過去ログ - 紬「アイスの棒で?」
1- 20
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:03:08.92 ID:NOUrG0Tf0
 律先輩の震える手の平に、アイスの棒がのっていた。
 嗚咽がぴたりと止んだ。
 
「な、なにかの冗談かと思ったんだぜ。さ、さすがに唯もこんなこと……こんな酷いことしないよなってさ」

以下略



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:04:53.96 ID:NOUrG0Tf0
 いっそ先生方にお願いした方が……と、馬鹿げた考えが浮かぶ。
 私も律先輩も無言。
 窓の外から、運動部の朝練の声が聞こえている。もうすぐHRが始まるというのに、熱心なことだ。

「……また墓の発見者が出るんでしょうか」
以下略



76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:12:12.96 ID:NOUrG0Tf0

 その日、私は早退した。
 こみ上げる嘔吐感も、目から零れ落ちる涙も、全てどうでもいい。世界が灰色に見えるって感覚、本当にあったんだ。
 お客さん、つきましたよ。
 タクシーの運転手に何枚かのお札を投げつけ、そのまま外へ這い出る。瞬間、地面に吐いた。
以下略



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:14:25.71 ID:jfYzoxEgo
どうなるか…


78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:17:36.30 ID:NOUrG0Tf0
「もしもし」

『……梓ちゃん、大丈夫?』

「ムギ先輩。何かご用ですか?」
以下略



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:26:06.07 ID:NOUrG0Tf0
「唯先輩は?」

『へっ?』

「唯先輩はどうしてるんですか?」
以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:30:06.54 ID:NOUrG0Tf0
 あんなにきちんと作戦を立てたのに。
 それを狂人唯先輩に? もう何をしでかすかわからないというのに、よりにもよって、私抜きで。

『唯ちゃん何も知らない感じで部活に来て……それで、トンちゃんはどうしたの?、ってりっちゃんに尋ねたの』

以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:40:31.58 ID:NOUrG0Tf0
 間違った事、か。
 そもそもにして、最初から何もかもが間違いだったと言えなくもない。
 ムギ先輩が冷蔵庫を部室に持ち込んだことも、唯先輩がガリガリ君の話をしたことも、そしてそれにムギ先輩が興味を持ったことも。
 アイスの棒。あれさえなければ、こんなことにはならなかったんじゃないの? また皆でダラダラしたHTTを過ごせたんじゃないの?
 ああ、本当に、何もかもが間違いなんだ。
以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:45:13.71 ID:NOUrG0Tf0
 何日かが経った。
 相変わらず夏の日差しは容赦なく降り注ぎ、女子高生の勉学に勤しむ僅かなやる気すらをも奪っていく。
 天を仰げばどこまでも青い空と、綿菓子のような入道雲がゆったりと流れ、ひりつく肌とは対照的にどこかのんびりしていた。

「唯先輩、今日、一緒に帰りましょ!」
以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:04:25.75 ID:NOUrG0Tf0
「りっちゃん達も行く?」

「いや、私達は遠慮しておくよ。ほら……邪魔しちゃ悪いだろ」

「も、もう律先輩ってば……恥ずかしいです。別にそんな気を遣ってもわらなくても」
以下略



104Res/99.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice