ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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1:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:22:56.43 ID:cO+HlQy0o

※多少のキャラ崩れ、独自設定等あります。


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2:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:23:26.17 ID:cO+HlQy0o

 目が覚めると、見覚えのない天井が広がっていました。ええ、もう、まったく見覚えがありません。どうにも安っぽい白色は、自宅のものとは違います。
 間違えて誰かの寝床にでも入ったのかと女子寮に泊まっていれば思えますが、ボクは昨夜、確かに自宅で寝た記憶があるので、その線は考えにくいでしょう。
 なら──どういうことでしょう。
 冷静に、落ち着いて思考しましょう。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:23:57.04 ID:cO+HlQy0o

 努めて冷静に状況を把握することにしようと思います。
 一度冷静さを見失ったからこそ、冷静になることを努めないといけません。

 ボクが朝、目を覚ますと、美穂さんが隣で眠っていた。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:24:24.33 ID:cO+HlQy0o

「あっれー!? ボクってこんなに髪の毛長かったですか!?」

「え、幸子ちゃん、もうずっと長く伸ばしてるよね?」

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:24:53.92 ID:cO+HlQy0o


    +01


以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:25:23.07 ID:cO+HlQy0o

 とりあえず、状況の把握ができてきたことだけは救いでしょうか。一人暮らしでなかったことがありがたい──いや、そもそもボクは一人暮らしなんてしないでしょうし、まさか未来の自分が実家を出るなんて思ってもいませんでしたが。
 両親を置いて家を出るなんて、少なくとも今の、十四歳のボクにはまったくもって考えられない発想です。

 ボクは、大学一年生だそうです。進学をきっかけに家を出ることにしたようですが……正直なところ、このあたりの気持ち、内情については探り得ないので今のところは、進学をきっかけに家を出たという事実だけをフィーチャーします。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:25:50.69 ID:cO+HlQy0o

 朝食を作るのはいつも美穂さんの役割のようです。朝食というか、全般的に食事の用意は美穂さんがしているのでしょう。エプロン姿の似合いようから察するに、ボクがキッチンに立つことはないだろうというあくまで予想ですが。
 一人暮らしもせずにいきなり美穂さんとの同居生活のようですし、美穂さんのエプロン姿は女神のごとしであるのでさもありなんというところなのでしょうけど、それでいいんですか未来のボク。

 用意された朝食はタコさんウインナーとオムレツ、一枚のトーストです。オムレツには愛らしいくまがトマトケチャップで描かれている。食べちゃうのが少しもったいないくらいです。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:26:46.14 ID:cO+HlQy0o


    +02


以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:27:20.85 ID:cO+HlQy0o


    +03


以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:27:48.38 ID:cO+HlQy0o

「こんなところで会うなんて偶然だね、と言いたいところだが、場所が場所だからね、それも必然か」

「(面倒くさい言い回しはあまり変わっていないようで安心しました)」

以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:28:26.34 ID:cO+HlQy0o


 飛鳥さんと出会った場所から歩いて数分もしないところにオシャレなカフェがありました。静かだけどなんとなくかわいらしい雰囲気のお店です。こういうところを穴場というのかもしれません。
 ウッドテーブルの隅にそっと置かれた木造の小さな黒猫を見て、思わず指でツンと触ってみます。ボクほどではないですが、なかなかカワイイ子ですね。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:28:57.64 ID:cO+HlQy0o
 五年──たったの五年で、人は変わってしまうものなんでしょうか。ボクも、飛鳥さんも。或いは他の誰だって。……いや、きっと変わるものなんでしょうね。人間も、関係性も、何もかも。
 色々な経験をして、変わる。
 ……そういう意味で言えば、ボクは今まさにとんでもない経験をしているので考え方に何かしらの大きな変化でも起きてもおかしくありませんが、まあ、それは元の時代に戻って、五年経過して、そのとき初めて実感するとしましょう。

「──さて、幸子。美穂さんとはうまくやってるかな?」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:29:41.22 ID:cO+HlQy0o

「……なるほど、どうやらあのときの話はなまじ、嘘でもなかったようだ」

 勝手に納得をしてうなずく飛鳥さん。こうして意味ありげに振る舞うのは、なんとなく飛鳥さんらしいです。
 とは言え勝手に納得をされてもボクとしては何が何だかとなるわけでして、出来ればきちんと説明をしてほしい。あのときの話とは、一体何なのか。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:30:08.16 ID:cO+HlQy0o


    +04


以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:30:43.19 ID:cO+HlQy0o

 さて、飛鳥さんが物知り顔をしていた事情はわかりました。とは言え、それはまだ、飛鳥さんが何故かこの状況を知っている、ということに対する回答でしかなく、なぜこのような状況になっているのかまでの回答ではありません。

「では飛鳥さん、なぜボクはこの五年後に来たのでしょうか?」

以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:31:15.32 ID:cO+HlQy0o

 やれやれ、まったく勘の良い人です。
 とは言え、肝心の部分を知らなかったのだとしても、ボクにとって大事な情報であることは間違いなかったです。
 もしかしたらこのままずっと、元の時代には戻れないのでは、という心配がなくなったことは、この未来で生活を送っていくにおいて、ひとつの懸念点がなくなったということですから。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:31:42.14 ID:cO+HlQy0o

 大したことではない質問だ──個人の結論として、大人になったということだろうと結論付けてはみたものの、やはり本人に聞いておきたかったのだ。
 ボクだって、この時代ではワタシになっているらしい。その心境を推し量ることができるかもしれないと思ったから。
 五年後の『輿水幸子』は、どんなつもりで“ボク”から“ワタシ”となったのか。
 ──或いは、どんなつもりで美穂さんにだけ“ボク”であろうと、そんな気持ちになったのかを、知りたくて。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:32:31.76 ID:cO+HlQy0o

「思春期特有のなんでも最後は思い通りに行くと信じている万能感、みたいなものさ。或いは、周りが何を言おうとも自分は自分であるという確固とした強い想いかな」

「思春期特有の万能感ですか。なるほど、そうですねぇ。確かにボクのカワイさが世界一であるということはある種の万能感とも言えるかもしれませんが、それと似たようなものですかね」

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:33:12.45 ID:cO+HlQy0o
 とは言っても、五年前の飛鳥さんとボクとでは全然違うと思うんですが、そこは思い出補正というものでしょうね。五年経って飛鳥さんも、痛い奴もいいけどカワイイのも良いとなったのでしょう。
 なんて、それは冗談ですが。
 別に、ボクだって誰にだって物怖じをせずにいるわけではありません。信頼している仲間だから──なんて、そんなことを本人に言うつもりはないですが。

 飛鳥さんは少しミルクを入れすぎて白さが強いコーヒーを飲んでから、再び口を開いて喋り始めた。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:33:42.38 ID:cO+HlQy0o


    -01


以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage]
2017/12/31(日) 20:34:14.28 ID:cO+HlQy0o



 半年以上を過ごしてもまだ隣に寝ていることに大して新鮮な反応をしてしまうのは、けっしてワタシがヘタレているというわけではなくて、美穂さんのような天上人かと疑うほどに可愛らしい人が隣で寝ていると誰だってそうなります。
 というのはまあ、半分冗談として、実際には驚いた理由は別にあります。
以下略 AAS



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