49:10.22 ID:d8g8uNAo
始まってから八ヶ月ぐらいたつのか・・・・
それにしても、>>1はここまで続くと予想していたのだろうか。それとも元々ネタで立てたのが
うけたから書いているのか。どちらにしても>>1は凄いわ
748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 18:46:42.79 ID:5vDV/220
ゲーム化狙ってる
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 19:56:49.82 ID:RKpj/Fg0
そしてハリウッドへ…!
750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 20:02:40.27 ID:BokJogAO
実現するとすればアニメ化よりゲーム化の方がいいなあ
テイルズみたいに声はあててない方が、イメージ壊れないでいいかな
あれ、じゃあ姿もそうだからゲーム化自体…

なにか起こるならこのままの形がいいかも
とりあえず>>1には感謝しきりってことだ。気候が不安定な季節だから体調管理しっかりしてくれよー
751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 21:00:25.92 ID:DgdfBTgo
最近の召喚士を見てるとクリトリスのこと忘れそうになる…
まぁ忘れないけど
752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/12(土) 21:16:05.49 ID:lzDaMg.o
次クリトリスっていったらもうコカちゃん戻せないよな…違う属性の世界にもおくれるのか?
753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 02:16:56.84 ID:mF2KuUAO
五行は魔翌力吸い出される状態になり消耗やばい下手すりゃ死ぬ

だが

もし召喚士が式神使えるとして
既存の召喚獣を札に封じて
魔翌力全開の札を
式神含めて五行分用意すれば…



あとはわかるな
754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/13(日) 02:40:27.01 ID:PYF.ezw0
後はわかるなじゃねえよ黙ってろ
755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 03:10:09.96 ID:sYNNfIoo
あとはわかるな(キリッ
756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 03:33:05.70 ID:6M6BKcAO
戦士がパーティー離れると言ってた時は、記憶の戻るアテのない父と故郷で鍛練でもしながら過ごすのかと思っていたが
今の状況はウィッチと2人きり…
…ん?
…いいぜ、てめえが何でも思い通りに出来るってなら、まずはそのふざけたフラグをぶち[ピーーー]!!
757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/13(日) 07:06:10.92 ID:iM8SUZko
>>753
つまり催眠オナニー
最悪死ぬ
758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/13(日) 10:17:19.53 ID:v.7kn6so
むしろしね
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 14:28:35.90 ID:KIsiadk0
こいつらが札に封印されちゃえば世界は平和なのに
760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 15:24:23.36 ID:qIKhdADO
>>753みたいな奴って本当どこにでも沸きますよね
761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 17:27:10.17 ID:CteUrcDO
つーかいつも得意げに予想している奴だろスルーしようぜ
762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 17:53:53.21 ID:fWGibcDO
五行って魔翌力吸い出されるとかじゃなくて、相反する属性も含めて全ての属性を使うので
全属性を同じ威力でキッチリ均衡させないと暴走してしまい術者は命を落としてしまうとかじゃなかったっけ?

あ、>>1乙です
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 18:03:19.60 ID:EPB1qN2o
>>762
成功しても失敗しても死ぬんだし吸われるんだろう
2行のほうは暴走で死ぬが
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 18:47:33.76 ID:2cjpU2I0
どSが来ないとやっぱり荒れるな
765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 19:00:37.83 ID:N3A72IDO
今日はまだ更新なしか

>>1たまには休んだっていいんだからねッ!
766 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 22:54:28.13 ID:ltVVqGUo
〜北の港〜

戦士「なんとか昼前に着けたなー」

ウィッチ「ごめんなさいでございます……」

戦士「ん…?」

ウィッチ「いえっ、歩くのも遅いし…荷物も持って頂いて……」

戦士「こんなん気にするうちに入らねぇよ」

ウィッチ「そ、そう…なんでございますか…?」

戦士「そりゃそうだ。普通はこんなモンだろ」

ウィッチ「……?」

戦士「さーて、腹ごしらえして船の手配だ」

ウィッチ「は、はいでございますっ」

戦士「一応聞くが…何、食いたい?」

ウィッチ「…お、お任せするでございます!」

戦士「……だよな」

ウィッチ「…?」
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 22:57:11.40 ID:QWfPe16o
いちおつ
768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 22:59:22.31 ID:ltVVqGUo
テクテクテク…

ウィッチ「ここ……でございますか?」

ウィッチは古びた建物を見上げ、唖然とした表情を見せる。

戦士「どした…?入るぞ?」

ウィッチ「こ、これ……食事処なんでございますの?」

戦士「そうだけど…?」

ガラッ

店主「……」

スタスタ…トスッ

戦士「どした?座りな」

ウィッチ「は、はいっ…でございます…」

店主「何にするんだ?」

戦士「えーっと……決まったか?」

ウィッチ「あっ、い…いえ…でございます!」

ウィッチは慌ててメニューの文字を指で追っていく。
769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:00:47.27 ID:ltVVqGUo


戦士「……ズズッ…ズゾゾッ…モグモグ」

ウィッチ「……ツツーッ…モグモグ」

戦士「美味いだろ?」

ウィッチ「は、はいでございます…!」

戦士「ははっ、良かった。ほら、これも美味いぞ?」

戦士はニッコリと笑顔で餃子の皿を差し出す。

ウィッチ「い、頂いても宜しいのでございますか?」

戦士「おうっ、食え食え!」

ウィッチ「は、はいっ!」



戦士「……うー、食った食ったぁ」

ウィッチ「こういった所も…あるのでございますね……」

戦士「…ん?」

ウィッチ「あ、い…いえっ!」
770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:01:44.96 ID:ltVVqGUo
戦士「ほんじゃ行きますか」

店主「……」

戦士「えーっと……いくらだ?」

ウィッチ「あっ、ここは…私が…っ!」

ゴソゴソッ…カキカキッ

ウィッチ「こ、これで足りますでございますか?」

店主「……なんじゃこりゃ?」

ウィッチ「え…?小切手…でございますけれど……」

店主「はぁ?こんなワケ分からんモンで払える…」

戦士「わーったわーった!ほれ!」

戦士は慌てて店主に小銭を手渡す。

店主「何だ、ちゃんとあるんじゃねーか…。全く…」

戦士「ほらっ、行こうぜ!」

ウィッチ「は、はい!!」

戦士「んじゃ、ごちそーさん!」
771 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:02:46.17 ID:ltVVqGUo
テクテクテクテク…

ウィッチ「……」

戦士「あんなちっちゃな店じゃ、そんなもん使えねーよ」

ウィッチ「そう…なんでございますのね…」

戦士「つーか、お前金持ちなんだな…」

ウィッチ「そ、そんな事ございませんわ…」

戦士「いや…小切手なんぞ持ってる奴、初めて見たぞ」

ウィッチ「そうで…ございますの?」

ウィッチはきょとんとした顔で戦士を見返す。

戦士「……まぁいっか。んじゃ船の手配に行くか」

ウィッチ「はいでございます!」

テクテクテク…

戦士「…なんだ?顔に何か付いてっか?」

ウィッチ「っ!?い…いえ!何でもございません!」

戦士「……?」
772 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:06:06.07 ID:ltVVqGUo
〜国軍本部、司令室〜

召喚士「それで、ご用と言うのは…?」

副司令官「うむ。諸君らは幾度か北方にて参戦してくれていたな…?」

魔道士「はいっ。それが何か…?」

副司令官「先の北伐には諸君ら以外にもワーカーが参加しておる」

盗賊「…ああ」

副司令官「黒の三騎士…存じておるか?」

魔道士「あっ!海峡でご一緒しました!」

召喚士「ええ。しかしあの時行方不明に……」

副司令官「左様。その三騎士が見つかったのだ」

召喚士「本当ですか!?」

副司令官「…死体でな」

総司令「……」

魔道士「そ……そん…な……っ」

盗賊「……」
773 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:09:32.52 ID:ltVVqGUo
召喚士「あの、一緒に眼鏡…というワーカーは…!?」

副司令官「いや、報告は三人だけだな」

召喚士「そうですか…」

召喚士は胸を撫で下ろすように息を吐き、安堵の表情を浮かべる。

サモナー「それで、本題は…?」

副司令官「ああ、すまない。実はその調査に同行して貰えないかと思ってな」

魔道士「私達がですか…?」

副司令官「うむ。実際に現場を経験しておるしな…」

盗賊「……成程」

副司令官「本来ならば大軍師あたりの仕事なのだが…生憎、別任務に当たっていてな」

総司令「……」

副司令官「その辺りも兼ねて貰えると有り難いのだが…」

召喚士「……?」

副司令官「ワーカーではあるが軍師、としての権力を与えよう」

召喚士「俺がっ…ですか!?」
774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:17:57.64 ID:ltVVqGUo
副司令官「安心してくれ。あくまでも今回の任務に於いて、という事だ」

召喚士「それは勿論ですが…っ」

副司令官「情けない事に、今は戦略指揮を任せられる者が少なくてな…」

盗賊「…人手不足か」

副司令官「まぁそういう事になるか…」

魔道士「……召喚士さん」

召喚士「……分かりました」

副司令官「まことかっ!感謝するぞ、朱雀先生」

総司令「……」

召喚士「出発は…?」

副司令官「調査隊については、既に現地入りしておる」

盗賊「…ならば…別行動か」

副司令官「作戦明日正午になる。2時間前に到着して貰えれば構わん」

魔道士「明日の10時までに海峡へ…ですね」

召喚士「……分かりました」
775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 23:19:36.78 ID:bmSxwbco
なんだと・・・っ!


>>1乙です!
はやぶさ綺麗だったです・・・・・・
776 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:41:49.09 ID:ltVVqGUo
副司令官「詳細についてはこれに目を通しておいてくれ」

召喚士「はい」

副司令の差し出す作戦資料を受け取りながら、召喚士は一つ返事をする。

副司令官「報酬については通常通りワークショップ経由で頼む」

召喚士「分かりました」

副司令官「すまんな。手間をかけさせてしまって…」

魔道士「いいえ、お構いなくっ」

盗賊「…では」

盗賊はぺこりと頭を下げ、それを合図に一同は退室する。

カチャッ……パタン…

副司令官「…良いタイミングでしたな」

総司令「……素人にまかせるってのはどうかと思うけどね」

副司令官「他に人がおりませんからな…」

総司令「……」

副司令官「それとも、司令直々に出られますか?」
777 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/13(日) 23:49:50.80 ID:ltVVqGUo
副司令官は問いかけた後、じっと総司令を見つめる。

総司令官「……まさか」

副司令官「四方参謀を置いてからは戦略面における人材も…」

総司令「……少し、増やそうかね」

副司令官「…ありがとうございます」

総司令「……ん」

副司令官「それでは、これにて失礼致します」

総司令「…ん」

副司令官は敬礼し、司令室を後にする。

カチャッ…パタンッ

総司令「……」

キィッ…ギシッ…

総司令「……」

キィッ……

総司令「……そろそろ、かな」
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/14(月) 00:01:14.83 ID:.qu92MYo
遅くなってすみません…

>>742
本当に申し訳ありません!思いっきり忘れてた…orz

>>747
1スレ目の>>1を見て頂ければ分かるかとww……後者です
こういうの書くのは初めてなんで毎日ネタと格闘の日々です…

>>748-750
話が大きすぎますww
ありがとうございます!体調管理には気を付けたいと思います!

.>>762
そのうち細かい説明は出てくると思いますが、
>>763でほぼ正解です!てか凄い…!

掻い摘んでのレスにて失礼します!
以外の皆様にも感謝でございます!
779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 00:09:59.74 ID:tJvNikDO
>>1乙!
司令も怪しいし副司令も怪しく見えるし、先の展開が気になるな−
780 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 00:30:58.01 ID:.qu92MYo
〜本国、大通り〜

召喚士「……」

サモナー「思わぬ事になってしまったね…」

召喚士「ええ…」

魔道士「良かったんですか?」

召喚士「……ええ、まぁ」

盗賊「……」

召喚士「実は俺自身も、安否は気になってましたから…」

魔道士「……」

召喚士「安否というより…結末…ですかね」

サモナー「結末…か」

召喚士「心のどこかでは、もう分かっていたんだと思います」

盗賊「…召喚士」

召喚士「でも、眼鏡さんは依然行方不明のままだ」

魔道士「そうですね…!き、きっと無事ですよね!?」
781 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 00:34:45.12 ID:.qu92MYo
召喚士「そう…信じたい…っ!」

サモナー「それもあって、引き受けたわけだね?」

召喚士「…はい」

盗賊「…彼は…きっと無事だ」

召喚士「……そう思います。…俺も」

サモナー「……」

召喚士「サモナーさん、ありがとうございました」

サモナー「え…っ?」

召喚士「俺らはこのまま海峡へ向かいますので…」

サモナー「その事なんだけど、僕も同行していいかな…?」

魔道士「サモナーさんもですか!?でも…そこまで…」

サモナー「僕にとって…やらなくちゃいけない事があるだろう…?」

盗賊「…?」

召喚士「サモナー…さん…っ!」

サモナー「彼ら…短髪達に会いに行ってやらないと…」
782 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 00:39:52.86 ID:.qu92MYo
魔道士「あ…っ…」

召喚士「サモナーさん」

サモナー「きっとこれは神様がくれた機会なんだと思う」

盗賊「……」

サモナー「そうでもなければ行く機会なんてないだろうしね…」

召喚士「確かに…そうかもしれませんね…」

魔道士「でも…良いんですか…?」

サモナー「うん、僕は構わないよ。是非連れて行ってくれ」

召喚士「…分かりました。それではご一緒にお願いします!」

サモナー「うん。こちらこそ…!」

召喚士「ではワークショップへ行き、戦士に行き先を残しましょう」

魔道士「あっ、そうですね!」

盗賊「…戦士」

召喚士「前の手紙ももう読んでくれてるといいけど…」

四人は司令部を後にし、ワークショップへと向かった。
783 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/14(月) 00:46:28.92 ID:.qu92MYo
寝ますーおやすみなさいー!ノシ

〜オマケ、本編に入れる程でもなかったので〜

魔道士「召喚士さんっ」

召喚士「はい?」

魔道士「良いんですか?」

召喚士「えっ?何が…ですか?」

魔道士「他の軍の方に会わなくて…」

盗賊「…青年兵…とか」

召喚士「青年兵くんは本国勤務になってしまったそうです」

魔道士「そうだったんですか!?」

召喚士「はい。先程、青龍先生が…」

サモナー「本国…っ。出世コースだね」

盗賊「…凄い」

召喚士「それに、他の皆さんも色々とお仕事があるでしょうし…」

魔道士「そうですよねっ!青龍先生は暇そうでしたし!えへへ!」」
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 01:05:16.79 ID:YPK7bAAO
召喚士達にはバフォメット絡みの案件には出来るだけ関わらないで欲しいんだぜww
いつまで経っても怖さが半端じゃない
関係ないけど、破損の有無は不明ながら、はやぶさのカプセルの位置が特定できたそうで
>>1もはやぶさも乙!
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/14(月) 02:42:10.79 ID:DQ3HeYDO
>>1
明日は盗賊ちゃんがツンツンしまくるんだろうな。楽しみだ。
786 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:30:01.99 ID:.bU55T6o
〜北の港〜

戦士「……よし、オッケーっと」

店員「船は夕方出航、翌朝本国へ到着となります」

戦士「はいよ、どうも」

店員の差し出す二枚のチケットを、戦士は軽い口調で受け取る。

戦士「まだ時間あるな…。ちょっと寄り道していいか?」

ウィッチ「も、もちろんでございます!」

戦士「んじゃお言葉に甘えて……」

港を離れると、メインストリートの一画に並ぶ建物へと移動をする。

テクテクテク…

ウィッチ「……ワークショップ…でございますか?」

戦士「ああ」

カチャッ…

店員「いらっしゃいませ!」

戦士「…手紙、届いてないかい?」
787 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:30:29.75 ID:.bU55T6o
店員「少々お待ち下さいませ」

戦士の記入した書類を受け取り、てきぱきと処理を進める店員。

それを横目に戦士とウィッチは卓上のファイルを見ながら暇を潰す。

戦士「…ほー、31位かぁ」

ウィッチ「お手紙ってご家族の方でございますか?」

戦士「うんにゃ、仲間だ」

ウィッチ「お仲間……」

戦士「あっ、そうか。俺も親父の事書いておかなきゃな…」

テクテクテク…

店員「お待たせ致しました。3通お預かりしております」

戦士「3通?そんなに?」

店員「はい」

怪訝な表情を見せる戦士に、店員は3通の手紙を渡す。

戦士「…よっし!召喚士からだ!」

ウィッチ「……?」
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:30:59.94 ID:.bU55T6o
カサッ

戦士「……なるほど。西国から本国へ向かうのか…ん?」

召喚士の手紙を読み終えた戦士は、残り2通の手紙をまじまじと見つめる。

ウィッチ「戦士さん…?」

戦士「アイツら…一人ずつ書いてくれたのかぁ…」

召喚士、魔道士、盗賊からの手紙。宛名を見て戦士は目を細める。

戦士「……おっと、悪りぃ。行くか」

ウィッチ「お手紙は…書かなくていいのでございますか?」

戦士「ああ。どうやら本国にいるらしい。こいつはラッキーだったわ」

ウィッチ「あっ、そうか…。これから本国へ行くのでございましたね」

戦士「そういう事!手間が省けたぜ!」

ウィッチ「良かったでございますねっ」

戦士「おうっ!そんじゃ船が来るまで一息ついてっかね」

ウィッチ「はいでございます!」

二人はワークショップを後にし、船の入港をしばしの間、待つ事となった。
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:31:50.54 ID:.bU55T6o
〜本国〜

魔道士「荷支度完了ですね!」

召喚士「はい。まずはこのまま大陸港の町を目指しましょう」

サモナー「海峡近くの街の方が、大きくて便利なんじゃない?」

召喚士「そうなんですが…実は寄りたい所がありまして…」

サモナー「そうだったのか。それなら問題ないよ」

召喚士「すみません」

サモナー「いやいや、僕は同行させて貰う身だから。お任せするよ」

魔道士「戦士さんにも伝言を残しましたし、そろそろ行きましょうか」

召喚士「ええ。行きましょう」

盗賊「…伝言?手紙でなく?」

召喚士「ええ。…海峡に行くけど本国で待っててくれ、と」

サモナー「下手に動くよりその方が合流しやすいね」

召喚士「俺達は海峡からとんぼ返りで本国へ戻ります」

魔道士「はいっ!頑張りましょう!」
790 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:32:20.61 ID:.bU55T6o
〜北の港〜

戦士「…そんで、一段落着いたって感じだ」

ウィッチ「はぁ〜…。私と同い年であられるのに…凄いでございます…」

戦士「まぁまだまだガキンチョだけどな。お前さんのが余程しっかりしてるよ!」

ウィッチ「そっ、そんな事…ございませんわ…」

戦士「おっ、船が来たぞ!あれだっ!」

ウィッチ「は、はいでございますっ!」

テクテクテク…

戦士「えーっと…あ、こっちだ…」

ウィッチ「……っ」

戦士「お、ここだ。俺は隣」

ウィッチ「……ほっ」

戦士「ん?」

ウィッチ「い、いえっ!何でもございません!」

戦士「食事なんかもセルフにしてあるから。好きにしてくれ」
791 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:32:47.53 ID:.bU55T6o
〜大陸港の町への道〜

サモナー「この辺りも久々に通るけど…魔物出なくなったね…」

魔道士「そういえばそうですね…。ついこの前までいましたけど…」

召喚士「最近は国軍も相当力を入れてますからね…」

盗賊「……」

召喚士「至る所に結界が張られてますよ」

魔道士「本当だ…。よく見ると凄い整備されてる…!」

サモナー「昔じゃ考えられないね…」

盗賊「…便利」

召喚士「ええ。これからは本当に便利な時代になりますよ」

魔道士「安心して暮らせますねっ!」

召喚士「まぁ…空から侵攻もあるので、一概には言えないですけどね…ははっ」

魔道士「あっ、そうかぁ……」

サモナー「それでも大きな進歩だよね」

召喚士「……ええ!」
792 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:33:21.32 ID:.bU55T6o
〜船上〜

戦士(…………)

ベッドの上へ寝そべり、天井をぼっと見つめる戦士。

戦士(なーんか…慣れちまったせいなのかなぁ……)

コンコン

戦士「…?はいよー」

カチャッ

ウィッチ「……」

戦士「…どした?」

ウィッチ「あ…あのぉ…」

〜通路〜

ウィッチ「す、すみませんでございます!本当に…っ」

戦士「いいっていいって。俺も丁度メシにしようかって思ってたとこだ」

ウィッチ「その…一人というのはどうも慣れていなくて……」

戦士「……そっか。ほら、着いたぜ」
793 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:33:49.09 ID:.bU55T6o
〜レストラン〜

戦士「よっしゃ、いただきます!」

ウィッチ「…い、いただきますでございます」

カチャカチャッ…コトッ…

戦士「……酒飲むか?」

ウィッチ「おっ、お酒なんて…とてもとても…!」

戦士「そっか。酒を知らぬとはもったいない!…なんてな」

ウィッチ「……うぅ」

戦士「しかし…なんでお前さんみたいなお嬢様がワーカーなんぞやってんだ?」

ウィッチ「……」

戦士「…言いたくなきゃいいさ。無理には聞かねぇよ」

ウィッチ「……ごめんなさいでございます」

戦士「本国までは、ちゃんと送っていくから」

ウィッチ「……はい」

戦士「…ほれ、さっさと食わないと冷めちまうぞ?」
794 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:34:16.81 ID:.bU55T6o
〜大陸港の町〜

サモナー「すっかり暗くなってしまったね…」

召喚士「まぁ、夜の方が都合はいいかもしれません…」

サモナー「…?」

四人は見慣れた宿の一画にある扉を開く。

カチャッ…チリチリン…

召喚士「こんばんは」

バーテン「…おう。よく来るなぁ」

召喚士「お邪魔してすみません…」

バーテン「いーや、こっちとしちゃ常連のお陰でおまんま食えるってもんだ」

魔道士「この間はありがとうございました!」

バーテン「おう。お構いなく…ん?そっちの兄さんは?」

サモナー「始めまして。サモナーと申します」

バーテン「こりゃご丁寧に。何だ、戦士は役立たずでクビか…」

盗賊「ち、違うっ!!」
795 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:34:46.45 ID:.bU55T6o


バーテン「……ほ、本当か!?」

召喚士「ええ…」

バーテン「そうか…やっぱり生きてやがったか!ははっ!」

魔道士「記憶が戻ると良いんですけど…」

バーテン「そうだな…。まぁ、気長に待つしかないわな…」

盗賊「…うん」

バーテン「寂しいな…」

盗賊「!?」

バーテン「…そうでも…ないか?」

盗賊「…し、知らぬっ!」

召喚士「出来れば何か力になってあげたかったんですが…」

バーテン「…まぁ気持ちは分かるが、そこは二人にしてやって正解だと思う」

召喚士「そう…ですよね…」

バーテン「…アイツの分もせいぜい飲んで行ってくれ。安くしておくぜ」
796 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 17:36:39.36 ID:.bU55T6o
〜船上〜

テクテクテクテク…

戦士「そんじゃ、また明日な。おやすみ」

ウィッチ「……あ、あのぉ」

ウィッチは俯き、小声で戦士を呼び止める。

戦士「…?」

ウィッチ「…なっ、何故別々のお部屋を…?」

戦士「何故…って、そりゃあ色々とマズイだろうよ」

ウィッチ「……」

戦士「何もないとはいえ、男女二人っきりだ…。見たくないモンだってあるだろ」

ウィッチ「……」

戦士「……じゃ、じゃあ…おやすみ!ははっ!」

ウィッチ「…あ…っ、はい……」

カチャッ…パタンッ

ウィッチ「……」
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 17:41:15.11 ID:6DZzWwAO
戦士ー!フラグフラグ!
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 17:42:42.38 ID:I5WFuG6o
そんなフラグ
俺が叩きおってやる!!
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/14(月) 17:44:26.34 ID:1ksgeTY0
しかしこの世界の技術形態はどうなってるんだろうな?
世界の北から本国とはいえ半日で着く速度の船がある反面
いまだに馬車を使っていたりだし
技術的に火砲はまだなさそうだしね
800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 17:52:02.52 ID:sHbUjsSO
>>799

そいつは野暮ってもんだよ(゚Д゚ )
801 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:06:55.39 ID:.bU55T6o


戦士「あー…ビックリした……」

ゴロッ…

戦士「……ふー」

コンコン

戦士「…?」

戦士はベッドから起き上がり、部屋のドアを開ける。

戦士「…ウィッチ…!?」

ウィッチ「……」

俯きながら不安げな顔を見せるウィッチは、両手で枕を抱えている。

戦士「ど、どう…した…?」

ウィッチ「…ごめんなさい…ごめんなさい…っ」

戦士「……え、えぇと」

ウィッチ「何だか…眠れなくて…その……」

戦士「……」
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:07:28.33 ID:.bU55T6o


ウィッチ「……」

戦士「あーいいよ。ベッド使ってくれ」

ウィッチ「そ、そうはいかないでございます…っ」

戦士「いいからいいから。気にすんなって」

ウィッチ「……」

戦士「しっかし…今までもこんなんじゃ大変だったろ?」

ウィッチ「…?」

戦士「…あ、いや…何でもない」

ウィッチ「……」

戦士「…寝れないなら、話でもしてっか?」

ウィッチ「…あ、あの…っ」

戦士「分かってるよ。お前さんの事は聞かねぇって…」

ウィッチ「私は……不要なのでございます…」

戦士「…!?」
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:07:56.55 ID:.bU55T6o
ウィッチ「……魔道学校へ入ったにも関わらず…落ちこぼれで…」

戦士「……」

ウィッチ「お姉様のように…両親の期待に応えられず……」

戦士「お前……」

ウィッチ「…両親にも…っ、見放され…て……」

戦士「……」

ウィッチ「ひっ…ひぐっ…。私は…もうっ…」

戦士「そうだったのか……」

ウィッチ「うぅ…うわあぁ…!」

戦士「お、おいっ!?」

ウィッチ「うぅ…っ!ひぐっ…!」

戦士「……」

ウィッチ「ひぐっ…ごめんな…さっ…い」

戦士「……泣きたい時は泣けばいいさ」

胸元で号泣するウィッチの頭を、戦士は優しくそっと撫でた。
804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 18:21:13.02 ID:I5WFuG6o
>>799
はじめから読み返してこいボケ
世界の大きさがお前が思ってるより小さいんだよ
805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/14(月) 18:24:56.78 ID:.bU55T6o
>>799
海路や海洋技術はそれなりに発展してると思います
しかしながら街道の整備はまだ不完全であり、魔物の侵攻による破損も…
本国は中央集権だったので地方はまだ未発達なのもありますね

火砲について技術的には可能そうですが、
魔術や召喚術が存在する為、そちらへの拠り所が大きいですね

日本で言うと幕末のような技術背景でしょうかね…

などと書きましたが、まぁ適当な感じで…お願い…します……
806 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:30:30.49 ID:.bU55T6o
〜バーテンの店〜

召喚士「バーテンさん」

バーテン「…ん?」

召喚士「戦士の親父さんて、かつては同僚だったんですよね?」

バーテン「……まぁな」

召喚士「どんな方だったんです?」

バーテン「……無骨でまっすぐな奴だよ」

盗賊「……」

バーテン「仲間の為には命も惜しまない…」

魔道士「……」

バーテン「戦いじゃ常に先陣切って、道を切り拓く……」

サモナー「……」

バーテン「そして…とにかく強かった」

召喚士「そっくりですね…。誰かさんに……」

バーテン「ああ。全くだ…ははははっ!」
807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 18:30:51.52 ID:skAGY5s0
>>799
そりゃ、話の舞台が関東程度の大きさの大陸だ。発展するには色々と足りてないんだよ
808 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:33:14.11 ID:.bU55T6o
戦士「へーっくしゅっ!!うー…冷えたかぁ?」

戦士はベッドで寝るウィッチを横目に右手で鼻をこする。

戦士「…泣きつかれて寝ちまったか」

ゴソゴソッ

戦士「…手紙、か」

カサッ…

戦士「……ははっ!魔道士らしいな!」

カサカサッ…

戦士「盗賊……長げぇ…」

つらつらと書かれた盗賊の手紙を、戦士はじっくりと読みふける。

戦士「……」

カサッ…

戦士「……ありがとな…盗賊」

ガサゴソ…

読み終えた二つの手紙を大事に折り畳み、カバンの奥底へとしまい込んだ。
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/14(月) 18:42:31.90 ID:1ksgeTY0
うん、ファンタジーにソレは野暮ってモンだな確かに
だが一つだけ言いたいことがある


大砲とおっぱいには男のロm…………おや?宅配便かな?
810 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 18:49:12.40 ID:.bU55T6o
盗賊「……っくち!」

召喚士「!?」

魔道士「盗賊さん、風邪ですか?」

盗賊「…いや…大丈夫」

召喚士(…くしゃみ?)

バーテン「明日も早いんだろ?休んだらどうだ?」

盗賊「…そうする」

魔道士「あ、じゃあ私も…!」

サモナー「お休みなさい」

召喚士「部屋はフロントに言えば分かりますので!また明日!」

魔道士「はいっ!おやすみなさい!」

テクテクテク…カチャッ…チリチリン

召喚士「サモナーさんも休まれますか?」

サモナー「良かったらもう少し話してもいいかな?」

召喚士「…はいっ。もちろんです!」
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/14(月) 18:54:18.40 ID:.bU55T6o
W杯でみんな帰るのが早い…巻き添え帰宅です…
また後ほど!ご支援ありがとうございました!ノシ

>>809
大砲はあと4年で開発が間に合えば…っ!
おっぱいと太ももは同一IDがなんとか…っ!
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 21:09:51.43 ID:ECVppzco

川 ゚ -゚) 「・・・・・・」
バチバチ
 ───z___
          バチバチ
_/\_
 (゚、゚ ソン  「・・・・・・」


川 ゚ -゚) 「戦士とはずっと一緒に旅してきた仲だ」

_/\_
 (゚、゚ ソン  「一緒の部屋で夜を過ごした仲ですわ」

川 ; - ;) ソ、ソンナ

_/\_
 (゚、゚ ソン  フフン


('A`) 「イイノ? センシクン」

( ^ω^) 「お、白虎のねーちゃん本国に来てたのか。呑みに行こうぜ」
813 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 22:29:35.40 ID:YPK7bAAO
>>812
おいてめえwwww
814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/14(月) 23:58:22.26 ID:.qu92MYo


サモナー「特殊遊撃強襲隊…?」

召喚士「ええ。ですよね?」

バーテン「ああ…」

バーテンはタバコに火を付け、ぶっきらぼうに答える。

サモナー「一体…どういう隊なんです?」

バーテン「何でも屋だよ…」

召喚士「……」

バーテン「密偵から魔物の封印…。奇襲から……暗殺まで、な」

サモナー「……」

召喚士「そんな…」

バーテン「まぁ最近はそんな事もないんじゃねぇかな…」

召喚士「今も存在はするんですか…?」

バーテン「ああ。そうみたいだぞ」

サモナー「……特殊遊撃強襲隊…か」
815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 00:02:07.10 ID:K7pjk8Yo
バーテン「ま、そんもんでいいだろ。若い奴らの話を聞かせてくれ」

サモナー「話…と言っても…」

召喚士「目新しい事もないですし…」

バーテン「何だい…召喚士が二人もいて何もなしかよ…」

サモナー「そう言えば、新しい召喚獣は順調?」

召喚士「ええ。玄武もシービショップとスキュラを手に入れました」

サモナー「玄武娘?」

召喚士「そうです!」

サモナー「それは何より…」

召喚士「あとは…こんな物を…」

召喚士は荷物の中より一冊の本を取りだす。

サモナー「これは…?朱雀召喚獣…!?」

召喚士「はい。師匠の家で見つけたんです」

サモナー「凄いな…。ここまで詳細が書かれている本も珍しい…」

召喚士「そう…なんですか?」
816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 00:20:04.63 ID:K7pjk8Yo
サモナー「召喚士はその性質から、門外不出な部分も多いからね…」

召喚士「確かに…。流派いよってかなり違いがあるみたいですね…」

サモナー「うん。同属性でも色々と手法は違ったりするしね…」

バーテン「なるほどなぁ……」

サモナー「今後は量に囚われず、質にこだわった方が良いかもしれないね」

召喚士「前に青龍先生にも言われました…」

サモナー「せっかく全属性を持てるなら、属性のバランスもいいけど…」

召喚士「……?」

サモナー「火や水や雷…攻撃だけではなく、補助や回復…」

召喚士「臨機応変に戦えるように…ですね?」

サモナー「当然高等召喚獣だけを揃えると、同時召喚での魔力負担も大きい…」

召喚士「なるほど…!そうですよね…!!」

サモナー「そうそう。例えば…コカトリスは石化と毒と言う高い攻撃力を持つけど、そのぶん魔力を消費する」

召喚士「ええ…」

サモナー「だから…同時召喚のサポートは、低魔力で地上型の補佐なんかだと、バランスがいいかもね」
817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 00:23:16.14 ID:GqQomZk0
>>799
まだ魔物の領土や未開の地だってあるんだから世界が船で半日、ではなく本国の領土が船で半日程度で北までいける程度の広さしかないと考えるべき
そうすると魔王が7人いたとしても地球程の範囲は補えていないだろうから魔王以外にも魔王4天王や大魔王などがいてもおかしくないし、他の大陸で魔族と戦う人間以外の種族なんてのも想像できて100章でもたりなさそうだぞ
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/15(火) 00:26:08.77 ID:K7pjk8Yo
サッカーが気になって集中出来ない…

魔道士「頑張れニッポン!えへへっ!」

盗賊「がっ、頑張れー!!」

>>812
このシリーズ大好きなんです…連載はいつですか?

>>817
許して下さい……
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 00:28:25.66 ID:uSL9/cAO
盗賊の手紙の内容が知りたいです
820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 00:30:31.63 ID:0NS1Anwo
>>817
そこまで強大な存在がいるとなると、神の居る天界や冥界、海界、精霊界なんかも…
召喚獣の居る幻界は既にあるし、いやあ世界広い宇宙ヤバい

>>1頑張れー
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 00:58:13.76 ID:GqQomZk0
日本勝利!
でもそれ以上にいつも頑張ってる>>1乙!
822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 01:33:34.85 ID:kucAwAAO
大砲がなんちゃらとか話題あったが、ガンランス的な近接爆撃的な武器あると戦闘の幅も広がるなぁ
823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 01:48:11.48 ID:iKxNwAAO
そこでRPG-7ですよ
824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 06:19:48.90 ID:fOO5CQSO
戦士が竜陣剣をおぼえるんだよ
825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 06:25:44.74 ID:5HnfrU60
戦士がアーマーブレイクをおぼえるんだよ
826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 06:28:38.29 ID:ygJgrYDO
それよりも天才にニフラム覚えさせてくれ
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/15(火) 06:36:47.74 ID:xsgLyhw0
そんな事するなら召喚士にデビルサモンスキルを
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 08:27:05.68 ID:rEYB2UAO
>>1

日本勝ったんだな…おめでとう

早く俺のゴールデンボールの身も落ち着かせてやりたいところですな
魔導師ちゃんと言う名のゴールにさ!
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 10:49:30.03 ID:EONodN60
>>828

まさかとは思いますが、この「ゴールデンボール」とは、あなたの想像上の存 在にすぎないのではないでしょう か
もしそうだとすれば、あなた 自身が統合失調症であることにほ ぼ間違いないと思います
あるいは、「ゴールデンボール」は実在して しかしゴールなど存在してておらず
すべてはあなたの妄想という可能 性も読み取れます。
この場合も あなた自身が統合失調症であるこ とにほぼ間違いないということに なります
830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 11:44:00.36 ID:u8/s3YDO
>>817だとほとんどスレイヤーズになっちまうじゃないか
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 13:28:52.48 ID:Tid5Nigo
>>817ゴルンノヴァはいつでますか?
次の大陸ではきっとフィリアさんの出番ですね
832 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:54:09.27 ID:T0duwVMo
バーテン「召喚術ってのも、奥が深いもんだよなぁ…」

召喚士「本当ですね…」

サモナー「近年ではその火力を重視されて前衛なんかも務めますしね」

召喚士「かつては違ったんですか?」

サモナー「うん。その大半は後方支援がメインだったからね」

召喚士「なるほど…」

サモナー「でもそれを昇華させたのが…伝説と呼ばれる召喚士達…」

バーテン「ああ、先生方か…」

サモナー「彼らが魔王を倒した事で、その評価が大きく変わったんだ」

召喚士「な…なるほど!」

サモナー「一時期はこぞって魔道士から召喚士への転職も相次いだとか…」

バーテン「っつっても…一朝一夕で身に付くもんでもないよな」

サモナー「そうですね。魔道士以上に資質は重要となると…」

召喚士「資質……」

サモナー「そういう意味では…召喚士君はとてつもない資質の持ち主だね」
833 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:55:03.03 ID:T0duwVMo
召喚士「そう…ですか!?」

サモナー「だって、全属性を召喚出来るなんてまさにじゃない?」

召喚士「…あまり…実感はないですど」

バーテン「五行極めるのだって…なかなかシンドイってのにな」

召喚士「そうかぁ……」

バーテン「そういう意味じゃ魔道士のお嬢ちゃんも相当なモンだ」

召喚士「ええ…。彼女は本当に素晴らしいです…!」

サモナー「まだ若いのに…凄い事だよ」

召喚士「魔道士さんだけじゃない…。戦いを重ねる事に分かります…」

サモナー「……?」

召喚士「戦士も盗賊さんも…本当に凄い…」

バーテン「互いがそう思える事は本当に良い事だ」

召喚士「……?」

バーテン「お前がそう思ってるって事は、他の奴らも同様だって事さ」

召喚士「……」
834 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:56:02.17 ID:T0duwVMo
サモナー「あ…そうだ、良かったら…」

ゴソゴソッ

召喚士「……?」

サモナー「僕が文献からまとめた、召喚術に関する資料さ」

召喚士「!?」

バーテン「ほぉ…!これまた凄いな」

バーテンは手帳をパラパラとめくり、感嘆の声を挙げる。

サモナー「さっき話した、召喚術の歴史とかもまとめてあるよ」

召喚士「……凄い…!」

バーテン「これ、普通に本として売れるな…」

サモナー「そこまでのものではないですよ…はは…」

召喚士「いやっ、でもこれ…本当に分かりやすくて…凄い…っ」

サモナー「良かったら貰ってくれないかな?」

召喚士「えっ!?いいんですか……?」

サモナー「うん。清書したものは既に保管してあるし…」
835 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:56:34.85 ID:T0duwVMo
召喚士「すみません…。色々とありがとうございます」

サモナー「ううん。好きでやっている事だし、何より役に立てば…」

バーテン「……やっぱりいいモンだわな」

召喚士「…?」

バーテン「自分でいつも言ってるだろ。人と人との繋がり…ってよ」

召喚士「……ええ!本当にそう思います」

バーテン「決して直接関わらずとも、間接的にだって人の役に立てるのさ」

サモナー「はい。召喚士君らが役者なら、僕らは舞台裏の係…」

召喚士「役者だなんて…っ…」

バーテン「…意外とそういう人間が重要なんだぜ?」

サモナー「そうそう!職人次第で大根役者も一流に映えるってものです」

バーテン「違いねぇ!ははははっ!!」

召喚士「……頑張って…一流役者目指します」

サモナー「冗談冗談っ、もう充分一流さ…!」

バーテン「だってよ。頑張らないとな…!」
836 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:57:03.00 ID:T0duwVMo


カチャッ…チリチリン

魔道士「…あれ、もしかしてずっと起きてたんですか?」

召喚士「あ…もうこんな時間か……」

盗賊「…日の出前に出ないと…遅れてしまうぞ」

サモナー「そうだね…。それじゃそろそろ…」

召喚士「お世話になりました」

魔道士「また、来ますねっ!えへへ!」

バーテン「おう、いつでも歓迎だ」

盗賊「…では」

カチャッ…チリチリンッ…パタン

召喚士「さて…このまま真っ直ぐ海峡へ向かいましょう」

盗賊「…うん」

魔道士「頑張りましょうっ」

サモナー「……今から…行くよ、みんな」
837 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:57:46.40 ID:T0duwVMo
〜本国〜

北の港からの船が入港する頃、すっかり日も昇り、時刻はまもなく10時を迎える。

船より降りる戦士は、強い日差しに目を細め大きく腕を伸ばした。

戦士「さぁて…着いた。お疲れ」

ウィッチ「はいでございます…」

戦士「んで、家は……?」

ウィッチ「ご案内致しますでございます」

戦士「よろしくー…と、その前に……」

〜ワークショップ〜

戦士「…海峡だぁ!?」

店員「はい、そのようにご伝言を……」

戦士「くっそぉ…入れ違いかよ…」

ウィッチ「……?」

戦士「仕方ねぇ…。中央のホテルに宿を取ると伝えておいてくれ」

店員「はい。ご伝言を承ります」
838 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 16:59:25.23 ID:T0duwVMo
テクテクテク…

戦士「こっちの用は終わっちまった。お前さんの家に行こうか」

ウィッチ「はいでございます」

ウィッチの案内に従い、戦士は王宮裏手に拓けた住宅街へと足を進める。

戦士「そういや前に来たなぁ……」

ウィッチ「…?」

戦士「あー、こっちの話だ。しっかし…デカイ家ばっかり……」

ウィッチ「…着きました…でございます」

戦士「………でかっ」

長く続く塀を見渡し、戦士はぽつりとつぶやく。

ウィッチ「そんな事ございません……」

戦士「いやいや……充分すぎる程でかいって…」

ウィッチ「…どうぞでございます」

戦士「ういーっす」

広い中庭を抜け、二人は玄関の扉をくぐった。
839 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:00:38.15 ID:T0duwVMo
カチャッ…テクテクテク…

執事「…おや?…ウィッチ様ではございませんか」

ウィッチ「執事さん…ただいまでございます…」

執事「生憎、旦那様は留守でございますが…」

ウィッチ「そうでございますか…。お母様は?」

執事「奥様でしたら居間に…。おや、そちらの方は?」

執事はウイィッチの背後に立つ戦士をちらりと覗き込む。

ウィッチ「……命の恩人でございますわ」

戦士「戦士と言います。命の恩人て……」

ウィッチ「本当の事でございます」

執事「命の…恩人でございますか。それはそれは…」

ウィッチ「戦士様、こちらでございますわ」

戦士「あ、ああ…。失礼しまっす」

慌てて一礼し、通路を進むウィッチの後を戦士が追う。

執事「……」
840 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:01:38.96 ID:T0duwVMo
〜居間〜

コンコン…カチャッ

ウィッチ「……失礼致しますでございます」

母「…ほほほっ!それで……あら?」

姉「ウィッチさん、どうなされたの?」

ウィッチ「あ、あの…ただいま戻りましてございます」

母「あら、そう」

姉「冒険とやらはどうしたのかしら?」

ウィッチは今までの出来事を簡略に二人へと話し聞かせる。

母「ふぅん。それで逃げ帰ってきたわけですわね」

姉「身の丈に会わない事をするからよ。大人しくしてなさいな」

ウィッチ「……」

母「食事になったら呼びますから、部屋にいなさいな」

ウィッチ「はい…でございます」

母「あ、それからそちらの殿方」
841 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:02:55.19 ID:T0duwVMo
戦士「…?」

母「ご苦労でした。帰りに執事から報酬を受け取ると良いわ」

戦士「……行こうぜ」

ウィッチ「…は、はいでございます」

テクテクテク…

姉「まぁ、ワーカーなる者は礼儀もなっていないのですわね…」

…ピタッ

戦士「……」

母「これ、偏見はいかませんわ。ほほほっ」

戦士「……」

ウィッチ「戦士様、行きましょうでございます!」

姉「戦士…様、ですって。まさかその殿方を好いてらっしゃるのかしら?」

母「まぁ…お似合いかもしれませんわねっ」

戦士「……」

……テクテクテク…パタンッ
842 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:03:38.57 ID:T0duwVMo
〜ウィッチの部屋〜

ウィッチ「……はい、どうぞでございます」

カップに紅茶を注ぎ、ウィッチはそれを戦士へと差し出す。

戦士「……何なんだありゃ」

ウィッチ「…いつもの事でございますわ」

戦士「あれが親か!?血の繋がった姉なのか!?」

ウィッチ「…酔いのでございます。期待に応える事が出来ない自分が…」

戦士「そうじゃねぇだろ!期待とかそんなん関係あんのか!?」

ウィッチ「……」

戦士「なんなんだよ…っ!自分の娘や妹に…!!」

ウィッチ「……そういう家なのでございます」

戦士「…お前はいいのか?」

ウィッチ「自分の…せいでございますから……」

戦士「……くそっ!」

ウィッチ「……」
843 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:04:41.02 ID:T0duwVMo
コンコン…カチャッ

執事「旦那様が戻られました。お部屋にと…」

ウィッチ「はい…でございます」

執事「あとこちら……」

執事は大きな荷袋を差し出し、戦士へ手渡す。

戦士「いらねぇよ…こんなもの…」

執事「いえいえ、そう仰られましても…」

戦士「いらねぇっつってんだよ!」

執事「……これは、失礼を」

ウィッチ「…戦士様も一緒に」

戦士「おう」

スタスタスタ…

ウィッチ「ありがとうございます」

戦士「……けっ!」

執事「……」
844 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:06:04.96 ID:T0duwVMo
〜ウィッチ父の部屋〜

コンコンッ…カチャッ

ウィッチ「失礼致しますでございます」

父「……」

戦士「……」

父「全く。本当に情けない奴だ」

ウィッチ「……ごめんなさいでございます」

父「謝れば済むとでも思っているのか?」

ウィッチ「……」

父「我が家名にどれだけ泥を塗れば気が済むのだ」

ウィッチ「ごめんなさい…でございます」

父「貴様のせいで本国内での評価も下がる一方だ…」

戦士「……」

父「もういい。二度とこの家から出るな。いいな?」

ウィッチ「……っ」
845 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:06:42.13 ID:T0duwVMo
父「もしくは…そんなに旅をしたいのなら絶縁しろ」

戦士「ちょっといいかい…?」

父「何だ貴様は?余計な口出しするな。親子の問題だ」

戦士「それがホントに親子かよっ!」

父「は?」

戦士「実の娘なんだろ!?何なんだよその態度は!」

父「娘だろうが、我が一族の名を汚す者は許されん」

ウィッチ「もう…いいんでございます」

戦士「よくねぇよ!!何が一族の名だ!」

父「だいたいこっちは好きなだけ金も使わせてやっているんだ」

ウィッチ「……」

父「小切手で何を無駄遣いしとるのかは知らんがな…」

戦士「だから…そういう問題じゃねぇだろうがっ!」

父「じゃあどういう問題だというのだ?」

戦士「て…んめぇ…っ!!」
846 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:07:33.99 ID:T0duwVMo
ガッ……バキィッ!!…ドサッ

父「ぐくっ…!!」

戦士「……はっ…はっ…」

ウィッチ「――っ!!」

父「貴っ様ぁ…高官を殴り飛ばして…タダで済むと思うなよ?」

床へ倒れこんだウィッチの父は、唇から垂れる地を拭い、ゆっくりと起き上がる。

父「誰かっ!おらぬか!!」

ウィッチ「は…っ!!」

戦士「…ちっ!好きにしろ…!」

ウィッチ「………」

父「そうだな…。死刑、貴様は死刑にしてやる!わはははっ!」

ウィッチ「……っ」

ドンッ…

父「…!?」

高らかに笑う父を突き飛ばし、ウィッチは戦士の手を引く。
847 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:08:36.67 ID:T0duwVMo
ウィッチ「…行きましょうでございます!」

戦士「お、おい…っ!?」

父「待てっ!逃げる気か!?…貴様も同罪だぞ!?」

戦士「おいっ、待て!お前まで……っ」

ウィッチ「…絶縁してやるでございます!」

父「何だとぉ!?」

戦士「お、おいっ!待てって!!」

強引に腕を引き、部屋を出るウィッチに戸惑う戦士。

タッタッタッタッタ…

執事「旦那様っ!?」

父「そやつらを捕らえろ!暴漢だ!!」

執事「……」

ウィッチ「早くっ!行きますでございます!!」

戦士「……くっそぉ!!」

戦士はウィッチを抱き上げ、反転して通路を走り去る。
848 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:09:10.00 ID:T0duwVMo
ウィッチ「きゃっ!!」

タッタッタッタッタ…

執事「逃がすなっ!追えーっ!!」

戦士「…くっそー、暴漢に挙句…人攫いかよぉ!」

タッタッタッタッタ…ガチャッ

戦士「……」

ウィッチ「……」

戦士「このバルコニーを飛び降りたら…二度とは戻れないぞ?」

ウィッチ「……構いませんでございます!」

戦士「…いい覚悟だ!」

タンッ!!

執事「くそぉ!飛び降りたぞ!外へ回り込めっ!!」

衛兵「ははっ!!」

父「馬鹿者めがっ!!」

ウィッチを抱きかかえ、バルコニーより飛び降りる戦士を、一同が追う。
849 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:09:43.71 ID:T0duwVMo
〜玄関前〜

タッタッタ…

戦士「はぁ…はぁっ……」

衛兵「いたぞーっ!挟めっ!!」

戦士「しつけぇ…!!」

戦士は身体の向きを変え、背後の細い路地へと走る。

タッタッタッタッタ…

戦士「どいてくれーっ!」

――「……!?」

タッタッタッタッタ…

戦士「悪いなっ!」

――「追われているのですか!?」

戦士「……!?そ、その声…!!」

――「……こっちへ」

戦士「……すまんっ!」
850 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 17:10:32.48 ID:T0duwVMo
日陰の路地に立つ男の誘導に従い、戦士は身を隠す。

タッタッタッタッタ…

衛兵「……」

――「…何…か?」

衛兵「……違うな。こんなに若くなかった」

タッタッタッタッタ…

――「……もう、大丈夫みたいですよ。戦士さん」

戦士とウィッチは物影より起き上がり、男の前に立つ。

男が日陰から少し前へ足を進めると、若干の日光が顔に当たり、

見覚えのある笑顔がゆっくりと浮かび上がる。

戦士「……助かったぜ!青年兵っ!!」

青年兵「こんな所で…一体どうしたんです…!?」

戦士「あー…まぁ、ちょっとな……」

青年兵「ここでは何ですし、こちらより郊外へ抜けられます」

戦士「すまんっ!助かる!!」
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 17:15:45.49 ID:5HnfrU60
ときどきある誤字でついクスッと笑ってしまう
酔いのですとか
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 17:58:43.02 ID:X0EJvk.o
戦士の無意識のフラグ強化っぷりは異常
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 18:05:14.14 ID:9IQMiA.o
ナチュラルもて夫戦士に嫉妬
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 18:16:41.05 ID:Tid5Nigo
高官ってどの程度だろうな?
司令官より上なのかな、下なのかな
下なら水戸黄門状態できんじゃね?
ってきりウィッチは魔道士の知り合いかなんかだと思ってた
855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/15(火) 18:25:24.37 ID:vsKds.Ao
うるせえ
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:36:22.04 ID:T0duwVMo
〜海峡〜

盗賊「…到着」

サモナー「ここが…海峡…」

召喚士「サモナーさん、こちらです」

海峡の脇に架かる大きな橋、その手前にひっそり佇む墓石。

召喚士「……ここです」

サモナー「…………」

墓石の前に四人は並び立ち、静かに目を閉じる。

魔道士「……」

サモナー「……」

盗賊「………」

召喚士「……」

スッ…

サモナー「……待たせちゃったね。ごめん」

呼びかけるように、サモナーがぽつりと呟いた。
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:36:59.86 ID:T0duwVMo


召喚士「…失礼します」

門兵「!?……朱雀先生だ!」

海峡兵「伝令より伺っております!さぁさぁこちらへ!」

召喚士「は、はい…っ」

テクテクテク…

〜会議室〜

海峡兵「朱雀先生ご一行、ご到着です!!」

将軍「…おぉ、待っておったぞ!此度も頼む!」

召喚士「先日はどうも…」

挨拶をする将軍の奥より、四人の男女が姿を見せる。

――「若いな。コイツが朱雀先生?」

召喚士「始めまして。召喚士と申します」

隊長「特殊遊撃強襲隊、隊長だ」

魔道士「特殊遊撃…っ!?」
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:37:39.87 ID:T0duwVMo
副隊長「私…副隊長です。宜しくお願いします…ははっ」

男隊員「男隊員だ!よろしく!ギャハハ!!」

女隊員「女隊員ス。よろしくッス」

将軍「此度は彼ら特殊遊撃がメインを務める…」

召喚士「俺らは同行し、フォローをすればいいんですね?」

隊長「おうっ、頼むぞ!」

魔道士「はいっ!頑張ります!」

盗賊「……」

将軍「予定では…この後12時よりここを出発するが…」

召喚士「問題ありません」

サモナー「具体的な任務名内容は?」

副隊長「ワーカーの死因から、敵に一刀の下に斬り伏せられていました…」

盗賊「…!?」

将軍「成果3位である黒の三騎士…その者らを一撃で葬る程の魔物だ…」

サモナー「かなり強いと思われますね」
859 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:38:09.87 ID:T0duwVMo
隊長「まぁ、出現した場合は俺らが片付ける。援護しろ」

召喚士「…分かりました」

女隊員「頼もしいッス!頼むッス!!」

将軍「本部からの調査内容は、その魔物が未だ海峡周辺にいるのかどうかだ」

隊長「わーってるよ。もし出たら殺す。そんだけの話だ」

副隊長「むやみな戦闘は…避けたいものです…」

将軍「あわよくば結界の強化を…との事だ」

男隊員「アッチもコッチも結界やら封印やら…大変ね。ギャハハ!」

女隊員「笑い事じゃねーッス」

召喚士「それでは、宜しくお願い致します」

隊長「あいよ。そっちもな」

将軍「まだ時間はある。準備し…しばしくつろいでくれ」

盗賊「…ああ」

サモナー「……じゃあ、準備しましょうか」

召喚士「…ええ」
860 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:39:17.98 ID:T0duwVMo
〜本国〜

青年兵「……この辺りまで来れば大丈夫でしょう」

戦士「ふー…。助かったぜ!ほんとに…」

青年兵「一体何があったのです?」

ウィッチ「……」

戦士「実はな……」

戦士は重い口調で、今までの経緯を青年兵へ話す。

青年兵「……っ!」

戦士「…つーわけだ」

青年兵「…それは…困りましたね」

戦士「……反省してるよ…ほんと」

ウィッチ「戦士様は悪くありませんでございます!」

青年兵「しかし…相手は本国務めの高官……」

ウィッチ「私から…なんとか……」

青年兵「……難しいかもしれませんね」
861 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:42:10.19 ID:T0duwVMo
戦士「俺の事はまぁいいさ。それより…」

青年兵「…ウィッチさん…でしたか?」

ウィッチ「はいでございます…」

青年兵「家柄が家柄だけに…放っておくわけにはいきませんね…」

戦士「ああ…」

ウィッチ「私の事は…気にせず……」

戦士「ところで、青年兵は何をしてたんだ?」

青年兵「あ、ええ…。実は電化より休息を頂きまして…」

戦士「休息?」

青年兵「はい。北伐も終わり落ち着いたので、たまには故郷にでもと…」

戦士「そうだったのか…。すまんな、何だか巻き込んじまって…」

青年兵「いえ、気にしないで下さい」

ウィッチ「ごめんなさいでございます…」

青年兵「あ、それならば…良かったらご一緒にいかがですか?」

戦士「……へっ!?」
862 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:42:53.79 ID:T0duwVMo
〜海峡〜

召喚士「…よし!準備万端ですね」

サモナー「では、行きましょうか」

魔道士「はいっ!」

テクテクテクテク…

隊長「おう、来たな。そんじゃあ行くぞ」

男隊員「ういっす!ちゃっちゃと終わらせましょ。ギャハハ!」

将軍「海峡も臨戦態勢で挑む。何かあれば…」

女隊員「すぐに伝えるッス!」

副隊長「それでは参りましょう…」

盗賊「…ああ」

海峡兵「…馬をお出ししましょうか?」

隊長「んなモンいらん!走って行く!」

ダダッ!!

召喚士「……早っ!!」
863 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:43:25.29 ID:T0duwVMo


タッタッタッタッタ…

魔道士「す、凄い…早いですね…っ」

サモナー「ええ…。まともに付いていけてるのは…盗賊さんぐらい…」

盗賊「……」

女隊員「あんたなかなかやるッスね!」

盗賊「……?」

男隊員「カワイイ顔して優秀じゃんか!ギャハハ!!」

タッタッタッタ…ザザァッ…

隊長「おーっし着いた。北の森だ」

召喚士「はぁ…はぁ…っ…はぁ…」

魔道士「ふえぇ…っ」

隊長「おら先生!バテてんじゃねーぞ?」

召喚士「すいません……」

副隊長「いやいや…どんだけ走ったと思ってるんですか…」
864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 18:43:29.29 ID:b9W.ysso
こんなところまで白家電の侵略が・・・
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:44:07.43 ID:T0duwVMo
テクテクテク…

女隊員「ここらで分かれたんスね?」

召喚士「ええ。三騎士はこの辺りから馬で森の中へ…」

サモナー「……」

隊長「よっしゃ、ちょっくら行ってみっか」

魔道士「……はいっ」

隊長「前衛は俺様と男隊員、真ん中に副隊長と女隊員…」

女隊員「はいッス」

隊長「後衛に先生らだ。いいな?」

召喚士「…はい」

隊長「そんじゃー出ー発っ!」

意気揚々と先陣を切る隊長に続き、一同もそれに従う。

ガサガサッ…ザッザッザ…

副隊長「昼だというのに…薄暗くて気味悪い…っ」

女隊員「なにビビってるんスかぁ〜?」
866 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:44:49.69 ID:T0duwVMo
副隊長「ビビってませんて……」

男隊員「わっ!!」

副隊長「ひいぃっ!!」

男隊員「ギャハハ!!」

隊長「おらっ、遊んでんじゃねぇぞ!」

魔道士「何だか…イメージと違いますね…」

召喚士「え、ええ……」

隊長「他に絡んだ奴は?」

召喚士「ワーカーがあと二人程……」

男隊員「へぇ…」

召喚士「眼鏡と言う方と、魔法剣士と言う方です」

副隊長「眼鏡さんと魔法剣士さん…ですね」

召喚士「ただ、眼鏡さんは北伐以来行方不明で……」

女隊員「死んじゃったかもしれないッスね」

召喚士「……」
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:45:37.75 ID:T0duwVMo
副隊長「魔法剣士さんは?」

魔道士「生還しましたが…その後は行方が…」

男隊員「ドイツもコイツも困ったもんだね…ギャハハ」

隊長「……ストーップ!」

盗賊「…!?」

隊長「この木を見ろ。斬撃の後が付いてる」

サモナー「!?…この辺りで何かしらの戦いが……」

テクテク…ザッ

女隊員「血痕もあるっスね……」

女隊員は地面へしゃがみこみ、足元の土を手に取る。

副隊長「……人間のものでは…なさそうですねぇ」

魔道士「わ、分かるんですか…!?」

副隊長「若干違うんですよ。よーく見ると…」

盗賊「…す、凄い」

サモナー「そんな…事まで……」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:46:27.88 ID:T0duwVMo
隊長「…見解は?」

副隊長「そうですね……」

副隊長は顎に手を当て、じっと地面を見つめる。

副隊長「三騎士はそれなりに巨大、かつ獰猛な魔物と遭遇…」

召喚士「……」

副隊長「戦闘に入り、3対1で迎え撃った…」

隊長「…んで?」

副隊長「魔物を流血させるに至ったが、健闘空しく一刀の下に死亡」

女隊員「超つえーッスね」

隊長「まぁそれが妥当なところか…」

副隊長「若干腑に落ちない部分もありますが…」

魔道士「……?」

隊長「先生はどう見るよ?」

召喚士「俺…ですか?」

女隊員「おぉ、聞いてみたいッス!」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:47:14.35 ID:T0duwVMo
召喚士「そうですね…。概ね副隊長さんの見解で問題はないです…」

男隊員「何だぁ、一緒かよ。ギャハッ!」

召喚士「一つ気になるのは……これです」

召喚士はしゃがみ、土を拾い上げる。

召喚士「たった一撃で三騎士さんを葬れる程実力があるのに…」

サモナー「なぜ…負傷したのか…ですね」

副隊長「そうなんですよ。そこが腑に落ちないんです…」

盗賊「…二匹…いた?」

召喚士「だとしたらそれこそもっと楽に…」

盗賊「…そ、そうだよな」

魔道士「最初は弱い魔物だったのかも…」

隊長「変身型か。それは有り得るな…」

副隊長「もしくは弱い魔物を負傷させるに至ったが…」

サモナー「その後現れた強い魔物に倒された」

隊長「……それも有り得るな」
870 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 18:48:04.01 ID:T0duwVMo
召喚士「もしくは、魔物が…味方した……」

隊長「……それはない」

女隊員「魔物が味方って…正気ッスか!?」

召喚士「……」

魔道士「で、でも実際…そういう魔物さんも…」

隊長「まぁいいさ。見解決めるのは本部の仕事」

男隊員「俺達は調査を進めるのみってね!ギャハハ!」

隊長「ここの土も採取しておけ」

女隊員「了解ッス!」

隊長「……も少し北まで潜ってみるか」

副隊長「日没までおよそ3時間…」

サモナー「森の外までの時間を考えると往復1時間は余裕がありますね」

隊長「おーし、サクっと行ってサクっと帰ろう!!」

ダダッ!!…

召喚士「……早っ!!」
871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 18:51:11.43 ID:FVHQH6go
まさか青年兵にも春がくるのか…
電化が上にいれば高官も何も言えなくなりそうだ。
872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/15(火) 18:53:09.32 ID:T0duwVMo
>>851
わーわーわー

>>864
わーわーわー
電化→殿下

帰ります…本日もご支援ありがとうございました!ノシ
誤字はわざとではないのですよ…本当です…
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 19:10:55.51 ID:bFw6nD.o
 〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─〜─
    平成20年6月15日    火曜日   ( 号外 b号)
 ────────────────────────
─────────────────────────
  本国務めの高官  悪質なワーカーに殴られる  ┌‐─‐─‐‐┐
    ワーカーは娘を攫い逃亡              | ┬┴┬ |
────────────────────── | ヽ、.ノ  .|
                             | コ || /\   |
         娘はもらうお             | レ|| .ノー┐  |
         ________         | が||  ヽ、ノ   |
       /             \        | ワ ||   `o   |
      /                \      | | ||       |
    /   /●\     /●\  \    | カ || 立 r'´  |
   /   /    \   /    \   \   | | || 木ノ丁  .|
  |      ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ ̄     |   | 怒 || |ヨ l三i  |
  |         (__人__)        |   | .る.|| | .耳 |  |
  |            \    |         |   | .世|└────┘
   \          \   |       /   | 論 |
    \          \_|     /     | ! |
──────────────────┘    ┌────┐
iiiii | iiiiii |  貴様は死刑にしてやる!     |     | 何   武 |
iiiii | iiiiii└──────────────┘     |  で   器 |
 ───────────────. | iiiiiiiiiii iiii iiiiiiii|  も   な |
 iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | iiiiiiiiiii iiii iiiiiiiiii ii | iiiiiiiiiii iiii iiiiiiii| 揃   ら|
 iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | iiiiiiiiiii iiii iiiiiiiiii ii | iiiiiiiiiii iiii iiiiiiii|  う    |
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 19:31:03.05 ID:VJMAzH.o
誤字から覗く>>1のプライバシー
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 21:23:22.94 ID:fOO5CQSO
眼鏡元気かなぁ…
876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:06:27.89 ID:Py9Bdt6o
〜ッスってしゃべる女キャラいいよね
877 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 23:18:38.66 ID:K7pjk8Yo
戦士「…そうかぁ、海沿いの村か」

青年兵「はい。ここをずっと真っ直ぐ行った先です」

本国より西に続く平原。青年兵を先頭に三人が進む。

戦士「でも、ほんとに良かったのか?」

青年兵「…何がです?」

戦士「いや…俺ら一緒に付いて行っちまって…-」

青年兵「もちろんです!

ウィッチ「すみませんでございます……」

青年兵「それに…ほとぼりが冷めるまで本国より離れた方が…。ははっ…」

戦士「……すまん」

青年兵「とは言っても、特に何もない所ですけれど…」

戦士「そうか?海ってだけで憧れるけどなぁ…」

青年兵「……?」

戦士「俺は北の山育ちだから…。海っての見た事なくてさ…!」

青年兵「なるほど……」
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:19:33.95 ID:Tid5Nigo
戦士は何度も船に乗ってるのに海を見たことない???
879 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 23:23:25.68 ID:K7pjk8Yo


青年兵「この丘を越えれば…もうすぐですよ」

戦士「…大丈夫か?」

ウィッチ「は、はいでございます…っ」

戦士「ほれ」

戦士は右手を差し伸べ、ウィッチの手を握り、傾斜より引き揚げる。

ウィッチ「あ…ありがとうございます」

戦士「おぉー!海だぁ!!」

青年兵「今日は天気が良いから、地平線に西方も見えますよ!」

戦士「どれ……おぉ!本当だ!すっげぇ!!」

ウィッチ「……綺麗…でございます…っ」

戦士「やっぱりさ、船の上から見るのとじゃ全然違うよなぁ…!」

青年兵「そんなもんですかね……?」

戦士「ああ!なんつーか…ロマンってのがあるよ!うんっ!

ウィッチ「ロ…ロマン…っ!かっこいいでございます…っ!」
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:23:37.61 ID:iKxNwAAO
そうか、なにかおかしいと思ったら、舞台裏の職人が付いていないから俺は映えないんだな
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:24:30.71 ID:Tid5Nigo
>>880
モブは舞台裏の職人がいてもモブさ
882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:25:03.54 ID:ANWTq2Mo
>>878
砂浜とか含めた海ってことじゃね
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/15(火) 23:25:09.10 ID:K7pjk8Yo
>>877
戦士「俺は北の山育ちだから…。旅に出るまで海っての見た事なくてさ…!」
戦士「俺は北の山育ちだから…。ガキの頃は海っての見た事なくてさ…!」

…どっちにしようか迷ってて抜けたまま投下しちゃいました…すみません…
884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/15(火) 23:28:59.83 ID:Tid5Nigo
>>883
気にしないでください
続き楽しみにしてます
885 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 23:29:20.05 ID:K7pjk8Yo
〜青年兵の故郷〜

戦士「ここかぁ…!!」

青年兵「本当に何にもないでしょう?……ははっ」

戦士「いんや、良い所だ…。潮の香りも心地良いぜ…!」

ウィッチ「風が…気持ちいいでございます…っ!」

テクテクテク…

青年兵「ここが我が家です」

戦士「……おう」

カチャッ

青年兵「ただいまー……」

扉を開ける青年兵の声に、慌てて一人の女性が姿を現す。

母「…青年兵…かいっ!?」

青年兵「……母さん…!ただいま!」

二人はゆっくり歩み寄り、互いの瞳には涙を滲ませている。

青年兵「…か、母…さんっ!」
886 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/15(火) 23:33:31.63 ID:K7pjk8Yo
バシッ!!

青年兵「!?……痛…った…」

母「……何をノコノコ帰ってきたんだいっ!」

戦士「……」

ウィッチ「…えっ…え…っ!?」

母「…・あらっ!お客さんがいたのかい…っ!?これはお恥ずかしいところを…」

青年兵母は慌てて赤面を隠すように、深々と頭を下げる。

母「青年兵の母でございます。いつも息子がお世話に……」

戦士「戦士です。こちらこそお世話になってます!」

ウィッチ「ウィッチでございますわ…っ!」

母「こちらの方々は国軍の…?」

青年兵「いや、ワーカーの方なんだけど…ちょっとワケありでね」

母「そうかいそうかい。ささ、こちらへどうぞ!」

戦士「あ、すんません…!」

ウィッチ「お邪魔しますでございます…!」
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/15(火) 23:59:06.29 ID:K7pjk8Yo
ちょっと早いですが本日ここまでにて…
多数のご支援ありがとうございました!それではおやすみなさい!ノシ

>>873
ワロタwwお腹痛いww

そしてこ…これは……!?
ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice/aa.html
ななばつ様!最高です!!&更新ありがとうございます!!

〜オマケ>>808

拝啓

春爛漫・桜花爛漫のみぎり、貴兄にはますますご壮健とのことと存じ上げます。
さて、あれより幾日かが経ち、戦士殿、お父上様は如何お過ごしでしょうか。
私めも若輩の身では御座いますが、何か手掛かりになるものはないかと日々…

(中略)

…にして、召喚士殿、魔道士殿ともども、お待ち申し上げております。
まだ暫くの間、別離の日々が続きますが、再開の折には、なお一層の疎通…

(中略)

追伸、野に咲く一輪の美しい花を見つけました。摘むには心痛みましたが、
是非ご覧頂きく、押し花として文に同封致します。

                                          敬具

某月吉日                                    盗賊

親愛なる 戦士様
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 00:04:13.07 ID:aPpWv7Mo
盗賊wwww
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 00:09:00.95 ID:qys8jQwo
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |  盗賊へ            |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /      ながい     /   /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /              /  /   /
 /       戦士より /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 00:32:09.43 ID:Sj5irCA0
西遊記的な御一行は、今なにをしてるんだろう。
891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 00:35:33.31 ID:TOcqLUSO
そりゃ西遊記的な事だろ

いつも乙です
892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 00:38:46.25 ID:qRUxvIDO
盗賊ワロタwwww
893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 01:50:37.62 ID:LAcjXcAP
>>889
酷すぎるwwwwいくら戦士でもwwww


・・・・・・
894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 02:41:31.33 ID:540nHAAO
ウィッチの言葉遣いが酷すぎる…
しますでございますって…
895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 03:19:25.62 ID:q9zaWsDO
脳内変換で無問題

>>1さん、乙です。
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/16(水) 10:12:53.50 ID:cuVGbtYo
海外旅行に行ってた10日分一気に読んだ。
ワールドカップを昼ぐらいにバーで見てたが、点が入った時喜んでたのは日本人だけでした。
そりゃそうか。
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 14:14:26.44 ID:Ml4UbA.0
>>1
気づけばこのスレも残り100余りか…
はやいな

拝啓

春爛漫・桜花爛漫のみぎり、貴兄にはますますご壮健とのことと存じ上げます。
さて、あれより幾日かが経ち、どS殿、同一ID様は如何お過ごしでしょうか。
私めも若輩の身では御座いますが、何か手掛かりになるものはないかと日々…

(中略)

… にして、いけコカ読者殿ともども、お待ち申し上げております。
まだ暫くの間、別離の日々が続きますが、再開の折には、なお一層の疎通…

(中略)

追伸、野に咲く一輪の美しい花を見つけました。摘むには心痛みましたが、
是非ご覧頂きく、押し花として文に同封致します。

                                          敬具

某月吉日                                    読者

親愛なる どS様
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 16:57:08.43 ID:vfHXP7so
母「いまお茶を出しますので、どうぞ腰掛けて」

戦士「失礼しまっす」

青年兵「母さん、俺がやるから座ってなよ」

母「いいからいいから」

青年兵「よくないよ。身体も治ってないんだろ?」

母「なーにを言ってんのさ!この通りピンピンしてるじゃないか」

青年兵「いいからっ!」

母「……はいはい」

呆れて微笑む母を椅子に座らせ、青年兵はしかめっ面で台所へと消えていく。

戦士「どこか…悪いんですかい?」

母「ずいぶん前の話ですよ。今はもう……」

ウィッチ「……」

母「全く…。心配性の息子で困ったもんですよ。あははっ」

戦士「親想いで…いいじゃありませんか」

ウィッチ「…はいでございます」
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 16:57:39.56 ID:vfHXP7so
テクテクテク…カチャカチャッ

青年兵「はい、どうぞ」

戦士「サンキュ」

ウィッチ「い、いただきますでございます!」

青年兵「どう?こっちは変わりない?」

紅茶を配り終え、着席する青年兵は、母に問いかける。

母「なーんにも変わっちゃいないよ。アンタこそどうなんだい?」

青年兵「ぼちぼち頑張ってるよ」

母「頭足りないんだから肉体労働でお国の為に頑張りな!」

青年兵「…失礼だなぁ」

戦士「あははっ!でも…彼は凄いですよ!」

母「そうですか?ちょっとでも皆さんの助けになればいいけれど…」

戦士「そりゃあもう、いっつも助かってますよ!」

青年兵「ちょっと…戦士さん…っ!」

戦士「ほんとの事さ!照れるなって!!」
900 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 16:58:45.55 ID:vfHXP7so


母「本国務め…!?お前がかい…!?」

青年兵「うん…。出向だけど一応、士官に……」

ウィッチ「す、凄いでございます…!」

戦士「そうだったのかぁ…。北伐までの功績が評価されたんだな!」

青年兵「運が良かっただけですよ……」

母「じゃあ尚更、こんな所に帰ってきてる場合じゃないだろ?」

青年兵「いや、それは殿下が休暇を……」

母「お前は馬鹿かい!いくら殿下の御言葉だからって…他にやる事あるだろうに…」

戦士「いや…でもね、これからはもっと忙しくなるし…なかなかこういう機会は…」

母「いいんですよ。この子ももう21…。親の手はすっかり離れましたから」

ウィッチ「……」

母「それに、国軍へ入ったからには…これからはお国の為に働かなきゃあ…」

戦士「そりゃあそうですが……」

母「いいんですいいんです。親子なんてそんなものですよ」
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 16:59:32.46 ID:vfHXP7so
青年兵「ちょっと…母さん!」

母「仕送りも要らないって言ってるのに、ご丁寧に毎月送ってきて…」

青年兵「母さんってば!」

戦士「へぇ…!偉いなぁ!」

ウィッチ「仕送りで…ございますか……」

母「そういうわけだから、もう仕送りも要らないよ」

青年兵「何言ってんだよ!じゃあどうやって暮らすのさ…」

母「一人分ぐらい自分で稼げるさ」

青年兵「それで無理して身体を壊したんだろ?気にしなくていいから…!」

母「分かった、分かったよ…。ほれ…もうこんな時間だ…」

青年兵「いや…今日は泊まって……」

母「連絡もなしに…。お客様もいるんだ、恥をかかせないでおくれ」

戦士「あ、いや…俺達はこれで……」

母「前もって言ってくれれば、おもてなしも出来たんだけどね…すまないね」

ウィッチ「お気にせずでございますっ!」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:00:12.34 ID:vfHXP7so
青年兵「…じゃあ…行くよ」

母「……この国の為に…しっかりね」

戦士「お邪魔しました!」

ウィッチ「失礼致しますでございます」

母「次来る時はちゃーんと言うんだよ?ご馳走用意しておくからさっ!」

戦士「ういっす!楽しみにしてます!」

青年兵「じゃあ…また……」

母「……全く」

カチャッ…パタン……テクテクテク…

戦士「…いい母さんじゃないか」

青年兵「…幼くして父が亡くなり、女で一つで育ててくれました」

戦士「親父さんは病気か?それとも魔物に…」

青年兵「親父は漁師でした…。船ごと魔物にやられて……」

戦士「……そっか」

ウィッチ「……っ」
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:02:02.22 ID:vfHXP7so
青年兵「それからは毎日、母は海へ出て…働きづめでした」

戦士「海女さんか……」

青年兵「ええ…。行商もしておりました…」

ウィッチ「そ、それで…お身体を…?」

青年兵「はい…。そんな生活でしたので、僕は奨学生として士官学校へ通い…」

戦士「軍人になったわけだ…。親孝行だな」

青年兵「母の口癖でしたから……」

ウィッチ「……?」

青年兵「自分は不幸でもいい。人を幸せにする為に生きなさい…と」

戦士「……重い言葉だなぁ」

青年兵「ええ…」

テクテクテク…

医者「おや…もしや、青年兵君かな?」

青年兵「先生…!?」

戦士「……先生?」
904 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:02:51.16 ID:vfHXP7so
青年兵「あっ…こちら母を診てくれている医者の先生です」

ウィッチ「お医者様でございますね」

医者「今日はお母さんの看病かな?」

青年兵「まぁ…思ったより具合は良さそうで安心しました……」

医者「……具合が良さそう?」

青年兵「ええ。足取りもしっかりしていましたし…」

医者「……それは、よくないのう」

青年兵「…!?」

医者「いやな、ここ数ヶ月間…あまり芳しくないのじゃよ…」

戦士「でも…元気そうに……」

医者「一人息子の前じゃ。無理して気丈に振舞っておったのじゃろう…」

ウィッチ「……っ!」

青年兵「……か、母さん…っ!」

医者「この際正直に言っておくが…そう長くは持たぬかもしれん…」

青年兵「!?」
905 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:04:06.62 ID:vfHXP7so
医者「もって…あと数年……」

戦士「…なんとか…ならんのか?」

医者「もっと早く施術出来ておればのう…残念じゃ……」

ウィッチ「そ……そんな…っ!」

医者「……追い出されたみたいじゃの」

青年兵「……」

医者「これから診察じゃ。きっと見せたくなかったんじゃろう…」

青年兵「……母…さん…っ」

医者「これからもちょくちょく顔を見せてやると良い…。最良の薬じゃ」

医者は微笑み、青年兵の母が待つ家へと歩いていった。

青年兵「……

戦士「……いいぜ、待ってるよ。ここで」

青年兵「……!?」

戦士「戻るんだろ?しっかり互いの心中を明かしてきな!」

青年兵「……すいません!行ってきます!!」
906 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:04:49.93 ID:vfHXP7so
タッタッタッタッタ…

青年兵「はぁ…はぁはぁっ…」

青年兵がドアノブに手をやると、中より声が聞こえてくる。

医者「さっきそこで、青年兵君に会ったよ」

母「……病状は…話されたので?」

医者「ああ…。正直に伝えておいた」

母「……そうですか」

医者「我慢する事はない。会いたい時に会えばいいじゃないか」

母「……邪魔はしたくありません」

医者「……」

母「あの子は今、やっと自分の事を頑張っているんです…」

医者「……」

母「今まで私の看病をしながら…勉強に学校に……」

医者「……うむ」

母「ようやく手離れして…自分の人生を歩んでいるんです」
907 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:05:56.13 ID:vfHXP7so
青年兵「――っ!!」

母「頑張っているあの子を邪魔したくない…それに…」

医者「……」

母「苦労をかけた分、あの子には幸せになって貰いたいんです…」

医者「貴方は強いお人じゃのう…」

母「不器用なだけですよ…。ごほっ……こほっ!!」

医者「ほれ、無理なさるな…。少し横になるといい」

母「こほこほ…っ。す、すみま…せん…っ」

フルフルフル…

青年兵「……か…あ…さん…っ!」

ポロポロッ…ポロッ…

青年兵「あり…ありがとう…!ごめん…っ…俺行くよ…っ」

ゴシゴシ……タッタッタ…

溢れる涙を拭い、青年兵はその場を後にする。

そのドアを開けるべきだったのかは、誰にも分からない事である。
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 17:11:15.01 ID:bIULSxoo
     。。
   。     。 +   ヽヽ
゜ 。・ 。 +゜  。・゚ (;゚`Дフ。
            ノ( /  
              / >
909 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:50:36.30 ID:vfHXP7so
〜海峡、北の森〜

副隊長「だ、だいぶ暗くなってきちゃいましたね…」

女隊員「まーたビビってるんスかぁ?」

隊長「うーむ…そうは言ってもぼちぼち戻った方がいいかもなぁ…」

召喚士「ええ…。日没前には森から出たいですね」

男隊員「今回も戦闘はなしかぁ…。楽な仕事…ギャハッ!」

魔道士「じゃ、じゃあ戻りましょうか」

隊長「おし、隊列変更なし!このまま帰還する!」

男隊員「アイアイサー」

ガサガサッ

盗賊「…!?」

サモナー「……風か」

一同が振り向き、帰路に着こうとした矢先であった。

盗賊「!?」

隊長「っ!!」
910 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:51:34.08 ID:vfHXP7so
女隊員「…な、なんスかぁ!?この…気配っ!!」

副隊長「まずい…っ!退きましょう!!」

魔道士「え…?え…っ!?」

数人が感じた…森の奥より発せられる、強大で恐ろしい気配。

盗賊「…近づいて…来るっ!」

男隊員「何だよコレ…!?こんな気配…初めて……」

隊長「結界張れぇ!!」

副隊長「はいっ!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

サモナー「おいで、シーサペーント!」

シュイイィィン…

隊長「いいかっ!戦うな!とにかく退けっ!!」

魔道士「は、はいっ!!」

召喚士「コカトリス!頼む!」

コカトリス「……ああ」
911 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:52:23.55 ID:vfHXP7so
ザッザッザッザッザ…

隊長「振り返るなよ!真っ直ぐ走れっ!」

副隊長「あと…少しですっ!」

ザッザッザ…タッタッタ……

召喚士達の退路を塞ぐように、二匹の召喚獣が立ちはだかる。

ザザザザザッ…

コカトリス「……」

その場を囲むように、渦巻く風の音とともに、

暗い森の奥から、赤く光る巨大な目が二つ浮かび上がる。

コカトリス「……これは…マズイな」

シーサーペント「…キシャアアァァッ!!」

姿を現す羊の顔をした魔物。その手には巨大な剣。

ズズズッ…

バフォメット「…ファファファ。人間では…ない…か」

コカトリス「残念だったな」
912 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:54:21.59 ID:vfHXP7so
バフォメット「汝…人間の手先……召喚獣…」

言葉の途中でバフォメットの体に石化の息が吹き付けられる。

ドドオオォォンッ!!…ゴアオオオォォ!!

バフォメット「……ッ!!」

シーサーペント「シャアアァァッ!!」

それと同時に、シーサペントによる水流の竜巻が、バフォメットを飲み込む。

ドドオオォォ…

コカトリス「……!?」

バフォメット「……ファファファ!!」

コカトリス「無傷だと…っ!?」

バフォメット「……我…には…無効なり…!」

ヒュオッ………ザシュウウゥゥッ!!

シーサーペント「……!!」

コカトリス「な、なんと…いう…っ……」

巨大な剣が二度…左右に動くとともに、二匹の召喚獣はその姿を消した。
913 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:56:42.16 ID:vfHXP7so
タッタッタッタッタ…

サモナー「…っぐ!!」

召喚士「が…っ…は!!」

グラッ…ドサァ…

魔道士「召喚士さんっ!?サモナーさん!!」

隊長「どうしたぁ!?」

召喚士「……か…かは…っ!」

倒れる二人の元へ副隊長が慌てて駆け寄る。

副隊長「…召喚獣をやられましたね。魔力を持っていかれています」

隊長「ちぃっ!それほどかよ…!」

隊長が召喚士、男隊員がサモナーを抱え、森の外へと走り出す。

盗賊「魔道士っ!急げ!」

魔道士「はいっ!!」

女隊員「もうすぐッスよ!頑張るッス!」

決死の逃亡により一同は森の外へと抜け出し、難を逃れた。
914 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/16(水) 17:57:36.91 ID:vfHXP7so


召喚士「……う…っ」

魔道士「召喚士さんっ、大丈夫ですか!?」

召喚士「…え、ええ…っ」

サモナー「……はぁ…はぁ…っ」

盗賊「……くっ」

副隊長「…隊長」

副隊長はじっと森の奥を見つめる隊長へ声をかける。

隊長「追って…来ねぇな…」

副隊長「ええ…。時間も経ちますし、これは諦めたか…」

隊長「……もしくは、追えない事情がある…か」

女隊員「どうするんスか?一旦…海峡へ退くッスか?」

隊長「まぁ、それが賢明だわな。一応…周囲の結界、強化しとけ」

副隊長「了解致しました…!」

日没を迎え漆黒の森を背に、一同は海峡へと退却した。
915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:09:33.16 ID:OUixhOMo
  ,ィ、 ,、    /    l ヽ                   /       今
  ,'i ヽ' ヽ  ./  .    l  ヽ   ,/´^v'^、         /  メ  で  の
 ,'.l .ト ヽ、V,'    _,,、'-‐''" ̄/  , -、'、 '、        |    ラ  は  は
 . l  .l \ \r''"´/ィ、ヽ   / ./ __ヽl、 '、       |     だ. 無  メ
 --、 ヽ `ヽ、ヽ'"/ l ヽ.ヽ、,,/ /./´__ヽ.l ヽ,,l _,、-''´ハ |      :  い  ラ
   l\ ヽ、  `"´    `-r" / /__ ヽl,/'、ヽ  ノ ,l  | .     :      ゾ
 ー┴-ヽ ヽ─---  、. . 'v' //ヽヽ l''"7ヽ l/,イl  l            |
 ::::::::::::::::::l l`"''ー---=-、、.l 'イ .O.l::/   ヽ,、-'"/ l__.ィ \、        マ
 :l ̄`ヽ:::::l !  /::r==--、、l:::ヽノ;/___   //l l ヽv'::\__  ._/
 ::l ‐ッ、ヽ、 '、 fl:.:.`、ー┴'-ヲ:::::: K‐Ξー--'7r'"_l_l__」/::::/   //
 ,ハ  l ヽ ヽ'、 l.|:.:'"''  '"''":.:.:: ,,.l、`'亠'::::l /__:::::::::::::::::::::/
 /ハ 'vr"^/イ!`i.|.r' ,     _r'_,,:::..l `" ':,'/, /:::::::::__,/
 / ハ ヽ ,'i l.| l.l'"''  ,r''"、、 `''"^ヽ 、il/l'イ/ ̄ ̄
 ,/ ヽ .ヽ,'.l l.| l |  ,:'  ,r-----、" l ,/ lハ/
   /,ヘ、,' l l|  l|、,,   ;'   ̄二 '  '.,ハ l l
  / ///,' l || ||//ヽ、,,ィ  ,ィ1"''ヽ /l l l |ヽ
 / /// ,' l .l | ll// /ヾィr'1l l  l.lヾイl .l l lヽ\
  /// .,' .l .| | l|// / i l l.| l   l l l l .'、.'、'、 ヾ\
 /// ,' .| l | l.|l l l l .| l| i l  l l |.ト '、 '、ト、 ヾ\
 "''ー、l .l! l | l | ! l l.|  l  l  l l |.l'、 '、 '、ヽ  ヾ\
 ::::::::::::l .l .l | | l.|l l l | l .|.  |  l l l |ヽ ヽ ヽヽ  ヽ\._
 :::::::::: l l| .| l .l l| l  .l .l l |  l  l l |、ヽ  ヽ ヽヽr'" ̄`ヽ、-───、'''"
 `ー''"l l | l | l .l l | l l . l .l .l l ; lヽ、ヽ   ヽ ̄::: ̄ヽ  ヽ_,,、-‐'''"l:::::
   く;;l l l l | ll l  l l l l l .l l l、lr:::ヽ ヽ   ヽ::::::::::ノ   ,ノ____/::::::::
916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:28:05.99 ID:.Sr49060
ギガコカトリスか
917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:30:43.47 ID:gSaOiIAO
>>1

あの羊野郎にはトラウマ植え付けられちゃうくらい強いイメージしかないからヒヤヒヤする…
天才でも勝てる姿が想像出来ないし、魔王があれ以上強いとなるといよいよ絶望しか湧いてこなくなるな

それはそうと、俺も魔導師ちゃん宛てに恋文を書こうとGoogle先生で例文探しながら書いてたんだが、2行で挫折した
やはり俺の気持ちは複雑過ぎて、文字列と言う一般的なツールでは表現出来ないと言うことがよくわかった 大切なのは間合い、そして退かぬ心だな
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:33:10.98 ID:iHIs2ZEo
シーサペントなのかシーサーペントなのか・・・
それともシーサペーントなのか?
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:36:20.78 ID:aPpWv7Mo
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |  魔導士ちゃんへ     |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /              /ヽ__//
     /      やらせて    /   /   /
     /              /  /   /
    /   ____     /  /   /
   /              /  /   /
 /       >>917より/    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 18:59:02.65 ID:OOKCVhAo
シーサーペーントー
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 19:09:14.90 ID:G98mFMDO
シーサーペーンート
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 20:11:27.75 ID:6yL0.0U0
バフォメット「……ファファファ!!」

どこぞの毒ポケモン使いの四天王かと思った
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 21:09:43.01 ID:WMAgFJQo
バフォメット「カメェェェェェ!!」
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 21:49:24.29 ID:D2NZoBIo
うちゅうのほうそくがみだれる!
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 23:12:10.65 ID:rAl96gAO
オーキド「ここに3つの召喚獣があるんじゃろう?一つ選んでよいぞ」
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 23:15:40.31 ID:DtJHbkDO
バフォメットが、ベルセルクのあいつのイメージなんだけど、あれが更にでかいと思うと怖くて夜も眠れない…

魔道士ちゃん添い寝してくれないかなー
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 23:41:49.75 ID:NR07ta.o
彼岸島の山羊男だな
928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 23:54:57.64 ID:ejHvFAAO
>>1乙!

敵もいよいよ強くなってきて、なんだか初期の頃がなつかしいな
もう九ヶ月か?ほんとに凄いわ
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 00:11:49.57 ID:.Ig6qSo0
読み直した。
やっぱり>>1は最高。

魔道士ちゃんが召喚士のほっぺにチューしてた。
忘れてた。
930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:54:05.28 ID:oJrbocso
〜青年兵の故郷〜

タッタッタ…

青年兵「お待たせ致しました…!」

戦士「ちゃんと話せたか?」

青年兵「……そりゃあもう!」

ウィッチ「良かったで…ございます」

戦士「そんじゃ行くかね。さぁて……」

青年兵「本国は…まずいですよねぇ」

戦士「もうこうなったら…素直に名乗り出るしかねぇかな…」

ウィッチ「駄目でございます!戦士様は悪くないでございます!」

戦士「……しかしだなぁ」

青年兵「…しばらく、本国を離れて下さい。その間に…僕が手を打ちましょう」

戦士「……?」

青年兵「高官が相手です。…上の人間に直談判してみましょう」

戦士「…上の人間?」
931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:54:35.00 ID:oJrbocso
青年兵「……殿下です」

戦士「皇太子にか!?し、しかし……」

青年兵「ウィッチさんが経緯を説明してくれれば、情状酌量の余地はあるはずです」

ウィッチ「私…やりますでございますっ!」

戦士「でもよぉ…」

青年兵「戦士さんにはいつもお世話になっていますから。このぐらいの事…」

ウィッチ「そ、そうでございます!私も戦士様の為ならば……!」

戦士「お前ら…っ」

青年兵「あとはどこに身を隠すか…」

戦士「まぁこの辺だと手っ取り早く西方かねぇ…」

青年兵「西方…。良いかもしれませんね」

戦士「色々と縁もあるしなぁ…」

青年兵「分かりました。では、宿などが決まりましたら…こちらに文を…」

青年兵は住所の書かれた紙を、戦士へ手渡す。

戦士「……すまん!恩に着る!!」
932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:55:20.83 ID:oJrbocso


戦士「んじゃ、頼むわ」

青年兵「はい。ウィッチさんはしばらくこちらで保護致します」

ウィッチ「……」

戦士「おう。じゃあ…またな」

ウィッチ「戦士様……」

戦士「様…はよしてくれよ。はは…」

ウィッチ「あの…い、色々と本当にありがとうございました!」

戦士「こっちこそ…。なんか…すまん……」

青年兵「あっ、そうだ……」

青年兵は思い出したように、戦士の顔を見る。

青年兵「正規の船へは国軍の手が回っている可能性があります…」

戦士「そうだよなぁ…」

青年兵「話をつけておきましょう。付いて来て下さい」

戦士「……?」
933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:56:15.75 ID:oJrbocso
テクテクテク…

村の西側。浜辺の手前に並ぶ民家の一つに、青年兵は足を進める。

コンコン…カチャッ…

漁師「へいへい…どなたかな?」

青年兵「こんばんは。おじいさん」

漁師「……?はて、どなたじゃったか…」

青年兵「村の東に住む青年兵です。覚えてらっしゃいますか…?」

漁師「青年兵……おぉ!青年兵の坊やか!大きくなったなぁ…」

青年兵「おじいさんもお元気そうで。まだ漁には…?」

漁師「もちろんじゃ!生涯現役よっ。わっははは!」

青年兵「良かった…!実は、一つお願いがございまして……」

漁師「…ん、まぁとにかく入りなさい。さぁ」

青年兵「失礼します。皆さんもどうぞ」

戦士「お邪魔します」

ウィッチ「失礼しますでございます…!」
934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:58:03.57 ID:oJrbocso


漁師「なるほどのぅ…。それは難儀じゃったなぁ」

お世辞にも立派とは言えない民家。その主である漁師は、

突然の来客にも驚くことなく迎え入れ、青年兵の話に耳を傾ける。

青年兵「そこで、おじいさんにお願いが…」

漁師「ふむ…。さては西方まで送り届けろと言うのじゃな?」

青年兵「……お察しの通りで」

戦士「なるほど…」

漁師「しかし正規のルートでないと…色々と支障が生じるぞ?」

青年兵「まぁ…それは仕方ない事ですね…」

戦士「んー…まぁな…」

漁師「西方のお役人に知り合いでもおれば…楽なんじゃがのう…」

戦士「役人…?それって城務めなら誰でもいいのか!?」

青年兵「まぁ…それなりの権力を持っていれば……」

戦士「……いるぜっ、しかも腐るほどな!」
935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:58:45.78 ID:oJrbocso


青年兵「では、宜しくお願い致します」

漁師「うむ。明朝の漁に合わせて送り届けるよ」

戦士「何から何まで本当にすまん…っ!」

青年兵「いえいえ!それではまた後日…!」

ウィッチ「お、お気をつけてでございます!」

戦士「おうっ!」

カチャッ…パタン…

戦士「ジーサン、世話になるぜ」

漁師「なぁに…気にする事でもない。わっははは」

戦士「このご恩は必ず…!」

漁師「…ふぅむ。しかし…立派になったのう…」

戦士「……青年兵か?」

漁師「うむ…。幼くして父を亡くし…母子二人で頑張っておった…」

戦士「…みたいだな」
936 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 17:59:35.79 ID:oJrbocso
漁師「よーく働く…いい子じゃったのぉ…」

戦士「昔っから変わらないんだなぁ…」

漁師「ああいう子が、国を支えてくれれば…将来も安泰じゃ!」

戦士「ジーサンも見届けるために、長生きしなくっちゃあな!」

漁師「ひょっ?……わっははは!その通りじゃのぅ!!」

戦士「ああ!あいつはきっと…立派な将軍になるぜ!」

漁師「この村も有名になるかもしれんのぅ…!」

戦士「おうおう!そりゃあもう……」

漁師「そうすれば、後を継ぐ若者も増えてくれるかもしれんな…」

戦士「……ジーサン」

漁師「なんせ…若いモンが少なくなってしまっての…」

戦士「そっかぁ……」

漁師「さぁて…明日も早い。寝るとするかの!」

戦士「お…おうっ、そうだな…!」

薄く平たい布団に身を包み、明日に備え二人は就寝した。
937 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:00:29.53 ID:oJrbocso
〜本国への街道〜

青年兵「へぇ…!同い年だったのかぁ…」

ウィッチ「そうみたいでございます」

青年兵「お父上は高官なんだよね…?」

ウィッチ「ええ…。本国の経済機関に……」

青年兵「な、なるほど…」

ウィッチ「母もかつては秘書を…。今は姉も…国軍に…」

青年兵「そうなの?」

ウィッチ「はい…。東方司令部の魔道隊でございます……」

青年兵「そうかぁ…。多分会った事はないなぁ…」

ウィッチ「だから…私だけ落ちこぼれで……」

青年兵「ウィッチさんは魔道学校を出たんだよね?」

ウィッチ「そうでございます…」

青年兵「それだけでも…優秀だと思うけどなぁ…」

ウィッチ「……」
938 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:02:13.02 ID:oJrbocso
青年兵「魔法だって使えるんだよね…?」

ウィッチ「でも…三行しか……」

青年兵「20歳でそれだけ出来れば充分だと思うけどね…」

ウィッチ「……」

青年兵「あ、ご…ごめん……」

ウィッチ「いえっ、でも私…考えが甘かったでございます…」

青年兵「…?」

ウィッチ「青年兵様はお若いのに…お母様の看病や勉学を欠かさず…」

青年兵「えっ、まぁ…それは……」

ウィッチ「親元を離れ、とても頑張っていらっしゃるのでございますね…」

青年兵「いや…っ、どうなんだろ…。は、ははっ…」

ウィッチ「戦士様もそう…。せっかくお会い出来たお父様と別れ…」

青年兵「みんな…夢があるからだと思うよ」

ウィッチ「夢…でございますか…?」

青年兵「うんっ。夢を持っているからこそ、頑張って生きていけるんだ」
939 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:02:57.06 ID:oJrbocso
ウィッチ「なるほど…でございます」

青年兵「もちろん親孝行も大切だけどね。はははっ」

ウィッチ「青年兵様の夢は…なんでございますか?」

青年兵「えっ!?あ…いやぁ…僕はその……」

ウィッチ「……?」

青年兵「…いずれは大元帥となって、この国を守りたいな…って」

ウィッチ「大元帥…でございますか…」

青年兵「大きすぎる夢も…ちょっとあれだね。ははっ」

ウィッチ「いいえっ。素敵でございますわ」

青年兵「そ、そう…かな…」

ウィッチ「ええっ!でございます!」

青年兵「ウィッチさんも夢を持つといいよ!何かやりたい事とか!」

ウィッチ「…はいでございます!頑張って…探したいでございます!」

青年兵「うんっ!その意気だ!」

笑顔で語り合う二人の前に、本国の賑やかな町の灯りが近づいていた。
940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:03:45.75 ID:oJrbocso
〜海峡〜

海峡兵「プリースト隊っ!救護室へ!」

プリースト隊「はいっ!」

召喚士「…だ、大丈夫…っ」

隊長「無理すんな。今日はもう寝てろ」

サモナー「……す、すみません…っ」

担架に乗せられ、召喚士とサモナーが救護室へと運ばれていく。

将軍「ううむ……。何という…っ」

副隊長「やりあっても五分、いや…おそらく全滅していました」

男隊員「姿を拝むことすらままならなかったぜ…くそっ!」

女隊員「あれは化物ッス。軍団長クラス以上の強さッス」

隊長「魔王…とまではいかないが、下準備なしじゃ勝てないだろうな」

魔道士「……」

副隊長「しかし今すぐ手を打たなければならないわけではありませんね」

隊長「ああ。手を打たない事こそが最善の策だ」
941 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:12:12.13 ID:oJrbocso
将軍「……?」

盗賊「…奴は…追って来なかった」

将軍「どういう事だ?」

隊長「理由は分からん。…が、森の外までは追跡して来なかった」

将軍「召喚獣で倒したという事は…?」

副隊長「まず有り得ないでしょう…。彼ら二人の様子を見る限り…」

魔道士「召喚士さん…」

男隊員「いきなりぶっ倒れたって事は…召喚獣やられたって事だろ?」

隊長「森を抜けた途端、殺気も消えた」

将軍「成程…。森にさえ近づかなければ…問題はない…と?」

副隊長「導かれる結論としては、そういう事になります」

女隊員「触らぬ魔物に祟りなしッスかね」

盗賊「……」

将軍「……分かった。ご苦労であった」

敬礼とともに一同は引き上げ、砦の中へと場を移した。
942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:23:09.97 ID:oJrbocso
〜救護室〜

召喚士「……っはぁ」

差し出された水を飲み干し、召喚士は横のベッドを見つめる。

召喚士「…サモナーさん、大丈夫ですか?」

サモナー「ん…あぁ。大丈夫だよ…」

天井を見つめたまま、サモナーは問い掛けに返答する。

サモナー「おそらくは一撃で…持っていかれたね」

召喚士「ええ。突然でした……」

サモナー「悔しいなぁ……」

召喚士「ええ…。まさかこれ程の魔物がいるとは…」

サモナー「正直…負けた事の悔しさはないんだ…」

召喚士「…え…っ?」

サモナー「魔力を…魔力を大きく持っていかれた事が悔しい…」

召喚士「あ…っ!?……す、すみません…!」

サモナー「いや…召喚士君のせいではないよ。僕の不甲斐なさが本当に悔しいよ…」
943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/17(木) 18:24:56.72 ID:.44q3Xgo
>>935
戦士「このご恩は必ず…!」って青年兵?
944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 18:25:59.54 ID:DxdANmco
>>943
青年兵はもう出て行ったんじゃない?それだと戦士で正解じゃね
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/17(木) 18:27:37.23 ID:.44q3Xgo
ほんとうだ、がちゃばたんってあった
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 18:29:30.26 ID:WFTAOAAO
なんだ?じゃがばたーって
947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 18:39:05.76 ID:DxdANmco
じゃがバターしらねーのwwww
おまえ人生の0.0001%ぐらい損してるぞwwwwww
うまうま
948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:45:11.41 ID:oJrbocso
召喚士「サモナーさん…」

サモナー「悔いても仕方ない事だけどね……」

召喚士「……」

サモナー「マーメイドも許してくれるよね…きっと」

召喚士「ええ…。もちろんです」

サモナー「回復したらコカトリスとシーサーペントに聞いてみよう」

召喚士「そうですね…。何かしらヒントがあるかもしれません」

コンコン…カチャッ

魔道士「お邪魔します…」

盗賊「…大丈夫か?」

召喚士「魔道士さん、盗賊さん…!」

サモナー「大丈夫だよ、ありがとう…。こっちこそ申し訳ない…」

召喚士「まさかあんなあっさり…。不甲斐ないです」

魔道士「何言ってるんですかっ。お二人のお陰で助かったんですよ!」

盗賊「…ああ…そうだぞ」
949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 18:51:37.24 ID:oJrbocso
魔道士「本国へは明日戻るそうです。今日は安静にと…」

召喚士「もう戻るんですか?」

盗賊「…らしい」

魔道士「魔物の動向から、仕掛けてくる事はないという判断みたいです」

サモナー「確かに……」

魔道士「詳しい事は将軍さんや隊長さんに…」

召喚士「はいっ、ありがとうございます」

盗賊「…何か…食べるか?」

召喚士「いえ…っ、食欲なくて……」

サモナー「僕も…大丈夫…」

盗賊「…そうか」

魔道士「何かあったら呼んで下さいね!えへへ!」

召喚士「はい、ありがとうございます!」

盗賊「……お大事に」

魔道士と盗賊は笑顔を見せ、救護室を後にした。
950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/17(木) 18:58:27.82 ID:oJrbocso
こんばんは!ご支援ありがとうございます!
残り50…このまま続けるかオマケで埋めるか…いつも迷ってしまいます…
とりあえず帰宅して次スレ建てますね!ありがとうございました!ノシ

魔道士「>>950ゲット!エヘヘッ!!」
951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 19:24:39.98 ID:8ulL3PIo
お疲れー。

ふとした疑問だがサモナーが魔翌力を持ってかれたことが悔しい
って言ってたけど召喚獣がやられた時の魔翌力って回復しないのか?

だとしたら召喚士やばくねーか。
952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/17(木) 19:46:56.44 ID:uDa8/fU0
>>1

>>951
回復するまでの時間がもったいないって事じゃない?
953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 19:53:54.97 ID:rnEtHEAO
サモナーって寿命削って魔翌力捻出してるんじゃなかったっけ?
954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 19:58:11.64 ID:DxdANmco
そういう設定だったね
ちなみにサモナーの残りの寿命は954年弱だ
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 21:03:27.13 ID:dzuIhYSO
>>1おつー!
どうかお願い!ウィッチちゃんと青年兵をくっつけちゃって!
そうじゃなきゃ、盗賊と戦士が結ばれた時が不憫すぎる(´;ω;` )
956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 21:09:40.25 ID:HOGn8PQo
まあ俺とくっつくのが一番なんだがな
957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 22:03:26.49 ID:WFTAOAAO
>>1

魔導師ちゃんはいただいていく
ありがとう、いい薬です!

俺が倒れても魔導師ちゃんは見舞いに来てくれるだろうか…それが気になってここ1年は満足に寝れなかった
まぁ、体は辛くても魔導師ちゃんとの真夏のサクセスを妄想すればアッチの方は年中無休で元気でいられるのですが、それはまた別のお話
958 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 22:25:52.24 ID:N7tnooAO
相変わらずのお前らっぷりに安心した
959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 23:20:23.18 ID:3JanxI20
魔道士ちゃんは召喚士に「だけ」ちゅーしたんだよな
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 23:37:58.33 ID:uryBcsDO
じゃあ、余りものの>>1は私がもらうで異論はないのですね?
ちゅっちゅっするお
961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 23:52:17.27 ID:N4RrjH6o


魔道士「……はぁ」

自室に戻った魔道士は、ベッドへ腰掛け大きく息を吐く。

盗賊「……」

魔道士「召喚士さん…落ち込んでたなぁ…」

盗賊「…仕方ないさ」

魔道士「何とか…元気になればいいですけど…」

盗賊「……ふふっ」

魔道士「……?」

盗賊「…いや…まるで、恋煩……」

ボフッ!!

顔を真っ赤にした魔道士の投げつけた枕が、盗賊の顔に命中する。

魔道士「な、何言ってるんですか…っ!?」

盗賊「…だ、だってぇ」

魔道士「そういう意味じゃ…ありませんからっ!」
962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/17(木) 23:55:46.25 ID:N4RrjH6o
盗賊「…まぁ…気持ちは分かるよ…うん」

魔道士「……はぁ」

盗賊「…まぁ、その…あれだ」

魔道士「へ…っ?」

盗賊「…男性を慰めるのは…女性の役目だ」

魔道士「あ、あの…っ、それって……」

盗賊「…え…っ?あっ!いやっ、そういう事ではなくっ…その…っ!」

魔道士「そそ、そういう意味って…どういう意味ですかぁ…!もうっ!」

盗賊「……ご、ごめんっ」

魔道士「い、いえっ…こちらこそ……」

盗賊「……」

魔道士「……」

盗賊「…もう…夜も更けた。……寝よう」

魔道士「は、はいっ!おやすみなさい!」

盗賊「…お、おやすみっ!」
963 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 00:00:27.48 ID:ldc4Wm2o
〜明け方〜

召喚士「……う…ん」

サモナー「………」

ゴソッ…

召喚士「……んー」

サモナー「やあ、おはよう」

召喚士「サモナーさん…おはようございます。早いですね…」

サモナー「あんまり寝付けなくてね…起きちゃったよ…」

召喚士「そうでしたか……」

サモナー「召喚獣を呼び出して後、本国へ帰る準備をしようか」

召喚士「…はい!」

サモナー「………」

召喚士「戦士…もう戻ってるかな…?」

サモナー「…ん?」

召喚士「あ、いえっ…。さて、着替えましょうか」
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/18(金) 00:05:51.36 ID:ldc4Wm2o
>>951
皆様の仰る通り、サモナーの奴は命を削って魔力を作ってます
というわけで>>952-954補足ありがとうございます!でもサモナーの寿命長すぎます

>>955
う、うーん…頑張ります!

>>960
ありがとうございます…ふつつか者ですが…


それでは失礼致します!おやすみなさい!

次スレでございます!よろしくお願い致します!!ノシ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:14:29.87 ID:9XEMkT2o
>>1には読者の展開の希望や要望を聞かずに自由に書いてほしい
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:18:40.10 ID:AXEyEh6o
くそ…見てない間に>>1>>960に!
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:36:50.92 ID:0rC9rAAO
>>1おつ

そういえばサモナーは寿命削って召喚してたな。魔翌力削られてマーメイドと会えない時間が増えるって解釈してたけど違ってたか
968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 02:43:44.78 ID:GBhGtJs0
戦士との合流クエストまだまだ先がなげえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 05:07:41.74 ID:92KAOUSO
この世界の郵便配達屋の話おまけで見てみたい
970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 08:12:01.60 ID:sHybUIAO
新たに加わった死亡者達と先輩死亡者達のあの世での会話(魔物含む)


ちなみに今夜はカレーにします、参考までに…
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 13:59:00.50 ID:F70mJNgo
この時代、運送業においては、まだ確立されていなかった。

それは魔物の数が多く、素人には危険が大きいためである…。

それに手紙や小荷物など、大切な物を預けるには不安が多く、

確実に届けられる、尚且つ信用における者に託す必要性があった。

それを実現出来るところは大きく二つ。一つは『国軍』、もう一つは『ワーカー』である。

国軍の担う運輸業については、安価で信用性が非常に高い。

しかしその主たる職務内容から、運輸の日数が非常に長く、遅延も多かった。

一方でワーカーについてだが、ワークショップへの登録者数は思った以上に多い。

実はその大半がこの『運輸』についての依頼を担っている。

理由は簡単。同じ地域であれば、一度に多数依頼をこなせるし、

何より、魔物との戦闘をこなすよりは、はるかに安全だからである。

ワーカーにとっても、預かり物を無事届ける…それを繰り返すことにより、

信頼も強まり、指名客も増える。更にはそこから大富豪や商人の護衛へと繋がる。

そうなればしめたもの。更に楽な業務でありながら、大金を掴み取れるのだ。

まぁ…中には配達に命をかける、奇特なワーカーもいるのであるが……。
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 13:59:29.48 ID:F70mJNgo
〜本国〜

黒猫「コイツを…北の村に届ければいいわけだな…?」

店員「はい。まぁ…ご本人は既に病で亡くなってしまいましたけれど…」

通称『黒猫』、と呼ばれる一人の剣士。彼はワーカーである。

黒猫はいつものように店員から一通の手紙を受け取り、ニッコリ笑う。

黒猫「最後の手紙ってわけだ…。何が何でも届けてやるさ…!」

肩から提げた鞄の中に、その手紙を大事にしまい込む。そして目指すは北の村。

テクテクテク…ペラッ

黒猫「ふぅん…。画家だったのか……」

依頼主の情報が簡略に書かれた紙。それをまじまじと読みふけり呟く。

黒猫「北の村を出て、画家を目指して本国へ来たんだなぁ…」

テクテクテク

黒猫「……おっと、重なる部分があって、しんみり来ちまったぜ…。へへっ」

この頃の大陸は、魔物の動きも非常に活発で、北の村へも困難な道のりであった。

この剣士の前にも、お約束と言わんばかりに魔物が襲い掛かる。
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:00:48.14 ID:F70mJNgo
ザザッ

黒猫「……出やがったな!」

コボルト「グヘヘ!…男は不味い。武具を頂くとするか!」

ゴブリン「そうだぎゃ!」

黒猫「お前ら如きにやられっかよぉ!!」

二匹の魔物が身構える前に、黒猫は一気に間合いを詰める。

ゴブリン「早……っ…!?」

黒猫はすかさず長剣を抜き、左方のゴブリンめがけ振り下ろす。

ザシュッ!!

ゴブリン「ぐえぇ!!」

黒猫「次いぃーっ!!」

コボルト「一撃かよぉ…っ!」

ようやく剣を身構えるコボルトに対し、黒猫は振り下ろした剣をそのまま水平に薙ぐ。

ヒュオッ!!

コボルト「あっぶね…!」
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:01:31.66 ID:F70mJNgo
間一髪それをかわし、コボルトは手にした剣を振り下ろす。

コボルト「りゃあぁー!!」

黒猫「……ふんっ!」

キィンッ!!

コボルト「かち上げ……っ…!?」

黒猫「ガラ空きぃ!!」

コボルトの剣を左手の盾で押し上げ、丸見えとなった腹部へ右手の剣を突き刺す。

ヒュオッ……ザシュウウゥ!!

コボルト「…ク……ッハ…ア…」

コボルトはしばし抵抗を見せるが、次第に力を失い、うなだれるように力尽きた。

ドサァッ…

黒猫「ふんっ」

コボルトの腹部より剣を引き抜き、一度振り下ろし、刀身の血を掃う。

黒猫「背負ってるモンの重みが違げぇんだよ!雑魚っ!」

吐き捨てるように呟き、黒猫はその場を後にした。
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:02:53.61 ID:F70mJNgo
それでもワーカー同士の繋がりは大きい。

黒猫「おーしおし、こっからは結界が張ってあるな!」

ワーカー達が自ら開拓した『道』。それはもちろんワーカーしか知らない。

黒猫「この渓谷を抜ければ、北の村までもう一息だな…!」

今でこそ国軍とワーカーは密接な関係にあるが、当時は必ずしもそうとは限らなかった。

国軍にとってワーカーはたかが傭兵、といったレベルのものであり、

ワーカーにとって国軍とは、己の保身しか考えない、本国の駒であった。

その両極端が相容れるはずもなく、ワーカーにはワーカーだけの情報、

即ち『道』や『魔物の情報』、そういったものを持っているのである。

ワークショップこそ本国の管理するそれであるが、そこへ登録するワーカー、

彼らは国の為ではなく、あくまで人の為に働き…そして金を貰う、そういった考えである。

その壁が取り除かれる日は、この時点ではまだ想像もつかなかった。

ゴソゴソ…

黒猫「待ってろよ…。もうじき届けてやっからな…」

鞄から取り出した手紙を見つめ、黒猫はぽつりと呟いた。
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:03:58.98 ID:F70mJNgo
ザッザッザッザッザ…

黒猫「……着いた。ここだ」

渓谷の奥、ひっそりと佇むようにその村はあった。

黒猫「軍の奴らもさっさと働けってんだ……」

遠方に見える無造作に置かれた巨大な石と結界石。それを見て黒猫はぼやく。

黒猫「地獄の壁だか何だかしらんが…さっさと魔物を塞いじまえばいいんだよ」

足元にも転がる小さな結界石を拾い上げ、手のひらでぽんぽんと放る。

坂を下ると、ぽつぽつとまばらに屋根が見え始める。北の村だ。

テクテクテク…

黒猫「見つけた…。この家だ」

コンコン……カチャッ

女「……はい…?」

ドアをノックすると、一人の美しい女性が姿を見せる。

黒猫「あんたが…『女』さんかい?」

女「ええ…。そうですが……」
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:06:32.96 ID:F70mJNgo
貴方は?と聞き返す前に黒猫は手紙を差し出す。

黒猫「俺はワーカーのモンだ。あんたの恋人から手紙を預かって来た」

女「っ!?」

黒猫「……読んでやってくれ」

女は慌てて手紙を受け取り、封を切る。

そして…徐々にその表情を変え、やがてとめどなく涙が溢れた。

女「……うぅ……っ…うっ…!」

黒猫「残念だが…既に病で亡くなったそうだ…」

女「……男…さ…んっ…」

黒猫「……じゃあ、失礼する」

黒猫は丁寧に頭を下げ、女の家を後にする。

帰ろうとした矢先、黒猫は村の入り口に複数の気配を感じる。

黒猫「……くっそぉ、つけられたか…!?」

コボルト「ケヘヘヘッ!こんなところに村があったとはなぁ…」

招かれざる来客、魔物の群れが不敵な笑みを浮かべた。
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:07:38.29 ID:F70mJNgo
黒猫「……ちぃっ」

コボルト「さーて…片っ端から……ん?」

黒猫「魔物だーっ!家から一歩も出るなぁ!!」

コボルト「何だぁ!?」

黒猫「あんたもだっ!家の中へ!!」

女「っ!?」

黒猫「早くっ!」

大声で叫びながら女を家の中へ押し込み、黒猫はそのドアを閉める。

コボルト「威勢いいのが…一人いるなぁ…?」

数匹のコボルトはゆっくりと黒猫の前へ歩み寄る。

黒猫「……雑魚が」

コボルト「はぁ!?……やっちまえぇ!」

コボルトの群れが一斉に襲い掛かる。

黒猫「っらああぁぁー!!」

前後左右から群がる魔物達を、黒猫は長剣で斬り落としていく。
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:09:01.70 ID:F70mJNgo
ザクッ!!…ブオッ……ザシュッ!!…バシュッ!!

コボルト「何だコイツ…!?つ…強えぇ…!」

黒猫「はぁはぁ…っ、ナメんなよ…!!」

コボルト「く…っそぉ!!」

ザンッ!!

無数の切り傷を負いながらも、コボルトの群れを全て切り伏せた黒猫は、

その奥にどっしりと立ちはだかる一匹の魔物を睨みつける。

黒猫「……あとはお前で…最後だっ!」

顔のない甲冑の魔物は当然言葉を返すわけもなく、ゆっくりと近づき始める。

デュラハン「……」

黒猫「はぁ……はぁ…っ…!」

ザッザッザ…

黒猫「……りゃあ!!」

ブンッ!!……ギイィンッ!!

鈍い金属音が辺りに響き渡る。
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:09:59.42 ID:F70mJNgo
デュラハン「……」

黒猫「はぁ…はぁ……!くそ…っ!」

振り下ろした長剣をゆっくり引き上げ、黒猫は舌打ちを鳴らす。

無傷のデュラハンは何事もなかったかのように右手の剣を振り上げる。

黒猫「……はあぁ!!」

キィンッ…ギキィンッ!!…ヒュオッ…キィンッ!!

激しい剣の打ち合う音が、不気味なほど静かな周囲にこだまする。

数合打ち合った両者であったが、徐々にその攻勢は変わりつつあった。

デュラハン「……」

ブンッ……ザシュッ!!

黒猫「…うぐ…っ!!」

吹き出る血を押さえるように、黒猫は左肩に手をやる。

デュラハンの手は休まる事なく、黒猫を無慈悲に斬り続ける。

サクッ!!…ザシュッ!!……ザンッ!!

黒猫「ぐああぁぁっ!!」
981 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:10:39.45 ID:F70mJNgo
ドサッ…

黒猫「……ここまで…か…っ」

甲冑の魔物による攻撃で地面へ仰向けに倒れる黒猫。

諦めたような口調でとどめを刺しに近づくデュラハンを見据える。

デュラハン「…………」

タンッ!!

そんな事はお構いなしと言わんばかりに、魔物は最後の一振りを放つ。

黒猫「……こ…んの…っ!!」

ポケットの中から取り出された小さな結界石。それは先程拾い上げた物…。

飛び掛るデュラハンの胸を、黒猫の長剣が一点を貫く。

バキイィィンッ!!

激しく砕け散る長剣の刀身。きらきらと輝くその中で魔物の剣が伸びる。

ドスッ…

黒猫「ま…まだ…まだぁーっ!!」

互いの胸部を貫いた両者の身体は、覆い被さるようにその身を寄せる。
982 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:11:22.98 ID:F70mJNgo
デュラハン「……!!」

デュラハンの胸元が光り輝く。その光は全身に広がり、その甲冑を覆い包む。

黒猫「へ…へへ…っ。どうだ……!」

黒猫の伸びた右腕。その手に握られた結界石がその光の主。

悲鳴を上げる事こそないが、デュラハンはいかにも苦しそうに身悶える。

やがてその体は、光とともにこの世から消滅したのであった。

黒猫「……へ…っ」

ググッ…

黒猫「や……った…ぜ……」

突き上げた右拳。その手に握られた結界石が零れ落ちると同時に、

黒猫もその役目を終えたように、静かに目を閉じ、笑った…。

カチャッ……

女「……っ!!」

静寂が蘇る村の外。それを察して人々が屋内より姿を見せる。

真っ先に駆け寄った女は、手紙を握り締めたまま黒猫の顔へ涙の粒を落とした。
983 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:12:42.71 ID:F70mJNgo


村長「……これで良いじゃろう」

女「……はい」

村人達は、その英雄の墓を立てた。名も知れぬワーカー。

しかし村人にとってその男は、間違いなく英雄なのである。

女は英雄の運んだ手紙を一緒に埋めた。

村人は黒猫を英雄と崇め、代々語り継ぐ事になるだろう。

そして、敬意を込めてこう呼んだ。『聖なる騎士』…と。



この出来事は数ある戦いの、表には決して出る事のないごく一部に過ぎない。

しかし限られた人々の中であれ、その功績は他の何ものよりも大きいのである。

現在においては国軍とワーカー、両者は非常に密接な関係にあり、

運輸業においても円滑かつ更に安全なものとなりつつある。

この先、それは更に便利なものになるだろう。

その時には、英雄の功績も役目を終わる運命にあるのかもしれない。

〜行けっ!コカトリス!!外伝、完〜
984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 14:20:35.05 ID:xNPTdlQo
ヤマトかと思ったらKだったでござるの巻wwwwwwww
いつ佐川は出るんだと思ったらwwwwwwww

面白かったですwwwwwwww
985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 14:24:34.33 ID:Jh7b7YDO
SS 乙でした。
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 14:29:19.67 ID:QU1Can2o
泣いた
987 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:34:28.94 ID:F70mJNgo
テクテクテク…

親衛隊長「……はぁ。死んでしまった」

スタスタ…

親衛隊長「…ん?」

騎都尉「…?」

親衛隊長「…どうも」

騎都尉「どうも」

親衛隊長「…貴方も魔物にやられたクチですか?」

騎都尉「ああ…。まぁ…」

親衛隊長「そうですか。ご愁傷様です…」

騎都尉「……そちらこそ」

テクテクテク…

親衛隊長「!?」

トロル「…ふが?」

親衛隊長「…死んでしまえば…人間も魔物もない…か」
988 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:35:06.32 ID:F70mJNgo
師匠「…………」

お父「……」

騎都尉「……グビッ」

親衛隊長「ほー、大軍師がねぇ…」

フンババ「アイツ強い…キライ」

トロル「……ふが」

テクテクテク…

北方司令「あれ、師匠。今日はお酒が進んでないですね…」

師匠「進むと思うか…?バカヤロウ」

北方司令「へっ…?」

師匠「……非常に…暑苦しい」

北方司令「……た、確かに…っ!」

師匠「女は来ないのか?女は……」

北方司令「いや、あまり女性を死なせてしまうと…ちょっと…」

師匠「はぁ!?男女平等だろうが!不公平だこんなん!!」
989 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/06/18(金) 14:36:14.38 ID:F70mJNgo
テクテクテク…

プリースト「師匠さーん!今日はカレーよ?どうっ?」

師匠「うひょー!美味そうっ!!どれ……」

北方司令「……美味しい!」

師匠「うめぇ!!さっすがプリーストちゃん!!」

短髪「なんだこの現金なヤローは…」

弓使い男「さぁ……」

プリースト「良かったぁ!褒められたよ?」

クラーケン「いやぁ…自分の足をふんだんに使った甲斐がありました」

師匠「ブーッ!!」

プリースト「クラーケンちゃんたら、とっても料理上手なんですよ!」

お父「…ほう」

親衛隊長「いやはや…魔物にも色々とあるんだなぁ…」

ドワーフ「ほっほっほ!これにて一件…」

師匠「落着してねぇよ!!バカヤロウッ!!」

あの世は今日も平和です……。

〜行けっ!コカトリス!!外伝?、完〜
990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/06/18(金) 14:41:59.58 ID:F70mJNgo
>>969-970
オマケリクありがとうございます!完了です!

>>965
ギリギリご要望に沿えるものは頑張りますが、
基本的には自由に書かせて貰っちゃってます!

>>967
結果としては同じ意味でおKです。寿命も魔力も減る一方なので…

>>984-986
ありがとうございます!ちなみに黒猫は両方の意味です!
Kを聞きながら呼んで頂ければ…!

あと10なので本編は次スレからにて!ありがとうございました!ノシ
991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 15:13:57.65 ID:TDYLQASO
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 16:12:05.94 ID:rpEzbuoo
何かいてるんだwwwwwwww
面白いww

次スレは立ったの?
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 16:57:27.53 ID:2XstBIDO
>>992

>>964
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 17:04:56.14 ID:FU1uLWMo
外伝乙です
始まって2レス目でKと気づきニヤニヤしながら読ませてもらったぜwwww
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 17:55:04.19 ID:m5uT48Yo
うめぼしたろう
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 18:03:57.08 ID:SrCjuIk0
うめ
>>1000ならマーラ様が召喚できるようになる
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/18(金) 18:03:58.23 ID:AakHOCEo
新スレはじまた

うめ
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 18:05:25.72 ID:xNPTdlQo
>>1000なら俺も召喚士になれる!!!
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 18:12:55.21 ID:7QJ9lTYP
>>1000ならぼくは警察官になる!
1000 : ◆1C/John/NQ [貧脚自慢]:2010/06/18(金) 18:18:22.89 ID:pO.yWOYo
1000
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
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       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
今から>>10の家に行く・・・ @ 2010/06/18(金) 18:07:45.98
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1276852065/

【A】蒼い子が全レス【雑】※鉄騎皇イグドラシル @ 2010/06/18(金) 17:36:28.75 ID:K6UVY.go
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1276850188/

お前等のせいで松井秀喜(36・童貞)にしか目がいかない件 @ 2010/06/18(金) 16:52:01.10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1276847521/

【陣営戦】ガンダムバトル開催 ゾロ目でMS発掘382機目【狙撃戦】 @ 2010/06/18(金) 15:54:29.79 ID:x.FRzoAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1276844069/

ムック「さぁて、今日もガチャピン殿の悪口をレスしまくりますぞぉ〜!・・ん?」 @ 2010/06/18(金) 13:01:38.79
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