1:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:01:41.88 ID:es/Qb5Nf0
前作 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531061598/
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:03:02.20 ID:es/Qb5Nf0
 竜司「よぉ……屋根ゴミ!」 
  
 屋根裏「どうした?竜司?」 
  
 竜司「お前、進路どうする?」 
3:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:04:16.42 ID:es/Qb5Nf0
 ■杏 
  
 娘が寝ている。 
 お気に入りのアニメを撮り貯めしていたのを解説してもらいながら一緒に見ていた。 
 悪役の女幹部が好き、という点は母親譲りだ。 
4:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:05:17.77 ID:es/Qb5Nf0
 玄関の音がした。 
 「ただいまー」 
 杏の声がした。俺は迎えに行った。 
  
 「おかえり」 
5:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:05:53.63 ID:es/Qb5Nf0
 最も正規の手段ではできることが限られているので、今回みたいなグレーなことで対応するしかない。 
  
 「ふぅ…」 
 「どうした?お疲れ?」 
 「ううん、ちょっと申し訳ないなぁと思って」 
6:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:08:41.35 ID:es/Qb5Nf0
 「え?子供ができたのか?」 
 「うん。心当たりはあるでしょ」 
 「まあな」 
  
 散々やった。やりまくった。 
7:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:09:13.59 ID:es/Qb5Nf0
 「そうなんだ…」 
  
 大丈夫、俺も最初はそうだったから 
  
 「ねぇ……他の奥さんの子供って、何人いる?」 
8:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:09:47.85 ID:es/Qb5Nf0
 ■真 
 真が警視庁に入って数年。キャリアを積んで順当に出世している。 
 「やっぱり警察は出世が早いな」 
 スマホに連絡が来る。 
 すると真の名前が映る。 
9:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:10:39.39 ID:es/Qb5Nf0
 「おかえり」 
 「ただいま」 
  
 「今日、行って来たんだろ?」 
 「うん、この子の定期検診」 
10:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:11:50.88 ID:es/Qb5Nf0
 俺は素早く晩酌を用意した。こんなことテキパキとやるなんて、主夫の鏡だ。 
 「あの子は?」 
 「寝てる」 
 ベビーベットに寝てるまだ1歳の幼子。 
 俺と真の子供。男の子だ。 
11:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:12:20.44 ID:es/Qb5Nf0
 「……そんなことは……」 
 「警察として容認できないよ…」 
 真は苦渋の表情を浮かべる。 
 「真…世の中には残念ながら正義だけを貫いても人はついて来ない」 
 「だから俺は悪と呼ばれる手段を使う。手段が悪でも結果が善なら問題ない」 
12:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:13:16.09 ID:es/Qb5Nf0
 「俺も頑張るよ」 
  
 「ふーん…」 
  
 「親バカだもんね、あなた」 
13:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:13:48.84 ID:es/Qb5Nf0
 ■双葉 
  
 双葉は大人になった。 
 母親になり、落ち着きと礼節を身に付け、徐々に成長している。という感じだ。 
 持ち前の美貌も、杏や春からファッションを教えて。貰い人一倍良くなった。 
14:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:14:36.94 ID:es/Qb5Nf0
 「双葉さん、お疲れ様」 
 「お疲れ様―」 
 双葉はとある認知科学研究所に勤める。スタッフとのやりとりも慣れたようだ。引きこもりだった双葉には考えられないコミュ力だ。 
 問題があるとすれば、ワーカーホリック気味。母親から引き継いだ研究やっぱり完成させたいし、二度と悪用されたくない。と言っていた。 
 「でも、娘達に悪い」そうとも言った。 
15:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:15:12.00 ID:es/Qb5Nf0
 双葉はあまり自信が無い。「胸も無いし、チビだし、ガリガリでガキみたいだ。女としての魅力は無いと思う」と俺に言った。 
 「そんな私じゃあいつを釣り合わない」と愚痴をこぼした。なんてこと考えたことも一度や二度や無いことも知っていた。 
 「だから、お前の女関係は不問にしてやる。もう、あいつを共有できるだけ、ましってことだから…」 
 「さて、もうひと頑張り」 
 双葉は残業に取り掛かるのであった。 
16:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:16:00.39 ID:es/Qb5Nf0
 「できた…。まだ、不完全だけど成功に近い」 
  
 「流石だな…」 
  
 「たまたまだよ」 
17:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:16:53.20 ID:es/Qb5Nf0
 「凄い、嬉しい」 
  
 「…」 
  
 「不安だ…」 
18:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:18:03.41 ID:es/Qb5Nf0
 ■春 
  
 都心のビル群__。 
 既に帰宅ラッシュが終わったこの街で残っているのはワーカーホリックぐらい。 
 「春といい、双葉といいもっと体を大切にして欲しいもんだ」 
19:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:19:00.33 ID:es/Qb5Nf0
 「何……急に会いたくなって」 
 「……」 
 「あの子は?」 
 「もう寝かしたよ。早寝、早起き、聞き分けの良い子だ」 
 俺達の子はもう幼稚園に通っている。 
20:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:21:12.69 ID:es/Qb5Nf0
 「双葉からのネタだ。おそらく時間の問題」 
 「でも、この金を政府にやるのは惜しい」 
 「だから全部奪う」 
 「え?」 
 少し早いクリスマスプレゼントに貰ってやる。 
21:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:27:46.28 ID:es/Qb5Nf0
 ■一子 
 「……はぁ……」 
 俺はテレビを消す。 
 「酒は子供に悪い」 
 「……分かってるわよ」 
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