過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
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942:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:32:58.25 ID:DuwF8WnAO
 二人でトイレに引き籠もって十分ほど過ぎただろうか。
未だに状況は何も進展していない。

純「なんかお腹痛くなってきた……」

以下略



943:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:33:25.87 ID:DuwF8WnAO
 一人取り残された文恵はハンバーガーを食べ終え、携帯電話で通話していた。

文恵「出会い頭に水かけられたよ。正直殺してやろうかと思った」

 空いた片手で器用に紙ナプキンを折っている。
以下略



944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:34:11.75 ID:DuwF8WnAO
 文恵は鶴を翳して汚い天井を仰ぎ、目を細めた。
背もたれに身を任せるその姿には微塵の覇気も感じられない。

文恵「うん。そっちもはやく身体治してね。待ては出来るけど餌を見過ごすほどお利口さんには躾られてないんだから」

以下略



945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:34:37.34 ID:DuwF8WnAO
 見据えた天井の先に思い描くのは先日見えた澪の姿。
 正しく、強く在ろうとした末に残った力への飢え、勝利への渇きを宿した貪欲なる瞳が文恵の脳裏を過ぎる。

文恵「……絶対、殺してやる」

以下略



946:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:35:05.35 ID:DuwF8WnAO
梓「あの……」

 背後から肩を叩かれて文恵は我に返った。
物思いに更けて本来の自分を出してしまいそうになった事に対して心の中で悪態をつく。

以下略



947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:37:44.01 ID:DuwF8WnAO
梓「じゃあ私達これから用事あるんで……。お先に失礼します!」

 若干顔を引きつらせ、梓は文恵から逃げるように駆けていった。

純「ちょっ!? 待ってよー!」
以下略



948:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:38:25.35 ID:DuwF8WnAO
 梓は息を切らしながら夜の街を駆けた。
心臓が破れるまで、全てを風に変えて、まるで自分がメロスにでもなったかのように。

梓「……つか……れた」

以下略



949:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:38:56.16 ID:DuwF8WnAO
梓「……何でバテてるの?」

 自分と純では身体能力という点では天と地の差がある。ある筈だった。
闘気という概念を理解している者とそうでない者とではそうなる事は必然だ。

以下略



950:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:39:28.82 ID:DuwF8WnAO
純「あ……」

 考え込む梓を見てようやく純も気付いたようだ。
目に見える異常な身体能力の向上。梓の完全な闘気の発現が近付いている事に。

以下略



951:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[saga]
2011/04/10(日) 01:39:57.96 ID:DuwF8WnAO
純「…………」

 逆に純は呆れたような笑みを浮かべて溜め息を吐いた。
 文恵を見た瞬間血がたぎるような高揚感を味わえたかと思えば、その文恵の態度に気味悪さを感じて恐怖を味わった。
 そして今、蟻のように矮小な力しか持たなかった友が自分と同じ場所に立とうとしている事に小さな喜びを感じている。
以下略



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