51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/03(木) 01:16:53.76 ID:ApuBWSEk0
「いや、その」
「先輩方は何も心配しなくてもいいですよ。飽くまで、言うのは私なんですから。先輩には唯先輩が泣いた後、慰めつつ反省させるという役割をお願いします」
「それだと、本当に梓が嫌な役になっちゃうな」
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2011/02/03(木) 01:47:31.72 ID:+Utk0HYco
なんかもう全体的に性格悪いな、この軽音部員たちは
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2011/02/03(木) 02:02:21.88 ID:ApuBWSEk0
「決めるべき事はざっとこんなもんでしょうか。あとは機を見て、決行、ですね」
「そうだな」
「なんだか今からもうドキドキしてきたわ」
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2011/02/03(木) 02:02:53.01 ID:ApuBWSEk0
『もしもし』
「あ、憂? 今、時間大丈夫?」
家に帰るや否や、私はアドレス帳のア行を辿り、憂に電話をかけた。
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/03(木) 02:14:08.28 ID:ApuBWSEk0
『私、気付いてたんだ。多分、梓ちゃんは知ってるんじゃないかなって。お姉ちゃんが、虫のお墓を立てて遊んでること』
「あ、あはは……ばれてたか」
『うん。純ちゃんがあの悪戯の噂をしてる時、梓ちゃん、いつも心配そうな顔で私のこと見てたでしょ? それで、なんとなくわかっちゃったんだ』
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2011/02/03(木) 04:03:57.82 ID:ApuBWSEk0
憂に全てを話した翌日。
自己嫌悪に朝から死にたいような気持ちを背負って学校へ行った。
「おはよう」
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2011/02/03(木) 04:04:59.16 ID:ApuBWSEk0
爪先を浮かせるようにして、私はそのまま個室へと連れられた。目の前の扉が閉まり、入れ替わるようにして誰かが入ってきた。
「ありゃ? ここじゃなかったか」
憂の言うとおり、純の声だった。
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/03(木) 04:06:03.95 ID:ApuBWSEk0
「お待たせ」
程なくして、お茶とお菓子を携えた憂がやってきた。
あの話さえなければ、本当に楽しい一時なのにと思う。はあ……なんでこんなことになってるんだろう。
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2011/02/03(木) 04:08:27.50 ID:ApuBWSEk0
「一番最初はね、お姉ちゃんが幼稚園の頃。いつ、誰が教えたのかわからないんだけど、ある日、お姉ちゃんがお墓遊びしよう、って誘ってきたの。
まだ小さい頃だったから、私もよくわからずにお姉ちゃんと一緒にこれで……アイスの棒で死んだ虫のお墓作ってたんだ。
毎日毎日、公園や川の近く、側溝周辺の小さな草むら、とにかく虫の死骸を探して見つけては、洗って保管しておいたアイスの棒を地面に立てたよ。
でも、何だか次第に気味が悪くなって、私はお姉ちゃんよりも一足先にお墓遊びを卒業したの。そしたら……」
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2011/02/03(木) 04:10:23.49 ID:ApuBWSEk0
いつの間にか、憂の顔色がさっきよりも白くなっていた。体も小刻みに震え、いつ泣き出してもおかしくない雰囲気だ。
それにしても……知らなかったな。
和先輩の美談はいつもどこかズレているとは思っていたけど、裏にそんな凄惨な結末がある話を学園祭前に話すとか……やっぱりあの人も変わり者なんだ。
「まさか、殺した全部のザリガニのお墓作ったの?」
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