まゆ「Dear my moon」
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1: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/07(木) 23:55:19.16 ID:giNt4Oxp0
佐久間まゆ誕生日記念SS

Pまゆ要素あり

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2: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/07(木) 23:59:29.26 ID:giNt4Oxp0
運命は廻り続ける。道は運命められ続ける。いつも、いつまでも。
音を鳴らして車輪が回り、羅針盤の針はその先を選定する。
変えられる運命、変えられない運命。
自分の手で切り拓ける運命。己だけではどうしようもない運命。
ハッピーエンド。メリーバッドエンド。バッドエンド。
以下略 AAS



3: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:01:55.37 ID:xMQ2bOga0
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4: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:05:10.01 ID:xMQ2bOga0

─────その朝少女は夢を見た。それは、とても現実的な夢。
少女の記憶にある通りの世界で、知っている人物たちが登場する遊迷(ゆめ)の迷宮で。
リボンの少女は声にならない悲鳴をあげて呼んでいる。誰かの名前を呼んでいる。
でも介入することが出来ない。抗うことが出来ない。許されたのはただ、見ていることだけ。
以下略 AAS



5: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:07:29.67 ID:xMQ2bOga0
「はぁ……はぁ……っ」

少女は息を切らして濡れた枕から頭を持ち上げる。目尻には今も滴が流れていた。
最悪の目覚めだった。出来れば二度寝をして綺麗さっぱり忘れてしまいたいほどに。
時計の針は5時過ぎを指していて、セットしてあるアラームが鳴るよりも随分と早い時間だ。
以下略 AAS



6: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:09:05.02 ID:xMQ2bOga0
ごめんなさい……結局間に合わなかったせいか焦ってるな 誤字訂正
起き直し→置き直し


7: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:12:43.08 ID:xMQ2bOga0
「何で……あんな夢なんか見たんでしょう……」

朝食を食べながら、まゆは今朝の夢を思い返していた。
と言っても、起きてから時間が経っていく内に自然と夢の内容は抜け落ちていってしまい、
細部や他に誰がいたのかさえ覚えていない有り様なのだが。
以下略 AAS



8: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:23:17.32 ID:xMQ2bOga0
事務所に着いて、まゆが真っ先に向かったのは事務室にあるプロデューサーのデスクの下。

「おはようございます、乃々ちゃん、輝子ちゃん」

そこでまゆとシェアハウスしている共有者の二人は各々時計を見ながらぼーっとしていたりキノコを愛でたりしていたが、
以下略 AAS



9: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:36:32.55 ID:xMQ2bOga0
同じ場所で過ごすと言っても、基本的に彼女たちはあまり言葉を交わさない。
同じ机の下に居ながら、違うものを見て、違うことを考えて、違うことをやっている。
そんな不思議な関係が、彼女達「アンダーザデスク」であった。

そんなこんなで、少し時間が経った頃。
以下略 AAS



10: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:39:16.68 ID:xMQ2bOga0
「あんまり大人数になっちゃうと、まゆさんも疲れちゃうかもしれないから……
そんなに豪勢にしないで……でも、明るく。
紗枝さんとか、小梅ちゃんとか……その辺に声をかけて、みたりする予定……だ。
あ、勿論……先約があったらそっちを優先してほしい、かな」

以下略 AAS



11: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:48:03.52 ID:xMQ2bOga0
入るなりプロデューサーは肩に提げていた鞄をデスクの上に置いて、
中の書類物を引き出しや机上ラックへと収納し整理整頓を終わらせる。
一通り終えたあと腰を落ち着けると、アイドル達へ向き直った。

「あっ……!プロデューサーさん」
以下略 AAS



12: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:54:51.61 ID:xMQ2bOga0
「ええ、そんな……プロデューサーさん無しだと……もりくぼの責任も重大……」

早くもプレッシャーで胃を痛めそうになる森久保。
勿論、今まで一人一人の誕生日を大切にしてきたプロデューサーのことである。
努力に努力を重ねた末のどうしようもない結末であり、
以下略 AAS



13: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:07:42.95 ID:xMQ2bOga0
事務所から、数十分といったところか。
夜の都会の街並みを抜け、少し田舎然とした場所で車は停止した。

「よし、着いたぞ」

以下略 AAS



14: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:16:54.87 ID:xMQ2bOga0
星々の灯り以外に頼るものなどない暗夜、
二人は足元に意識を集中させ、苔むした階段を一段一段と丁寧に登っていく。
石段を登りきると、今度は舗装されていない真っ黒な坂を上っていく。
その中途で土に濡れた三毛猫が忙しそうに通り過ぎて行き、虫は静かに合唱していた。

以下略 AAS



15: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:23:14.75 ID:xMQ2bOga0
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16: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:33:13.57 ID:xMQ2bOga0
「……月が綺麗ですね、プロデューサーさん」

「…………ああ、そうだな」

小さな世界から、大きな月を見上げた。
以下略 AAS



17: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:37:51.80 ID:xMQ2bOga0
多幸感で胸がつっかえそうになる中、まゆは深い息と共にその言葉を吐き出した。

「奏さんが言ってました。アイドルとプロデューサーは、まるで月と太陽のようだ、って。
太陽が居てくれるからこそ、月は輝ける。アイドルもそうだと。
明るい光で照らしてくれたから、私達は真っ暗闇から輝きを放つことが出来たんだって」
以下略 AAS



18: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 01:42:48.90 ID:xMQ2bOga0
「…………これが、俺からお前への誕生日プレゼントだ。
今この場所で、開けてみてくれないか」

そう言って、プロデューサーはまゆに包装された箱を手渡した。

以下略 AAS



19: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 02:01:58.38 ID:xMQ2bOga0
……赤い月光だけが視界を覆う中、暫し舞台は静寂に包まれていた。
とてもとても長い沈黙に思えたが、
実際のところあれから数分程度だったのだが。

「……プロデューサー、さん。手を……出してくれませんか?」
以下略 AAS



20: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 02:14:08.60 ID:xMQ2bOga0
嬉し涙を浮かべながらも、余裕そうな表情でまゆはプロデューサーを見つめて言う。

「まゆは『いつでも』準備できてますって、言ってましたよね?
あれは冗談なんかじゃないですから。まゆはいつだって本気です。
だから……貴方へと贈るエンゲージリングだって、持ち歩いてて当然ですから♪」
以下略 AAS



21: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 02:33:58.44 ID:xMQ2bOga0
婚約指輪(エンゲージリング)。一般的には、男性が愛の告白をするために女性に贈るもの、とされている。
でも、女性が男性へ贈ってはいけないという決まりなどない。
事実、両思いのカップルがお互いに指輪を渡すことだって普通にあるのだ。

それは、一つの約束。今はまだすぐには結婚できないけれど、きっといつか2つめを渡す日が来るから。
以下略 AAS



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