459:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:48:40.33 ID:ofO3IuS6o
確かにアイテムに連絡するだけ、といった人材派遣の男の言葉はちょっと考えてみれば、危険な物だと判断出来るのだが、佐天はそれが出来なかった。
仮にアイテムの撲滅を願う組織が存在して、能力者であるアイテムを狙うよりもそのアイテムに指示を出している大本を絶ってしまえば…。
そう考える敵もいないとも言い切れない。
460:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:49:59.87 ID:ofO3IuS6o
レジの会計を終えて、佐天とアイテムは解散する事になった。
いや、もはや佐天を含めてのアイテムと言ってもいいかもしれない。
佐天とアイテムの間に友情関係と言ったものは構築されていないが、彼女たちは赤の他人ではなくなったのだ。
461:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:50:36.67 ID:ofO3IuS6o
――第七学区、立川駅前の再開発地区
佐天は日が傾き初めた時分にファミレスを出ると一人で学生寮に向かって歩いていた。
462:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:51:19.66 ID:ofO3IuS6o
柵川中学校の制服のスカートのポケットから鍵を取り出すとカチャリと鍵穴に鍵を差し込む。
そこから勢いよく鍵を回すとおもむろにドアが開いた。
学生寮の通路の真っ赤な夕日とは対照的に部屋の中は案外に暗く、佐天は電気のスイッチに手をかけた。
463:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:52:59.16 ID:ofO3IuS6o
「ごめん、実際に連絡係が狙われたことなんてないの」
「えぇ?そうなんですか?良かった」
464:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:53:52.41 ID:ofO3IuS6o
元々、フレンダは自分より年上の女性を想像していた。
任務を伝達する時も結構たタメ口だったし、能天気な感じがしたから。
しかし、今日偶然会ってみれば自分よりもいくつか年下のまだ中学生になって間もないあどけない少女だった。
465:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:54:42.54 ID:ofO3IuS6o
「やけにて慣れてるじゃない」
「最近覚えたの。かなり便利なのよね、コレ」
466:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:55:54.70 ID:ofO3IuS6o
「えーっとねぇ…ステファニーっていう人なんだけど…」
「ちょっと待ってね」
467:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:58:53.97 ID:ofO3IuS6o
フレンダの期待とは裏腹に佐天が提示した情報はフレンダも把握している情報だった。
そしてそれは噂と事実が入り混じった情報が本物の信頼できる情報になった瞬間でもあった。
姉が傭兵職についているなんて話、あくまで眉唾もののうわさと断じていた。
468:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 04:00:16.23 ID:ofO3IuS6o
知り合ったばかりの佐天には本当の内容は言わない。
適当に恩師と言っておくが、フレンダの胸中はザザと焦りという波がうねり始めていた。
結局、姉がここを出てから数年たっていた。
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