524:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:39:01.06 ID:J4PEtpCFo
壁にかかっている彼女の一家と思しき人々のポートレイトの人物達とはあからさまに人種、肌の色が違う。
しかし、そんなあずかり知らぬ事に思索を回す事はなく、佐天は大きな回転座イスに座っているテレスティーナにしゃべりかける。
「そちらは覚えていないかもしれませんが…以前多摩センターのホールでお話をお伺いしました…」
525:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:40:01.64 ID:J4PEtpCFo
「黄色かな?」とテレスティーナが何かを考えるようにして一粒チョコレートをケースから取り出す。
するとお見事。黄色のマーブルチョコレートが彼女の手の平に転がり落ちてきた。
それをぱくりと口にし、カリカリと噛み砕いていく。
526:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:40:54.78 ID:J4PEtpCFo
「今どこにいるのかはわからないけど、当時の連絡先ならわかるわよ?」
「本当ですか?」
527:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:41:51.92 ID:J4PEtpCFo
ステファニーは学園都市から出ていった身。
それを学園都市の警備員のテレスティーナが快く思っていないのではないか?と仮定したからだ。
フレンダがテレスティーナの質問に窮していると彼女はそんなフレンダにいいわよ、と優しさをみせる事等はしなかった。
528:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:42:30.91 ID:J4PEtpCFo
「実際に学園都市の統括理事会に気に入られようとして躍起になっている組織もあるって話もあるわ」
「そういう身内の恥をさらすようで恥ずかしんだけど」とテレスティーナは苦笑しつつそのファイルを取り出して佐天に手渡そうとする。
数歩歩いてテレスティーナからその通達が記されている紙を受け取って、佐天はその資料に目をやる。
529:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:44:18.94 ID:J4PEtpCFo
「は?」
テレスティーナの驚くべき提案に佐天は驚きを隠せないと言った表情だった。
仮に砂皿緻密が佐天の護衛に就くことになるなら、フレンダに取って話しが有利に展開する可能性が大だ。
530:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:45:03.51 ID:J4PEtpCFo
「あ、じゃ、私たちも出ますね」と佐天が言い、テレスティーナのオフィスを後にした。
部屋にひとりぽつんと椅子に座っている彼女はキーボードをカタカタと叩き、メールを作成していく。
宛名は砂皿緻密。
531:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:45:35.49 ID:J4PEtpCFo
バーバリーの特注のグレーのストライプスーツのポケットから携帯電話を取り出すとどこかに電話をしている。
発信ボタンを押すと相手は即座に受話器を取ったようだった。
『なんだ、お前か、仕事かと思ったぞ』
532:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:46:02.71 ID:J4PEtpCFo
すぐ殺すことばっか、と言いたい衝動にかられたが、兄の機嫌を損ねない程度にやんわりと否定しておく。
そして兄が返事をよこすのを待った。
『ったく仕方ねぇ。そいつらはいまん所、何も問題起こしてないんだろ?最低限の人員を派遣すっから、で、お前に連絡が行くようにさせるわ』
533:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:46:52.35 ID:J4PEtpCFo
――横田基地
旧日本陸軍の横田基地を拡大整備したこの基地は学園都市内にありながら唯一、米国扱いされている土地だった。
そんな基地内のハンガーに止まっている車はトヨタのランドクルーザー。
砂皿がレクサスの他に所有している車の内の一つだった。
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